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ふうかの“おひっこし”
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「ふうか、あなた隣の部屋に住みなさい。」
初めての“おしごと”を体験してから、1週間ほどが経過する頃。
わたしが、“いつものように”足を舐めていると、お嬢様が笑顔でそういった。
「ごくんっ。……で、でもお金が…。」
「それなら大丈夫よ。ここはわたしの両親が所有しているものだから。
…それに、家賃も、あなたが住んでいるアパートより安くしてあげるから、安心して。」
「…でも、なんで?」
「最近は、日が沈むのも早いし、女の子1人で夜道を帰らせるのは、心配だったの。」
まさか、わたしの心配をしてくれているとは思わず、“嬉しさ”がこみ上げてきた。
聞けば、わたしの母にもすでに話を通し、了解も得ているらしい。
「引っ越しの作業は、明後日よ。
業者も手配済みだから、あなたは身の回りのものを整理しておいて。」
「…あ、ありがとうございます。」
「いいのよ。…じゃあ今日も念入りに舐めてね。」
“ここに住める”という事実が、わたしの心を昂らせる。
少しでも感謝を伝えようと、かなり“念入りに”足を舐めた。
・
そして、数日が過ぎ、“引っ越しの日”当日となる。
すでに大きな荷物は業者の人に運んでもらっており、わたしは、午前中だけ“半休”をもらっている母と、細かいものや段ボール内の整理をしていた。
“ピンポーン”
家のチャイムが鳴り、まだ使い方がおぼつかないモニター画面を確認すると、“みさきちゃん”が笑顔で映っていた。
どこのボタンを押せば、こちらの声が届くかわからないため、大急ぎで玄関へと向かい、ドアを開ける。
“ガチャッ”
「おはようふうかっ!…それに、ふうかのお母さんもっ♫」
「おはよう“お”……、み、みさきちゃん。」
ここでいつも働かせてもらっているため、つい呼び方を間違えそうになる。
母は、わたしが働かせてもらっていることはもちろん知っているが、“呼び方”や“身の回りのお世話”のことは知らないため、少し気をつけなければならなかった。
「おはようみさきちゃん。…いつもふうかがお世話になっているだけでなく、今回の引っ越しの件まで、…本当にありがとうね。」
遅れて母が、みさきちゃんへと挨拶をする。
…その様子を見て、わたしは少し照れ臭くなってしまい、俯きながら黙っていた。
「いいんですよっ!私もふうかにはいつも“お世話”になっていますから。」
天真爛漫な笑顔が母に向けられる。
…でも、わたしが働かせてもらったのは、まだ数日間だけなのに。……きっと、社交辞令なのだろう。
「今日はお隣さんになることの挨拶と、お手伝いに来たんですっ♫」
「そんな、挨拶だなんて、こっちから行ったのに…。……それに、ここまでお世話になってて、これ以上甘えるのは悪いわ。」
「気にしないでくださいっ!私が好きですることなので♫」
みさきちゃんは軽く母を説得すると、“チラッと”わたしの方を向いて、何やら“もじもじ”としていた。
「そう…。なら、お言葉に甘えさせていただこうかしら。」
「み、みさきちゃん。わたしの部屋の荷物整理を一緒にして欲しいんだけど。……いい?」
「もちろんいいわよっ♫」
わたしの言葉を受けて、みさきちゃんの表情が“パァッと”明るくなった。
『たぶん、“これ”が言いたかったんだろうなぁ…。』
と、ここ数日一緒にいて、みさきちゃんのことが少しわかった予感がしていた。
・
「じゃあ、ママはこの後仕事があるから、ふうか、後のことはよろしくね。」
「うん。わかった。…お仕事頑張ってね。」
みさきちゃんがお手伝いをしてくれたおかげで、わたしの荷物整理はすぐに終わった。
その後、家族で使う荷物の整理をし、8割ほど終わったところで、母が仕事へ行く時間となってしまった。
「みさきちゃん。今日は本当にありがとうね。……よければ、これからも“ふうか”のことをよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします♫」
