13 / 94
第12話 立ちはだかるは謎と闇
しおりを挟む
クリアは空いている手で光の術式、【ライト】——指先から明かりを灯すだけの術式——を使い、辺りを照らす。
そうして「ここは元々、光のルーツが収められていた遺跡だった」など、調査の時の様子をミヤに語りつつ遺跡内を見て回る。
「そういえば、ヒカリと初めて出会ったのもこの遺跡だったなぁ」
クリアがそんな思い出話をした時、若干ミヤが不満そうにしていたのは気のせいだろうか……?
……ヒカリもまた、ミヤと仲がいいはずなのだが。
それなりの時間をかけ、奥の部屋まで行き着いた二人は、最後にこの部屋の壁に記された古代文について語る。
——これで、あらかたこの遺跡の解説をし終わったかな。
時間も丁度ご飯時になりそうなので、そろそろ戻ろうとクリアが提案しようとした時のことだった。
「サラ、遺跡内の空気はあんまり良くないし、もう大体話す事も無くなったし外に——」
「お兄様、これってなんでしょう?」
サラがクリアの言葉を遮って指を差したのは、調査したクリアにも見覚えのない壁の端にある突起だった。
まるで「押してください」と言わんばかりのボタンの様に突き出ているそれは、クリアから見て……いや、恐らく誰の目から見ても怪しさ満点だった。
押してみるにしても、もう一度調査の準備をしてからにしないと何が起こるかわからない。
今まで色々な遺跡を調査してきたクリアは、直感的にそう感じていた。
「ミヤ、それは触れない様にしようね。何が起こるかわからないから」
こんな怪しげなものを、頭のいいミヤが自ら触れるとは思えないが、クリアは一応注意する。
……注意はしたのだが。
「えっ? ミヤっ!?」
まるで引き寄せられるように、クリアの握っていた手を放しその突起にミヤは近づいて行く。
クリアはすぐに止めようと、ミヤに手を伸ばすが間に合わず。
ミヤはそのボタンとも言える突起を躊躇いもなく押してしまった。
すると、突如遺跡内が揺れ始め、壁に亀裂が走り、崩れていく。
その中からは、まるで通路のような空洞が見えてくる。
だが、クリアのすべきことはミヤの保護が最優先だ。
「ミヤ?」
クリアは怪訝そうにミヤに声をかけながら近寄ると、彼女の肩に手をかけた。
——瞬間。
その手は思い切りよくクリアに振り向くことのないミヤの手によって払われてしまった。
一瞬の事に理解が追いつかないクリアに見向きもしないまま、ミヤは壁の中から現れた空間に一人足を進めていく。
——いけない!
はっとして、サラを追いかけようとクリアが走ろうとした時。
突如床から、それらは行方を阻むように現れた。
「【影の騎士団】!?」
それは、闇の術式より生み出される実態のある騎士の姿を模した人形の様な存在だった。
しかも、一体や二体じゃない。
クリアを取り囲むよう、数十体もまとめて現れたのだ。
この術式は闇の術式の中でもかなりコントロールが難しく、最近ようやく一体出せるようになったとミヤが嬉しそうに言っていたことをクリアは思い出しながら対峙する。
闇のエレメントは、物理的干渉が難しいタイプのエレメントだ。
分子としての作用は、光を遮り視界を悪くする……それぐらいの作用しかない。
しかしこの【影の騎士団】は、実態が存在する上に物理的干渉が可能な術式だ。
エレメントはどの属性も普段は目に見えなかったり、直接触れている感覚も無いぐらい小さい分子なのだが、分子の存在自体は実体がある。
なので、実は全ての分子は作用や性質を無視して考えれば、分子そのものを大量に集めると理論上、——分子同士が結びつくような術式にしなければならないが——石のように持ったり、ぶつけたりと物理的干渉ができるようになる。
この間のグリーンの使ってみせた、【風の弾丸】のように。
または、様々な分子が複雑に組み合わさって作られていた『アスラカチミオ』の遺跡の、クリアが消せなかった床のように——。
その理論を使用して生み出されたのが、この【影の騎士団】という術式だ。
しかし、そもそも物体レベルまで分子を集めるだけでも並の能力者じゃまともにできないというのに、この術式は一体を形成するだけでも分子の量が膨大すぎてその全てに細かな動きをさせるコントロールするのも非常に大変なものだ。
クリアも使って見たことはあるが、術式で召喚した人形の動きコントロールの難しさが強さに見合っておらず、そもそもこの術式を使用するための闇のエレメントを大量に保持する利点が無さすぎてすぐに使用する考えを捨ててしまった。
言ってしまえば、キャスティング能力の向上のため以外にこの術式を使用するのは余程のセンスがある者以外は無意味に等しい行いだった。
何せ、術式に命名した製作者すらそう言ってしまったのだから。
だが、そんな術式で召喚された騎士をかたどった分子の塊が、一体どころか数十体もおり。
しかもその全てがクリアの行手を阻むように動いているではないか。
……まるで生きているかのように。
——操っているのは、まさにセンスの持ち主なのだろうか?
