妖しい、僕のまち〜妖怪娘だらけの役場で公務員やっています〜

詩月 七夜

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第十一章 大妖六番勝負

【百四十丁目】「ここできっちりと、けじめをつけさせていただきますわ…!」

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 「あやかしサミット」三日目。
 そして「大妖六番勝負」も、残すところあと二戦となった。
 同行してくれた特別住民ようかいの皆さん…飛叢ひむらさん達の力もあり、数々の珍戦・奇戦を乗り越え、勝利を収めてきた僕…十乃とおの めぐるだったが、ここに来て非常にキナ臭い展開を迎えることになってしまった。

「ここできっちりと、けじめをつけさせていただきますわ…!」

 そう気勢を上げたのは「見た目はお嬢様オブお嬢様、中身は極道オブ極道」である紅刃くれはさん。
 「鬼王」の名を持ち、鬼族の中では一大勢力を有するヤ○ザの頭領。
 そして「日本三大悪妖怪」の一体として名高い、あの“酒呑童子酒呑童子《しゅてんどうじ》”の名を引き継ぐ七代目である。
 今日も気品に満ちた金髪縦ロールと輝かんばかりの美貌、深紅のドレスが見目麗しい。
 が、その視線は仇敵を見るように殺気立っている。
 それを一身に受けているのは、僕に同行してくれた特別住民ようかいの一人で、今回の勝負の助っ人になった沙牧さまきさん(砂かけ婆)だ。

 先日聞いた話によれば、実はこの二人には深い因縁があるらしい。

 何でも、かつて紅刃さん一家が仕切っていた取引現場に、当時「砂の魔女サンドウィッチ」の異名で知られ、さる組織のエージェントとして活動していた沙牧さんが乱入。
 現場で大暴れした沙牧さんは、取引そのものを台無しにして去っていったらしい。
 お陰で紅刃さん一家の面目は丸潰れ。
 以来、紅刃さん一家では沙牧さんを目の仇としているようだ。
 そんな折りに、奇しくも二人はこの「あやかしサミット」で鉢合せてしまった。
 紅刃さんにしてみれば、まさに「ここであったが百年目」といったところだろう。
 六番勝負の本来のルールでは、助っ人は僕達が自由に選べるはずだったけど、今回はまさかの逆指名で、紅刃さんが沙牧さんを僕の助っ人に選んだ。
 これには審判を務める御屋敷みやしき町長(座敷童子ざしきわらし)も当初は難色を示したが、指名された沙牧さん本人はあっけらかんと、

「あらあら、私は別に構いませんよ」

 と、いつもの調子で受けて立った。
 本来なら止めるべきだったのかも知れないけど、紅刃さんの勢いに押され、僕も口を挟むことが出来なかった。
 何より、他の大妖達からも特に反論が出ることも無かったため、結果、この条件での勝負が成立してしまったのだった。

「では、勝負方法ですが…」

「お待ちください」

 と、紅刃さんの台詞を沙牧さんが突然遮った。
 全員の注目を集めながら、沙牧さんは虫も殺さぬ笑顔で続けた。

「今回の勝負方法は、私達が決定させていただきます」

 それに、紅刃さんが眉がピクリと跳ね上がる。

「…どういうことですの?」

 紅刃さんの剣呑なその問い掛けに、沙牧さんは相好を崩すことなく告げた。

「本来なら、この六番勝負は大妖の皆様が勝負の内容を決め、私達が助っ人を一人出す…という形式でした」

「まあ、言わずもがな…ですわね」

「しかし、今回は逆に紅刃さんが私を指名する形になりました。となると、公平を期すならば、勝負方法を私達が決めるのが筋となりましょう」

詭弁きべんですわね」

 紅刃さんが鼻を鳴らす。

「この六番勝負は、私達大妖が各々納得する方法で十乃様の資質を見極めるという趣旨のはず」

 金髪縦ロールを掻き上げつつ、紅刃さんは僕の方をチラリと見た。

「もちろん、十乃様はこの私を押し倒すほどの胆力をお持ちですし…」

「い、いや、ですから、あれは完全な事故で…」

 僕の言葉を拾う様子も無く、紅刃さんは続けた。

「ここまでの勝負を見る限り、私個人としては十乃様の資質にケチをつけるつもりはさらさらございません。しかし、ただ一度の特例を盾にそのような好き勝手が通るとでも…?」

