5 / 9
独り?
昼食だのお茶だの晩餐だののたびに、磨かれ、ドレスアップさせられ、飾り立てられ…私のライフはもう0よ…。
小説とかコミックとか、仮想で読むのと体験するのとでは大違い(当たり前)。貴族のお嬢様、生まれたときからこれが標準装備か。すげえ…。
ドレスも装飾品も重いのね…としか思わない辺り、適齢期すぎつつある女としては終わってるがそれがなんだ。女子力など皆無であることは本人が一番分かってるんだ。ほっとけ。
シルクか知らんが上質な布でもこうも何重だと重みしかないし、繊細な細工でもイヤリングもネックレスもヘアアクセもリングもブレスレットも…いやなんでここまでフル装備せにゃならんのだ。相手が王族だからか? まじむりぃ…。
仕事中はパンツスタイルのスーツだし、普段着もそれをカジュアルにしたような服装の私になんてハードルの高さ…!
異世界転移とか召喚とかさ、性差関係なく、装備とか正装とかよく馴染めるよな…。ドレスだけじゃなくて、防具とかも重いだろうに。肩も腰もやられる。
ついでに、コルセット開発したやつに殺意を覚えたわ。ストッキング開発したやつにも覚えた、同じくらいの殺意を。
女性の身体のラインがどうとか知るかボケ。なんで男を喜ばせるためにそんな努力を、女だけに押し付けるんだ、ああん?
楽しいはずの食事が苦行だった。法律書読破という鍛錬じみたものより、比べ物にならんくらいの苦行だった。
あの美形が、お見合いさながらの質問を繰り出してくるのも、苦行でしかなかった。私の食事を毒見させてたメイドさんに、要らん牽制してたのもな!
苦行がゲシュタルト崩壊してたわ、私の中で。
食事という名の苦行が終わった後に通された部屋は、なんだかこう、どういう人間を想定したのか?というパステル調で纏められていた。ふんわりぽわぽわな可愛い女の子だったらさぞ、みたいな。
私の好みとは違うんだよねえ。知らないから当然だけど。言えば変えてくれそうだが、面倒だし言わない。
やさぐれまくって、中断させられた読書、法律書(誰かが持ってきてくれたんだろうな)を遠い目でひたすらめくる。必要事項はメモをとる。これも基本。メモ帳、筆記用具は常備してますが何か?
日本語だから、この国の人間には読めまい。ふはははは!!
……まあなんだ。テンション上げていかないと、心折れそうになるんだ。許してほしい。
だってここには、心の癒しがない。頼れる人なんか1人もいない。誰もいないんだ。何もない。
いくらアラサー近くて、実家から離れて一人暮らししてても、ちゃんとつながってた。
職場でも、厳しくも何でも話せる上司、面倒だが仕事はできる同僚、小言は多いが頼れるお局様、共に繁殖期を乗り切った後輩たち、いつでも愚痴を話せて、話してくれる友人たち、そしていつだって私の居場所と拠り所である家族たち。
異世界に来て、誰も見てないところでこっそり確認したスマホは、圏外だった。
誰とも話せない。誰にも話せない。そう思い知るのは早かった。
泣き喚いて、誰かがどうにかしてくれるなら、泣き叫んだと思う。みっともないとか、いい年なのにとか言われても。
醜態を演じる程度で望みが叶うなら、元の、自分が生きている世界に戻してくれるなら、それくらいやってのけた。いい年なので、相当の羞恥心との引き換えとなるが。戻れば二度と会うことのない人たちだと、開き直れたにしても。黒歴史の1つや2つ…いややっぱ辛いかも。
人前で泣くのはなあ…。涙は女の武器とか巷では言ってるかもなんだが、手段としては最低で卑怯だと思うの。それを意図して使うのは。計算でなければ、仕方ないけど。
話しが大分逸れまくったが、法律書の解読は順調に進んでいる。魔法使い様との面談は、2日後だそうだ。…長いなあ。それまでに、この国の法律、ある程度学ぶかあ。独学で。
ああでも、法律家も必要だな。魔法使い様が先だけど。
順序だてて、やるべきことを確認して。
どこまでできるか分からないけれど、決めたのだ。
私がこの世界で、独りだと気付いたときに。
小説とかコミックとか、仮想で読むのと体験するのとでは大違い(当たり前)。貴族のお嬢様、生まれたときからこれが標準装備か。すげえ…。
ドレスも装飾品も重いのね…としか思わない辺り、適齢期すぎつつある女としては終わってるがそれがなんだ。女子力など皆無であることは本人が一番分かってるんだ。ほっとけ。
シルクか知らんが上質な布でもこうも何重だと重みしかないし、繊細な細工でもイヤリングもネックレスもヘアアクセもリングもブレスレットも…いやなんでここまでフル装備せにゃならんのだ。相手が王族だからか? まじむりぃ…。
仕事中はパンツスタイルのスーツだし、普段着もそれをカジュアルにしたような服装の私になんてハードルの高さ…!
