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ジアの追憶
牢の密約
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険しい顔で黙りを決め込む少年を甲冑を着た見張り番は恨めしそうに眺めた。本来ならばこの見張り番は今朝には非番に入るはずだった。
手足を固定された少年は、それから一言も発することなく足元を睨み続けている。
この少年が来なければ、兵士らを阿保のように殴り倒さないでいてくれたなら、こうして彼が呼び出されることもなかったのだ。下級兵士の仕事が回らなくなったところで上級兵士が動くことなどあり得ない。人手が足りなくなればこうして何人分もの仕事が回ってくる。
もう何日眠っていないだろうか。見張り番は欠伸を噛み殺す。
「弛んでるな」
「はっ、申し訳ございませんエンヴァ殿!」
背後から突然聞こえた声に反射的に姿勢を正し敬礼する。もはや確認せずとも明白な地響きのような低い声。参謀兼第四部隊体長アザイド・エンヴァその人だ。
「すまんな、疲れているのはわかるがもう少し頑張ってくれ」
「はっ、お心遣い感謝いたします」
エンヴァは肩を叩いて見張り番を労うと、そのまま少年の繋がれた牢に近づいた。
エンヴァが意図的に響かせた足音に少年は顔をあげる。
「お前、名前はなんだ」
少年は口をきゅっと結びエンヴァを睨み付けた。
「答えないのか、答えられないのか…ふっ、まぁいいが。あのこそ泥は確かコーストとか言っていたか。なぁ?」
少年の表情が僅かに不快に歪む。
「コースト、でいいな。お前に話がある…どこで体術を学んだ? 父親か?」
それまで身構えていた少年はどこか拍子抜けしたように眉をあげた。
「どうした、こそ泥のことを聞かれるとでも思ったか?」
少年が戸惑いの表情を浮かべるとエンヴァは声を出して笑った。
「俺はこそ泥に興味はない。知りたいのはお前のことだ」
そして繰り返す。
「どこで体術を学んだ?」
「…習った訳じゃない」
一日ぶりに口を開く少年の声は喉の乾きからか掠れていた。
「喋れるようで安心した。で、習った訳じゃないとしたらその力はどこから来たんだ」
見るからに痩せっぽちで未熟な少年は、その姿からは想像もつかない力と動きで大の大人を、それもある程度気耐え抜かれた王国兵士を意図も簡単に打ちのめして見せた。人に習ったものではないことはその道を行くエンヴァにはわかっていた。今のはただの会話の切り口に過ぎない。
しかし少年は答えない。
「どうした、 答えられないのか」
「…わからない。人を殴ったこともそうない。今回が…二回目だ」
少年は少し寂しげな顔をした。人を傷つけることには慣れていないのだ。
青いな。エンヴァは心のなかでそう呟き、もう一歩近づいた。もう鉄格子は目の前にありそれ以上は近づけない。
格子の隙間に顔を入れ、エンヴァは少年をもう一度まじまじと観察した。
勇ましい表情だ。覇気に満ちたその顔は、大人を拒絶した、それ故に力強い表情だ。着ているものはみすぼらしい拾い物と思われるもの。どうも体の方が大きさについていけずに袖が余ってしまっている。そのせいか、単に痩せているせいなのか、纏う雰囲気とは別に彼はとても弱く見えた。それほど背があるわけでもない。同年の子供と比べれば少し小さいかもしれない。唯一その中でやけに気品のある髪の色はダートにはそぐわない代物に思えた。
だがそれも、ダートであればという話だ。
「なんだよ」
少年は居心地が悪そうに顔を背ける。そのとき、首を動かした反動で繋がれた腕が鉄の輪に擦れたようで少年は顔をしかめた。皮が剥けてしまっているようだ。
「外してやろう」
「えっ?」
声をあげたのは控えていた兵士だった。いくらエンヴァといえど無許可に罪人を解放することは許されないはずだ。
「お前は黙っていろ」
「あっ、はい」
兵士は気持ち体の向きを変える。ここから先は彼の領域外。彼はなにも知らない。
同様に、言葉の意味を理解しかねたといった表情で少年はエンヴァを見つめていた。
「どうした? その格好が気に入っているというなら無理は言わないが」
「なぜだ」
少年の言葉を待っていたように彼はニヤリと笑みを浮かべた。
