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魔獣編
2(マイラがケガをします)
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(マイラが死にかける。ひどい傷の描写などがあります。気になる方はお気をつけください。)
強い雨と風が吹き荒れる中、リタは一人立ち尽くす。
「おれは何をしていたんだろう」
ぬくぬくと王都で、ただ、帰りを待つだけの自分が馬鹿だった。
おれはリタリヤ マーグレンだった男だ。
魔術師として最強とも言われていた。
魔術師も今回の討伐に参加していると聞く。魔術団に在籍していないリタには声がかからなかったが、もし在籍していれば、最初から参加していただろう。
元凶の魔獣をやっつけよう。埃を被った資料に何かないだろうか。魔獣の弱点がわかるような。一発でやっつけれるような。
リタは激情型であるが、徹底的にやりこめることが信条みたいなもので、先に相手の弱点を入念に調べる。その弱点を容赦なく狙う。相手が人間でも魔獣でも。
情報が足りない。国境にいる魔獣は飛行型なのか、四つ足なのか、火や毒を吐くのか、威圧を出すのか。
これほど手練が苦戦しているなら、その全てか。
魔獣をやっつけた後は、まぬけなマイラを怒ろう。
あー傷はどうしよう。おれに聖水が作れたら良かったのに。どうして作れないんだ!
かき集めよう。頼みこんで聖水を分けてもらうんだ。
リタの実家とマイラの親や親戚に依頼しよう。それでもきっと足りない。聖水は神殿が管理している。ほとんどが王室に献上されるという。
どうすればいい? リタは必死に次に取る行動を考える。
激しい雨に濡れながら、雷が鳴る中、不屈の闘志を燃やしていると、「リタ先輩!」と声をかけてくるものがいる。
リタは自分の思考に囚われていて、気づかない。何度か呼ばれて、肩を叩かれて、やっと相手の顔を見る。第7王子だ。第7王子も土砂降りの雨で濡れている。
金髪に青い目で弱々しい印象。服も何もかも濡れている。マイラに比べて細い体。マイラと比べたらみんな細い。
リタは王子を認識するが、声が出ない。なぜこんなひどい雨の中で王族が立っているのかわからない。邪魔をするなと言いたいくらいだ。
「リタ先輩! 困っていると聞きました! マイラ副団長の! 足が壊死しかけていると」
なぜか言葉の最後に笑いを含まれているような気がした。
だけど第7王子の表情は真剣だ。
雨は降り続いて、雨粒が顔にあたり痛いくらいだ。
「僕で! 何か助けることができるんだったら!」第7王子が叫んでいる。叫ばないと雨に声がかき消される。
リタは首を振る。この王子には何も頼ることがない。リタより弱いはずだ。
「聖水!・・・とかほしくないですか?!」第7王子の大声で、聖水と聞いて、リタの体が震える。
喉から手がでるくらいほしい。
「僕! 持っています聖水!」リタが第7王子の方を向くと、第7王子が笑ったように感じた。雨で互いの表情はわからないはずなのに。
「とにかく! 中に入りましょう! 僕の宮殿に案内します。こんなに濡れていたら! マイラ副団長を助けたくても助けられません!」
第7王子の腕は逃さないとばかりにリタの腕を掴んでいる。
地面の土が雨でほじくられ、木の葉も音を立てて前後に揺れ、吹き飛ばされている。
全ての音が、雨でかき消されるほどの豪雨が降り続いている。
※
国境の件の場所には、第7王子の王族の特権としてゲートを使用して、他の支援者より早くついた。
大量の物資と薬、ポーションを持ってきている。
着いてすぐ、それらを責任者と医療団に手配するよう指示する。
王家のそれよりも多く、見た者はその圧倒的な量に歓声をあげて涙ぐんでいる。
一刻を急ぐため、ゲートを初めて使うだとか、一介の貴族でしかないリタが使っていいのとか気にならない。
そんなの全て後回しだ。
教えられたマイラ副団長の天幕に入ると、どこか甘いひどく腐ったような匂いとすえたような匂いが充満している。
一瞬酷い吐き気を催すが、気合いでそのまま入る。
マイラは人が入っても気づかない。すでに意識はないそうだ。苦悶の表情を浮かべて目は閉じられている。全身や額に汗をかいている。体も熱い。呼吸音さえ聞こえない時もある。時折浅くて速い呼吸が見えてまだ生きていると知る。
優美な美貌も逞しく美しい体もなかった。横たわっているのは、血と体液で汚れて死にかけている男の姿だった。
想像していた以上に変わり果てた姿に愕然とする。