「特例は一度ではございません」

 笑顔のまま、沙牧さんがピシャリと言い放つ。
 固まる場の空気には構わず、沙牧さんは指を二つ立てた。

「ルール改編に関していえば、これまでに二つ程『特例』があり、私達はそれを飲んで参りました」

「…何ですって?」

 紅刃さんの目が鋭くなる。
 そんな彼女に構うことなく、沙牧さんは指を一つ折る。

「最初は小源太こげんた様です。同意の上ではございましたが、私達が作戦会議を行うためのルール変更を許可なさいました」

 紅刃さんからの鋭い視線を受けた小源太(隠神刑部いぬがみぎょうぶ)が慌ててそっぽを向く。 
 沙牧さんは微笑した。

「…まあ、このルール改編は、結果的にこちらに利が生じましたけどね」

 そう言ってから、二本目の指を折る沙牧さん。

「二つ目は、先程の、神野《しんの》様との勝負です。この勝負では、神野様が『対戦相手ではなく、審査員としての立場を取る』と宣言され、それを私達が飲むことになりました」

「そちらの同意はちゃんととったでしょう!」

 牙を剥く紅刃さん。
 が、沙牧さんはどこ吹く風で、

「当然です。何しろ相手はかの神野悪五郎あくごろう様。もし、要求を飲まなければ一体どのような目に遭っていたことか…」

 そう言うと、沙牧さんは背後を見やった。

「現にしーちゃんは精神を破壊され、ほぼ廃人の状態ですし…」

 その視線の先では車椅子に座り、うつろな視線のまま、何事かをブツブツと呟く鉤野こうのさん(針女はりおなご)の姿があった。
 先の勝負で神野さんの破壊的な美的センスに晒されて精神が崩壊し、自失状態になってしまったのだ。
 まあ、を「至高の美」として突き付けられたら、繊細な感性の人なら間違いなく自我が崩壊するだろう。
 さすがは「妖王」神野悪五郎、恐るべしである。

「可哀想なしーちゃん…よよよ」

 鉤野さんから視線を戻すと、涙ぐみながら着物の袖口で口元を覆い、わざとらしくを作る沙牧さん。
 ちなみに、神野さんのルール改編の宣言に対し、

『問題ないと思いますよ。少なくとも物理的な負担はなさそうですしね』

 と、気軽に応じたのは、他でもない沙牧さん自身である。
 しかし…今になって疑うんだけど、あの時から既にこういう展開を読んでいた沙牧さんは、あえて神野さんのルール改編を受け入れていたんじゃないか…?
 実際、彼女ならそれくらいの腹芸は朝飯前だし。
 味方ながら、まったく油断も隙も無い人だ。

「くっ!しらじらしい…!…」

 紅刃さんも同じ気持ちだったのか、沙牧さんに鋭い牙を剥く。
 いつもは優雅な彼女だが、どうも沙牧さん相手ではペースを乱されがちのようだ(そこは同情したい)。
 沙牧さんは御屋敷町長へと向き直った。

「いかがでしょう、町長?私達の申し出が不当なのかどうか、審判役である貴女に裁定をお願いしたいと思いますが?」

「ん。いいじゃろ、別に」

「んなっ!?」

 あっさり即答する御屋敷町長に紅刃さんが目を剥く。

「ちょっと、俚世りせ様!?」

 動揺する紅刃さんに、御屋敷町長はこともなげに言った。

「そうケチケチするでない、紅刃よ。こんなことで目くじらを立てていたら『酒呑童子』の名が泣くぞ?」

「それとこれとは論点が違いますわ!」

「いいや、変わらぬよ」

 そう言うと、御屋敷町長は続けた。

「お主、先程『十乃様の資質はすでに認めている』と言っておったじゃろ?」

「え…ええ…まあ」

 それに不承不承頷く紅刃さんに、御屋敷町長はニヤリと笑った。

「なら、今回のこの勝負はもうお主と沙牧の私闘も同然じゃ。六番勝負のルール云々など、いまさらどうでも良い話になる」

 自分の発言を交えた正論に、さすがの紅刃さんも口をつぐむ。

「決まりじゃな」

 反論が出ないことを確認すると、御屋敷町長は沙牧さんに言った。

「して、沙牧よ。勝負方法は何とするのじゃ?」

「はい。それでは…」

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「「鬼ごっこ…!?」」

 僕と紅刃さんが思わず上げた声が、見事にハモる。
 その目の前で ニコニコしながら沙牧さんが頷いた。
 ここは「百喜苑ひゃっきえん」の中にある日本庭園。
 池を中心に石庭に築山、植木に灯篭などが配置され、快晴の天気と相まって、何とも趣きのある風景が目に嬉しい。
 そんな絶景の中で、沙牧さんはコクリと頷いた。