母は珍しく“真剣な表情”で、みさきちゃんへとお願いをする。
そのお願いに、みさきちゃんは、また明るく微笑み、返事をしてくれた。
・
“ガチャンッ”
母がドアを閉めると、部屋にはわたしとみさきちゃんが残される。
わたしは、整理を手伝ってもらって、疲れているであろう“みさきちゃん”のために、何か飲みものを用意しようと、キッチンへと向かった。
「…ふうか、よかったら、これからお仕事をしない?」
「えっ。……お仕事はしたいけど、まだ荷物の整理が残っているし、…今日はちょっと厳しいかも。」
いまだに残っている段ボールの山を見て、わたしは申し訳なく、顔を伏せてしまう。
「それなら大丈夫よ。“これ”をお仕事にすればいいのよっ。」
「……でも、さすがにこれは…。」
「ふうかは、私の身の回りの“掃除”をするのもお仕事でしょ?…なら、これもそこに入ると思うけど?」
「…うーん。」
結構無理やりな気がして、わたしは不安になってしまう。
「とりあえず、このスマホを使って聞いてみてくれる?」
みさきちゃんは、スカートのポケットからスマホを取り出し、わたしへと預けてくれる。
わたしは、不安が消えないままスマホを受け取り、“秘書さんの携帯番号”へ連絡をした。
・
…意外にも、秘書さんからの返事は、「OK」とのことだった。
そして、業務が終了したら、報告をするように言われ、わたしは連絡を終えた。
「ふうか。…どうだった?」
「うん。大丈夫だったよ。…終わったら報告が必要だから、また、スマホ借りていい?」
「もちろんいいわよっ!…じゃあ、さっそく始めましょうか♫」
そういうが早いか、“お嬢様”は、リビングにある荷物整理を始めた。
わたしは一度、一休みを進めるが、「あと少しだから。」と断られてしまう。
「それなら。」とわたしも整理を始め、2時間ほどで、大体の整理を終わすことができた。
・
「み…、お嬢様、手伝ってくれてありがとう。…はい、喉渇いたでしょ?」
「…ありがとう、ふうか♫」
「…っ!?……う、うん。」
わたしは、お水が入ったコップを渡しながら、お嬢様にお礼をいった。
その際、不意に向けられた笑顔に少し“ドキッ”としながら、顔を背けてしまう。
「……じゃ、じゃあ、整理も終わったし、秘書さんに連絡するねっ!」
この“気持ち”を振り払おうと、焦ってしまい、少し声が大きくなってしまった。
「……あの、ふうか…。ちょっとまって欲しいの。」
「…?……どうしたの?」
「えっと、…今日は荷物の整理で疲れちゃって…、その…、……足が。」
お嬢様は、何やら“もじもじ”しながら、俯いてしまう。
『…もしかして。』
お嬢様の言いたいことが大体わかり、わたしはお嬢様の元へ近づく。
そして、柔らかいほっぺたを両手で優しく挟み、そっと顔を上げさせた。
「ふ、ふうか…?」
「今日も“足舐め”…する?」
「…っ!?」
その瞬間、お嬢様の顔が赤く染まり、ほっぺたを挟む手に熱が伝わった。
「…お、お願いしても、いい?」
「いいよっ。…今日は特に、感謝を伝えたいし。」
「……ありがとう。」
「…それはこっちのセリフだよ。」
わたしがそういうと、お嬢様は、わたしのほっぺたにキスをして、辺りを見回した。
「じゃあ、この椅子を借りるわね。……今日は、ふうかに“靴下”を脱がせてほしいの。」
「…うん。いいよ。」
わたしの返事を聞き、お嬢様が椅子に座り、左足を向ける。
わたしは、その足を手に取ると、丁寧に靴下を脱がした。
『…あったかい。』
脱がしたての靴下は、“ホカホカ”と、わたしの手に熱を伝える。
そして、こもった汗の匂いが、わたしの鼻元へ漂ってくる。
『…やっぱり、今日は汗の匂いが強い。』
エアコンをかけていたとは言え、この荷物の山の整理は、中々暑く、わたしも汗をかいてしまっていた。
それでも、こんなに頑張ってくれたお嬢様へ“気持ち”を伝えるため、足裏に舌を近づけ、かかとから指のほうに向かって舌を滑らせた。
“ビクッ”
「んっ…。」
“くすぐったさ”からか、お嬢様の身体が反応した。
“ごくんっ”
