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コンスタンスは唇を噛みしめていた。そんなコンスタンスをなだめるようにマダムが話しつづける。
「でも、あの子にとっても悪い話じゃないわよ。一時間で二百フラン払ってくれるんだから。勿論、うちで斡旋料いただくけれど、それを差し引いたってあの子の家にとっては大金なのよ」
黒目を楽しそうにきらめかせてそんなことを言うマダムを見、つくづく自分は汚れた世界に来てしまったとコンスタンスは惨めに思っていた。
「それより、あんた何していたのよ? あら、まだそのシーツ持っていってなかったの?」
「マダム……実は」
コンスタンスは警察に誤認逮捕されたことを打ち明けた。性病の検査を受けたことまでは言わなかったが、しゃべっていて涙が出そうだ。
マダムが眉をしかめた。
「まぁ……、最近取り締まりが厳しいとは聞いてはいたけれど……」
「わたしたち、売春をしたっていう書類に署名させられたんです」
いきさつを詳しく説明していると、だんだんマダムの顔色が変わった。
「ちょっと待って、住所を書いたら、警官がうちだと知っていたということ?」
「ええ」
コンスタンスの口調は、つい恨めしいものになってしまう。
この家に住んでいるということで、いっそう色眼鏡で見られてしまったのだ。筋違いだとは思うが、マダムにたいしてまで反感めいたものを持ってしまう。
だが、今のマダムはコンスタンスのそんな感情より、気になることがあるようだ。
「警察がうちの住所を知っているなんて……。ここは届けを出してないのよ」
つまり不認可ということだ。メゾン・ランデヴーというのはほとんどがそうで、認可を取るならメゾン・クローズとなる。
「それなのに警察がこの家のことを知っているなんて……」
マダムの顔色が青ざめてきたとき、玄関の扉をノックする音が響く。
「いい、何も言っては駄目よ」
マダムは人差し指を唇にあてると、ドアに向かって告げた。
「どちら様で?」
「私だよ、オードランだ」
「でも、あの子にとっても悪い話じゃないわよ。一時間で二百フラン払ってくれるんだから。勿論、うちで斡旋料いただくけれど、それを差し引いたってあの子の家にとっては大金なのよ」
黒目を楽しそうにきらめかせてそんなことを言うマダムを見、つくづく自分は汚れた世界に来てしまったとコンスタンスは惨めに思っていた。
「それより、あんた何していたのよ? あら、まだそのシーツ持っていってなかったの?」
「マダム……実は」
コンスタンスは警察に誤認逮捕されたことを打ち明けた。性病の検査を受けたことまでは言わなかったが、しゃべっていて涙が出そうだ。
マダムが眉をしかめた。
「まぁ……、最近取り締まりが厳しいとは聞いてはいたけれど……」
「わたしたち、売春をしたっていう書類に署名させられたんです」
いきさつを詳しく説明していると、だんだんマダムの顔色が変わった。
「ちょっと待って、住所を書いたら、警官がうちだと知っていたということ?」
「ええ」
コンスタンスの口調は、つい恨めしいものになってしまう。
この家に住んでいるということで、いっそう色眼鏡で見られてしまったのだ。筋違いだとは思うが、マダムにたいしてまで反感めいたものを持ってしまう。
だが、今のマダムはコンスタンスのそんな感情より、気になることがあるようだ。
「警察がうちの住所を知っているなんて……。ここは届けを出してないのよ」
つまり不認可ということだ。メゾン・ランデヴーというのはほとんどがそうで、認可を取るならメゾン・クローズとなる。
「それなのに警察がこの家のことを知っているなんて……」
マダムの顔色が青ざめてきたとき、玄関の扉をノックする音が響く。
「いい、何も言っては駄目よ」
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「どちら様で?」
「私だよ、オードランだ」
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