「はい」

「ほ、本物の、鬼を相手に、鬼ごっこ、ですか…?」

 僕は紅刃さんを横目に、ブツ切りでそう聞き返す。
 沙牧さんは笑顔のまま、

「そうなりますね」

 と、頷く沙牧さん。
 一方の紅刃さんは猜疑心に満ちた目で沙牧さんを見やる。

「…ルールの内容を開示してくださる?」

「いいですよ」

 そう言うと、沙牧さんは自分を指差した。

「まず、私が『子(逃げる側)』になります」

 次に僕と紅刃さんを見やり、

「十乃さんと紅刃さんのお二人には『鬼』となっていただき、先に私を捕まえた方が勝ち。以上です」

「異議ありですわ」

 すかさず、紅刃さんが挙手する。

「言うまでもありませんけど、そのルールだと私が圧倒的に不利ですわね。何せ貴女が手を抜き、十乃様にわざと捕まればそれで勝敗が…」

「なお、逃亡・捕縛についてはその手段や生死を問わないということでいかがでしょう?」

「その条件、乗らせていただきますわ…!」

 沙牧さんの物騒極まりない提案に、一転して身を乗り出して賛同する紅刃さん。
 一般人の僕からすれば、ドン引きするような条件だが「沙牧さん憎し」の紅刃さんにしてみれば、願ってもない条件だろう。
 何せ、合法的に沙牧さんを抹殺できるのである。
 当然、沙牧さんもそんなことは承知の上だ。
 にもかかわらず、彼女がそういう条件をぶら下げてきたからには、間違いなくがある。

「ご快諾いただいて有り難うございます。なお、エリアはこの庭園内に限定。タイムリミットは一時間でいかがでしょう?」

 えっ?
 この庭園の中限定!?
 僕は驚いた。
 確かに広々とした庭園ではあるが、酒呑童子を相手に逃げ回るには少し狭い気がするが…
 それは紅刃さんも同じだったのか、怪訝そうに尋ねた。

「私が心配することではありませんが…この庭園の中のみというのは、貴女にとっては不利ではなくて?」

「そうですね。紅刃さんにしてみれば、まさにこの上ない有利な条件ですね」

 にこやかにそう言うと、

「まあ、万が一それで負けた場合、何の言い訳もできない訳ですが」

 などと、挑発的に余計な一言を加える沙牧さん。
 案の定、紅刃さんはムッとなって言った。

「ご心配なく。ものの数秒で活〆にさしあげますわ」

 優雅に笑って見せるものの、その眼はまったく笑っていない。
 しかし…気のせいかもしれないけど、紅刃さんからはどこか余裕みたいなものが見える気がするんだけど…

「では、準備は良いな?」

 御屋敷町長がそう言うと、沙牧さんが思い出したように言った。

「あ、一つだけ宜しいでしょうか?」

 そして、沙牧さんは僕を見た。

「十乃さん」

「は、はい」

 珍しく真剣な表情な沙牧さん。
 思わず姿勢を正す僕に、彼女はふと微笑んだ。

「こんな緊迫した状況は『絶界島トゥーレ』以来ですね」

「えっ?」

 突然の言葉に、僕は呆気にとられた。
 確かにこの崖っぷちな状況は、あの「絶界島トゥーレ」での一件に似ていなくもないけど…
 でも、ここでわざわざ口にするようなことだろうか…?

「思い出してください」

 再び真剣な表情に戻った沙牧さんは、静かに告げた。

「あの時、…?」

「え…」

 沙牧さんの意図が読めないまま、立ち尽くす僕。
 そこに御屋敷町長が待ちかねたように咳払いをした。

「もうよいかの?」

「あ…は、はい」

「いつでもどうぞ」

 頷く僕と紅刃さんを見てから、御屋敷町長はピーッと警笛ホイッスルを吹いた。
 その瞬間だった。

白菊しらぎく

 紅刃さんがそう声を上げる。

「はっ」

 すると、傍らに控えていたスーツ姿の女性…白菊さん(茨木童子)が呼び掛けに応じ、手にしていた懐中時計に語り掛けた。

「コード『OHEYAMA』発動。斉射…!」

ビン…!!

 そんな大気を震わせるような音と共に、目の前にいた沙牧さんの直上から真っ赤な光が降り注ぐ。
 思わず目を閉じて、後退る僕の肌をあり得ないほどの熱が襲う。
 まるで、全身をレンジで加熱されたような熱さだった。
 しかし、それは一瞬だ。
 何が起こったのか分からないまま、恐る恐る目を開ける僕。
 そこには、沙牧さんの姿は無く、赤く焼けた芝生と地面からブスブスと白煙が上がっているだけだった。
 僕は唖然となった。

「い、一体何が…!?」

ASAT衛星攻撃兵器ですわ」

 羽扇子をあおぎながら、優雅に笑う紅刃さん。
 それに全員が注視する。

「え、衛星…攻撃兵器…!?」

 絶句する僕に紅刃さんが微笑み返す。

「ええ。わたくし共が所有する機動レーザー兵器の一つです。以前、アメリカから取り寄せましたの。これは高度1万メートル以上から、地表にいる人ひとりを狙撃することも可能でして…」

 そんな紅刃さんの説明も上の空のまま、僕は沙牧さんの立っていた場所を再び見やった。
 高熱のレーザーを浴びたであろう地表は、まだ煙を上げて燻っている。
 道理で紅刃さんから余裕を感じられたわけだ。
 こんな「虎の子」の攻撃兵器を隠し持っていたなんて。
 加えて、攻撃速度もあの「不意の一瞬」だ。
 さすがの沙牧さんも、逃げることは出来なかっただろう。

「そ、そんな…」

 あっという間に決まった勝敗よりも、呆気なく失われた知人の命に愕然となる僕。
 確かに沙牧さんは「逃亡・捕縛については、その手段や生死を問わない」とは言っていたけど…

「おいコラ、ちょっと待て!」

 ギャラリーに徹していた飛叢さん(一反木綿いったんもめん)が、耐えかねたように怒声を上げる。

「いくら何でも、あんな近代兵器を使うなんてアリか!?」

「ううむ。今のはさすがのわしも驚いたがの」

 文句を向けられた審判役の御屋敷町長は、首を横に振った。

「手段や生死を問わぬ、と言い出したのは沙牧じゃしな。やむを得ぬというか、何というか…」

「おほほほほほほ!残念ですが『力こそが正義』…これが私共鬼族の喧嘩ゴロマキです。爪でも牙でも、チャカでも刃物ヤッパでも、使えるものは何でも使う!そして、る方よりられる方が悪いんですのよ…!」

 己の勝利を確信し、高笑いを上げる紅刃さん。

 その時だった。

ザバッ!

 庭園の一角で、何かが大きな音を立てる。
 見れば。
 美しい波模様が描かれていた石庭が、鳴門海峡の渦潮を彷彿ほうふつさせる勢いで渦巻いていた。
 そして、その中から名画「ヴィーナスの誕生」の如く、沙牧さんが現れる。
 驚いた…!
 あのコンマ以下の攻撃を地中に潜って避けたのか…!?

「危ないところでした」

 全然危機感を感じさせない笑顔で、沙牧さんがそう言った。

「出だしにいきなりASAT衛星攻撃兵器とは…さすがは資産家でも知られる大江山組おおえやまぐみ。そこらのチンピラ鬼族とはスケールが違いますね」

「お褒めにあずかり…光栄ですわ!」

 まんまと生きていた沙牧さんに驚くことも無く、紅刃さんはパチンと指を鳴らす。

ザッ!!

 すると、それを合図に周囲の植え込みから一斉に姿を現す十数人の黒服の男達。
 全員がプロレスラーのような筋骨隆々の巨漢で、揃いも揃って手に重火器を携えている。
 額に見える一本角から、いずれも鬼族のようだ。
 鬼族の精鋭達は、手にした重火器を一斉に沙牧さんへ向けた。

「あらあら」

 己に向けられた物騒な武器の数々に、少し困ったような顔で、頬に手を当てる沙牧さん。

「こんなで、私をどうこうしようというんですか?」

 ま、豆鉄砲って…
 見るからに物騒な対戦車砲やバズーカにロケットランチャーみたいなのまであるんだけどっ!?

