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第三章 運命の出会いとケモナー
悩む入学先
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「ミルデイ、勉強はどう?難しくない?」
「はい、坊っちゃま。カルド様から教わっていると、こんなにも知らないことがあったのとかと思いますが、日々楽しんで学んでいます」
「そっかぁー。良かったー」
「ふふ、坊っちゃま。毎日ミルデイに同じことを尋ねられますね。執事長様も厳しく指導しておりますが、ミルデイのことを褒めていますから、ご安心ください」
あの大騒ぎの誕生日から、早三ヶ月。
変わったことは、ミルデイが執事見習いになったことだ。
ああ、あと嬉しいことに、翌日には、財布が返ってきた。ティルカがわざわざ持ってきてくれたのだが、いいのかと悩んだ。
一応、ミルデイを購入したことに変わりはないのだが、お金が返ってきていいのだろうか?そう思ってティルカに尋ねると、変な回答をされた。
「心配することはないぜ?ミルデイは、正規の奴隷じゃなく、誘拐された被害者みたいだからな。それに、あいつらには、金は必要ない」
そういって、またハンクと喧嘩していたのだが、何でハンクに、あんなにも怒っていたのだろうか?
「勝手なことしやがって…」
「俺、知らない。天罰、俺、関係ない」
というやりとりが、あったのだが、よくわからない。ハンクは人が苦手だから、屋敷から出ないのに、何で、いつ外に出たとかきいていたのだろうな。
新年は、新しい家族を迎えて楽しく…楽しかったよな、うん。
ナザドが、学園を離れることができなかったようで、入学式まで、屋敷には戻ってこれないということが、判明した。今年は王族や、有名な貴族の子息が入学するということで、学園の結界を強く補強し直すことが決まり、戻れないと手紙がきていた。
手紙が、少し破れていたから、よほど疲れていたんだろうな。
「学長なんて…」
と珍しく普通の愚痴が書いてあった。いつもは、帰ってこれない愚痴が多いのに。
しかし、王族や、有名な貴族の子息か。
前に、身分に関係なく入学すると聞いていたんだが、そんな当たり年にぶつかるなんて、不幸だな。
王族というものは、必ずロクでもない。貴族だって似たようなものだ。何故なら、足元を見ず、自分の境遇をさも当たり前に受け取っている者が多い。子供時代から、貴族の生活で過ごした者が、庶民の暮らしができるのだろうか。
逆もしかり。育ってきた環境で、人は変わるものだ。学園の生活水準がどのようなものか、まだわかっていないが、低ければ、王族や貴族から文句が出るだろうし、高すぎたら、庶民には敷居が高くなりすぎる。
身分の分け隔てなくといっても、必ずどこかで歪むものだ。そうして理想を歪めるのは、人のエゴだ。ただ、理想も他人からすれば、エゴでしかない。その折り合いをどうつけるのかが、難しいのだ。
まぁ、文句をいってみたものの本校に通うかは、まだ決めかねている。
本校は、完全寮制で休暇の帰宅は、一年に一度か二度しかない。もちろん、冠婚葬祭時や、この世界では、儀式のある家もあるのでそういう理由なら、一時帰宅が認められている。しかも、成績が悪い者は帰宅が許されず、補習をするか、退学をするようだ。
いくつかある分校は、週末には帰宅できるし、何より、寮に入らなくても問題はないところもある。分校の数も次第に増えているのだが、本校に比べると、施設や教員の水準は下がってしまうそうだ。
さらに、残念なことに、どうやら、分校で楽しみにしていたケルンが得意としている絵画の講師の先生が、ケルンが入学する年には引退するそうだ。ほぼ、学園に通う意味がなくなってしまったといえる。
引退理由があの絵は描けないと心が折れたとかで…どんな絵を見たのか怖くて詳しくは聞いていない。
