呪い子と呼ばれた娘の呪いをさっさと解いて、自由気ままな生活をさせてあげたいです

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第1章

腐化の呪い

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「今をもってベルグ=エスメラルダの公爵位を剥奪。今後、エスメラルダの名を語る事、エスメラルダ家付近に近づくことを禁じます。」

「....承知、致しました....」

「馬鹿なことを、あんなクズをさっさと捨てればこんな事には....」

「ッ!貴様!!、実の娘に何たる暴言!」

「黙りなさい平民。....あなた達、そこの平民ゴミクズを捨ててきなさい。」

そして私たちは家の門まで連れていかされ、騎士達に門から投げ出された。
先程までは部下だった者達。どこか悲しい顔をしていた。そして投げた張本人、エスメラルダ家の防衛騎士長ビュートは俺たちに麻袋を投げた。

「ベルグ様....いや、ベルグそしてセラ、これは俺かのせめて物の恵みだ。それを受け取ったらさっさと消えるがいい」

「あぁ、言われなくてもすぐに行く。」

私とセラはそこから立ち去った。二度とここに来ることは無いだろう....

「お、お父様....」

「心配するなセラ、お父さんに任せとけ。」

私たちは背を向けることなく歩いていった。

「....申し訳ありません、ベルグ様、セラ様........」

微かにビュートの声が聞こえたが何を言ったかわからなかった。

私たちは生活のため街に来ていた。ビュートがくれたお金はあるがいつなくなるか分からない。今のうちに職を探さなければ....

「ふざけるな!その娘呪われてるじゃないか!、そんなやつ俺の店に近づくんじゃねぇ!」

「呪い子かい、出ていきな。あんた達を雇う訳には行かないよ」

「見ろよ、あいつの顔、まるでゾンビみたいだな!!」

「消えろゾンビ!、俺たちの街から出ていけ!!」

どの街に行ってま結果は同じ。俺たちを化け物扱い。石や物などを投げられ、ひどい時は剣を向けられることもあった。

「ごめんなさい、私のせいでお父様まで....」

「セラは悪くない、悪いのは何も出来ないお父さんだ、さぁ、もう行こう」


森に来ていた。街での生活は絶望的。ここで魔物を狩って生きていくしかない。護身用の短剣しかないが贅沢はいえない。しかし、剣術など知らない私には武器ならなんでも良かった。生きるために無我夢中で敵を倒した。運がいいのは私でも倒せるような魔物しか出てこない。しかし、それらは決して食べれるようなものではなかった。

「待ってろよセラ、今食べられるものをとっ........」

「お父様?......しっかりしてくださいお父様!!、お父様!!」

私でも倒せる魔物と言っても無傷ではなかった。しかし、治療なども出来るわけがなく、とうとう私は倒れてしまった。あぁ、娘よりも先に死んでしまうとは、情けない最後だったな......













............目が開いた。私はベッドの上にいた。....そうか、私は死んでここは天国なのだろう。壁も天井も木でできており、小屋のような場所だった。

「贅沢を言うならもう少し綺麗な場所がよかったな...」

「ふふっ、すみません。こんな汚い小屋で」

なにか横から声が聞こえた。長く美しい金色の髪が見えた。あぁ、神様かなと思った時、小屋の扉が勢いよく開いた

「お父様!!、お父様ぁぁぁぁ!!!」

「セラ?、何故セラまでここに....まさかセラも死んだしまったのか?」

「いえ、ちゃんとセラちゃんは生きていますよ。そして貴方も」

「ハハハッ!、お主、ここは天国では無いぞ!」

「え?、生きてる?天国じゃないって....じゃあここは?」

「ここは森の奥の私たちの家です。すぐそこで貴方が倒れているのを発見してここに連れてきました。」

「セラ殿から事情を聞いたぞ!、お主、災難だったなぁ」

どうやら私は死んでいないらしい。傷もふさがっている。先程の金髪の女性が治してくれたようだ。
そしてもう一人の男性。赤い髪で見た目は熊のように大きく、いかにも強そうな人だが、その人がすごく泣いている。物凄く泣いていた。