異世界転移とか召喚とかさ、性差関係なく、装備とか正装とかよく馴染めるよな…。ドレスだけじゃなくて、防具とかも重いだろうに。肩も腰もやられる。
ついでに、コルセット開発したやつに殺意を覚えたわ。ストッキング開発したやつにも覚えた、同じくらいの殺意を。
女性の身体のラインがどうとか知るかボケ。なんで男を喜ばせるためにそんな努力を、女だけに押し付けるんだ、ああん?
楽しいはずの食事が苦行だった。法律書読破という鍛錬じみたものより、比べ物にならんくらいの苦行だった。
あの美形が、お見合いさながらの質問を繰り出してくるのも、苦行でしかなかった。私の食事を毒見させてたメイドさんに、要らん牽制してたのもな!
苦行がゲシュタルト崩壊してたわ、私の中で。
食事という名の苦行が終わった後に通された部屋は、なんだかこう、どういう人間を想定したのか?というパステル調で纏められていた。ふんわりぽわぽわな可愛い女の子だったらさぞ、みたいな。
私の好みとは違うんだよねえ。知らないから当然だけど。言えば変えてくれそうだが、面倒だし言わない。
やさぐれまくって、中断させられた読書、法律書(誰かが持ってきてくれたんだろうな)を遠い目でひたすらめくる。必要事項はメモをとる。これも基本。メモ帳、筆記用具は常備してますが何か?
日本語だから、この国の人間には読めまい。ふはははは!!
……まあなんだ。テンション上げていかないと、心折れそうになるんだ。許してほしい。
だってここには、心の癒しがない。頼れる人なんか1人もいない。誰もいないんだ。何もない。
いくらアラサー近くて、実家から離れて一人暮らししてても、ちゃんとつながってた。
職場でも、厳しくも何でも話せる上司、面倒だが仕事はできる同僚、小言は多いが頼れるお局様、共に繁殖期を乗り切った後輩たち、いつでも愚痴を話せて、話してくれる友人たち、そしていつだって私の居場所と拠り所である家族たち。
異世界に来て、誰も見てないところでこっそり確認したスマホは、圏外だった。
誰とも話せない。誰にも話せない。そう思い知るのは早かった。
泣き喚いて、誰かがどうにかしてくれるなら、泣き叫んだと思う。みっともないとか、いい年なのにとか言われても。
醜態を演じる程度で望みが叶うなら、元の、自分が生きている世界に戻してくれるなら、それくらいやってのけた。いい年なので、相当の羞恥心との引き換えとなるが。戻れば二度と会うことのない人たちだと、開き直れたにしても。黒歴史の1つや2つ…いややっぱ辛いかも。
人前で泣くのはなあ…。涙は女の武器とか巷では言ってるかもなんだが、手段としては最低で卑怯だと思うの。それを意図して使うのは。計算でなければ、仕方ないけど。
話しが大分逸れまくったが、法律書の解読は順調に進んでいる。魔法使い様との面談は、2日後だそうだ。…長いなあ。それまでに、この国の法律、ある程度学ぶかあ。独学で。
ああでも、法律家も必要だな。魔法使い様が先だけど。
順序だてて、やるべきことを確認して。
どこまでできるか分からないけれど、決めたのだ。
私がこの世界で、独りだと気付いたときに。
あなたにおすすめの小説
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
愛があれば、何をしてもいいとでも?
篠月珪霞
恋愛
「おいで」と優しく差し伸べられた手をとってしまったのが、そもそもの間違いだった。
何故、あのときの私は、それに縋ってしまったのか。
生まれ変わった今、再びあの男と対峙し、後悔と共に苦い思い出が蘇った。
「我が番よ、どうかこの手を取ってほしい」
過去とまったく同じ台詞、まったく同じ、焦がれるような表情。
まるであのときまで遡ったようだと錯覚させられるほどに。
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
貴方は私の番です、結婚してください!
ましろ
恋愛
ようやく見つけたっ!
それはまるで夜空に輝く真珠星のように、彼女だけが眩しく浮かび上がった。
その輝きに手を伸ばし、
「貴方は私の番ですっ、結婚して下さい!」
「は?お断りしますけど」
まさか断られるとは思わず、更には伸ばした腕をむんずと掴まれ、こちらの勢いを利用して投げ飛ばされたのだ!
番を見つけた獣人の男と、番の本能皆無の人間の女の求婚劇。
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
『番』という存在
彗
恋愛
義母とその娘に虐げられているリアリーと狼獣人のカインが番として結ばれる物語。
*基本的に1日1話ずつの投稿です。
(カイン視点だけ2話投稿となります。)
書き終えているお話なのでブクマやしおりなどつけていただければ幸いです。
***2022.7.9 HOTランキング11位!!はじめての投稿でこんなにたくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです!ありがとうございます!
私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい
鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。
家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。
そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。
いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。
そんなふうに優しくしたってダメですよ?
ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて――
……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか?
※タイトル変更しました。
旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」