「実はだな」
内緒話をするように声を潜める。
「俺はお前の腕を買ってるんだ。城に来ないか。俺が兵団にはいれるよう取り計らってやる」
「断る」
即答だった。
「どうしてだ」
「俺は早く帰らなくちゃいけない」
「ダートのもとへか?」
「その名前で呼ぶなっ」
「おいおい、大きい声出すなよ」
エンヴァを睨み付けながら少年は口を閉ざす。
「自分が汚れてることがわかってるんだろう?」
少年の鋭い視線を受けながらエンヴァは諭すように言った。
「わかってるからこそだ、腹が立つのは。認めることができない者は怒りに任せる。違うか?」
「違う」
「何が違う?」
「汚れてるのは俺たちじゃない」
少年はひどく冷静にごく自然なことを述べるように言う。
「汚ねぇのは俺たちの親だ」
「ほう?」
「俺たちはただ必死に生きているだけなのにどこが汚い? 大人のくせにそんなこともわからないのか」
「では聞くが、盗みも飢えのためだからと許されるのか。飢えは正義か」
「有り余っているやつから少しとったところで何の問題がある」
「考えようだな。有り余っているというのはお前の片寄った見方だ。商人というものは大抵羽振りよく見せるものだ。じゃなきゃ客もつかない」
少年は理解できかねるといった表情でエンヴァを見る。
「お前が思っているほどこの国は豊かではないということだ。戦争下にあるこの国はあと何年かすれば資源も底をつきるだろう。町の連中も不安を募らせている。彼らにとって商品は生きるための道具だ。その道具もあと何年もつかわからん」
知らなかったのだろう。無理もない。彼らから見れば町の連中は裕福も同然。少年はその幻想にとらわれたままこれまで誰に頼ることもなく生きてきたのだ。町の連中が哀れみの対象に映ることなどなかった。
困惑の表情で眉根を寄せる少年は、まさにその年に相応しい弱い少年の顔に戻っていた。
「まぁしかし、ダートのお前がそこまで知らないことは十分に予想できたことだ。兵団に入れ。そうすれば学もつけてやる」
傷口に蜜を垂らすように優しい声でエンヴァは言った。
「…いらない。帰らせてくれ、皆が待ってる」
「そんなにダートの町が大切か」
エンヴァは何事か思い付き、ニヤリと笑った。
「なぁコースト、これならどうだ。お前が入団した暁には町のダートの生活を保障してやろう」
「どういうことだ」
「そのままだよ。お前が入るだけで彼らは毎日暖かい食事と雨漏りのしない寝床を手に入れるんだ」
「本当か!」
「あぁ。ただし、もうひとつの条件だ。入団したら最後、二度とやつらに会うな」
王国兵士がダートと関係を持っていると知れれば世間の反応は冷たいものだろう。極限状態に近づきつつある今、民衆の反乱の引き金をひくような事態は避けたかった。
少年はとたんに顔を曇らせた。目を伏せた少年は、黙り込んでしまった。
やがて何かを振り落とすように首を振った少年はゆっくりと頷いた。
「あぁ…あぁ、わかった。もう会わない。…だから、助けてくれ」
「よく言った。忘れるな、お前はこの時より王国の砦の一部となるのだ。その命は国のために使え。いいな?」
少年は返事の代わりに繋がれた状態でできる限りに深く頭を下げた。その様子は力尽き項垂れているようでもあった。
「おい、お前」
「はっ!」
眠りかけていた見張り番は再び姿勢を正す。その様子に軽く吹きながらエンヴァは少年を指差した。
「解いてやれ」
「はっ、えっいや、しかし…」
「許可は得ている。後で医務室に連れていって手当してやれ」
「はぁ」
見張り番の男の顔はわかりやすく困惑している。
「それが終われば帰っていい。早く帰ってゆっくり休め」
エンヴァの言葉に全ての迷いがふっ切れた様子で見張り番はいそいそと鍵の束を取りだし牢の鍵を探し始める。
「後は任せるからな」
エンヴァは踵を返し歩き出す。その頬は僅かに上に引かれている。
嘘だ、許可なんてとっていなかった。それでもあの少年を手にいれることができるならどんなことでもするつもりだった。強いやつは大歓迎だ。
王はお怒りになるだろうか。まぁ、あの方も戦に勝てると言えば首を縦に振る他あるまい。
