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1 幼馴染を守るために
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おれの上半身は制服の白いシャツがはだけて前が全開になっている。おれの薄い胸に直接、真木君の大きな手が当てられている。じっと動かず間近で端正な顔でおれのことを見下ろしてくる。
どうしてだか初めてくる真木君の家のソファの上でおれは真木君に押しかかられていた。おれは居心地が悪くて、顔を逸らす。
なんでこんなことになったんだ?
ずっと真木君の手がおれを胸にあてられていて、熱いのが真木君の手なのかおれの体なのかわからない。
ドクドクしているのもおれの心臓なのか、真木君の手の血管なのかもわからない。
そしてずっと真木君が動かないからおれはなんだかもじもじしてきた。
じっとしていないといけないのに、それが耐えられない感じ。顔ごと逸らしているのに、近くにいるせいか真木君の視線を感じるような気がする。
本当にじっとしているのが耐えれない。
そもそも、男同士って何するんだ? 女性ともそんな経験がないおれはわからない。
女性だったらあれをこーしてってなんとなくわかる。保健の授業で習ったから。見たことも触ったこともなけいど。だけど男同士ってどうするんだ?
自分には関係がなさ過ぎて、そんな情報を見たことも調べたこともなかいからわからない。
いまからでも「冗談だよ」とか、「お前信じたのかよ」とか笑ってくれないかな。
視線の圧に負けてチラって真木君を見ると、やっぱり上からジッとおれを見ていた。顔が整っている分、圧がすごいのは気のせいだろうか。ずっと黙っているのも怖い。
おれは何かをごまかすように笑った。やめてくれないかな?
真木君がビクッと体が動かす。
わ、身近でおれみたいなやつの笑い顔を見たから、びっくりされたのかな。申し訳ない。
おれは前髪が長くて、普段はすだれみたいに顔が隠れている。わざとってわけでもないけど、すぐに髪が伸びるから放ってたらこんな感じになっている。
目が悪いから眼鏡もかけているし、言ったらなんだけど暗いし、しゃべりは下手だし、運動神経も勉強もできない。言ってて悲しくなってきた。
そんなおれには、明るくてクラスで人気者の幼馴染がいる。
おれみたいなのとなんで一緒にいるんだって、クラスメイトに言われているのを見たことがあるけど、「なんでミコトはいいやつだよ」ってにこって笑って言ってくれた。
おれは感謝しかない。一生タツキについていこうって思った。
タツキにはずっと好きだった人がいて、やっと付き合えるようになるかもって喜んでいた。おれはタツキの恋を全力で応援したい。
同じ美形でも、明るくて人気者のタツキと違って、学校でも悪いらしいって真木君は有名だ。どちらかというと進学校では珍しく不良枠だ。特に校則違反をしているわけじゃないのに、ただならぬ雰囲気が彼を一般人にしてなかった。
その真木君がタツキを呼び出したとか、好きらしいってクラスの子たちが話をしていた。よくタツキを見ているんだって。
そりゃタツキは性格もよくて、顔も良くて、運動も勉強もできる。老若男女にもてるのはわかっているけど、真木君にまでもてなくてもって思う。
真木君は体格が良くて、美形だけどいかにも迫力のある男だ。同じ高校生だとは思えない。制服もなんだかスーツに見えてくる。老けてるわけじゃないけど大人っぽい。
真木君はクラスのやつらが言うには好きな子を束縛しそうとか、けっこうなヤンデレ体質らしい。ヤンデレってなんだかよくわからないけど。
だけど俺は真木君に対してそんな印象は持っていない。
おれが先生に頼まれて両手いっぱいに資料をもって教室に入ろうとしたとき、両手がふさがっていて困っていたら、大きな体の真木君がスッとドアを開けてくれたことがあった。そんな些細なことだけどおれは優しいなって思っていた。おれが困っているときに助けてくれる人なんて幼なじみくらいしかいないから。