しかし、どんな難しい術式だろうとクリアには関係ない。
あくまで闇の分子だけで構成されているのならば、『吸収して』しまえばいいからだ。
——一刻も早くミヤを追いかけないと。
今はそれ以外頭に無いクリアは、【ライト】を一度消すと、『アスラカチミオ』の村を消滅させた時のように、この部屋全体に広がるように【力】を放つ。
——【無の領域】!
闇の分子で構成された影の騎士達は、ドーム状に広がるクリアの力に触れた箇所から次々とその姿を消していった。
しかし、姿を消したのは束の間——。
「……なんだって?」
全ての【影の騎士団】を『吸収した』クリアが、ミヤを追いかけようと【力】の放出をやめて【ライト】で明かりを灯した瞬間。
再び、先程と同じかそれ以上の数の【影の騎士団】が床から現れたのだ。
「これは……」
このまま相手をしていたら、キリが無い。
——これらの目的はボクの足止めだけ。
ならば、と言わんばかりにクリアはこの状況を打破すべく、一つ思いついた方法を取ってみる事にした。
現れた空洞が存在している方向を確認し、【ライト】を消した。
——今までやったことがないのでぶっつけ本番になってしまうけど。この状況を打破するなためならば、やってみる価値はある。
そう考えたクリアは自らの体に【力】を纏わせていく。
そして、纏わせた体を動かし、纏う【力】と体の動きにずれが無いかを確認する。
クリアは吸収すため力を扱う時、普段はエレメントを吸収す際に受ける箇所に【力】を纏わせるようにして使うだけだった。
だが、今回のように動きながら全身に纏わせるのは初めての運用だ。
——うん、問題無さそうだ。……使用中は呼吸できないのが難点だけど。
二つの意味で時間が惜しいクリアは、ミヤの消えた方向へ一気に駆け出した。
【影の騎士団】は道を塞ごうと続々と集まってくるが、今のクリアにはもう関係ない。
クリアが空洞に足を踏み入れた時には、彼の通った後が残るように影の騎士団は歪な形で動きを止めていた。
——【無敵の行進】ってところかな。
そう心の中で命名したクリアは——クリアの力は分子の作用ではないので、術式として命名する意味は無いのだが——再び手に【ライト】で明かりを灯し、道なりへと進んでいく。
そうして「ここは元々、光のルーツが収められていた遺跡だった」など、調査の時の様子をミヤに語りつつ遺跡内を見て回る。
「そういえば、ヒカリと初めて出会ったのもこの遺跡だったなぁ」
クリアがそんな思い出話をした時、若干ミヤが不満そうにしていたのは気のせいだろうか……?
……ヒカリもまた、ミヤと仲がいいはずなのだが。
それなりの時間をかけ、奥の部屋まで行き着いた二人は、最後にこの部屋の壁に記された古代文について語る。
——これで、あらかたこの遺跡の解説をし終わったかな。
時間も丁度ご飯時になりそうなので、そろそろ戻ろうとクリアが提案しようとした時のことだった。
「サラ、遺跡内の空気はあんまり良くないし、もう大体話す事も無くなったし外に——」
「お兄様、これってなんでしょう?」
サラがクリアの言葉を遮って指を差したのは、調査したクリアにも見覚えのない壁の端にある突起だった。
まるで「押してください」と言わんばかりのボタンの様に突き出ているそれは、クリアから見て……いや、恐らく誰の目から見ても怪しさ満点だった。
押してみるにしても、もう一度調査の準備をしてからにしないと何が起こるかわからない。
今まで色々な遺跡を調査してきたクリアは、直感的にそう感じていた。
「ミヤ、それは触れない様にしようね。何が起こるかわからないから」
こんな怪しげなものを、頭のいいミヤが自ら触れるとは思えないが、クリアは一応注意する。
……注意はしたのだが。
「えっ? ミヤっ!?」
まるで引き寄せられるように、クリアの握っていた手を放しその突起にミヤは近づいて行く。
クリアはすぐに止めようと、ミヤに手を伸ばすが間に合わず。
ミヤはそのボタンとも言える突起を躊躇いもなく押してしまった。
すると、突如遺跡内が揺れ始め、壁に亀裂が走り、崩れていく。
その中からは、まるで通路のような空洞が見えてくる。
だが、クリアのすべきことはミヤの保護が最優先だ。
「ミヤ?」
クリアは怪訝そうにミヤに声をかけながら近寄ると、彼女の肩に手をかけた。
——瞬間。
その手は思い切りよくクリアに振り向くことのないミヤの手によって払われてしまった。
一瞬の事に理解が追いつかないクリアに見向きもしないまま、ミヤは壁の中から現れた空間に一人足を進めていく。
——いけない!