「問答無用!さぁ、砂粒にしておあげなさい!」

 紅刃さんの号令の下、一斉に火を噴く重火器群。
 いずれも本物らしく、その発射音はまさに戦争映画のそれだった。

キュドドドドドドドド…!!

 たちまち巻き上がる爆炎と砂埃。
 ややもして、それが晴れると…

「妖力【砂砂庭楼閣さじょうろうかく】第三楼“砂吞手守さどんです”」

 分厚い石庭の玉石で形作られた障壁を出現させた沙牧さんが、静かにそう告げる。
 恐ろしいことに、その障壁で放たれた銃撃を全て防いだようだ。

「昔、中東で過激派テロ集団に狙撃された時の方が肝が冷えました…あら?」

「それは失礼しましたわ」

 いつの間に移動したのか。
 障壁の死角である真後ろに、紅刃さんの姿があった。
 その手には、巨大な槍斧ハルバードがある。
 見るからに凶悪な造形をしたそれは、全体が血塗られたかのように真っ赤だった。
 大の男でも持ち上げるのに苦労しそうなその重量武器を、紅刃さんは軽々と振りかぶっていた。

「お次はこちらをお召し上がりあそばせ!」

ブォン!!

 その細腕にあるまじき凄まじい膂力りょりょくは、怪力で知られる鬼族のならではか。
 風切り音と共に振るわれた深紅の槍斧ハルバードは、虚を突かれた沙牧さんの脳天目掛けて振り下ろされた。

ザン…!

 鈍い斬撃音と共に、沙牧さんの身体が脳天から股下まで一刀両断される。

 普通なら、ここで叫び声を上げそうになる凄惨な一幕だけど…
 僕の脳内で以前目にしたが蘇ったせいか「あ、何か見たことある」で済んでしまった。

「手応えあり、ですわ!」

 真っ二つになって崩れ落ちる沙牧さんを見やりながら、快哉を上げる紅刃さん。
 いやいや。
 よく見てください、紅刃さん。
 そんなに派手に切断されたのに、血が一滴も出ていないのはおかしいでしょう?
 胸の中で冷静にそうツッコんでいた僕や紅刃さんの眼前で、実際に異変は起きた。

「衛星攻撃兵器や重火器がオトリで、本命が近接攻撃とは」
「驚きました。さすがは荒事で名を馳せる酒呑童子の血ですね」

 何と。
 目を剥く僕達の前で、切断された面を復活させつつ、プラナリアの如く分裂・復活した沙牧さんズが何事も無かったように立ち上がった…!

 これには僕も度肝を抜かれた。
 妖力で分身する特別住民ようかいなら何回か見たことがあるけど、それは残像に近いものだった。
 しかし、沙牧さんのそれは残像ではなく、完全に「実体」である。
 しかも、衣服や声音から完全に双子状態だ。
 こんな見事な分身…いや、分裂は未だかつて見たことがない。
 さすがの紅刃さんも、これにはあんぐりと口を開いたままだ。

「さて、ここで問題です」
「本物の私はどちらでしょう?」

 まるで合わせ鏡のように左右対称のポーズを取りながら、沙牧さんズがニッコリ笑う。
 紅刃さんは槍斧ハルバードを一閃しながら、歯噛みした。

「お、おのれ、面妖な術を!」

「うふふふ…これが最後のチャンスです」
「本物を捕まえることが出来たら勝ちですよ♪」

 そう言うと、沙牧さんズが二手に分かれてスタタタと走り出す。
 一瞬呆気にとられていた紅刃さんだったけど、それを目にするや否や、たちまち血相を変えて二人を追跡し始めた。

「お待ちなさいっ!この魔女が!」

「鬼さん、こちら♪」
「手のなる方へ♪」

 そしてようやく始まる「鬼ごっこ」
 数々のトリックプレイに、完全に怒髪天を突いた紅刃さんが槍斧ハルバードをぶん回しながら、逃げ回る沙牧さんズを追い回す。
 持ち前の武力や組織力をおちょくられながら無効化されたせいで、さすがに紅刃さんも我を忘れるほど怒っているようだ。
 時折、手榴弾しゅりゅうだんを放り投げたり、胸元から取り出したハンドガンをぶっ放したりしながら、何とか沙牧さんズを追い詰めようとしているけど、いずれもヒラヒラと避けられ、全く功を奏さない。
 そのはた迷惑極まりない怒涛の追いかけっこに呆然と見ているだけだった僕は、不意に背中を御屋敷町長に軽くひじ打ちされた。