何か熱い物がリタの胸に迫り上がってくる。涙が勝手に滲み出る。だが泣いてる場合じゃない。
マイラに掛けられている布を取ると、裸だった。服も着ていない。右足に当てられている何枚かの布を取る。血と膿でこびりついている箇所がいくつもある。
涙が出て、どうしても溢れていく。リタは歯を食いしばる。やることがあるんだ。
右足の足先から太ももまでどす黒くなり、腐臭がきつい。足の太さが二倍になりブヨブヨしており、皮膚は皮がめくれている個所が多い。小指の先は欠けている。
黒くなった血管が胴体まで伸びていて、リタはぞっとした。よくも、ここまで放っていたものだ。
悔しい。腹が立つ、魔獣もマイラも、おれも、騎士団も、何もかも。
もう鼠蹊部から下を切断しても間に合わないから、そのままにしていたと言う。毒の周りが早く、これ以上何かをしても意味がない。後は息が完全に途絶えるのを待つだけだっただと。
間に合った安堵よりも悔しくて仕方がない。
「マイラ」
悔しくて悔しくて泣けてくる。
「マイラは馬鹿だ」
こんな時なのに、いつものマイラの優しい笑顔やリタを呼ぶ声を思い出す。
「リタ好きだよ」リタを優しく見つめる瞳を。
涙がぽたりぽたりとマイラに落ちる。
聖水をマイラの足にかける。第7王子からもらった物に親からかき集めた聖水を足した。効果的なかけ方も移動しながら調べている。抜かりはない。
牙が刺さって抜いたと思われる部分から重点的に始める。そこから満遍なく。
手が震えるのを抑える。一滴も無駄にできない。堪えきれない涙が聖水のかけた箇所に落ちる。
白い光が、聖水をかけた部分から、溢れる。
残った聖水はマイラの乾いた口に含ませる。溢れないように唇を合わせ、飲み込むのを確認する。
乾いて色をなくした唇が、瑞々しくなる。顔色もハッとするほどよくなる。マイラの面影が出てくる。
浅くて忙しなかった呼吸がゆっくりになる。
表情も心なしか、穏やかになった。
右足も黒から肌色に戻った。少し欠けていた小指の先だけは戻らない。
聖水の力は半端ない。おれもこれぐらいの力が欲しい。何もかもを覆せるような力が。
マイラに縋りつきたいが、その手前で、マイラの負担にならないように蹲り、声を出して泣く。泣けて仕方がない。
間に合った! 間に合った!
マイラ! マイラ!
「マイラ!」
苦しいくらいに泣いて、酸欠で頭がぼーとなる。
その後は、マイラが無事に助かりそうだと、リタは本当に確信がもてるまで側についていた。
額の汗や顔や体の汚れを拭く。今まで世話をされた事はあるが、世話をした事は無い。多分もう最初で最後だ。重たい腕や脚を持ち上げて拭いていく。
幼い頃からの思い出が次から次へとでてくる。
天使みたいな子供の頃から「リタ、リタ」とついてきていたマイラ。
マイラが普通に「リタ好きだよ」って言うから、親友のそれだと思って「おれもだよ」って返していた。嬉しかった。
おれが何回もうまくいかない恋愛をしても、相手も自分も傷つけても、おれを責めることは一度もなかった。
ただおれを待っていてくれた。
少し強引だった結婚もあーいう風に持っていかないとおれが頷かないと思っていたんだろう。
色んな思い出が駆け巡る。
リタの「好き」がマイラの「好き」と同じか、それ以上になっていると、もう気付いていた。
じっとマイラの顔を眺め続ける。どれだけ見つめても飽きることはない。
マイラの若草色の瞳を、リタを愛していると語る瞳を最後に見たかった。
真実の愛を一緒に育てようと言ってくれたマイラ。
「好きだったなぁ」とつぶやき、リタはその場から去った。
強い雨と風が吹き荒れる中、リタは一人立ち尽くす。
「おれは何をしていたんだろう」
ぬくぬくと王都で、ただ、帰りを待つだけの自分が馬鹿だった。
おれはリタリヤ マーグレンだった男だ。
魔術師として最強とも言われていた。
魔術師も今回の討伐に参加していると聞く。魔術団に在籍していないリタには声がかからなかったが、もし在籍していれば、最初から参加していただろう。
元凶の魔獣をやっつけよう。埃を被った資料に何かないだろうか。魔獣の弱点がわかるような。一発でやっつけれるような。
リタは激情型であるが、徹底的にやりこめることが信条みたいなもので、先に相手の弱点を入念に調べる。その弱点を容赦なく狙う。相手が人間でも魔獣でも。
情報が足りない。国境にいる魔獣は飛行型なのか、四つ足なのか、火や毒を吐くのか、威圧を出すのか。
これほど手練が苦戦しているなら、その全てか。
魔獣をやっつけた後は、まぬけなマイラを怒ろう。
あー傷はどうしよう。おれに聖水が作れたら良かったのに。どうして作れないんだ!
