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第二章 事件だらけのケモナー
本来の力と新たな力
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「助けたいの!」
「何を?」
何をって、決まってるじゃないか!
「僕の友達!」
傷ついているのに、それでもケルンを守ろうとしてくれた。
命だって、天使のおねぇさんが時を止めてくれなかったら、失っていたことだろう。もしもではなく、確実にだ。
時が止まっているから、血が噴き出るのも止まっているだけで、動き出せば出血死をするだろう。
人間ではないものと友達になるのは、時間がかかるし、自己満足かもしれない。
たった数分間の触れ合いで、友達になったというと、変だと思うだろう。でも、時間の長さが全てではない。
友達になりたいと思って、相手も答えてくれたなら、もう友達だろう?
そこに種族は関係ない。
「友達ね…ケルン。その蛇はミズヴェルド。人を襲う魔物よ。しかも、精霊から魔物になった、裏切り者の末裔。それでも、助けたい?」
「そんなの僕は知らないよー。でもねーだから友達になっちゃだめってことはないと思うのー!」
そうだ!そんなささいなことで友達になれないと誰が決めたんだ?
愚問!愚問だぞ!天使のおねぇさん!俺が棒神様にどういったのか、知らないのか!
魔物だろうと、仲良くなるんだ!あわよくばモフる…そう…魔物もモフる…考えたら、テンション上がってきたぞ!
ケルンいってやれ!
「だって友達だもん!そんなの関係ない!良いも悪いも!この子には関係ない!僕らが友達になるには、関係ないんだもん!」
そうだ!誰が善悪を決めた?その人にとっての善悪だろ!俺には関係ないからな!
人間にだって善人も悪人もいる。魔物だから悪とは限らない。
天使のおねぇさんは、何か納得したのか、遠くを見つめて頷く。
「そうね…では、問うわ。答えて。貴方にとっての希望の光は、なーに?」
希望の光?新しい朝が来たとかの?…違うよな。でも、希望の光ってのは、難しいな。何だろ…んー…ああ、そうだ。光だろ?だったら、これしかないかな。
「起きた時の…みんなの笑顔!」
怖い夢を見た時、どこかへ出かける時、必ず朝の太陽の光を浴びる。そして、家族のみんなが、笑顔で「おはよう!」って、いってくれる。
毎日が、希望の朝だ。
毎日が、希望の光に満ちている。
だって、俺たちは一人じゃない。
「ふふ…そうね。身近で、忘れやすい。けれども、毎朝感じれる光ね。わかったわ」
凄く綺麗に天使のおねぇさんは、笑った。
綺麗で、とても天使らしかった。
「一部だけ、許可します。『私は認めます』」
ふわりと、髪の毛が逆立って、天使のおねぇさんが、強く光った。
人差し指でケルンを指すと、光の玉が出来上がる。
そうして、指先から放たれた光の玉が、ケルンの胸に吸い込まれた。
熱い。かっと暑さが血流にのって全身をかけめぐるようだ。
これは…情報が流れ込む…機械?老若男女がまざり、ノイズと一緒に言葉が聞こえる。
ケルンからではない。俺に直接流れる。
――基礎治癒魔法がアンロックされました。
――基礎無属性魔法がアンロックされました。
――基礎属性魔法がアンロックされました。
――ボージィンの条件をクリアーと認められました。
――スキル『魔法同化』が付与されました。
不思議とその言葉が聞こえると、まるで当たり前のように魔法の使い方や、魔力の流れが俺に扱えるようになった。
あの知らない領域に一部流れていくが、あそこが魔法を司る領域なのだろうか?
そして、新しいスキル『魔法同化』というものが、使えるようになったようだが…使い方とかわからないんだけど、新しいスキルが発言しても使い方が浮かばないのは、普通なのか?みんなどうやってんだろう…練習とか?
「さて、これで、魔法が使えるはずよ」
天使のおねぇさんが、ウィンクをしつつそういった。
よし、わからないスキルは後回しだ!
ケルン!さっそくやってみようぜ!治癒魔法だ!