まあ真木君にしたら、ただ自分が教室に入るためにドアを開けただけなのかもしれないけど、おれが助かったのは事実だ。
それ以外はおれは真木君とは同じクラスなのに特に接点もなく過ごしていた。
だけど真木君がタツキを呼び出すかもって聞いて、慌ててタツキより前に真木君に会いにいった。
だってタツキに危ない目になんかあってほしくない。タツキなら例え真木君に告白されても、上手く断るとは思ったけど。もし噂が本当で真木君に閉じ込められたり、せっかく好きな人とうまくいきそうだって笑っていたタツキが困るようなことになったらおれが嫌だ。
いつも助けてくれるタツキを助けたい。
だから勇気をだして外廊下を一人でスタスタ歩いている真木君を呼び止めた。足が速くて追いつけないから多少大声になった。
「ま、真木君」
あわわ、声が裏返ったかも。
振り返る真木君は猫科の大型獣みたいに優美で迫力があった。
「ま、真木君。お話があります」
真木君はおれのことなんて今まで認識してなかったのかもしれない。誰だこれって顔をしてじっと見てきた。
おれは慌てながらも、「タツキに告白しないでください。タツキには好きな人がいるんです」
はあ? って顔をされる。怖い。
一生懸命、色々たどたどしく説明する。
「いや、タツキってだれ?」 低い声がいい声すぎてびっくりする。
真木君ってこんな声していたんだ。背も高いし大人っぽいし男として色々うらやましい。
「中山タツキのことです」好きな人の下の名前くらい覚えておけよ。それともおれがタツキと仲が良いのをしらなくて、まさかおれの口から人気者のタツキの名前がでるなんて、思わなかったのかな。
「中山、あーあの目障りなやつ? おれがあいつに告白する? ・・・たとえそうだとしてもお前に止められておれが止めると思うか」
ごもっともなことを言われる。
「そ、そうなんだけど」
「ふーん、おれが中山に告白なんて考えただけでも気持ち悪いけど、お前はしてほしくないんだな」
顎に手を置いておれを見下ろす真木くんはすごい迫力だ。
身長差も体格差もすごい。
「なら説得してみろよ。おれがお前の言うことを聞いてもいいって思えるように。体で」
「え?」
体でってサウンドバック的な? 暇つぶしに殴らせろ? とか。代償が大きすぎる。いや殴られるだけで済むなら安いのか? それとも一生使い走りになれとか?
おれは怖い想像しかできなくて顔が青くなる。パニックになっている間に、腕をギュッと握られる。
引っ張られて、わー拉致される! 慌てるけど力の差がありすぎて、腕は外れない。スタスタ歩く真木君に転けないようにするのが精一杯だった。
周囲の人もみんな見ているだけだった。誰か助けて!
どうしてだか初めてくる真木君の家のソファの上でおれは真木君に押しかかられていた。おれは居心地が悪くて、顔を逸らす。
なんでこんなことになったんだ?
ずっと真木君の手がおれを胸にあてられていて、熱いのが真木君の手なのかおれの体なのかわからない。
ドクドクしているのもおれの心臓なのか、真木君の手の血管なのかもわからない。
そしてずっと真木君が動かないからおれはなんだかもじもじしてきた。
じっとしていないといけないのに、それが耐えられない感じ。顔ごと逸らしているのに、近くにいるせいか真木君の視線を感じるような気がする。
本当にじっとしているのが耐えれない。
そもそも、男同士って何するんだ? 女性ともそんな経験がないおれはわからない。
女性だったらあれをこーしてってなんとなくわかる。保健の授業で習ったから。見たことも触ったこともなけいど。だけど男同士ってどうするんだ?
自分には関係がなさ過ぎて、そんな情報を見たことも調べたこともなかいからわからない。
いまからでも「冗談だよ」とか、「お前信じたのかよ」とか笑ってくれないかな。
視線の圧に負けてチラって真木君を見ると、やっぱり上からジッとおれを見ていた。顔が整っている分、圧がすごいのは気のせいだろうか。ずっと黙っているのも怖い。
おれは何かをごまかすように笑った。やめてくれないかな?