「ボヤッとしとらんで、お主もとっとと追わんか。このままでは、紅刃めに勝ちを奪われてしまうぞ?」

「お、追えって言われても…」

 戦争映画さながらの追跡劇に、なすすべすらない僕。
 もし不用意にあの鬼ごっこに加わったら、間違いなく巻き添えを食ってしまう。
 けど、このまま見ているだけでは確かに勝ちは望めない。

 考えろ。
 これまでの勝負だって、それで何とか勝利を勝ち取ることが出来た。
 今回だって、何か打開策があると思いたい。
 何か…何かいい方法はないだろうか…?
 考えてみれば、今回の大妖六番勝負だけの話だけでない。
 乙輪姫いつわひめ天毎逆あまのざこ)の時や「絶界島トゥーレ」事件、夜光院やこういんの時もそうだ。
 あの時も、幾度となく窮地に追い込まれながら、先輩達や仲間の力とか助言で乗り切ってきたんだ。
 この状況を乗り切るための何かが…

 そこで僕はハッとなった。
 そうだ。
 よく考えたら、こんな状況を切り抜けるヒントが示されていたじゃないか!

「紅刃さん!」

 僕は咄嗟に駆け出すと、沙牧さんズを追走する紅刃さんに追いつき、呼び掛けた。
 殺気立って沙牧さんを追い回していた紅刃さんが、何事かと僕の方を向いた。

「紅刃さん、一つ賭けをしましょう!」

「十乃様?」

「今から、それぞれ一人ずつ沙牧さんを追いましょう!それで本物だった方が勝ちです!」

 突然の僕の申し出に紅刃さんが真意を図りかねたように眉を寄せる。
 僕はたたみかけるように続けた。

「このまま、二兎を追ってもらりがあかないのは明白です!なら、お互いに運を天に任せて勝負というのはどうでしょう!?」

「…成程。一理ありますわね」

 しばし考えた後、紅刃さんは頷いた。

「いいでしょう。挑まれた勝負から逃げるのは酒呑童子の名折れ。何よりも、他ならぬ十乃様からのお願いとあっては無碍むげにも出来ません」

「もちろん、私達も構いませんよ」
「でも、力ずくしか能のない鬼族に本物の私が分かりますか?」

「その無駄口、次は断末魔に変えて差し上げます!」

 手の槍斧ハルバードを構え直しつつ、紅刃さんが挑発をしてきた片方の沙牧さん(仮に「沙牧さんA」とする)に狙いを定める。

「私はこちらをらせていただきますわ!」

 意気揚々と物騒に宣言する紅刃さん。
 どうも「勝負<沙牧さんの抹殺」の方針は健在らしい。
 僕は残った「沙牧さんB」を見やった。
 その時、ウインクしてくる沙牧さんB。

「うふふ、十乃さんに追いかけられるなんて、何だか新鮮でドキドキしますね♪」

「こっちも別の意味でドキドキしますよ…!」

 笑顔で逃げ回る沙牧さんに、そう返す僕。
 先程までの逃走スピードは幾分緩くなったのは、沙牧さんの配慮だろう。
 有り難い。
 ここまではの展開だ。
 これなら上手くすれば何とか捕まえられそうだ。
 一方…

「ほらほら、こっちですよ~」

「この!ちょこまかと!」

 紅刃さんの追い掛ける沙牧さんAは、Bと同じ速度ながら変幻自在の身のこなしや妖術により、華麗に紅刃さんの攻撃を避け続けている。

「そんな攻撃では、髪の毛一本すら傷つけられませんよ?」

「…では、少しだけ本気をお出ししましょうか?」

 そう言うと、一転不敵な笑みを浮かべる紅刃さん。
 その手には、いつの間にか一瓶のワインボトルがあった。
 それを目にした沙牧さんAの表情がわずかに強張る。

「それはまさか…」

「ええ。ロマネ・コンティの最高級品ですわ。少々お下品ですけど、ご免あそばせ!」

 言うや否や、軽くコルク栓を開けると一口飲み干す紅刃さん。
 すると、途端に彼女の動きに変化が生じた。
 そう。
 沙牧さんAを追走する速度が、目に見えて加速したのだ。

