チートがなくても最強です!?〜最弱勇者はハードモードの異世界を策略と悪知恵で必死こいて生きていく〜

ソリダス

文字の大きさ
16 / 81
第二章 ドッデ村編

第十六話 ドラゴンスレイヤー

しおりを挟む
 「おのれェェェェェ!!この外道勇者がアアアァァァ!!」


 ドラグノフは悲鳴にも似た叫び声を上げるが、そんなの知ったこっちゃない。

 構わずショベルカーは前進を続ける。

 キュルキュルとキャタピラー特有の金属音と、エンジンの爆音を轟かせてショベルカーは穴へと近付いていく。

 そして、ギリギリまで近付いたところでショベルカーは停止した。

 3台の動きが止まったことを確認した俺は、手を振って合図を出した。


 「それじゃあ、お願いしまーす!!」


 合図を確認したショベルカーの操縦者達は、周囲の土を掘り起こし、それを穴の中へと次々に入れていく。

 その間、ずっとドラグノフの怒号が聞こえていたが、しばらくすると何も聞こえなくなった。

 少し時間はかかったが、ドラグノフの姿が完全に土に隠れたのを確認して、俺と隊長は距離を取る。

 そして、俺と隊長の二人が充分に距離を取った事を確認した後、


 「……ポチッとな!」


 そうしてスイッチを押した瞬間、けたたましい爆音が響き渡り、それに続いて土が火山の噴煙のように空中に噴き上がる。

 その噴き上げられた土が雨のように俺達に降り注いできた。

 俺は咄嗟に頭をジャケットで覆って、土から身を守った。


 「いででででで!!いだっ、いだい!!」


 ……まぁ、防げたのは土だけで小石やそこそこでかい石は四方からバンバンぶつかってきたけれど。


 しばらくして土砂の雨も止み、俺はドラグノフの生死を確認しようとするが、穴から立ちのぼる煙で判断が出来ない。

 それを歯痒く思っていると、


 「やったか!?」


 森の方から、フラグとしか思えない発言が聞こえてきた。

 これには思わず俺も声を荒らげる。


 「おい、誰だ!露骨にフラグ立てたの!今の絶対わざとだろ!」


 そんな事を言っているうちに少しずつ煙が晴れていき全体が見えてきた。

 穴の周囲の地面は深く抉れて、クレーターのようになっている。この惨状だけで、あの爆弾がどれ程の威力を持っていたのかを窺い知る事が出来る。

 そして、その中心には未だにスライムガムにくっついたまま身動きが取れないドラグノフがいた。

 体表は魔法と爆弾によって焼き焦がされてボロボロになっていたが、腹部が一定の間隔で動いている事から生きている事が分かった。


 「……これでも倒せないのか」


 一見すると絶望的な状況だが、隊長のその声や目からは落胆は感じない。それどころか、より一層声に力が入っているように感じる。


 彼はまだ諦めてはいないのだ。

 勿論、俺もまだまだ諦めちゃいない。


 ドラグノフは全身の筋肉を隆起させ、力を入れて何とか抜け出そうとしている。

 無駄な抵抗を、と一瞬思ったがすぐにドラグノフの狙いが分かった。


 (……こいつ、くっついてる岩盤ごと剥がすつもりか!)


 落とし穴の底はかなり頑丈な岩盤で出来ており、その岩盤の上にスライムガムを仕掛けていた。

 しかし、爆発で脆くなった岩盤を、ドラグノフは爪を立てて踏ん張る事で粉砕しようとしている。

 徐々にドラグノフの足元の岩盤に出来たヒビが大きくなっていく。


 (これだけのダメージを与えて、まだこんな力があるのかよ……)


 俺がそんな事を考えていると。


 「ふ、ふふふ!ふーはははははは!この我がここまで追い詰められたのは数十年……いや、100年ぶりくらいか!良い!良いぞ!……だが、どうやらここで万策尽きたようだな?残念だ。あと一撃、強力な攻撃を食らっていたら流石の我も力尽きていただろうに。さあ!次は我の番だ!」


 凄まじい殺意によってギラついた目で俺を睨みつけるドラグノフは、尚も隆起させた全身の筋肉の力を脚へと向けて立ち上がろうと試み続ける。

 その様子を見ながら俺はあっけらかんとしてドラグノフに語る。


 「って思うでしょ?俺もこれだとギリギリ倒し切れないだろうな~とは思ってた。まあ、それはあくまで最悪の状況として考えてたんだけど」


 「………何が言いたい?」


 「最悪の状況を想定しておいて、なんにも対策してない訳がないじゃんって事。当たり前だろ?……とはいってもこれから何が起こるか分からないだろうから……そうだなー、特別にちょっとしたクイズをしようか。これに答えられたらこの先の作戦の一切合切を全部教えてやるよ」


 「そんな言葉で我が揺らぐとでも思って――」


 しかし俺はドラグノフの話を途中で遮る。


 「だったら無視してくれて構わねぇよ?ただ、お前の勝てる確率はさらに下がるだけだ。……安心しろよ、俺だってこの状況で嘘はつかねぇよ。……ほら、本当は聞きたいんじゃないのか?この絶体絶命の状況を覆せるかもしれないぜ?」