同時に、わたしの舌に“こもった汗”の香りが広がり、むせそうになるが、なんとか飲み込むことができた。
「お嬢様、今日は“足の指の間”を念入りにしてもいい?」
「えっ…、い、いいわよ。」
「わかった。」
その返事を聞くが早いか、わたしは親指と人差し指を広げ、その間へ舌を通す。
“ビクンッ”
「…んっ!」
予想通り、反応が強く、“お嬢様が喜んでくれている”と思い、わたしも嬉しくなってしまう。
“チュッ”
「んんっ!」
同じ場所を、次は“吸う”ように舐めた。
より、反応が強くなったお嬢様は、自分のスカートを握る力が強くなる。
「……ふうかの、…いじわる。」
「ご、ごめんっ。嫌だった?……もうやめるね。」
「や、やめなくていいからっ!……も、もっとして。」
「…?……わかった。じゃあ続けるね。」
“チュウゥッ”
「あんっ!」
さらに強く吸い、お嬢様の身体に震えが走る。
…しばらく、これを続け、両方の足を舐め終わる頃には、20分ほどが経過していた。
・
「ふうか、その…。今日はありがとね。」
20分後、お嬢様はトイレを借りるいい、“10分”ほど、帰ってこなかった。
顔を“火照らせながら”戻ってきたお嬢様は、わたしに抱きつくと、お礼の言葉をかけてくれる。
「こちらこそ、今日は本当にありがとう。」
「…んっ!?」
わたしも、お嬢様を抱きしめ、耳元でお礼の言葉を伝えた。
「ごめんね。“いつものお願い”しちゃって、…もう電話する?」
「そのことなんだけど、お嬢様…。」
「ん?…なあに?」
「お、お尻ペンペンも、…しない?」
「えっ!?」
わたしの言葉にお嬢様は驚き、耳元で大きな声を上げる。
「いいけど、…“ふうかの方”からお願いしてくるとは思わなかったわ…。」
「これも、“いつもの”だと思うし、した方がいいかなって思って。」
自分でいった言葉の“恥ずかしさ”に、わたしはお嬢様を抱きしめる力を強めてしまう。
「…わかったわ。じゃあわたしの膝の上へ横になって?」
「…うん。」
お嬢様は、抱きしめていた腕をほどき、先程の椅子の上に“ちょこん”と座る。
その様子を見たわたしは、“自分から”スカートとパンツを脱ぎ、床に置いた。
そして、ふんわりとしたお膝の上に“ポスッ”と横になる。
「今日は、自分からお尻出すのね。」
「…っ。お嬢様、……恥ずかしいから言葉にしないで…。」
「……くすっ…わかったわ。かわいいふうかさんっ♫」
お嬢様はわたしのお尻を撫でながら、口に手を当てる。
だが、すでに“恥ずかしさのメーター”が振り切れているわたしは、そのことを気にする余裕はなかった。
「お、お嬢様。あ、あの…。」
「ん?……なあに?」
「き、今日は、“20回”のペンペンにしてほしいの…。」
お嬢様は驚いた表情で、口に手を当てる。
「…別にいいけど、…どうして?“ペンペン”辛くないの?」
「辛いけど…。…でも、少しでもお嬢様に感謝を伝えたいから…。」
「そんなの気にしなくていいのに…。」
「お願いっ。……お嬢様、お願いしますっ!」
躊躇っているお嬢様へ、わたしは必死に懇願する。
そのわたしの様子を見て、「わかったわ。」と、お嬢様はうなずいた。
“ペンペンッ”
「じゃあ、今日は“20回”のペンペンにするわ。」
「あ、ありがとうございます。」
自分で言い出したことなのに、いつもよりも“5回”多い数に、“ブルブル”と身体が震えてしまう。
その様子を見たお嬢様は、お尻を撫でると、“はぁーっ”と手に息を吹きかけた。
バヂンッ!
「い゛っ!」
「1つ。」
“相変わらず”の痛みが、わたしのお尻に広がる。
“じんじん”と、残る痛みだが、『今日は、お尻“ふりふり”しないっ!』と覚悟を決め、次の衝撃を待った。
パァンッ!バヂンッ!バヂンッ!
「んっ!ああっ!いだっ!」
「2つ。3つ。4つ。」
3回響き渡る音に、わたしの目からは、涙が溢れてきた。
何度も体験している痛みだが、涙がでないことはこれまで一度もなく、今日もその例外ではなかった。
「次は少し強く叩くわ。…ここに当てるから、我慢してね。」
「…はい。お願いじます。」
“ペンッペンッ”と、お尻の真ん中に手を当てられ、わたしのお尻に力が入る。
バッヂィィンッ!!
「あ゛あぁぁっ!!」
「5つ。」
…警告通りの強さに、わたしの身体が反り返る。
お尻には、お嬢様の“手形の形”をした痛みが“ズキズキ”と残り続け、床には、涙と汗の水たまりができ始めていた。
「…次は、さっきよりも弱くするわ。……でも、連打だからね。」
「あ゛いっ。……わかりました。」
バヂンッ!バヂンッ!バッヂィンッ!
・
その後も、“ペンペン”は続き、時々強めに叩かれたお尻は、いつもよりも、真っ赤に腫れているような予感がした。
「じゃあ、あと5回ね。…本気で叩くから、しっかり私のスカート握っててね。」
「あ゛いっ。……グスッ…。お願いじますっ!」
いつもなら、終わっている数なのに、更に続けられる“ペンペン”に、少しだけ、後悔する気持ちが押し寄せてくる。
バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!
「あ゛あんっ!いっだいっ!」
「16。17。」
予想外の“2つ”の衝撃に、わたしの手は、お尻を押さえかけてしまう。
なんとか、お嬢様のスカートを強く握り、耐えることができた。
バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!
「い゛いぃっ!ん゛んっ!!」
更に続く連打に、わたしのお尻が悲鳴を上げるように痛みを伝えてくる。
その瞬間、お嬢様はわたしのお尻を撫で、再度、手に“はぁーっ”と息を吹きかけていた。
「ふうか、あと1回だからね。」
「……グスッ。お願いじまずっ!」
バッヂィィィンッ!!!
「いっだぁぁぁいっ!!」
すでに限界を迎えていたお尻に、本気の一撃が与えられる。
その痛みは、わたしのお尻を包み、“ジクジク”とした感覚が残り続けた。
「いだいよぉ…。」
「ふうか、もう撫でていいわよ。」
「お嬢様ぁ…、お願い。」
わたしは、期待の眼差しで、お嬢様を見つめる。
「えー…、どうしましょう。」
「お嬢様っ。お願いしますっ。」
「……くすっ…冗談よっ♫今日も甘えん坊のふうかさんっ♫」
「…ううぅっ。…お嬢様のいじわるっ!」
わたしがほっぺを膨らまして、お嬢様を睨むと、その身体が抱き抱えられる。
「ほら、膨れないのっ♫……これがよかったんでしょ?」
「……うん。」
最近、すっかり癖になってしまったこの感覚に、“甘える感情”が溢れ出す。
いつもの優しい柔軟剤の香りは、顔をうずめたわたしを暖かく迎えてくれた。
「…お嬢様、ねむい…。」
“うとうと”と、わたしの意識が落ちていくのがわかる。
「あらあらっ♫きっと疲れたのよ。…そのまま寝ちゃいなさいっ♫」
「…うん。」
優しいお嬢様に頭を撫でられ、わたしは目を閉じる。
「…大好きよ。ふうか♫」
…意識が完全に落ちる前に、そんなお嬢様の声が聞こえた気がした。
・
その後、目を覚ましたわたしは、お嬢様のお膝から降り、電話を借りた。
その際、秘書さんから、給料の“後日振り込み”の説明をされて、連絡を終えた。
少し寂しそうな様子のお嬢様を見て、わたしは、“お嬢様の部屋の前”まで見送ることを明るく伝えた。
「…じゃあ、お嬢様、また明日ね。」
「…うん。…またね。」
「……わたしも大好きだよ、お嬢様。」
「…っ!?」
…その言葉を言い終わると同時に、わたしは頰を赤くしながら、お嬢様のぽっぺにキスをした。
その瞬間、お嬢様も頰を赤くし、その熱がわたしの唇に伝わる。
「……あ、ありがとうっ♫……大好き。」
「ん…。」
お嬢様から、お返しのキスをほっぺに貰い、笑顔が向けられる。
「…また、明日ね。」
「ふうかっ♫明日もよろしくねっ♫」
抱きしめられていた腕をほどき、お嬢様から笑顔を向けられる。
その様子に、わたしも安心しながらうなずくと、静かに玄関扉が閉じていった。
『早く、明日にならないかなっ。』
こんな暖かい時間が待ち遠しく、明日が楽しみになってしまう。
…きっと、こんな幸せな時間がずっと続くのだと思っていた。
……そう、“あの日”が来るまでは。
「完」