真木君がビクッと体が動かす。
わ、身近でおれみたいなやつの笑い顔を見たから、びっくりされたのかな。申し訳ない。
おれは前髪が長くて、普段はすだれみたいに顔が隠れている。わざとってわけでもないけど、すぐに髪が伸びるから放ってたらこんな感じになっている。
目が悪いから眼鏡もかけているし、言ったらなんだけど暗いし、しゃべりは下手だし、運動神経も勉強もできない。言ってて悲しくなってきた。
そんなおれには、明るくてクラスで人気者の幼馴染がいる。
おれみたいなのとなんで一緒にいるんだって、クラスメイトに言われているのを見たことがあるけど、「なんでミコトはいいやつだよ」ってにこって笑って言ってくれた。
おれは感謝しかない。一生タツキについていこうって思った。
タツキにはずっと好きだった人がいて、やっと付き合えるようになるかもって喜んでいた。おれはタツキの恋を全力で応援したい。
同じ美形でも、明るくて人気者のタツキと違って、学校でも悪いらしいって真木君は有名だ。どちらかというと進学校では珍しく不良枠だ。特に校則違反をしているわけじゃないのに、ただならぬ雰囲気が彼を一般人にしてなかった。
その真木君がタツキを呼び出したとか、好きらしいってクラスの子たちが話をしていた。よくタツキを見ているんだって。
そりゃタツキは性格もよくて、顔も良くて、運動も勉強もできる。老若男女にもてるのはわかっているけど、真木君にまでもてなくてもって思う。
真木君は体格が良くて、美形だけどいかにも迫力のある男だ。同じ高校生だとは思えない。制服もなんだかスーツに見えてくる。老けてるわけじゃないけど大人っぽい。
真木君はクラスのやつらが言うには好きな子を束縛しそうとか、けっこうなヤンデレ体質らしい。ヤンデレってなんだかよくわからないけど。
だけど俺は真木君に対してそんな印象は持っていない。
おれが先生に頼まれて両手いっぱいに資料をもって教室に入ろうとしたとき、両手がふさがっていて困っていたら、大きな体の真木君がスッとドアを開けてくれたことがあった。そんな些細なことだけどおれは優しいなって思っていた。おれが困っているときに助けてくれる人なんて幼なじみくらいしかいないから。
まあ真木君にしたら、ただ自分が教室に入るためにドアを開けただけなのかもしれないけど、おれが助かったのは事実だ。
それ以外はおれは真木君とは同じクラスなのに特に接点もなく過ごしていた。
だけど真木君がタツキを呼び出すかもって聞いて、慌ててタツキより前に真木君に会いにいった。
だってタツキに危ない目になんかあってほしくない。タツキなら例え真木君に告白されても、上手く断るとは思ったけど。もし噂が本当で真木君に閉じ込められたり、せっかく好きな人とうまくいきそうだって笑っていたタツキが困るようなことになったらおれが嫌だ。
いつも助けてくれるタツキを助けたい。
だから勇気をだして外廊下を一人でスタスタ歩いている真木君を呼び止めた。足が速くて追いつけないから多少大声になった。
「ま、真木君」
あわわ、声が裏返ったかも。
振り返る真木君は猫科の大型獣みたいに優美で迫力があった。
「ま、真木君。お話があります」
真木君はおれのことなんて今まで認識してなかったのかもしれない。誰だこれって顔をしてじっと見てきた。
おれは慌てながらも、「タツキに告白しないでください。タツキには好きな人がいるんです」
はあ? って顔をされる。怖い。
一生懸命、色々たどたどしく説明する。
「いや、タツキってだれ?」 低い声がいい声すぎてびっくりする。
真木君ってこんな声していたんだ。背も高いし大人っぽいし男として色々うらやましい。
「中山タツキのことです」好きな人の下の名前くらい覚えておけよ。それともおれがタツキと仲が良いのをしらなくて、まさかおれの口から人気者のタツキの名前がでるなんて、思わなかったのかな。
「中山、あーあの目障りなやつ? おれがあいつに告白する? ・・・たとえそうだとしてもお前に止められておれが止めると思うか」
ごもっともなことを言われる。
「そ、そうなんだけど」
「ふーん、おれが中山に告白なんて考えただけでも気持ち悪いけど、お前はしてほしくないんだな」
顎に手を置いておれを見下ろす真木くんはすごい迫力だ。
身長差も体格差もすごい。
「なら説得してみろよ。おれがお前の言うことを聞いてもいいって思えるように。体で」
「え?」
体でってサウンドバック的な? 暇つぶしに殴らせろ? とか。代償が大きすぎる。いや殴られるだけで済むなら安いのか? それとも一生使い走りになれとか?
おれは怖い想像しかできなくて顔が青くなる。パニックになっている間に、腕をギュッと握られる。
引っ張られて、わー拉致される! 慌てるけど力の差がありすぎて、腕は外れない。スタスタ歩く真木君に転けないようにするのが精一杯だった。
周囲の人もみんな見ているだけだった。誰か助けて!
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