はっとして、サラを追いかけようとクリアが走ろうとした時。
突如床から、それらは行方を阻むように現れた。
「【影の騎士団】!?」
それは、闇の術式より生み出される実態のある騎士の姿を模した人形の様な存在だった。
しかも、一体や二体じゃない。
クリアを取り囲むよう、数十体もまとめて現れたのだ。
この術式は闇の術式の中でもかなりコントロールが難しく、最近ようやく一体出せるようになったとミヤが嬉しそうに言っていたことをクリアは思い出しながら対峙する。
闇のエレメントは、物理的干渉が難しいタイプのエレメントだ。
分子としての作用は、光を遮り視界を悪くする……それぐらいの作用しかない。
しかしこの【影の騎士団】は、実態が存在する上に物理的干渉が可能な術式だ。
エレメントはどの属性も普段は目に見えなかったり、直接触れている感覚も無いぐらい小さい分子なのだが、分子の存在自体は実体がある。
なので、実は全ての分子は作用や性質を無視して考えれば、分子そのものを大量に集めると理論上、——分子同士が結びつくような術式にしなければならないが——石のように持ったり、ぶつけたりと物理的干渉ができるようになる。
この間のグリーンの使ってみせた、【風の弾丸】のように。
または、様々な分子が複雑に組み合わさって作られていた『アスラカチミオ』の遺跡の、クリアが消せなかった床のように——。
その理論を使用して生み出されたのが、この【影の騎士団】という術式だ。
しかし、そもそも物体レベルまで分子を集めるだけでも並の能力者じゃまともにできないというのに、この術式は一体を形成するだけでも分子の量が膨大すぎてその全てに細かな動きをさせるコントロールするのも非常に大変なものだ。
クリアも使って見たことはあるが、術式で召喚した人形の動きコントロールの難しさが強さに見合っておらず、そもそもこの術式を使用するための闇のエレメントを大量に保持する利点が無さすぎてすぐに使用する考えを捨ててしまった。
言ってしまえば、キャスティング能力の向上のため以外にこの術式を使用するのは余程のセンスがある者以外は無意味に等しい行いだった。
何せ、術式に命名した製作者すらそう言ってしまったのだから。
だが、そんな術式で召喚された騎士をかたどった分子の塊が、一体どころか数十体もおり。
しかもその全てがクリアの行手を阻むように動いているではないか。
……まるで生きているかのように。
——操っているのは、まさにセンスの持ち主なのだろうか?
しかし、どんな難しい術式だろうとクリアには関係ない。
あくまで闇の分子だけで構成されているのならば、『吸収して』しまえばいいからだ。
——一刻も早くミヤを追いかけないと。
今はそれ以外頭に無いクリアは、【ライト】を一度消すと、『アスラカチミオ』の村を消滅させた時のように、この部屋全体に広がるように【力】を放つ。
——【無の領域】!
闇の分子で構成された影の騎士達は、ドーム状に広がるクリアの力に触れた箇所から次々とその姿を消していった。
しかし、姿を消したのは束の間——。
「……なんだって?」
全ての【影の騎士団】を『吸収した』クリアが、ミヤを追いかけようと【力】の放出をやめて【ライト】で明かりを灯した瞬間。
再び、先程と同じかそれ以上の数の【影の騎士団】が床から現れたのだ。
「これは……」
このまま相手をしていたら、キリが無い。
——これらの目的はボクの足止めだけ。
ならば、と言わんばかりにクリアはこの状況を打破すべく、一つ思いついた方法を取ってみる事にした。
現れた空洞が存在している方向を確認し、【ライト】を消した。
——今までやったことがないのでぶっつけ本番になってしまうけど。この状況を打破するなためならば、やってみる価値はある。
そう考えたクリアは自らの体に【力】を纏わせていく。
そして、纏わせた体を動かし、纏う【力】と体の動きにずれが無いかを確認する。
クリアは吸収すため力を扱う時、普段はエレメントを吸収す際に受ける箇所に【力】を纏わせるようにして使うだけだった。
だが、今回のように動きながら全身に纏わせるのは初めての運用だ。
——うん、問題無さそうだ。……使用中は呼吸できないのが難点だけど。
二つの意味で時間が惜しいクリアは、ミヤの消えた方向へ一気に駆け出した。
【影の騎士団】は道を塞ごうと続々と集まってくるが、今のクリアにはもう関係ない。
クリアが空洞に足を踏み入れた時には、彼の通った後が残るように影の騎士団は歪な形で動きを止めていた。
——【無敵の行進】ってところかな。
そう心の中で命名したクリアは——クリアの力は分子の作用ではないので、術式として命名する意味は無いのだが——再び手に【ライト】で明かりを灯し、道なりへと進んでいく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる