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第六章 ケモナーと水のクランと風の宮
呪い
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俺たちが不思議に思っていることに気づいているのか、ユリばあ様はわざと話を変えてきた。
「そうじゃ。何かしら欲しいものはあるか?こんなババアと話してくれた駄賃代わりに用意できるものならやろう。バイ・クゥなんかでもよいぞ?」
孫への小遣いみたいに簡単にいってるが、バイク、じゃなかった。バイ・クゥってのはかなり高価な品らしく、金貨二百枚もするらしい。
蒸気と魔力を合わせた移動用としては最速の乗り物なんだが、ケルンが乗れるかというと絶対に無理だろうな。大型だからケルンの身長的に無理だ。
「んー…なんでもいいの?」
「何でもじゃ」
あまり教育によくないから、ユリばあ様も何でも与えるような発言は控えてほしいところだ。
というか、ケルンが欲しがるものの検討はついている…まぁ、俺にたれ流しだからわかった。
軽々しくいうもんじゃない。
「あのね、ユリばあ様でも無理だよ?僕がほしいのはね、お兄ちゃんの」
「ケルン」
何でも用意できるわけじゃないとケルンがユリばあ様に教えようとした気持ちはとても大事だ。親切心もあるだろう。
でもだ。それを口に出してはいけない。
「だめだ。それに俺はいらない」
俺に体をあげてほしい。
それがケルンの願いだ。
だが、そんなことを初対面のユリばあ様に話してはいけない。俺の肉体がないことは黙っていないといけないのだ。
そうでないとケルンが危険にさらされる。父様たちからも念を押されている。
いずれは俺はケルンの中に戻るつもりだというのに、諦めていないのだ。
そんなことよりも、他のことをねだればいい。
そう思っていた。
「ふぇ」
ぶわっと目に水がたまる。それと同時に悲しみの感情が久しぶりに波となって襲って、うえ!落ちつけ!
「お兄ちゃんが怒ったぁぁぁ!ひっく!」
「お、おちつけぇ!うぇ!」
つ、つられ、る!
「おやおや…弟を泣かすもんじゃないよ?」
ユリばあ様は御輿からよたよたと立ち上がって、ゆっくりとケルンのもとへといき、頭をなでる。
「ひどいお兄ちゃんだね。わしが拳骨しておこうかね」
「ひっ、ひっく…ううん!あの、ね…ひっく…ユリばあ様、違うの!」
なでられて落ちついてきてくれたのか、俺の方も安定してきた。
久々につられたのは、繋がりを強くして話してはいけないと注意したからだろうな。
「お兄ちゃんは、自分のことに使うなって…僕のことに使えって…」
ユリばあ様がうなづきながら頭をなで続ける。
「仲のいいことは…いいことじゃてな」
仲のいいことはいいことだ…か。俺もそう思う。
ちゃんと伝えておくか…つい忘れがちだが、まだ小さいもんな。あわなきゃわからないのは当たり前だ。
「あのな、ケルン。俺は怒ってないからな」
「…うん」
「俺はお前のファンだから贈り物をしたい側なんだよ。もらうよりあげたいからさ」
笑い話にしよう。悲しい話は嫌いだ。
冗談を交えてユリばあ様に変な風に思われないようにしないといけなあってのもある。
「僕もお兄ちゃんのふぁんだもん!贈り物する!」
「お?じゃあ何か贈り合いっこしようか」
「したい!しよ!しよ!」
あれがいいかな?これがいいかな?と俺とは別に考えだした。きちんと隔離した思考を持てるようになってきたから成長を感じる。
俺に内緒にしようとするときだけ隔離するのに、口でつぶやいたら意味がないけどな。笑ってしまう。これなら、ユリばあ様からの駄賃代わりはいらないな。
「ファンか…懐かしい言葉だねぇ」
ユリばあ様はそう呟いて足元を確認するようにゆっくりと歩いて御輿に座りなおした。
どうも目があまりよくないのか、手で確認してから乗り込んでいた。
「そういうわけで、ユリばあ様。ケルンは特に」
「お待ち」
落ち着いた頃合いでユリばあ様に断りの言葉を伝えようとした。それをやや強い口調で止められた。
「ケルンの願いってのは、エフデの体のことじゃな?ちゃんとした人の体が欲しいか…存在しないものでも…それなら一応、手はあるんじゃがのぉ」
俺の体。しかも存在しないものだと?
「ほんと!ユリばあ様!お兄ちゃんの体!それがいいです!」
「待て!ユリばあ様…どうして俺の体が存在していないことを知っているのですか?」
俺の表だっての情報は病弱で人知れず療養していることになっている。肉体がないことを知っているのはほとんどいないのだ。
何でこの人が知っている?もしや、誘拐犯のやつらと。
「そう、殺気だつでないわ。ババアは長く生きてるからね…知ってることが多いのさ…ただ、問題はある」
「問題?」
「わしがお前たちと話そうと思った原因さ」
気を落ち着けることはせず、懐の腕輪とケルンのポケットからちらりと顔を出している杖の羽を確認する。
何かあればすぐ動けるように気は張っている。
問題っていうので、俺たちを騙そうとしているのか?それとも無理難題をふっかけるつもりか?
「エフデ。ケルン。よくお聞き」
疑いの気持ちが高まる中でユリばあ様がいった言葉はまったく想像していなかったことだった。
「気づいていないんだろうが…エフデには呪いがかかっておる。それもとびっきり強力なのがの」
「の、呪い?」
呪いだと?杖をみればぶんぶんと葉を振っている。
『自分のせいじゃないっす!濡れ衣っす!』
幻聴がやかましく聞こえた気がした。
ってか呪いとか…ないよな?ないっていってくんねぇかな?
「どうしてユリばあ様はわかるの?」
「わしはな、特殊な目を持っておる。それでエフデの体のこともわかったんだよ」
「ま、まさか…の、呪いなんて…しょ、証拠は?」
よくわかっていないケルンは別として、俺としてはその…の、呪いってもんが何なのか気になる。特殊な目をしているからっていわれても信じれるか!
「どうやら呪いはわし一人では解くのは無理じゃな…エフデの魂は…かなり力の強い何かに削られてしまっておる。不思議なんじゃが…欠陥を補うためかの?仮初めの体と魂はすでに定着しておるようじゃな」
「定着…ですか?」
魂…俺の場合は自我か知識っていえばいいのか?この思念石の体と定着したっていうのか?
「エフデ。お主はケルンの中にいたのではないか?隠すでないぞ?わしにはわかっておるからの」
「…そうです」
シワだらけのユリばあ様のシワに隠れた目でにらまれた気がした。
特殊な目を持っているというのは本当なのかもしれない。俺がケルンの中にいたといい切ったのだ。普通はそんなこと思わない。
「であれば…呪いを解き、欠陥を塞ぎ直さねば…永遠にエフデはそこから出ることはできぬ。無理矢理にでも器を壊せば…消失…いや、贄になるようじゃな」
「贄?…でもそれって…この体を解除してケルンの中に戻れば回避できるのでは?」
贄っていうのはよくわからない。
そらにこの体に問題があるなら俺がケルンのポケット中に戻れば済むって話ではないのか?
「やはりわかっておらんかったのか」
「え?」
「解除ができないんじゃ。その体に入った瞬間から発動したのかはわからぬが…」
「そんな…はず」
「『―――――――』」
否定をした瞬間、ユリばあ様は早口で聞いたこともない不可解な音を歌うように発した。
すると俺の全身が光って放電をするかのようにばりばりと音をたてた。
「お兄ちゃん!」
「い、今のは?びりって」
ケルンが叫んで手を伸ばしたときには、放電は止まっていた。一瞬のことで痛みもなく、何をされたのかはわからなかった。
そのままケルンは手を伸ばして俺を付かんで胸に抱き寄せる。力強く俺を抱きしめているケルンの腕の中で俺は今の現象を分析していた。
何かを弾いた。かなり強い力をいともあっさりとだ。これが呪いなのか?
「思念石に宿る思念を解除する呪言じゃ…思ったとおり弾きよった」
「ええ…わかりました」
「ユリばあ様!ひどいです!お兄ちゃんをいじめたら僕、怒るから!」
解除の呪言とやらを使われたようだが、それが本当なのかはわからない。だが、かなり強い力を俺の関知していない何かが弾いたのは確かだ。
ケルンのもとへと中の知らない領域ではない。俺からそれは急に出て消えた。今でも関知はできない。それが呪いなのかもしれない。
俺とユリばあ様が現状を確認しているとケルンが憤慨したように怒っている。
いや、いじめられたわけじゃないんだが…聞く耳を持たないんだよな、こんなときって。
「おお!すまんのぉ…エフデ。断りもなくびっくりさせたの?許してくれるかの?」
「びっくりというか…まぁ、許します。ケルンもいいな?」
「うん!お兄ちゃんがいいっていうならユリばあ様と仲なおり!」
「そうか。よかったよかった」
ユリばあ様はすぐにケルンに合わせてくれる。かなり自然な会話だった。
まるで小さな子をよく構っていたかのようだ…まぁ、ユリばあ様の家庭のことはわからないけど、子供や孫、下手をすれば玄孫のそのまた、子供とかの相手をしていたりしてそうだ。年齢不詳だし。
ケルンの腕の中からはいだして、体を触る。思念石で、できたこの体に不満はない。
だがこのまはまでは俺はこの体から抜け出せない。
そのことが背筋を震わせるほど恐怖を感じることをケルンには気づかせるわけにはいかない。
俺は兄ちゃんだからな。そう…あれ?俺は…自我なだけ…あれ?
「お兄ちゃん?」
「あ、うん。すまん。考えていた」
心配そうなケルンに返事をする。
今はこの事態をどうにかするのが先決だな。
「そうじゃ。何かしら欲しいものはあるか?こんなババアと話してくれた駄賃代わりに用意できるものならやろう。バイ・クゥなんかでもよいぞ?」
孫への小遣いみたいに簡単にいってるが、バイク、じゃなかった。バイ・クゥってのはかなり高価な品らしく、金貨二百枚もするらしい。
蒸気と魔力を合わせた移動用としては最速の乗り物なんだが、ケルンが乗れるかというと絶対に無理だろうな。大型だからケルンの身長的に無理だ。
「んー…なんでもいいの?」
「何でもじゃ」
あまり教育によくないから、ユリばあ様も何でも与えるような発言は控えてほしいところだ。
というか、ケルンが欲しがるものの検討はついている…まぁ、俺にたれ流しだからわかった。
軽々しくいうもんじゃない。
「あのね、ユリばあ様でも無理だよ?僕がほしいのはね、お兄ちゃんの」
「ケルン」
何でも用意できるわけじゃないとケルンがユリばあ様に教えようとした気持ちはとても大事だ。親切心もあるだろう。
でもだ。それを口に出してはいけない。
「だめだ。それに俺はいらない」
俺に体をあげてほしい。
それがケルンの願いだ。
だが、そんなことを初対面のユリばあ様に話してはいけない。俺の肉体がないことは黙っていないといけないのだ。
そうでないとケルンが危険にさらされる。父様たちからも念を押されている。
いずれは俺はケルンの中に戻るつもりだというのに、諦めていないのだ。
そんなことよりも、他のことをねだればいい。
そう思っていた。
「ふぇ」
ぶわっと目に水がたまる。それと同時に悲しみの感情が久しぶりに波となって襲って、うえ!落ちつけ!
「お兄ちゃんが怒ったぁぁぁ!ひっく!」
「お、おちつけぇ!うぇ!」
つ、つられ、る!