「精霊様、お願い!『レインヒール』」
初期の治癒魔法で、前にこっそりナザドから習ったけど、使えなかった魔法だ。
癒しの雨粒が、ぽつぽつと少量落ちて、傷を癒す。応急措置にはなるだろう、治癒魔法だ。子供が怪我したら使う魔法ということで覚えておこうと思ってな。
すごく簡単で、その分あんまり治らないけど出血をとめるぐらいはできる。
と、聞いていた。
魔法の効果はすぐに出た。
豪雨。
目の前が、豪雨になっている。男達までびしょびしょというか、溺れるんじゃないか、あれ。
「ちょっと!どんだけ、魔力注いだの!…やっぱり、ロックしててよかったわ…これじゃ、どの魔法も凄いことになるわ…」
天使のおねぇさんが、指を振ると、雨はやみ、蛇がそのままの姿でケルンとおねぇさんの間に現れた。動かせたんだ。
「いい?手を抜くこと!これだけは、忘れないでね?精霊が、過剰に反応するから、ダメよ?」
何度も頷く。
これは、全力はダメだ。絶対、ろくなことにならない。
本当に少量しか降らないはずなのに…消毒と少しの治癒程度の止血作用のはずなのに…深手を負っていた蛇の傷が完治している。魔力過多だと、効果が強まるのかもしれない。
「はぁー…早まったかなぁ…無詠唱とか教えようか考えたけど、ダメね…それにしても…ミズヴェルドの子供か…ケルン、この子大きくなったら、どれぐらいか知ってる?」
無詠唱って、何だろうか?ちょっと気になるが、この蛇が大きくなったらか…んー…脱皮するとして…八、九メートル?
「んー…大人が…四人くらい?」
それぐらいかな?この国の平均身長が百八十ぐらいだから。
「残念、不正解。全長…そうね。この国ぐらい大きくなるの。この蛇は産まれて…貴方ぐらいの歳ね。百年過ぎると、いきなり大きくなるのが特徴なのよ」
大きすぎないか!ケルンぐらいの歳で、この大きさなんだろ?どうしよう…森でも飼えないじゃねぇか。
「どうしよう…家で一緒に暮らしたいのに」
ちょっと厳しいな…国単位とか。
あ、屋敷って意味じゃないぞ!ケルンの家は敷地内って意味だからな。おねぇさん。無理無理って、手を振るなよ!さっきまでの真剣だった雰囲気が台無しだよ!
「そうね~…まぁ、姿形を作り変えるなんて、ボージィン様にでも、頼まないと無理ね」
棒神様に頼めってことは…精霊様とかの魔法には、良い物がないってことなのか…んー…せっかく使えるようになったし、覚えた魔法の知識内で検索かけても、良い物が…ん?
なんで、これがひっかかるんだ?
魔法同化ってスキルが、引っ掛かるんだけど、棒神様があとから、くれるっていってたスキルだよな?使い方がいまいちわからないが…魔法と同化するって、何をだ…何か、ヒントがあれば、閃きそうなんだけど。
天使のおねぇさんが、そうそうと、教えてくれる。
おばさんみたいだから、その手の動き本当にやめた方がいいのに。
「人化の魔法があるけど…『フォーム』はね、仮初めの魔法なの。勘が良かったり、魔力が強いと見破られるし。そもそも、人の形でないと効果がないの。大きくなると、やっぱり大きくなるのよね…」
『フォーム』か…使えなくもないよな。今なら。
姿形を作るか…作る…ん?
『魔法同化』って、魔法『を』同化するんじゃなくて、魔法『に』同化させるスキルってことかもしれないな。
前者だと魔法が付与されるもんかとも思ったけど、それなら『魔法付与』とかになりそうなんだよ。言葉っていうものは、一文字異なるだけで、意味が変わるもんだし、魔法『を』なら、付与でいいしな。
でも、それが魔法『に』なら…選択肢は広がる。
何より、姿形を作るっていうなら、『造物』スキルで、作ればいいんじゃないか!
棒神様から『造物』スキルは、俺の手によってでしか、認められていない。でも、俺が作った物なら、認めてくれるという許可は、もらっていた。ならば、答えは一つ!
よっしゃ!やってやる!絵画と彫刻だけと思うなよ!粘土だって、人形の造形だってやってやらぁ!
というわけで、いっちょやってみるか?
「やってみよー!」
よっしゃ!サポートは任せろ!
「精霊様、お願い!『フォーム』!」
まずは『フォーム』を発動させて、姿形を決める。その前に!
「スキル『魔法同化』!『造物』と『フォーム』を指定!作成!命名!『フォーミングクリエイト!』」
魔法が発動すると、蛇が光に包まれ、球体になる。
スキルの発動の仕方は、俺にはわからない。
エセニアいわく、勝手に体が動くということだ。だったら、想像力で補ってしまえばいい。
魔力の塊があるとして、本来それは一つのことにしか作用しない。そこに、スキルである『造物』を組み込む。俺は、その処理をしつつ、持てるだけの粘土の触り方、こね方から、造形。そして、人形作りの知識をケルンに渡す。そうすると、ケルンは、自分が出せる範囲の手の動きで、作り始める。
頭に胴体、手足。顔もこねて…そうか『フォーム』がベースにあるから、想像しつつやればいけるのか。魔力をこねて、肉体になじませて。肉体も思いつくまま作ろう。
ケルンの…俺の友達。今、産まれ変わるんだ。
天使のおねぇさんが、目を見開いている。それに俺はにっこりと、笑ってやる。ケルンではなく、俺が笑っている。
球体は弾けた。
――魔法『フォーミングクリエイト』が生成、認可されました。
ごっそり魔力がなくなったような気がする…頭くらくらするぞ…あとで確認だな。
「嘘でしょ…ボージィン様が許可するなんて…」
『フォーミングクリエイト』が、かかった蛇は、球体から出てから、徐々に形を人間の子供…ケルンと同じか、一つ、二つ上ぐらいになっていく。裸は不味いから、服の材料は上着を犠牲にした。黒いズボンとシャツになったけど、薄いよな…生地が足りないかも。
所々、蛇の名残の鱗があるが、うーん。女の子っぽくなったけど、男の子だよな…その…ちらって、ケルンと同じぐらいのが見えたからな。
銀色の髪に、白い肌。たぶん、瞳は翡翠色か。物語の主人公みたいだなー。
「驚いた…!これ、人化じゃなくて、本当に魔物を人にしちゃってるじゃないの!」
「うん!人間になったの!」
そりゃ、そういう魔法だからな。作り変える魔法だから『フォーミングクリエイト』って名前にしたんだけど。
「スキルの裏をかくなんて…困ったわね~…こんなこと広まると、混乱しちゃうのよ…仕方ないわ!サービスしちゃう!」
天使のおねぇさんは、そういうと、指をパチンっと鳴らす。すると、三つの黒い球体が突然、おねぇさんの前に浮かびあがった。
「忘れなくてもいいけど、変えさせてもらうわね。…『レリビュノス』」
球体は、男達の眉間を貫く。けれども、傷はついていない。何だ、あの魔法?ぞわってした。
「これで、辻褄は合うわね。さて、そろそろ時を戻すわよ?時間止めるのも疲れるのよ。あ、そこの男達は、ほっといてもいいわ。気絶させてるから…それに、たぶん、ほっといても…ね…」
おねぇさんの声がだんだん、聞き取れなくなってきた。それもそのはず。おねぇさんも透けてきている。
「ありがとうございました!天使の…綺麗なおねぇさん!またね!」
感謝はする!でも、次があったら、もっとまともな感じがいいな!
「あら!…ふふふ。若いっていいわねー。ああ…次に貴方に会えるのは、そうね…たくさんの精霊と契約して、魔法が許可されるようになったら、会えるわね」
たくさんの精霊と契約か…はっ!地の精霊様は、モフモフしてそうだな!いや、水の精霊様は魚人なイメージも…ああ!見てみたいな!どんな姿なんだろ!
遠くになっていっておねぇさんの声が、いきなり凄く近くで聞こえた
「あ、忘れてたわ。ボージィン様からの言伝てよ。いい?『お前の運命が間もなく救いを求める。守り救え、我の認めし、魂よ』伝えたわよー」
ちょっと待って!何、それ!どういうことだよー!
聞く前に、小さな光が空にあがっていた。
質問に答えてから消えてくれよ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
遅くなりました。
引っ越しをしていまして、ようやくかけました。
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やるきが満ちてきます!
「何を?」
何をって、決まってるじゃないか!
「僕の友達!」
傷ついているのに、それでもケルンを守ろうとしてくれた。
命だって、天使のおねぇさんが時を止めてくれなかったら、失っていたことだろう。もしもではなく、確実にだ。
時が止まっているから、血が噴き出るのも止まっているだけで、動き出せば出血死をするだろう。
人間ではないものと友達になるのは、時間がかかるし、自己満足かもしれない。
たった数分間の触れ合いで、友達になったというと、変だと思うだろう。でも、時間の長さが全てではない。
友達になりたいと思って、相手も答えてくれたなら、もう友達だろう?
そこに種族は関係ない。
「友達ね…ケルン。その蛇はミズヴェルド。人を襲う魔物よ。しかも、精霊から魔物になった、裏切り者の末裔。それでも、助けたい?」
「そんなの僕は知らないよー。でもねーだから友達になっちゃだめってことはないと思うのー!」
そうだ!そんなささいなことで友達になれないと誰が決めたんだ?
愚問!愚問だぞ!天使のおねぇさん!俺が棒神様にどういったのか、知らないのか!
魔物だろうと、仲良くなるんだ!あわよくばモフる…そう…魔物もモフる…考えたら、テンション上がってきたぞ!
ケルンいってやれ!
「だって友達だもん!そんなの関係ない!良いも悪いも!この子には関係ない!僕らが友達になるには、関係ないんだもん!」
そうだ!誰が善悪を決めた?その人にとっての善悪だろ!俺には関係ないからな!
人間にだって善人も悪人もいる。魔物だから悪とは限らない。
天使のおねぇさんは、何か納得したのか、遠くを見つめて頷く。
「そうね…では、問うわ。答えて。貴方にとっての希望の光は、なーに?」
希望の光?新しい朝が来たとかの?…違うよな。でも、希望の光ってのは、難しいな。何だろ…んー…ああ、そうだ。光だろ?だったら、これしかないかな。
「起きた時の…みんなの笑顔!」
怖い夢を見た時、どこかへ出かける時、必ず朝の太陽の光を浴びる。そして、家族のみんなが、笑顔で「おはよう!」って、いってくれる。
毎日が、希望の朝だ。
毎日が、希望の光に満ちている。
だって、俺たちは一人じゃない。
「ふふ…そうね。身近で、忘れやすい。けれども、毎朝感じれる光ね。わかったわ」
凄く綺麗に天使のおねぇさんは、笑った。
綺麗で、とても天使らしかった。
「一部だけ、許可します。『私は認めます』」
ふわりと、髪の毛が逆立って、天使のおねぇさんが、強く光った。
人差し指でケルンを指すと、光の玉が出来上がる。
そうして、指先から放たれた光の玉が、ケルンの胸に吸い込まれた。
熱い。かっと暑さが血流にのって全身をかけめぐるようだ。
これは…情報が流れ込む…機械?老若男女がまざり、ノイズと一緒に言葉が聞こえる。
ケルンからではない。俺に直接流れる。
――基礎治癒魔法がアンロックされました。
――基礎無属性魔法がアンロックされました。
――基礎属性魔法がアンロックされました。
――ボージィンの条件をクリアーと認められました。
――スキル『魔法同化』が付与されました。
不思議とその言葉が聞こえると、まるで当たり前のように魔法の使い方や、魔力の流れが俺に扱えるようになった。
あの知らない領域に一部流れていくが、あそこが魔法を司る領域なのだろうか?
そして、新しいスキル『魔法同化』というものが、使えるようになったようだが…使い方とかわからないんだけど、新しいスキルが発言しても使い方が浮かばないのは、普通なのか?みんなどうやってんだろう…練習とか?
「さて、これで、魔法が使えるはずよ」
天使のおねぇさんが、ウィンクをしつつそういった。
よし、わからないスキルは後回しだ!
ケルン!さっそくやってみようぜ!治癒魔法だ!
