はるかなる第二の地球

くろやん

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移民船「日本丸

正体不明の電波

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「この星系の名前を付けたいわね。」団長はふと言った。
「gunma帝国とかどうですかね。」
「いやいや、修羅の国とか。」
和気あいあいで彼らは議論した。

半分ネタにしか聞こえないが。

「まあ、おいおい選挙で決めましょう。」困ったように団長は言った。
「新国家の元首と議会も決めないといけないし。」
「団長、立候補されては?」ナオは言った。
「元首ってガラじゃないわね。ナオこそやってみたら?」

そんな話をしていたときだった。
「こちら観測室。あきらかに人工的と思われる電波を捉えました。」
とインカムに声が入った。
「・・・どこから?」
「第四惑星、我々の目的地です。」
彼らに緊張が走る。
「・・・異星人てこと?」
「電波を出せるレベルの文明があるってことになる。」
「バカな。地球で観測したときには明らかに生命体が発生するような環境じゃなかった。だからここを選んだ。」
「だがあの時から1万年以上は経ってるぞ。俺たちは冷凍睡眠やってたから自覚はないけどな。」
「たかが1万年で生命が発生して電波出すレベルに発展?あり得ないね。」

他の土地に入植する際、仮に先住民がいた場合、必ず殺し合いになるのが世の常である。
中世大航海時代、アメリカ新大陸に上陸したヨーロッパ人たちはアメリカ先住民を最終的には滅ぼした。
だがあの時と今とは決定的に違う事がある。
大西洋と違って地球とこの星は絶望的な距離があるのだ。
今から要請しても往復で1万年かかるという絶望的な距離だ。
従って地球への支援要請は不可能である。
では、その先住民が地球よりも遥かに発達した文明だったら?
移民船団は軍ではないので申し訳程度の兵装しかしていないので・・・・考えるのも恐ろしい。
彼らは2つの選択肢を与えられていた。
上陸か?それとも素通りかである。
素通りの場合も絶望的な未来である可能性が非常に高い。
現時点では、再度光速度にあげるエネルギーが無いのである。

「現時点でなら、この恒星系の外惑星を使ってスイングバイを使って加速が可能です。ですが、一度内惑星領域に入るとスイングバイの繰り返しをすることになりますので、4~5年以上、それに費やすことになります。ヘタをすれば、10年以上はかかるでしょう。」ナオは技術者の立場から考えを述べる。
「一番最善の道は、スイングバイ技術を使って地球に戻る進路をとることかも知れません。」
団長は目を閉じて考えている。
「スイングバイの期間を利用して、少しでも光速度に上げるエネルギーを蓄積します。それを考えるならば、2~3年ほどこの恒星系に留まることになるかと。」
団長は皆に問いた。
「皆はどう考える?」
「地球はもう私たちが知ってる星じゃなくなってるかも知れませんが・・・。」
出発して1万年、人類はすでに滅んでいてもおかしくはない。
「・・・・私はこうも考える。」団長は言った。

「地球人類が滅びてるなら尚更のこと、人類の種を広げるべきでは無いのかと。また逆にだからこそ、地球に戻り再興の道を選ぶべきだとも思う。
まったく相反するが、両方とも人類がとるべき道には違いない。」
「・・・どの選択肢でも2~3年はこの星系に留まることになるのか?」
「はい。確実に地球に戻るためのエネルギー蓄積のためには、外せない要素です。」
ナオは断言した。
「それに、それだけのエネルギーなら地球ではなく、別の恒星系を目指すことも可能です。」
要するに選択肢は次の通りである。

 1,当初の予定通り、この星系に上陸
 2,地球への帰還
 3,別の恒星系を目指す

「第四惑星付近に巨大な質量発見。」
次々にもたらされる情報は不吉なものばかりだった。
「それはなんだ?」
「約二千キロ級の円錐形の物体です。・・・・あきらかに人工物です・・・・。」
「2000キロだと!?」
日本列島の半分の大きさである。
そんな巨大なものを作れる技術など、地球にすら無かったのだ。
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