この瞬間のエンヴァには少年をどう鍛えるか、その事しか頭になかった。少年を手に入れたことへの満足が彼の心を高揚させた。彼がどれ程の力を魅せてくれるのか、楽しみでしかたがない。
「また会おう、近いうちに」
そう呟き外へ続く階段に足を掛けた。
手足を固定された少年は、それから一言も発することなく足元を睨み続けている。
この少年が来なければ、兵士らを阿保のように殴り倒さないでいてくれたなら、こうして彼が呼び出されることもなかったのだ。下級兵士の仕事が回らなくなったところで上級兵士が動くことなどあり得ない。人手が足りなくなればこうして何人分もの仕事が回ってくる。
もう何日眠っていないだろうか。見張り番は欠伸を噛み殺す。
「弛んでるな」
「はっ、申し訳ございませんエンヴァ殿!」
背後から突然聞こえた声に反射的に姿勢を正し敬礼する。もはや確認せずとも明白な地響きのような低い声。参謀兼第四部隊体長アザイド・エンヴァその人だ。
「すまんな、疲れているのはわかるがもう少し頑張ってくれ」
「はっ、お心遣い感謝いたします」
エンヴァは肩を叩いて見張り番を労うと、そのまま少年の繋がれた牢に近づいた。
エンヴァが意図的に響かせた足音に少年は顔をあげる。
「お前、名前はなんだ」
少年は口をきゅっと結びエンヴァを睨み付けた。
「答えないのか、答えられないのか…ふっ、まぁいいが。あのこそ泥は確かコーストとか言っていたか。なぁ?」
少年の表情が僅かに不快に歪む。
「コースト、でいいな。お前に話がある…どこで体術を学んだ? 父親か?」
それまで身構えていた少年はどこか拍子抜けしたように眉をあげた。
「どうした、こそ泥のことを聞かれるとでも思ったか?」
少年が戸惑いの表情を浮かべるとエンヴァは声を出して笑った。
「俺はこそ泥に興味はない。知りたいのはお前のことだ」
そして繰り返す。
「どこで体術を学んだ?」
「…習った訳じゃない」
一日ぶりに口を開く少年の声は喉の乾きからか掠れていた。
「喋れるようで安心した。で、習った訳じゃないとしたらその力はどこから来たんだ」
見るからに痩せっぽちで未熟な少年は、その姿からは想像もつかない力と動きで大の大人を、それもある程度気耐え抜かれた王国兵士を意図も簡単に打ちのめして見せた。人に習ったものではないことはその道を行くエンヴァにはわかっていた。今のはただの会話の切り口に過ぎない。
しかし少年は答えない。
「どうした、 答えられないのか」
「…わからない。人を殴ったこともそうない。今回が…二回目だ」
少年は少し寂しげな顔をした。人を傷つけることには慣れていないのだ。
青いな。エンヴァは心のなかでそう呟き、もう一歩近づいた。もう鉄格子は目の前にありそれ以上は近づけない。
格子の隙間に顔を入れ、エンヴァは少年をもう一度まじまじと観察した。
勇ましい表情だ。覇気に満ちたその顔は、大人を拒絶した、それ故に力強い表情だ。着ているものはみすぼらしい拾い物と思われるもの。どうも体の方が大きさについていけずに袖が余ってしまっている。そのせいか、単に痩せているせいなのか、纏う雰囲気とは別に彼はとても弱く見えた。それほど背があるわけでもない。同年の子供と比べれば少し小さいかもしれない。唯一その中でやけに気品のある髪の色はダートにはそぐわない代物に思えた。
だがそれも、ダートであればという話だ。
「なんだよ」
少年は居心地が悪そうに顔を背ける。そのとき、首を動かした反動で繋がれた腕が鉄の輪に擦れたようで少年は顔をしかめた。皮が剥けてしまっているようだ。
「外してやろう」
「えっ?」
声をあげたのは控えていた兵士だった。いくらエンヴァといえど無許可に罪人を解放することは許されないはずだ。
「お前は黙っていろ」
「あっ、はい」
兵士は気持ち体の向きを変える。ここから先は彼の領域外。彼はなにも知らない。
同様に、言葉の意味を理解しかねたといった表情で少年はエンヴァを見つめていた。
「どうした? その格好が気に入っているというなら無理は言わないが」
「なぜだ」
少年の言葉を待っていたように彼はニヤリと笑みを浮かべた。
「実はだな」
内緒話をするように声を潜める。
「俺はお前の腕を買ってるんだ。城に来ないか。俺が兵団にはいれるよう取り計らってやる」
「断る」
即答だった。
「どうしてだ」