あと、魔法が使えないということについてだ。
本校には、身分に関係なくたった一つだけ条件がある。
魔力が高いこと。
火、水、土、風全ての基礎属性の魔法が使えること。
どうやら、カリキュラムの都合上、どちらか一つでも欠けていると分校に行くようだ。
何故、このようなことになったかというと、スキルと魔力の優位性の為である。
実は魔力よりも、スキルの方が遺伝しやすいのだ。
もちろん、ある程度の魔力はみな持っているのだが、飛び抜けて高い者は少ない。そして、学園を開校した時に比べるとスキルはどんどん進化して派生しているが代わりに、魔力の低さが目立つようなのだ。
元々はエルフ達の研究と学舎が学園にまでなったのもあってか、施設の利用や、カリキュラムには魔力と魔法が必要な所があるようなのだ。
とはいえ、魔力は平均より少しでも高かったら入学できるみたいだ。
貴族のように、スキルがたくさんある子供は、本校ではないが、分校ともいいきれない、総合騎士学科という本校の校舎とは別の校舎に、通うそうだ。たぶん、色々もめたんだろうな。
誕生会のあと、本当に魔法が使えるのか?という話になって、『フラワーパレッド』も司祭様が出したと疑われたので、簡単な魔法であり、本人のそばから離れない照明代わりの球体を出す『ライト』の魔法を使った。
両親の反応は、喜んでいる反面、残念そうだった。司祭様が仰ったとおり、二人は本校に行かせたくないようだった。一番喜んでくれたのは、なんとエセニアであった。
「流石です、坊ちゃま!ああ、ハンク!祝いの料理を追加して!」
「わかった、坊ちゃま、祝い。赤飯、いる?」
飛び上がって喜んでいるが、その後すぐに、フィオナに怒られて、犬耳が下がっていた。あと、ハンクのいう赤飯に必要な小豆が切れていたらしく、代わりにチョコケーキが出された。美味かった。
そんなこともありながら、思い出すのは、一年前に、リンメギン王様に初めてあったことだ。ちょうど、この季節であったからな。
この世界モフーナは四季がある。一年間は十二にわけられている。
十二の樹という数え方で、一年を計算する。
新年は初樹月、その次は、二樹月。十二樹月になると、最後の日だけは、何もない日という名前がついている日があるが、あとは特に変わりはないだろうな。
ケルンの誕生日は、十樹月の終り頃だ。目安になるのが、お祭りなので、忘れることはないだろう。
スメイン大陸だけかもしれないが、季節は四つあるが、雨期はあまりない。比較的、一年中晴れている日が多いのだ。だから、雪が降る時は、積もりだしたら、たくさん積もるが、たいていすぐにやんでしまう。
二樹ということは、あと二か月で、四樹なわけだ。
四樹は入学のとき。
入学するにしても、まだどちらに行くか決まっていないからな…どうなることやら。
「はい、坊っちゃま。カルド様から教わっていると、こんなにも知らないことがあったのとかと思いますが、日々楽しんで学んでいます」
「そっかぁー。良かったー」
「ふふ、坊っちゃま。毎日ミルデイに同じことを尋ねられますね。執事長様も厳しく指導しておりますが、ミルデイのことを褒めていますから、ご安心ください」
あの大騒ぎの誕生日から、早三ヶ月。
変わったことは、ミルデイが執事見習いになったことだ。
ああ、あと嬉しいことに、翌日には、財布が返ってきた。ティルカがわざわざ持ってきてくれたのだが、いいのかと悩んだ。
一応、ミルデイを購入したことに変わりはないのだが、お金が返ってきていいのだろうか?そう思ってティルカに尋ねると、変な回答をされた。
「心配することはないぜ?ミルデイは、正規の奴隷じゃなく、誘拐された被害者みたいだからな。それに、あいつらには、金は必要ない」
そういって、またハンクと喧嘩していたのだが、何でハンクに、あんなにも怒っていたのだろうか?