かき集めよう。頼みこんで聖水を分けてもらうんだ。
リタの実家とマイラの親や親戚に依頼しよう。それでもきっと足りない。聖水は神殿が管理している。ほとんどが王室に献上されるという。
どうすればいい? リタは必死に次に取る行動を考える。
激しい雨に濡れながら、雷が鳴る中、不屈の闘志を燃やしていると、「リタ先輩!」と声をかけてくるものがいる。
リタは自分の思考に囚われていて、気づかない。何度か呼ばれて、肩を叩かれて、やっと相手の顔を見る。第7王子だ。第7王子も土砂降りの雨で濡れている。
金髪に青い目で弱々しい印象。服も何もかも濡れている。マイラに比べて細い体。マイラと比べたらみんな細い。
リタは王子を認識するが、声が出ない。なぜこんなひどい雨の中で王族が立っているのかわからない。邪魔をするなと言いたいくらいだ。
「リタ先輩! 困っていると聞きました! マイラ副団長の! 足が壊死しかけていると」
なぜか言葉の最後に笑いを含まれているような気がした。
だけど第7王子の表情は真剣だ。
雨は降り続いて、雨粒が顔にあたり痛いくらいだ。
「僕で! 何か助けることができるんだったら!」第7王子が叫んでいる。叫ばないと雨に声がかき消される。
リタは首を振る。この王子には何も頼ることがない。リタより弱いはずだ。
「聖水!・・・とかほしくないですか?!」第7王子の大声で、聖水と聞いて、リタの体が震える。
喉から手がでるくらいほしい。
「僕! 持っています聖水!」リタが第7王子の方を向くと、第7王子が笑ったように感じた。雨で互いの表情はわからないはずなのに。
「とにかく! 中に入りましょう! 僕の宮殿に案内します。こんなに濡れていたら! マイラ副団長を助けたくても助けられません!」
第7王子の腕は逃さないとばかりにリタの腕を掴んでいる。
地面の土が雨でほじくられ、木の葉も音を立てて前後に揺れ、吹き飛ばされている。
全ての音が、雨でかき消されるほどの豪雨が降り続いている。
※
国境の件の場所には、第7王子の王族の特権としてゲートを使用して、他の支援者より早くついた。
大量の物資と薬、ポーションを持ってきている。
着いてすぐ、それらを責任者と医療団に手配するよう指示する。
王家のそれよりも多く、見た者はその圧倒的な量に歓声をあげて涙ぐんでいる。
一刻を急ぐため、ゲートを初めて使うだとか、一介の貴族でしかないリタが使っていいのとか気にならない。
そんなの全て後回しだ。
教えられたマイラ副団長の天幕に入ると、どこか甘いひどく腐ったような匂いとすえたような匂いが充満している。
一瞬酷い吐き気を催すが、気合いでそのまま入る。
マイラは人が入っても気づかない。すでに意識はないそうだ。苦悶の表情を浮かべて目は閉じられている。全身や額に汗をかいている。体も熱い。呼吸音さえ聞こえない時もある。時折浅くて速い呼吸が見えてまだ生きていると知る。
優美な美貌も逞しく美しい体もなかった。横たわっているのは、血と体液で汚れて死にかけている男の姿だった。
想像していた以上に変わり果てた姿に愕然とする。
何か熱い物がリタの胸に迫り上がってくる。涙が勝手に滲み出る。だが泣いてる場合じゃない。
マイラに掛けられている布を取ると、裸だった。服も着ていない。右足に当てられている何枚かの布を取る。血と膿でこびりついている箇所がいくつもある。