「精霊様、お願い!『レインヒール』」
初期の治癒魔法で、前にこっそりナザドから習ったけど、使えなかった魔法だ。
癒しの雨粒が、ぽつぽつと少量落ちて、傷を癒す。応急措置にはなるだろう、治癒魔法だ。子供が怪我したら使う魔法ということで覚えておこうと思ってな。
すごく簡単で、その分あんまり治らないけど出血をとめるぐらいはできる。
と、聞いていた。
魔法の効果はすぐに出た。
豪雨。
目の前が、豪雨になっている。男達までびしょびしょというか、溺れるんじゃないか、あれ。
「ちょっと!どんだけ、魔力注いだの!…やっぱり、ロックしててよかったわ…これじゃ、どの魔法も凄いことになるわ…」
天使のおねぇさんが、指を振ると、雨はやみ、蛇がそのままの姿でケルンとおねぇさんの間に現れた。動かせたんだ。
「いい?手を抜くこと!これだけは、忘れないでね?精霊が、過剰に反応するから、ダメよ?」
何度も頷く。
これは、全力はダメだ。絶対、ろくなことにならない。
本当に少量しか降らないはずなのに…消毒と少しの治癒程度の止血作用のはずなのに…深手を負っていた蛇の傷が完治している。魔力過多だと、効果が強まるのかもしれない。
「はぁー…早まったかなぁ…無詠唱とか教えようか考えたけど、ダメね…それにしても…ミズヴェルドの子供か…ケルン、この子大きくなったら、どれぐらいか知ってる?」
無詠唱って、何だろうか?ちょっと気になるが、この蛇が大きくなったらか…んー…脱皮するとして…八、九メートル?
「んー…大人が…四人くらい?」
それぐらいかな?この国の平均身長が百八十ぐらいだから。
「残念、不正解。全長…そうね。この国ぐらい大きくなるの。この蛇は産まれて…貴方ぐらいの歳ね。百年過ぎると、いきなり大きくなるのが特徴なのよ」
大きすぎないか!ケルンぐらいの歳で、この大きさなんだろ?どうしよう…森でも飼えないじゃねぇか。
「どうしよう…家で一緒に暮らしたいのに」
ちょっと厳しいな…国単位とか。
あ、屋敷って意味じゃないぞ!ケルンの家は敷地内って意味だからな。おねぇさん。無理無理って、手を振るなよ!さっきまでの真剣だった雰囲気が台無しだよ!
「そうね~…まぁ、姿形を作り変えるなんて、ボージィン様にでも、頼まないと無理ね」
棒神様に頼めってことは…精霊様とかの魔法には、良い物がないってことなのか…んー…せっかく使えるようになったし、覚えた魔法の知識内で検索かけても、良い物が…ん?
なんで、これがひっかかるんだ?
魔法同化ってスキルが、引っ掛かるんだけど、棒神様があとから、くれるっていってたスキルだよな?使い方がいまいちわからないが…魔法と同化するって、何をだ…何か、ヒントがあれば、閃きそうなんだけど。
天使のおねぇさんが、そうそうと、教えてくれる。
おばさんみたいだから、その手の動き本当にやめた方がいいのに。
「人化の魔法があるけど…『フォーム』はね、仮初めの魔法なの。勘が良かったり、魔力が強いと見破られるし。そもそも、人の形でないと効果がないの。大きくなると、やっぱり大きくなるのよね…」
『フォーム』か…使えなくもないよな。今なら。
姿形を作るか…作る…ん?
『魔法同化』って、魔法『を』同化するんじゃなくて、魔法『に』同化させるスキルってことかもしれないな。
前者だと魔法が付与されるもんかとも思ったけど、それなら『魔法付与』とかになりそうなんだよ。言葉っていうものは、一文字異なるだけで、意味が変わるもんだし、魔法『を』なら、付与でいいしな。
でも、それが魔法『に』なら…選択肢は広がる。
何より、姿形を作るっていうなら、『造物』スキルで、作ればいいんじゃないか!
棒神様から『造物』スキルは、俺の手によってでしか、認められていない。でも、俺が作った物なら、認めてくれるという許可は、もらっていた。ならば、答えは一つ!
よっしゃ!やってやる!絵画と彫刻だけと思うなよ!粘土だって、人形の造形だってやってやらぁ!