「さあ、ここからがショータイムですわ…!」

 そう言う紅刃さんの額には角が生え、顔が紅潮している。
 それこそ赤鬼のようだ。
 さもありなん、彼女は鬼族である。
 しかも、稀代の酒好きとして知られる大鬼“酒呑童子”だ。
 その妖力は、アルコールを飲用することで自らの身体能力を限りなく底上げするものだと聞いた。

「今日こそあの世への引導を渡して差し上げます!」

 そう言うと、深紅の槍斧ハルバードを凄まじい速度で振るう紅刃さん。
 その一撃も威力が増したのか、触れてもいない沙牧さんAの着物の端が切り裂かれた。

「おほほほほ!さあ、お覚悟はよろしくて!?」

「あらあら…これはちょっとマズいですね」

 次々と繰り出される紅刃さんの攻撃に、かわすことすら危なっかしくなってくる沙牧さんA。
 そして、ついに決定的な瞬間が訪れた。
 逃走する沙牧さんAの足を紅刃さんの槍斧ハルバードが払い、転倒させたのだ。
 その隙を強化紅刃さんは見逃さなかった。

りましたわ…!」

ザシュッ…!!

 一瞬だった。
 紅刃さんの槍斧ハルバードが、転倒した沙牧さんを一刀両断にする。
 再び起こった惨劇だった。
 しかも、今回は派手にが噴き上がった…!

「そ、そんな馬鹿なっ!!」

 思わず僕が悲鳴を上げる。
 仕方がない。
 だって、僕の予想では、沙牧さんAはのはずだったのだ。
 でも、その予想は外れた。
 だって、本物である証拠の血飛沫ちしぶきが上がっている。
 ということは…

 僕は思わず眼前の沙牧さんBには目もくれず駆け出した。
 その視線の先で、無残に崩れ落ちていく沙牧さんA。
 口から洩れる悲鳴が停まらない。
 残酷な笑みを浮かべる紅刃さん。

 その全てがスローモーションのように映った。

 降り注ぐ真紅の雨が頬に当たる。
 嫌が応にも、目の前に広がる光景が現実であることを知らされた。
 だって、頬に当たるこの赤いものは生温かった。
 そして、ほのかに甘く、やや酸味のあるにおいが…

 …

 ……

 ………

 …甘くて、酸味…?

「な、何だこれ!?」

 僕は思わず素っ頓狂な声を上げた。
 頬に当たった沙牧さんAの血しぶき…それを指でぬぐい、においを嗅いでみる。
 嗅いだことのあるこのにおいは…

「トマトケチャップ!?」

「正解です」

 突然。
 立ち尽くしている僕の首を、沙牧さんBが背後から抱きしめた。
 柔らかい感触と、沈香の香りが漂う。
 一瞬呆気にとられてから、僕は赤面しながら慌てた。

「さ、ささささ沙牧さん!?本物の!?」

「それも正解です」

 ニッコリ笑いながら、沙牧さんB…いや、本物の沙牧さんが頷く。
 同時に両断された沙牧さんAは、サラサラと形を失い、砂庭の玉石へと変化する。
 僕は思考がマヒしそうだった。

「え?だって…え?何で?本物の沙牧さんがやられたのかって…僕、てっきり間違えたのかって…」

はリアリティを追及してみたんです」

 そう言いながら、悪戯っぽく舌を出す沙牧さん。

「どういうことですの…!?」

 そう横から割って入ったのは紅刃さんだ。
 てっきり仕留めたと思った相手が実はニセモノで、本物同然の血飛沫(実はトマトケチャップ)を上げ、しかも玉石に変わったのだ。