「おやおや…弟を泣かすもんじゃないよ?」
ユリばあ様は御輿からよたよたと立ち上がって、ゆっくりとケルンのもとへといき、頭をなでる。
「ひどいお兄ちゃんだね。わしが拳骨しておこうかね」
「ひっ、ひっく…ううん!あの、ね…ひっく…ユリばあ様、違うの!」
なでられて落ちついてきてくれたのか、俺の方も安定してきた。
久々につられたのは、繋がりを強くして話してはいけないと注意したからだろうな。
「お兄ちゃんは、自分のことに使うなって…僕のことに使えって…」
ユリばあ様がうなづきながら頭をなで続ける。
「仲のいいことは…いいことじゃてな」
仲のいいことはいいことだ…か。俺もそう思う。
ちゃんと伝えておくか…つい忘れがちだが、まだ小さいもんな。あわなきゃわからないのは当たり前だ。
「あのな、ケルン。俺は怒ってないからな」
「…うん」
「俺はお前のファンだから贈り物をしたい側なんだよ。もらうよりあげたいからさ」
笑い話にしよう。悲しい話は嫌いだ。
冗談を交えてユリばあ様に変な風に思われないようにしないといけなあってのもある。
「僕もお兄ちゃんのふぁんだもん!贈り物する!」
「お?じゃあ何か贈り合いっこしようか」
「したい!しよ!しよ!」
あれがいいかな?これがいいかな?と俺とは別に考えだした。きちんと隔離した思考を持てるようになってきたから成長を感じる。
俺に内緒にしようとするときだけ隔離するのに、口でつぶやいたら意味がないけどな。笑ってしまう。これなら、ユリばあ様からの駄賃代わりはいらないな。
「ファンか…懐かしい言葉だねぇ」
ユリばあ様はそう呟いて足元を確認するようにゆっくりと歩いて御輿に座りなおした。
どうも目があまりよくないのか、手で確認してから乗り込んでいた。
「そういうわけで、ユリばあ様。ケルンは特に」
「お待ち」
落ち着いた頃合いでユリばあ様に断りの言葉を伝えようとした。それをやや強い口調で止められた。
「ケルンの願いってのは、エフデの体のことじゃな?ちゃんとした人の体が欲しいか…存在しないものでも…それなら一応、手はあるんじゃがのぉ」
俺の体。しかも存在しないものだと?
「ほんと!ユリばあ様!お兄ちゃんの体!それがいいです!」
「待て!ユリばあ様…どうして俺の体が存在していないことを知っているのですか?」
俺の表だっての情報は病弱で人知れず療養していることになっている。肉体がないことを知っているのはほとんどいないのだ。
何でこの人が知っている?もしや、誘拐犯のやつらと。
「そう、殺気だつでないわ。ババアは長く生きてるからね…知ってることが多いのさ…ただ、問題はある」
「問題?」
「わしがお前たちと話そうと思った原因さ」
気を落ち着けることはせず、懐の腕輪とケルンのポケットからちらりと顔を出している杖の羽を確認する。
何かあればすぐ動けるように気は張っている。
問題っていうので、俺たちを騙そうとしているのか?それとも無理難題をふっかけるつもりか?
「エフデ。ケルン。よくお聞き」
疑いの気持ちが高まる中でユリばあ様がいった言葉はまったく想像していなかったことだった。
「気づいていないんだろうが…エフデには呪いがかかっておる。それもとびっきり強力なのがの」
「の、呪い?」
呪いだと?杖をみればぶんぶんと葉を振っている。
『自分のせいじゃないっす!濡れ衣っす!』
幻聴がやかましく聞こえた気がした。
ってか呪いとか…ないよな?ないっていってくんねぇかな?
「どうしてユリばあ様はわかるの?」
「わしはな、特殊な目を持っておる。それでエフデの体のこともわかったんだよ」
「ま、まさか…の、呪いなんて…しょ、証拠は?」
よくわかっていないケルンは別として、俺としてはその…の、呪いってもんが何なのか気になる。特殊な目をしているからっていわれても信じれるか!