というわけで、いっちょやってみるか?
「やってみよー!」
よっしゃ!サポートは任せろ!
「精霊様、お願い!『フォーム』!」
まずは『フォーム』を発動させて、姿形を決める。その前に!
「スキル『魔法同化』!『造物』と『フォーム』を指定!作成!命名!『フォーミングクリエイト!』」
魔法が発動すると、蛇が光に包まれ、球体になる。
スキルの発動の仕方は、俺にはわからない。
エセニアいわく、勝手に体が動くということだ。だったら、想像力で補ってしまえばいい。
魔力の塊があるとして、本来それは一つのことにしか作用しない。そこに、スキルである『造物』を組み込む。俺は、その処理をしつつ、持てるだけの粘土の触り方、こね方から、造形。そして、人形作りの知識をケルンに渡す。そうすると、ケルンは、自分が出せる範囲の手の動きで、作り始める。
頭に胴体、手足。顔もこねて…そうか『フォーム』がベースにあるから、想像しつつやればいけるのか。魔力をこねて、肉体になじませて。肉体も思いつくまま作ろう。
ケルンの…俺の友達。今、産まれ変わるんだ。
天使のおねぇさんが、目を見開いている。それに俺はにっこりと、笑ってやる。ケルンではなく、俺が笑っている。
球体は弾けた。
――魔法『フォーミングクリエイト』が生成、認可されました。
ごっそり魔力がなくなったような気がする…頭くらくらするぞ…あとで確認だな。
「嘘でしょ…ボージィン様が許可するなんて…」
『フォーミングクリエイト』が、かかった蛇は、球体から出てから、徐々に形を人間の子供…ケルンと同じか、一つ、二つ上ぐらいになっていく。裸は不味いから、服の材料は上着を犠牲にした。黒いズボンとシャツになったけど、薄いよな…生地が足りないかも。
所々、蛇の名残の鱗があるが、うーん。女の子っぽくなったけど、男の子だよな…その…ちらって、ケルンと同じぐらいのが見えたからな。
銀色の髪に、白い肌。たぶん、瞳は翡翠色か。物語の主人公みたいだなー。
「驚いた…!これ、人化じゃなくて、本当に魔物を人にしちゃってるじゃないの!」
「うん!人間になったの!」
そりゃ、そういう魔法だからな。作り変える魔法だから『フォーミングクリエイト』って名前にしたんだけど。
「スキルの裏をかくなんて…困ったわね~…こんなこと広まると、混乱しちゃうのよ…仕方ないわ!サービスしちゃう!」
天使のおねぇさんは、そういうと、指をパチンっと鳴らす。すると、三つの黒い球体が突然、おねぇさんの前に浮かびあがった。
「忘れなくてもいいけど、変えさせてもらうわね。…『レリビュノス』」
球体は、男達の眉間を貫く。けれども、傷はついていない。何だ、あの魔法?ぞわってした。
「これで、辻褄は合うわね。さて、そろそろ時を戻すわよ?時間止めるのも疲れるのよ。あ、そこの男達は、ほっといてもいいわ。気絶させてるから…それに、たぶん、ほっといても…ね…」
おねぇさんの声がだんだん、聞き取れなくなってきた。それもそのはず。おねぇさんも透けてきている。
「ありがとうございました!天使の…綺麗なおねぇさん!またね!」
感謝はする!でも、次があったら、もっとまともな感じがいいな!
「あら!…ふふふ。若いっていいわねー。ああ…次に貴方に会えるのは、そうね…たくさんの精霊と契約して、魔法が許可されるようになったら、会えるわね」
たくさんの精霊と契約か…はっ!地の精霊様は、モフモフしてそうだな!いや、水の精霊様は魚人なイメージも…ああ!見てみたいな!どんな姿なんだろ!
遠くになっていっておねぇさんの声が、いきなり凄く近くで聞こえた
「あ、忘れてたわ。ボージィン様からの言伝てよ。いい?『お前の運命が間もなく救いを求める。守り救え、我の認めし、魂よ』伝えたわよー」
ちょっと待って!何、それ!どういうことだよー!
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遅くなりました。
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