「お主!!とても辛かったであろう!!、セラ殿も遠慮せずにここにいていいんだぞぉ!!」

「ごめんなさいね、彼涙脆くて、それで、落ち着いたかしら?」

「はい、助けて頂いただけでなく傷も直してくれて感謝しかありません、そして先程の発言は申し訳ありません....」

「いいんですよ、それで寝起きですがお腹も空いているでしょう。どうぞこちらに、それにカイト、いつまで泣いているんですか。」

「あぁ....すまん....もう大丈夫だ。さぁ、遠慮入らんぞ」

「行きましょうお父様」

そして部屋を出てテーブルを見ると見事な料理が並べてあった。どうやら先程の泣いていた男性のカイトさんが食材を取ってきてくれたようでマリアさんが料理をしてくれたようだ。
料理はとても美味しかった。何故か涙が出てきてしまった。家を出てからまともな料理は食べておらず、涙が溢れてしまった。そんな私を見てカイトさんがまた泣いしまった。辛かっただろうと何度も言ってくれた。
そして、私は聞いてみた。

「....お二人は何故私達を助けてくれたのですか?」

「?、すみません。質問の意味が?」

「私たちはこれまだ何度も街に行き何度も罵倒をされました。皆私達を化け物化け物とまるで人外を見るような目で。....なのにあなた方は私たちに敵意を持たず、普通に接してくれています。今まで誰も私たちを助けようとはしませんでした。....娘に呪い、腐化の呪いがかかりました。命に別状はない呪いですがその身は腐り、それこそゾンビのようになっていき、最後には廃人になっていきます。」

「私には妻がいましたが、娘がその呪いにかかったと知り娘を殺そうとしていたした。腐化は周囲には影響がないのですが妻にとっては娘は邪魔だったのでしょう。そした私は娘をかばい、家を追い出されました。そして、森で生活を余儀なくし、危うくセラをおいて死ぬところでした。」

私はそう答えた。カイトさんとマリアさん黙っていた。......私は今震えているだろう。この方達は化け物と呼ばれた私達を助けてくれ、食事まで提供してくれた。だが、ここまで良くしてくれる人がいるのに恐かった。この人たちもいつかは私たちを捨ててしまうのではないか、私は娘以外の人が簡単に信用が出来なくなってしまった....



「........何言ってるんだベルグ殿、セラ殿が呪いがかかっていようが化け物と言われようが、俺たちはあんた達の味方だ。呪いがなんだ。ベルグ殿だってこうしてセラ殿の味方じゃないか。」

「えぇ....森でベルグさん達を発見した時セラちゃんが私に気づいてなんて言ったと思います?「私のせいだから!!私を殺してください!!だからお父様は!!」と言ったんです。」

「セラちゃんはまだ5歳です。あんな覚悟は大人でも出来ません。自分が呪いにも関わらず、ベルグさんを助けてって。ベルグさんだけがずっとセラちゃんの唯一の味方だった。そんな貴方を自分を犠牲にしてまで助けたかった。」


「貴方はそんな娘の覚悟を踏みにじるのですか?、私たちを甘く見ないでください。カイトが言った通り私達も味方です。だから貴方を助けました。貴方もセラちゃんも人間です。化け物ではありません。」

「そうだぜ!セラ殿を化け物と言ったやつは俺が懲らしめてらるからよ!」

「確かにベルグさん達を生活から簡単に私達か信用できないのも分かります。信用が出来ないのなら....」

私の前にカイトさんが持っていた剣が置かれた。

「それで私たちを殺しても構いません。私達にはその覚悟があります。」







............私はなんて馬鹿だったのだろか........


「申し訳ありませんでした!!、助けてもらい、あまつさえ試すような真似をしてしまい、覚悟がないのは私の方でした。あなた方はセラの味方です、改めて私とセラを助けていただきありがとうございました。」

「お父様を助けてくれてありがとうございました」


私が謝罪の言葉を出し土下座をしてすぐにセラも私の横で同じように謝った。

「いいんですよ、私達もセラちゃんから色々教えられました。ありがとうございます。」

「あぁ!!、ベルグ殿、セラ殿、こちらも改めて、遠慮せずにここに居てくれて構わない、いや、むしろ居てくれほしいぞ!!」

そう言うとカイトさんは泣いてしまった。マリアさんも泣いていた。
あぁ、今この瞬間が人生で最高の瞬間かもしれなかった........


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