「勝手なことしやがって…」
「俺、知らない。天罰、俺、関係ない」
というやりとりが、あったのだが、よくわからない。ハンクは人が苦手だから、屋敷から出ないのに、何で、いつ外に出たとかきいていたのだろうな。
新年は、新しい家族を迎えて楽しく…楽しかったよな、うん。
ナザドが、学園を離れることができなかったようで、入学式まで、屋敷には戻ってこれないということが、判明した。今年は王族や、有名な貴族の子息が入学するということで、学園の結界を強く補強し直すことが決まり、戻れないと手紙がきていた。
手紙が、少し破れていたから、よほど疲れていたんだろうな。
「学長なんて…」
と珍しく普通の愚痴が書いてあった。いつもは、帰ってこれない愚痴が多いのに。
しかし、王族や、有名な貴族の子息か。
前に、身分に関係なく入学すると聞いていたんだが、そんな当たり年にぶつかるなんて、不幸だな。
王族というものは、必ずロクでもない。貴族だって似たようなものだ。何故なら、足元を見ず、自分の境遇をさも当たり前に受け取っている者が多い。子供時代から、貴族の生活で過ごした者が、庶民の暮らしができるのだろうか。
逆もしかり。育ってきた環境で、人は変わるものだ。学園の生活水準がどのようなものか、まだわかっていないが、低ければ、王族や貴族から文句が出るだろうし、高すぎたら、庶民には敷居が高くなりすぎる。
身分の分け隔てなくといっても、必ずどこかで歪むものだ。そうして理想を歪めるのは、人のエゴだ。ただ、理想も他人からすれば、エゴでしかない。その折り合いをどうつけるのかが、難しいのだ。
まぁ、文句をいってみたものの本校に通うかは、まだ決めかねている。
本校は、完全寮制で休暇の帰宅は、一年に一度か二度しかない。もちろん、冠婚葬祭時や、この世界では、儀式のある家もあるのでそういう理由なら、一時帰宅が認められている。しかも、成績が悪い者は帰宅が許されず、補習をするか、退学をするようだ。
いくつかある分校は、週末には帰宅できるし、何より、寮に入らなくても問題はないところもある。分校の数も次第に増えているのだが、本校に比べると、施設や教員の水準は下がってしまうそうだ。
さらに、残念なことに、どうやら、分校で楽しみにしていたケルンが得意としている絵画の講師の先生が、ケルンが入学する年には引退するそうだ。ほぼ、学園に通う意味がなくなってしまったといえる。
引退理由があの絵は描けないと心が折れたとかで…どんな絵を見たのか怖くて詳しくは聞いていない。
あと、魔法が使えないということについてだ。
本校には、身分に関係なくたった一つだけ条件がある。
魔力が高いこと。
火、水、土、風全ての基礎属性の魔法が使えること。
どうやら、カリキュラムの都合上、どちらか一つでも欠けていると分校に行くようだ。
何故、このようなことになったかというと、スキルと魔力の優位性の為である。
実は魔力よりも、スキルの方が遺伝しやすいのだ。
もちろん、ある程度の魔力はみな持っているのだが、飛び抜けて高い者は少ない。そして、学園を開校した時に比べるとスキルはどんどん進化して派生しているが代わりに、魔力の低さが目立つようなのだ。
元々はエルフ達の研究と学舎が学園にまでなったのもあってか、施設の利用や、カリキュラムには魔力と魔法が必要な所があるようなのだ。
とはいえ、魔力は平均より少しでも高かったら入学できるみたいだ。
貴族のように、スキルがたくさんある子供は、本校ではないが、分校ともいいきれない、総合騎士学科という本校の校舎とは別の校舎に、通うそうだ。たぶん、色々もめたんだろうな。
誕生会のあと、本当に魔法が使えるのか?という話になって、『フラワーパレッド』も司祭様が出したと疑われたので、簡単な魔法であり、本人のそばから離れない照明代わりの球体を出す『ライト』の魔法を使った。
両親の反応は、喜んでいる反面、残念そうだった。司祭様が仰ったとおり、二人は本校に行かせたくないようだった。一番喜んでくれたのは、なんとエセニアであった。
「流石です、坊ちゃま!ああ、ハンク!祝いの料理を追加して!」
「わかった、坊ちゃま、祝い。赤飯、いる?」
飛び上がって喜んでいるが、その後すぐに、フィオナに怒られて、犬耳が下がっていた。あと、ハンクのいう赤飯に必要な小豆が切れていたらしく、代わりにチョコケーキが出された。美味かった。
そんなこともありながら、思い出すのは、一年前に、リンメギン王様に初めてあったことだ。ちょうど、この季節であったからな。
この世界モフーナは四季がある。一年間は十二にわけられている。
十二の樹という数え方で、一年を計算する。
新年は初樹月、その次は、二樹月。十二樹月になると、最後の日だけは、何もない日という名前がついている日があるが、あとは特に変わりはないだろうな。
ケルンの誕生日は、十樹月の終り頃だ。目安になるのが、お祭りなので、忘れることはないだろう。
スメイン大陸だけかもしれないが、季節は四つあるが、雨期はあまりない。比較的、一年中晴れている日が多いのだ。だから、雪が降る時は、積もりだしたら、たくさん積もるが、たいていすぐにやんでしまう。
二樹ということは、あと二か月で、四樹なわけだ。
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入学するにしても、まだどちらに行くか決まっていないからな…どうなることやら。
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