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一章 第一部
一章 第一部 全ての始まり
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何で僕は、こんなにも運が悪いのだろう、と思うことが多々ある。
テストのときには、決まってシャー芯や消しゴムを忘れ、事件を目撃しただけで犯人扱い。
商品を手に取り、レジに行こうとすれば、その場で万引き犯とされる。
そんなにも踏んだり蹴ったりだった僕の人生は、あのときが最悪だった、と言うことができるのではないだろうか。
そう、一瞬前、僕は死んだのだった。
今日の朝。目覚まし時計が壊れていることに気がつかず、僕は朝食も食べずに家を出た。
走って学校に行く途中では、工事中の看板が。
遠回りをした先では事故。
そんなこんなで、僕が学校に着いたのは、午前十時を過ぎてからだった。
先生にたっぷりとしぼられたあと、僕はやっと席に着くことができた。
「よう、時雨(しぐれ)。また遅刻か?」
「大丈夫? 時雨くん。また何か事故でもあったの?」
神崎時雨。それが僕の名前だ。
ついでに言っておくと、この二人は僕の幼なじみというか、お隣さんというか……
家が三軒並んでいるので小さい頃からよく一緒にいる。
神崎時雨、河崎 柊(しゅう)、観音崎 乃綾(のあ)と三人そろって『崎』がつく。
まあ、それにどうという意味はないのだが。
にやにやした顔で聞いてくる柊に向かって、僕はぼやいた。
「いや、今日は一件だけだったんだがな、状況説明求められたあげく、犯人が逃げて置いてきぼりを食らったんだ」
すると柊はにやにやとした笑みをさっきよりもいっそう濃くして僕に言ってくる。
「いや、おまえ、ほんとすごいよ。どう生きてきたらそんな状況に巡りあえるんだ?」
「うっさい。ちょっと立場変わってくれないか? 柊」
「いやー 俺はそんな損しかないような体質、お断りだなー」
「はいはい。それなら今日、学校休めばよかったのに。なんでわざわざ来たの?」
乃綾は呆れたように手を叩いた後、不思議そうに聞いた。
確かに、今日は一時間授業の後、十二時くらいまで部活、という奇妙な日程だ。
別に今の時間になって学校へ来る必要は無いだろう。
僕たちも、一応部活動はしていないという設定になっているし。
「いや…… だからといって僕たち『推理部』の活動を放棄するわけにはいかないだろ」
「「……確かに」」
二人は神妙そうに頷いた。
僕たちは部活動をしていない。
しかし、僕の不幸な体質を利用して『推理部』という名目で学校には非公式に活動を行っている。
部員は、僕と、幼なじみの二人と、今年入ってきた無口な女の子だけだ。
まだ、その女の子の名前さえ聞けていないで、もうそろそろ聞いておきたいと思っているのだが……
なかなか話してくれたことがない。
まあ、活動を休んだことはないし、話してみると意外としゃべりやすかったりするかもしれないな。
「僕が部長なんだし、遅刻した、ってだけで来ないわけにはいけないだろ?」
「……確かに、この部活、おまえがいないと機能しないもんな」
「というわけで、今日の活動だ。」
僕はそんな風に切り出したが、部活の内容なんて、あって無いようなものだった。
どこからか依頼がくるわけでもないし、することといえば、僕の巻き込まれた事件の事実確認だけだ。
「まあ、依頼は無い、か」
部室の前に置いてある受付ボックスを覗き、何もないことを確認する柊。
柊は頭がいいのだ。自分も小説の主人公のように、推理して事件を解決したいらしい。
「じゃあ、甘い物でも食べに行きますか」
柊の言葉を聞き、パン、と手をたたいて乃綾は立ち上がった。
「えー もう三日間連続だぞ? 何か他のことに……」
柊が文句を言う途中で、一瞬、目の前が光ったような気がした。
痛みも何もなく、ただ、大きな鈍い音だけが、不気味に聞こえた……
テストのときには、決まってシャー芯や消しゴムを忘れ、事件を目撃しただけで犯人扱い。
商品を手に取り、レジに行こうとすれば、その場で万引き犯とされる。
そんなにも踏んだり蹴ったりだった僕の人生は、あのときが最悪だった、と言うことができるのではないだろうか。
そう、一瞬前、僕は死んだのだった。
今日の朝。目覚まし時計が壊れていることに気がつかず、僕は朝食も食べずに家を出た。
走って学校に行く途中では、工事中の看板が。
遠回りをした先では事故。
そんなこんなで、僕が学校に着いたのは、午前十時を過ぎてからだった。
先生にたっぷりとしぼられたあと、僕はやっと席に着くことができた。
「よう、時雨(しぐれ)。また遅刻か?」
「大丈夫? 時雨くん。また何か事故でもあったの?」
神崎時雨。それが僕の名前だ。
ついでに言っておくと、この二人は僕の幼なじみというか、お隣さんというか……
家が三軒並んでいるので小さい頃からよく一緒にいる。
神崎時雨、河崎 柊(しゅう)、観音崎 乃綾(のあ)と三人そろって『崎』がつく。
まあ、それにどうという意味はないのだが。
にやにやした顔で聞いてくる柊に向かって、僕はぼやいた。
「いや、今日は一件だけだったんだがな、状況説明求められたあげく、犯人が逃げて置いてきぼりを食らったんだ」
すると柊はにやにやとした笑みをさっきよりもいっそう濃くして僕に言ってくる。
「いや、おまえ、ほんとすごいよ。どう生きてきたらそんな状況に巡りあえるんだ?」
「うっさい。ちょっと立場変わってくれないか? 柊」
「いやー 俺はそんな損しかないような体質、お断りだなー」
「はいはい。それなら今日、学校休めばよかったのに。なんでわざわざ来たの?」
乃綾は呆れたように手を叩いた後、不思議そうに聞いた。
確かに、今日は一時間授業の後、十二時くらいまで部活、という奇妙な日程だ。
別に今の時間になって学校へ来る必要は無いだろう。
僕たちも、一応部活動はしていないという設定になっているし。
「いや…… だからといって僕たち『推理部』の活動を放棄するわけにはいかないだろ」
「「……確かに」」
二人は神妙そうに頷いた。
僕たちは部活動をしていない。
しかし、僕の不幸な体質を利用して『推理部』という名目で学校には非公式に活動を行っている。
部員は、僕と、幼なじみの二人と、今年入ってきた無口な女の子だけだ。
まだ、その女の子の名前さえ聞けていないで、もうそろそろ聞いておきたいと思っているのだが……
なかなか話してくれたことがない。
まあ、活動を休んだことはないし、話してみると意外としゃべりやすかったりするかもしれないな。
「僕が部長なんだし、遅刻した、ってだけで来ないわけにはいけないだろ?」
「……確かに、この部活、おまえがいないと機能しないもんな」
「というわけで、今日の活動だ。」
僕はそんな風に切り出したが、部活の内容なんて、あって無いようなものだった。
どこからか依頼がくるわけでもないし、することといえば、僕の巻き込まれた事件の事実確認だけだ。
「まあ、依頼は無い、か」
部室の前に置いてある受付ボックスを覗き、何もないことを確認する柊。
柊は頭がいいのだ。自分も小説の主人公のように、推理して事件を解決したいらしい。
「じゃあ、甘い物でも食べに行きますか」
柊の言葉を聞き、パン、と手をたたいて乃綾は立ち上がった。
「えー もう三日間連続だぞ? 何か他のことに……」
柊が文句を言う途中で、一瞬、目の前が光ったような気がした。
痛みも何もなく、ただ、大きな鈍い音だけが、不気味に聞こえた……
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