初めての“おしごと”を体験してから、1週間ほどが経過する頃。
わたしが、“いつものように”足を舐めていると、お嬢様が笑顔でそういった。
「ごくんっ。……で、でもお金が…。」
「それなら大丈夫よ。ここはわたしの両親が所有しているものだから。
…それに、家賃も、あなたが住んでいるアパートより安くしてあげるから、安心して。」
「…でも、なんで?」
「最近は、日が沈むのも早いし、女の子1人で夜道を帰らせるのは、心配だったの。」
まさか、わたしの心配をしてくれているとは思わず、“嬉しさ”がこみ上げてきた。
聞けば、わたしの母にもすでに話を通し、了解も得ているらしい。
「引っ越しの作業は、明後日よ。
業者も手配済みだから、あなたは身の回りのものを整理しておいて。」
「…あ、ありがとうございます。」
「いいのよ。…じゃあ今日も念入りに舐めてね。」
“ここに住める”という事実が、わたしの心を昂らせる。
少しでも感謝を伝えようと、かなり“念入りに”足を舐めた。
・
そして、数日が過ぎ、“引っ越しの日”当日となる。
すでに大きな荷物は業者の人に運んでもらっており、わたしは、午前中だけ“半休”をもらっている母と、細かいものや段ボール内の整理をしていた。
“ピンポーン”
家のチャイムが鳴り、まだ使い方がおぼつかないモニター画面を確認すると、“みさきちゃん”が笑顔で映っていた。
どこのボタンを押せば、こちらの声が届くかわからないため、大急ぎで玄関へと向かい、ドアを開ける。
“ガチャッ”
「おはようふうかっ!…それに、ふうかのお母さんもっ♫」
「おはよう“お”……、み、みさきちゃん。」
ここでいつも働かせてもらっているため、つい呼び方を間違えそうになる。
母は、わたしが働かせてもらっていることはもちろん知っているが、“呼び方”や“身の回りのお世話”のことは知らないため、少し気をつけなければならなかった。
「おはようみさきちゃん。…いつもふうかがお世話になっているだけでなく、今回の引っ越しの件まで、…本当にありがとうね。」
遅れて母が、みさきちゃんへと挨拶をする。
…その様子を見て、わたしは少し照れ臭くなってしまい、俯きながら黙っていた。
「いいんですよっ!私もふうかにはいつも“お世話”になっていますから。」
天真爛漫な笑顔が母に向けられる。
…でも、わたしが働かせてもらったのは、まだ数日間だけなのに。……きっと、社交辞令なのだろう。
「今日はお隣さんになることの挨拶と、お手伝いに来たんですっ♫」
「そんな、挨拶だなんて、こっちから行ったのに…。……それに、ここまでお世話になってて、これ以上甘えるのは悪いわ。」
「気にしないでくださいっ!私が好きですることなので♫」
みさきちゃんは軽く母を説得すると、“チラッと”わたしの方を向いて、何やら“もじもじ”としていた。
「そう…。なら、お言葉に甘えさせていただこうかしら。」
「み、みさきちゃん。わたしの部屋の荷物整理を一緒にして欲しいんだけど。……いい?」
「もちろんいいわよっ♫」
わたしの言葉を受けて、みさきちゃんの表情が“パァッと”明るくなった。
『たぶん、“これ”が言いたかったんだろうなぁ…。』
と、ここ数日一緒にいて、みさきちゃんのことが少しわかった予感がしていた。
・
「じゃあ、ママはこの後仕事があるから、ふうか、後のことはよろしくね。」
「うん。わかった。…お仕事頑張ってね。」
みさきちゃんがお手伝いをしてくれたおかげで、わたしの荷物整理はすぐに終わった。
その後、家族で使う荷物の整理をし、8割ほど終わったところで、母が仕事へ行く時間となってしまった。
「みさきちゃん。今日は本当にありがとうね。……よければ、これからも“ふうか”のことをよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします♫」
母は珍しく“真剣な表情”で、みさきちゃんへとお願いをする。
そのお願いに、みさきちゃんは、また明るく微笑み、返事をしてくれた。
・
“ガチャンッ”