「妖力【砂庭楼閣さじょうろうかく】第六楼“砂偽喪すなぎも”」

「…は?」

「まあ、平たく言えば『変わり身の術』ですね」

 そう言いながら、微笑む沙牧さん。
 それは僕も予想していた。
 ヒントは沙牧さんが、勝負前に放った言葉だ。

「こんな緊迫した状況は『絶界島トゥーレ』以来ですね」
「思い出してください」
「あの時、…?」

 これらは即ち「私は妖力で変わり身の術を使いますよ。よろしくね」という暗喩だ。
 しかも、その全てが紅刃さんには意味不明であり、僕にしか分からない言い回しになっている。
 それに気付いたのは、沙牧さんが二人に分裂し、紅刃さんに追いかけ回され始めた時だ。
 だから、僕は沙牧さんの意図を察し、紅刃さんに「それぞれ片方ずつ沙牧さんを追いかけ、本物を捕まえた方が勝ち」と吹っ掛けたのだ。
 仇敵である沙牧さんの発案なら反発しただろうが、僕を信頼してくれた紅刃さんはその提案に乗ってくれた。
 しかも、紅刃さんはまんまと沙牧さんAを追い掛け始めた。
 理由は単純だ。

 沙牧さんAが、あからさまに紅刃さんを挑発したからである

 当然「沙牧さん憎し」の勢いに任せ、紅刃さんは沙牧さんAを追いかけ始める。
 その時点で僕は勝ちを確信した。
 沙牧さんがくれたメッセージの真意に気付いていた僕には、紅刃さんを挑発した沙牧さんAこそが偽物であると確信できたからだ。
 口裏を合わせたわけではないけど、策略家の沙牧さんならそういう奇策はお手の物である。
 普段、付き合いで慣れているからこそ、僕は沙牧さんが示したヒントとその意図に気付き、立ち回れたのだ。

 けど、一つだけ見誤りがあった。
 それは、沙牧さんが「味方をも騙す悪癖の持ち主」だったという点だ。

「あ、あの手応え…噴き上がった血飛沫すら…変わり身だった、と…?」

 呆然と呟く紅刃さん。
 それに、沙牧さんはコロコロと笑って頷いた。

「以前、とある孤島でも使った妖力でしたが、その時はちょーっとリアリティが足りないかな、と思いまして」

 そう言うと、沙牧さんは両手を合わせて続けた。

「今回はちょっと凝った仕掛けを施してみたんです。どうです?迫真の演出だったでしょう?」

「…おかげで、僕はてっきりあっちが本物だったのかと…」

 恨みがましい僕の声に、沙牧さんは悪びれた風もなく言った。

「あら、絶界島トゥーレでのあの一件の時に申したではありませんか…『敵を騙すには、味方をそれ以上に騙しておく…それが目くらましの極意です』と」

 笑顔のままでそう言われ、僕は脱力した。
 …味方ながら最後まで底の読めない人だ…

「ところで…この勝負は十乃さんの勝ちでよろしいでしょうか?」

 僕の首にかじりついたまま、沙牧さんが審判役の御屋敷町長に問い掛ける。
 それに、御屋敷町長は言った。

「まあ、確かに勝ったのは坊の方じゃな。坊がお主を捕まえたというよりは、お主が坊を捕まえたようにも見えるが」

 そして、こめかみを抑える御屋敷町長。

「…何にせよ、が出たのう」

 見れば。
 勝負の舞台になった日本庭園は、見る影もなく荒廃していた。
 あーあ…これ、誰が補償するんだろ。

「では、こちらの五勝目ということで♪」

「それはともかく!もういい加減に十乃様からお離れなさい!!」

 突然、耐えかねたように紅刃さんが牙を剥く。

「こちらが有利だった勝負でしたし、悔しいですがその上での敗北は敗北として認めます!ですが…」

 再び槍斧ハルバードを構える紅刃さん。

に必要以上に密着するのは、断じて認めません!!」

 そう言って襲い掛かって来た紅刃さんの一撃を鮮やかにかわすと、沙牧さんは僕の手を引きながら笑った。

「あらあら、良いことを聞いちゃいましたね。十乃さんから離れて欲しいのでしたら、この庭園の弁償をお願いしますね」

「何でそうなりますの!?」

「ところ構わず重火器や爆発物を使用し始めたのは、紅刃さんじゃないですか」

 しれっとそう告げる沙牧さんに、お酒を飲んでいないにもかかわらず、紅刃さんの顔が再び紅潮した。
 今度は。
 間違いなく怒りのためだろう。

「やっぱり絶対りますわ!!!!!」


 結局。
 さらに小一時間ほど物騒な鬼ごっこは続行された。
 そして、さらに拡大した被害に関しては、後日、大江山組へ請求書が当然の如く送られたという。

 …御愁傷様です、紅刃さん。
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