 「くっ……貴様ァ……!!」


 悔しげに喉を唸らせるドラグノフ。

 それを見て俺は口元を歪める。


 「決まりだな。それじゃあ問題!俺達は一番最初にお前にどんな攻撃をしたか覚えてるか?」


 「最初の攻撃?……それがどうした。一体何の関係がある?」


 「まぁまぁ、いいからいいから。それじゃあシンキングタイムを10秒あげよう。はい、いーち。にーい………」


 俺がそうして数えている間もドラグノフの全身には力は入ったままであった。

 しかし、俺に気を取られているせいなのだろう、地面に次々と入っていたヒビがピタリと止まっていた。


 そしてたっぷり10秒数え終わった俺はドラグノフへと問いかける。


 「さあ、時間だ!答えを聞こう!」


 「………魔法、だ。貴様らは最初に不意打ちで、この我に魔法攻撃を仕掛けてきた」


 「おっ、正解!それじゃあここまで言っても分からない勘が悪いドラグノフ君に最期にもう一問!」


 俺は人差し指をピンと立て、ドラグノフに向かって突き出す。


 ―――俺のその動作とほぼ同じタイミングだった。

 深紅に輝く魔法陣がひとつ、ドラグノフの真上に出現した。


 それを俺と隊長、そしてドラグノフが同時に魔法陣を見る。それを見上げたドラグノフは、一瞬だけ狼狽したような表情を見せた。

 それを確認した俺は、満を持して最期の質問を投げ掛けた。


 「最初に使った魔法の二発目のチャージが完了するまで、あと何秒かかるでしょうか?」


 俺が言い終えたその瞬間、たったひとつの深紅の魔法陣の真上に、ほんの瞬き程度の一瞬で様々な色に輝く魔法陣が数え切れないほどに展開されていく。


 本日2度目の魔法陣の塔である。


 そう言って俺はドラグノフに向かって邪悪な笑みを浮かべ、どうだと言わんばかりに両手を大きく広げた。


 「さぁ、これが俺達の作戦の全てだ。……言ったろ?約束は破らねぇって」


 ――俺が充分に魔法のチャージ時間を稼ぎ、頃合いを見て合図を出す。今回は『立てた人差し指をドラグノフに向けて突き出す』が合図だった。それを周囲に潜伏している魔法使い達が確認し次第、魔法による一斉攻撃を開始する――。


 大雑把な作戦だ。

 成功の確率も高くなかった。

 まさに博打のような作戦だったが、これまでの行動全てがこれ以上ないほど上手く噛み合った。その結果が、今俺の前に鮮やかに輝いている魔法陣として現れた。


 一瞬の沈黙の後、ドラグノフは大声で笑った。


 「フハハハハハハ!!馬鹿め!その距離なら貴様らも巻き添えになるぞ!もはや、今からでは逃げ切れまい!さあ!共に生命を散らそうぞ!……いや、我はもうすぐここから抜け出せる!直撃を避けることが出来れば、我は生き残れる!残念だったな!」


 更に筋肉を隆起させ、全身から蒸気を放ちながら、全力で地面を砕かんとする。

 ドラグノフの言う通り、足元の岩盤には複数の細かい亀裂が走っており、もうあまり持ちそうにない。

 あと1分間持つか、持たないか。

 だが、それで充分だった。


 「残念、散るのはお前の生命だけだ。隊長、頼む」

 「了解。『エアデス』」


 隊長と俺の足元に、二人の体がスッポリ埋まるぐらいの穴が一瞬で出来上がった。

 穴の中からそれを察したらしいドラグノフは、全身から動揺や怒り、憎しみなど、俺のこれまでの人生で感じたことがないほどの負の感情が発せられている。


 「時間稼ぎも終わったことだし!あとは、この穴の中に隠れて魔法が発動するのを待つ事にしよう!それじゃ」


 それだけを伝えて、俺と隊長は穴の中へと入り、最後に穴を魔法で塞いだ。


 「おのれ…おのれおのれおのれおのれおのれおのれェェェェェ――――!!!」


 怒りや憎しみなど様々な感情が混ざったドラグノフの断末魔の叫びは、その直後に発動した本日2度目の『魔法陣の塔』の爆発音に掻き消されていった―――。



 ◆◆◆◆



 その爆発音もやがて止まり、今聞こえる物音は俺と隊長の呼吸音のみ。

 異様な緊張感から沈黙に耐えきれなくなった俺は、隊長に話しかける。


 「……そろそろ出ても大丈夫じゃない?」


 「あぁ、恐らくはな」


 「じゃあ出ようか。悪いけどさっき『エアデス』で閉じた上を開けてくれ」


 「分かった、『エアデス』」


 隊長がエアデスを唱えると、天井の土がまるで液体のようにドロリと溶け、周囲の土の壁の中へ浸透していくように消えていった。

 そうやって開いた穴からぶはっと勢い良く顔を出し、新鮮な空気を吸い込む。

 別に中が息苦しかったわけではなかったのだが、薄暗く狭い空間から外に出た事でつい反射的に大きく息を吸い込んだ。


 だが、俺が外に出て得られたものはそれだけではなかった。


 「「「やったあああああああ!!ドラグノフを倒したあああああああ!!」」」


 魔法使い達の大きな大きな歓喜の雄叫びを全身に浴びた俺は、そこで初めて俺達があの強大な敵に勝利する事が出来たのだと知り、安堵からどっと全身の力が抜けていくのが分かった。

 そうして今たっぷり吸い込んだ空気を、緊張と共にゆっくりと吐き出すのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます―― 金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?

あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】全60話 完結しました。読者の皆様ありがとうございます! 世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。 「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。 ・神話級ドラゴン  ⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺) ・深淵の邪神  ⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決) ・次元の裂け目  ⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い) 「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」 本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……? 「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー! 【免責事項】 この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...