母がドアを閉めると、部屋にはわたしとみさきちゃんが残される。
わたしは、整理を手伝ってもらって、疲れているであろう“みさきちゃん”のために、何か飲みものを用意しようと、キッチンへと向かった。
「…ふうか、よかったら、これからお仕事をしない?」
「えっ。……お仕事はしたいけど、まだ荷物の整理が残っているし、…今日はちょっと厳しいかも。」
いまだに残っている段ボールの山を見て、わたしは申し訳なく、顔を伏せてしまう。
「それなら大丈夫よ。“これ”をお仕事にすればいいのよっ。」
「……でも、さすがにこれは…。」
「ふうかは、私の身の回りの“掃除”をするのもお仕事でしょ?…なら、これもそこに入ると思うけど?」
「…うーん。」
結構無理やりな気がして、わたしは不安になってしまう。
「とりあえず、このスマホを使って聞いてみてくれる?」
みさきちゃんは、スカートのポケットからスマホを取り出し、わたしへと預けてくれる。
わたしは、不安が消えないままスマホを受け取り、“秘書さんの携帯番号”へ連絡をした。
・
…意外にも、秘書さんからの返事は、「OK」とのことだった。
そして、業務が終了したら、報告をするように言われ、わたしは連絡を終えた。
「ふうか。…どうだった?」
「うん。大丈夫だったよ。…終わったら報告が必要だから、また、スマホ借りていい?」
「もちろんいいわよっ!…じゃあ、さっそく始めましょうか♫」
そういうが早いか、“お嬢様”は、リビングにある荷物整理を始めた。
わたしは一度、一休みを進めるが、「あと少しだから。」と断られてしまう。
「それなら。」とわたしも整理を始め、2時間ほどで、大体の整理を終わすことができた。
・
「み…、お嬢様、手伝ってくれてありがとう。…はい、喉渇いたでしょ?」
「…ありがとう、ふうか♫」
「…っ!?……う、うん。」
わたしは、お水が入ったコップを渡しながら、お嬢様にお礼をいった。
その際、不意に向けられた笑顔に少し“ドキッ”としながら、顔を背けてしまう。
「……じゃ、じゃあ、整理も終わったし、秘書さんに連絡するねっ!」
この“気持ち”を振り払おうと、焦ってしまい、少し声が大きくなってしまった。
「……あの、ふうか…。ちょっとまって欲しいの。」
「…?……どうしたの?」
「えっと、…今日は荷物の整理で疲れちゃって…、その…、……足が。」
お嬢様は、何やら“もじもじ”しながら、俯いてしまう。
『…もしかして。』
お嬢様の言いたいことが大体わかり、わたしはお嬢様の元へ近づく。
そして、柔らかいほっぺたを両手で優しく挟み、そっと顔を上げさせた。
「ふ、ふうか…?」
「今日も“足舐め”…する?」
「…っ!?」
その瞬間、お嬢様の顔が赤く染まり、ほっぺたを挟む手に熱が伝わった。
「…お、お願いしても、いい?」
「いいよっ。…今日は特に、感謝を伝えたいし。」
「……ありがとう。」
「…それはこっちのセリフだよ。」
わたしがそういうと、お嬢様は、わたしのほっぺたにキスをして、辺りを見回した。
「じゃあ、この椅子を借りるわね。……今日は、ふうかに“靴下”を脱がせてほしいの。」
「…うん。いいよ。」
わたしの返事を聞き、お嬢様が椅子に座り、左足を向ける。
わたしは、その足を手に取ると、丁寧に靴下を脱がした。
『…あったかい。』
脱がしたての靴下は、“ホカホカ”と、わたしの手に熱を伝える。
そして、こもった汗の匂いが、わたしの鼻元へ漂ってくる。
『…やっぱり、今日は汗の匂いが強い。』
エアコンをかけていたとは言え、この荷物の山の整理は、中々暑く、わたしも汗をかいてしまっていた。
それでも、こんなに頑張ってくれたお嬢様へ“気持ち”を伝えるため、足裏に舌を近づけ、かかとから指のほうに向かって舌を滑らせた。
“ビクッ”
「んっ…。」
“くすぐったさ”からか、お嬢様の身体が反応した。
“ごくんっ”
同時に、わたしの舌に“こもった汗”の香りが広がり、むせそうになるが、なんとか飲み込むことができた。
「お嬢様、今日は“足の指の間”を念入りにしてもいい?」