涙が出て、どうしても溢れていく。リタは歯を食いしばる。やることがあるんだ。
右足の足先から太ももまでどす黒くなり、腐臭がきつい。足の太さが二倍になりブヨブヨしており、皮膚は皮がめくれている個所が多い。小指の先は欠けている。
黒くなった血管が胴体まで伸びていて、リタはぞっとした。よくも、ここまで放っていたものだ。
悔しい。腹が立つ、魔獣もマイラも、おれも、騎士団も、何もかも。
もう鼠蹊部から下を切断しても間に合わないから、そのままにしていたと言う。毒の周りが早く、これ以上何かをしても意味がない。後は息が完全に途絶えるのを待つだけだっただと。
間に合った安堵よりも悔しくて仕方がない。
「マイラ」
悔しくて悔しくて泣けてくる。
「マイラは馬鹿だ」
こんな時なのに、いつものマイラの優しい笑顔やリタを呼ぶ声を思い出す。
「リタ好きだよ」リタを優しく見つめる瞳を。
涙がぽたりぽたりとマイラに落ちる。
聖水をマイラの足にかける。第7王子からもらった物に親からかき集めた聖水を足した。効果的なかけ方も移動しながら調べている。抜かりはない。
牙が刺さって抜いたと思われる部分から重点的に始める。そこから満遍なく。
手が震えるのを抑える。一滴も無駄にできない。堪えきれない涙が聖水のかけた箇所に落ちる。
白い光が、聖水をかけた部分から、溢れる。
残った聖水はマイラの乾いた口に含ませる。溢れないように唇を合わせ、飲み込むのを確認する。
乾いて色をなくした唇が、瑞々しくなる。顔色もハッとするほどよくなる。マイラの面影が出てくる。
浅くて忙しなかった呼吸がゆっくりになる。
表情も心なしか、穏やかになった。
右足も黒から肌色に戻った。少し欠けていた小指の先だけは戻らない。
聖水の力は半端ない。おれもこれぐらいの力が欲しい。何もかもを覆せるような力が。
マイラに縋りつきたいが、その手前で、マイラの負担にならないように蹲り、声を出して泣く。泣けて仕方がない。
間に合った! 間に合った!
マイラ! マイラ!
「マイラ!」
苦しいくらいに泣いて、酸欠で頭がぼーとなる。
その後は、マイラが無事に助かりそうだと、リタは本当に確信がもてるまで側についていた。
額の汗や顔や体の汚れを拭く。今まで世話をされた事はあるが、世話をした事は無い。多分もう最初で最後だ。重たい腕や脚を持ち上げて拭いていく。
幼い頃からの思い出が次から次へとでてくる。
天使みたいな子供の頃から「リタ、リタ」とついてきていたマイラ。
マイラが普通に「リタ好きだよ」って言うから、親友のそれだと思って「おれもだよ」って返していた。嬉しかった。
おれが何回もうまくいかない恋愛をしても、相手も自分も傷つけても、おれを責めることは一度もなかった。
ただおれを待っていてくれた。
少し強引だった結婚もあーいう風に持っていかないとおれが頷かないと思っていたんだろう。
色んな思い出が駆け巡る。
リタの「好き」がマイラの「好き」と同じか、それ以上になっていると、もう気付いていた。
じっとマイラの顔を眺め続ける。どれだけ見つめても飽きることはない。
マイラの若草色の瞳を、リタを愛していると語る瞳を最後に見たかった。
真実の愛を一緒に育てようと言ってくれたマイラ。
「好きだったなぁ」とつぶやき、リタはその場から去った。
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