「どうやら呪いはわし一人では解くのは無理じゃな…エフデの魂は…かなり力の強い何かに削られてしまっておる。不思議なんじゃが…欠陥を補うためかの?仮初めの体と魂はすでに定着しておるようじゃな」
「定着…ですか?」
魂…俺の場合は自我か知識っていえばいいのか?この思念石の体と定着したっていうのか?
「エフデ。お主はケルンの中にいたのではないか?隠すでないぞ?わしにはわかっておるからの」
「…そうです」
シワだらけのユリばあ様のシワに隠れた目でにらまれた気がした。
特殊な目を持っているというのは本当なのかもしれない。俺がケルンの中にいたといい切ったのだ。普通はそんなこと思わない。
「であれば…呪いを解き、欠陥を塞ぎ直さねば…永遠にエフデはそこから出ることはできぬ。無理矢理にでも器を壊せば…消失…いや、贄になるようじゃな」
「贄?…でもそれって…この体を解除してケルンの中に戻れば回避できるのでは?」
贄っていうのはよくわからない。
そらにこの体に問題があるなら俺がケルンのポケット中に戻れば済むって話ではないのか?
「やはりわかっておらんかったのか」
「え?」
「解除ができないんじゃ。その体に入った瞬間から発動したのかはわからぬが…」
「そんな…はず」
「『―――――――』」
否定をした瞬間、ユリばあ様は早口で聞いたこともない不可解な音を歌うように発した。
すると俺の全身が光って放電をするかのようにばりばりと音をたてた。
「お兄ちゃん!」
「い、今のは?びりって」
ケルンが叫んで手を伸ばしたときには、放電は止まっていた。一瞬のことで痛みもなく、何をされたのかはわからなかった。
そのままケルンは手を伸ばして俺を付かんで胸に抱き寄せる。力強く俺を抱きしめているケルンの腕の中で俺は今の現象を分析していた。
何かを弾いた。かなり強い力をいともあっさりとだ。これが呪いなのか?
「思念石に宿る思念を解除する呪言じゃ…思ったとおり弾きよった」
「ええ…わかりました」
「ユリばあ様!ひどいです!お兄ちゃんをいじめたら僕、怒るから!」
解除の呪言とやらを使われたようだが、それが本当なのかはわからない。だが、かなり強い力を俺の関知していない何かが弾いたのは確かだ。
ケルンのもとへと中の知らない領域ではない。俺からそれは急に出て消えた。今でも関知はできない。それが呪いなのかもしれない。
俺とユリばあ様が現状を確認しているとケルンが憤慨したように怒っている。
いや、いじめられたわけじゃないんだが…聞く耳を持たないんだよな、こんなときって。
「おお!すまんのぉ…エフデ。断りもなくびっくりさせたの?許してくれるかの?」
「びっくりというか…まぁ、許します。ケルンもいいな?」
「うん!お兄ちゃんがいいっていうならユリばあ様と仲なおり!」
「そうか。よかったよかった」
ユリばあ様はすぐにケルンに合わせてくれる。かなり自然な会話だった。
まるで小さな子をよく構っていたかのようだ…まぁ、ユリばあ様の家庭のことはわからないけど、子供や孫、下手をすれば玄孫のそのまた、子供とかの相手をしていたりしてそうだ。年齢不詳だし。
ケルンの腕の中からはいだして、体を触る。思念石で、できたこの体に不満はない。
だがこのまはまでは俺はこの体から抜け出せない。
そのことが背筋を震わせるほど恐怖を感じることをケルンには気づかせるわけにはいかない。
俺は兄ちゃんだからな。そう…あれ?俺は…自我なだけ…あれ?
「お兄ちゃん?」
「あ、うん。すまん。考えていた」
心配そうなケルンに返事をする。
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