「えっ…、い、いいわよ。」
「わかった。」
その返事を聞くが早いか、わたしは親指と人差し指を広げ、その間へ舌を通す。
“ビクンッ”
「…んっ!」
予想通り、反応が強く、“お嬢様が喜んでくれている”と思い、わたしも嬉しくなってしまう。
“チュッ”
「んんっ!」
同じ場所を、次は“吸う”ように舐めた。
より、反応が強くなったお嬢様は、自分のスカートを握る力が強くなる。
「……ふうかの、…いじわる。」
「ご、ごめんっ。嫌だった?……もうやめるね。」
「や、やめなくていいからっ!……も、もっとして。」
「…?……わかった。じゃあ続けるね。」
“チュウゥッ”
「あんっ!」
さらに強く吸い、お嬢様の身体に震えが走る。
…しばらく、これを続け、両方の足を舐め終わる頃には、20分ほどが経過していた。
・
「ふうか、その…。今日はありがとね。」
20分後、お嬢様はトイレを借りるいい、“10分”ほど、帰ってこなかった。
顔を“火照らせながら”戻ってきたお嬢様は、わたしに抱きつくと、お礼の言葉をかけてくれる。
「こちらこそ、今日は本当にありがとう。」
「…んっ!?」
わたしも、お嬢様を抱きしめ、耳元でお礼の言葉を伝えた。
「ごめんね。“いつものお願い”しちゃって、…もう電話する?」
「そのことなんだけど、お嬢様…。」
「ん?…なあに?」
「お、お尻ペンペンも、…しない?」
「えっ!?」
わたしの言葉にお嬢様は驚き、耳元で大きな声を上げる。
「いいけど、…“ふうかの方”からお願いしてくるとは思わなかったわ…。」
「これも、“いつもの”だと思うし、した方がいいかなって思って。」
自分でいった言葉の“恥ずかしさ”に、わたしはお嬢様を抱きしめる力を強めてしまう。
「…わかったわ。じゃあわたしの膝の上へ横になって?」
「…うん。」
お嬢様は、抱きしめていた腕をほどき、先程の椅子の上に“ちょこん”と座る。
その様子を見たわたしは、“自分から”スカートとパンツを脱ぎ、床に置いた。
そして、ふんわりとしたお膝の上に“ポスッ”と横になる。
「今日は、自分からお尻出すのね。」
「…っ。お嬢様、……恥ずかしいから言葉にしないで…。」
「……くすっ…わかったわ。かわいいふうかさんっ♫」
お嬢様はわたしのお尻を撫でながら、口に手を当てる。
だが、すでに“恥ずかしさのメーター”が振り切れているわたしは、そのことを気にする余裕はなかった。
「お、お嬢様。あ、あの…。」
「ん?……なあに?」
「き、今日は、“20回”のペンペンにしてほしいの…。」
お嬢様は驚いた表情で、口に手を当てる。
「…別にいいけど、…どうして?“ペンペン”辛くないの?」
「辛いけど…。…でも、少しでもお嬢様に感謝を伝えたいから…。」
「そんなの気にしなくていいのに…。」
「お願いっ。……お嬢様、お願いしますっ!」
躊躇っているお嬢様へ、わたしは必死に懇願する。
そのわたしの様子を見て、「わかったわ。」と、お嬢様はうなずいた。
“ペンペンッ”
「じゃあ、今日は“20回”のペンペンにするわ。」
「あ、ありがとうございます。」
自分で言い出したことなのに、いつもよりも“5回”多い数に、“ブルブル”と身体が震えてしまう。
その様子を見たお嬢様は、お尻を撫でると、“はぁーっ”と手に息を吹きかけた。
バヂンッ!
「い゛っ!」
「1つ。」
“相変わらず”の痛みが、わたしのお尻に広がる。
“じんじん”と、残る痛みだが、『今日は、お尻“ふりふり”しないっ!』と覚悟を決め、次の衝撃を待った。
パァンッ!バヂンッ!バヂンッ!
「んっ!ああっ!いだっ!」
「2つ。3つ。4つ。」
3回響き渡る音に、わたしの目からは、涙が溢れてきた。
何度も体験している痛みだが、涙がでないことはこれまで一度もなく、今日もその例外ではなかった。
「次は少し強く叩くわ。…ここに当てるから、我慢してね。」
「…はい。お願いじます。」
“ペンッペンッ”と、お尻の真ん中に手を当てられ、わたしのお尻に力が入る。
バッヂィィンッ!!
