疾風迅雷アルティランダー

エルマー・ボストン

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第一話 未知との大遭遇

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「ぬぅー!お約束とは言え、邪魔者ばかり現れやがる!えぇい喰らえ!」

「あーもぉー!ビームキャノン壊れちゃったじゃん!コレ直すの大変なのにィー!」

兄妹は、それぞれの邪魔者を相手に怒りをぶつける。しかし、邪魔者たちはその手を緩めない。

「おりゃぁー!銛を受けてみろォッ!」

クルクルと回転走行し、華麗なテクニックでビームを捌きつつ、ついに宇宙船の真下までやって来た総司は、ボウガンを構え、銛を発射した。それは見事、宇宙船の下部に命中したのである。

「やったぁ!総司兄ちゃんエラい!」

「ふふん鉄矢!もっとホメろ!」

「甘く見るなよ田舎者め!これしきで参るブラックナックル号ではない!こうなったら、動けなくなるまでコテンパンにしてやるぞ!」

そう言うと、ガッツもまた徐々にビーム砲の出力を上げていく。しかしそれでも、機体の中の人間を傷つける威力は無いに等しいが。

「コテンパンなんて表現、久々に聞いたぞ!お前本当に宇宙人かァ?!」

ガッツがあれこれ喋っているうちに、総司は怪しく光るビーム砲塔に向け、もう一発銛をぶち込んだ。完全に破壊するまではいかなかったものの、ショートし、小さな爆発を繰り返す。

「な、アアアァァー!なんてことしてくれた!大事なビームをォォー!!!」

ガッツが悲鳴にも似た雄叫びを上げている隙に、総司は船体に打ち込んだ方の銛に向けアンカーを射出、体良く接続に成功していた。

「その宇宙船のサイズなら・・・きっとアルティランダーのパワーでも!」

引きずり下ろそうという腹づもりで、パワー全開でアンカーを巻く。しかしそう簡単にはいかない。ブラックナックル号の方も、エンジンフル回転で抵抗を続けていた。

「ぬぬぬ・・・!地球人の思い通りにはさせん・・・!ジャネット!大丈夫か?!援護してくれ!」

ガッツは身体の全てを使い、操縦桿を力一杯引いていた。総司も同様である。最早、男と男の勝負であった。

「アニキーィ!マジ無理コイツしつこすぎィ!逆にこっち助けて欲しいってェー!」

無事に攻撃手段を奪った南は、引き続き執拗にバンキッシュを攻め立てていた。捕縛して、今後の開発に活かしたい、という希望があったからである。

「ドレッド!ラァァーンス!」

スタードレッドの手首から小さな棒が射出されたかと思うと、如意棒のようにたちまち伸び、槍状に変形した。

「どこの星から来たか知らないが!大人しくしてもらう!」

南は、ドレッドランスをバンキッシュに何度も叩きつける。何度も、何度も、何度もだ。
装甲を貫くまでは到底及ばないものの、ガンガンとコックピットを揺らす鈍い音と、南のその執念に対して、ジャネットはある種の恐怖を覚えていた。

「ば、ばるるぅー!こいつヤバいよ!緊急離脱!!」

涙目になりながら、いや、南がヤバすぎて最早泣くことも、操縦すらままならない状態で、ジャネットはバンキッシュのAIである「ばるる」に助けを求めた。

「りょ!」

その言葉と同時に、バンキッシュの背後から、大量の黒い廃棄ガスが噴出された。いわゆる煙幕である。

「くっ、小賢しい・・・なっ!レーダーに異常だと?!」

そう、ただ視界を遮るだけでなく、あらゆるセンサーを狂わせる、チャフのような効果もあったのだ。
黒煙が、一帯にもうもうと立ち込める。煙幕が晴れる頃には、バンキッシュとジャネットの姿はどこにも無かった。

「まさか、こんな早さで行方を眩ませるなど・・・あり得ない!これが…『宇宙からの脅威』…。」

南は、操縦桿と、兜の緒を強く締めるのであった。

「どおぉーりゃァァァァーーー!!」

総司とガッツの対決は続いていた。
まるで綱引きである。
異なる星のエンジンとエンジン、意地と意地が火花を散らすが、互いに一歩も引く気配を見せない。

「降りて、来いやァァァァーーーッ!!」

「我が科学力を、ナメるなァァァァーーーッ!!」

2人の男が、星と星とを、妙な関係で繋いでいた。叫んではいるが、こうなっては地味な戦いに他ならない。

「踏ん張れアルティランダー!俺たちの力、宇宙人ヤローに見せつけてやろうぜ!」

「何故だ・・・こんな辺境の堕落した人間が、何故こうも帝王に喰いさがるのだ?!」

「覚えとけ。お前の星だとどうだか知らねぇが!夢のために火がついたヤツぁ、すげぇ強いのさ!」

ギリギリと歯ぎしりをしながら、総司が問いかける。確かにこのまま膠着状態が続けば、燃料切れか、どちらも壊れて終了だ。せっかくの熱い戦いが、キレの悪い幕引きとなってしまうだろう。

「ゆ、夢…?そんなもののために貴様は生命をかけているのか?!バカな!」

操縦桿を握り、踏ん張るガッツの力が、徐々に弱り始める。

「んなこと言ってるから!他人様に迷惑かけるんだよォォー!!」

総司は、チャンスの時を逃さなかった。
その一瞬で一気に引きずり下ろす!!

・・・その時であった。

「ドレッド!スロォォォー!!」

赤いアイツが、ランスを思い切りブン投げた。そしてそれは、見事にアルティランダーのアンカーを切り裂き、2体の接続を見事に解除するのであった。
引き合っていた2体は、強烈な反動で投げ出されることとなり・・・。

「あっ!バッカやろ・・・!うわぁぁぁぁ!!」

バランスを崩し、盛大にスピンしてしまうアルティランダー。

「う、あああァァァーーー!地球人め!覚えていろォォーー!!」

バーニアの無理な噴射が祟り、制御不能に陥ったブラックナックル号。
猛烈な勢いで、はるか彼方の空へと吹き飛び、消えて行った。

アルティランダーはというと、ひとしきりグルグル回った後、街の駐車場へダイナミックにダイブ。車の上に弾き飛び、3、4台破壊するのであった。

「ぐ、あぁー・・・持ち主の皆さんごめんなさい・・・。」
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