「俺は早く帰らなくちゃいけない」
「ダートのもとへか?」
「その名前で呼ぶなっ」
「おいおい、大きい声出すなよ」
エンヴァを睨み付けながら少年は口を閉ざす。
「自分が汚れてることがわかってるんだろう?」
少年の鋭い視線を受けながらエンヴァは諭すように言った。
「わかってるからこそだ、腹が立つのは。認めることができない者は怒りに任せる。違うか?」
「違う」
「何が違う?」
「汚れてるのは俺たちじゃない」
少年はひどく冷静にごく自然なことを述べるように言う。
「汚ねぇのは俺たちの親だ」
「ほう?」
「俺たちはただ必死に生きているだけなのにどこが汚い? 大人のくせにそんなこともわからないのか」
「では聞くが、盗みも飢えのためだからと許されるのか。飢えは正義か」
「有り余っているやつから少しとったところで何の問題がある」
「考えようだな。有り余っているというのはお前の片寄った見方だ。商人というものは大抵羽振りよく見せるものだ。じゃなきゃ客もつかない」
少年は理解できかねるといった表情でエンヴァを見る。
「お前が思っているほどこの国は豊かではないということだ。戦争下にあるこの国はあと何年かすれば資源も底をつきるだろう。町の連中も不安を募らせている。彼らにとって商品は生きるための道具だ。その道具もあと何年もつかわからん」
知らなかったのだろう。無理もない。彼らから見れば町の連中は裕福も同然。少年はその幻想にとらわれたままこれまで誰に頼ることもなく生きてきたのだ。町の連中が哀れみの対象に映ることなどなかった。
困惑の表情で眉根を寄せる少年は、まさにその年に相応しい弱い少年の顔に戻っていた。
「まぁしかし、ダートのお前がそこまで知らないことは十分に予想できたことだ。兵団に入れ。そうすれば学もつけてやる」
傷口に蜜を垂らすように優しい声でエンヴァは言った。
「…いらない。帰らせてくれ、皆が待ってる」
「そんなにダートの町が大切か」
エンヴァは何事か思い付き、ニヤリと笑った。
「なぁコースト、これならどうだ。お前が入団した暁には町のダートの生活を保障してやろう」
「どういうことだ」
「そのままだよ。お前が入るだけで彼らは毎日暖かい食事と雨漏りのしない寝床を手に入れるんだ」
「本当か!」
「あぁ。ただし、もうひとつの条件だ。入団したら最後、二度とやつらに会うな」
王国兵士がダートと関係を持っていると知れれば世間の反応は冷たいものだろう。極限状態に近づきつつある今、民衆の反乱の引き金をひくような事態は避けたかった。
少年はとたんに顔を曇らせた。目を伏せた少年は、黙り込んでしまった。
やがて何かを振り落とすように首を振った少年はゆっくりと頷いた。
「あぁ…あぁ、わかった。もう会わない。…だから、助けてくれ」
「よく言った。忘れるな、お前はこの時より王国の砦の一部となるのだ。その命は国のために使え。いいな?」
少年は返事の代わりに繋がれた状態でできる限りに深く頭を下げた。その様子は力尽き項垂れているようでもあった。
「おい、お前」
「はっ!」
眠りかけていた見張り番は再び姿勢を正す。その様子に軽く吹きながらエンヴァは少年を指差した。
「解いてやれ」
「はっ、えっいや、しかし…」
「許可は得ている。後で医務室に連れていって手当してやれ」
「はぁ」
見張り番の男の顔はわかりやすく困惑している。
「それが終われば帰っていい。早く帰ってゆっくり休め」
エンヴァの言葉に全ての迷いがふっ切れた様子で見張り番はいそいそと鍵の束を取りだし牢の鍵を探し始める。
「後は任せるからな」
エンヴァは踵を返し歩き出す。その頬は僅かに上に引かれている。
嘘だ、許可なんてとっていなかった。それでもあの少年を手にいれることができるならどんなことでもするつもりだった。強いやつは大歓迎だ。
王はお怒りになるだろうか。まぁ、あの方も戦に勝てると言えば首を縦に振る他あるまい。
この瞬間のエンヴァには少年をどう鍛えるか、その事しか頭になかった。少年を手に入れたことへの満足が彼の心を高揚させた。彼がどれ程の力を魅せてくれるのか、楽しみでしかたがない。
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