「あ゛あぁぁっ!!」
「5つ。」
…警告通りの強さに、わたしの身体が反り返る。
お尻には、お嬢様の“手形の形”をした痛みが“ズキズキ”と残り続け、床には、涙と汗の水たまりができ始めていた。
「…次は、さっきよりも弱くするわ。……でも、連打だからね。」
「あ゛いっ。……わかりました。」
バヂンッ!バヂンッ!バッヂィンッ!
・
その後も、“ペンペン”は続き、時々強めに叩かれたお尻は、いつもよりも、真っ赤に腫れているような予感がした。
「じゃあ、あと5回ね。…本気で叩くから、しっかり私のスカート握っててね。」
「あ゛いっ。……グスッ…。お願いじますっ!」
いつもなら、終わっている数なのに、更に続けられる“ペンペン”に、少しだけ、後悔する気持ちが押し寄せてくる。
バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!
「あ゛あんっ!いっだいっ!」
「16。17。」
予想外の“2つ”の衝撃に、わたしの手は、お尻を押さえかけてしまう。
なんとか、お嬢様のスカートを強く握り、耐えることができた。
バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!
「い゛いぃっ!ん゛んっ!!」
更に続く連打に、わたしのお尻が悲鳴を上げるように痛みを伝えてくる。
その瞬間、お嬢様はわたしのお尻を撫で、再度、手に“はぁーっ”と息を吹きかけていた。
「ふうか、あと1回だからね。」
「……グスッ。お願いじまずっ!」
バッヂィィィンッ!!!
「いっだぁぁぁいっ!!」
すでに限界を迎えていたお尻に、本気の一撃が与えられる。
その痛みは、わたしのお尻を包み、“ジクジク”とした感覚が残り続けた。
「いだいよぉ…。」
「ふうか、もう撫でていいわよ。」
「お嬢様ぁ…、お願い。」
わたしは、期待の眼差しで、お嬢様を見つめる。
「えー…、どうしましょう。」
「お嬢様っ。お願いしますっ。」
「……くすっ…冗談よっ♫今日も甘えん坊のふうかさんっ♫」
「…ううぅっ。…お嬢様のいじわるっ!」
わたしがほっぺを膨らまして、お嬢様を睨むと、その身体が抱き抱えられる。
「ほら、膨れないのっ♫……これがよかったんでしょ?」
「……うん。」
最近、すっかり癖になってしまったこの感覚に、“甘える感情”が溢れ出す。
いつもの優しい柔軟剤の香りは、顔をうずめたわたしを暖かく迎えてくれた。
「…お嬢様、ねむい…。」
“うとうと”と、わたしの意識が落ちていくのがわかる。
「あらあらっ♫きっと疲れたのよ。…そのまま寝ちゃいなさいっ♫」
「…うん。」
優しいお嬢様に頭を撫でられ、わたしは目を閉じる。
「…大好きよ。ふうか♫」
…意識が完全に落ちる前に、そんなお嬢様の声が聞こえた気がした。
・
その後、目を覚ましたわたしは、お嬢様のお膝から降り、電話を借りた。
その際、秘書さんから、給料の“後日振り込み”の説明をされて、連絡を終えた。
少し寂しそうな様子のお嬢様を見て、わたしは、“お嬢様の部屋の前”まで見送ることを明るく伝えた。
「…じゃあ、お嬢様、また明日ね。」
「…うん。…またね。」
「……わたしも大好きだよ、お嬢様。」
「…っ!?」
…その言葉を言い終わると同時に、わたしは頰を赤くしながら、お嬢様のぽっぺにキスをした。
その瞬間、お嬢様も頰を赤くし、その熱がわたしの唇に伝わる。
「……あ、ありがとうっ♫……大好き。」
「ん…。」
お嬢様から、お返しのキスをほっぺに貰い、笑顔が向けられる。
「…また、明日ね。」
「ふうかっ♫明日もよろしくねっ♫」
抱きしめられていた腕をほどき、お嬢様から笑顔を向けられる。
その様子に、わたしも安心しながらうなずくと、静かに玄関扉が閉じていった。
『早く、明日にならないかなっ。』
こんな暖かい時間が待ち遠しく、明日が楽しみになってしまう。
…きっと、こんな幸せな時間がずっと続くのだと思っていた。
……そう、“あの日”が来るまでは。
「完」
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