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魔導王国アミリ朝クテシア編 〜砂塵と共に流れる因縁の章〜
獣に堕ちる夜
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その頃、帝国領内の谷間にある小さな村にて。
「おーい、もう夜だよ。いつまでも何してるの?」
年若い娘⸺といっても二百歳を超えている⸺が屋敷の隅っこにある暗い部屋に蝋燭を持って入る。
「…」
部屋の主は娘の声を無視して水晶盤を眺めている。その水晶盤で何を見ているのかは、高く積まれた医療書に阻まれて見えない。
娘は腕を組んだ。
「オグリオン、あなたの本に書いてあったよ。夜更かしは良くないって」
オグリオンは寝間着に着替えたは良いが、無言で水晶盤の画面を見ている。その整った顔は無表情だが、紫の亀裂が走っている。
(まったくもう、その亀裂の治療法も分かってないのにさ)
床に付く程長い髪は邪魔そうだ。せめて髪を束ねてやろうと娘が近付いたその時。
「…オトゥタールさん、俺が拾われてから何年になりますか?」
彼は礼儀正しい。砂漠で倒れていた彼を拾って懸命に治療したら、村で医者として活動してくれるようにもなった。しかし、その礼儀正しさは壁を作っているようにも見える。
「えーと、確か五年だよ」
オグリオンは水晶盤を置いた。
「…五年、五年か」
魔人の生は長い。人間の十倍以上も長い時を生きる彼らは、時間に対して考え方が緩い。
オグリオンは霞む思考の中で、青い髪の少年⸺否、青年を思い浮かべた。
「オトゥタールさんは、人間にとって…五年は長いと思います?」
「人間?」
オトゥタールはその言葉の意図が読めずに困惑した。
「人間って…大和人の平均寿命が漸く百歳を超えたところだよね。短い…いや、長いのかな…」
オグリオンは薄く笑った。四百年生きて近代医学を極めた自分ですら、人の時など分からない。二百年しか生きていない小娘が分かるはずもないだろう。
「…変な事を聞きましたね。貴女も早く寝たらどうです?」
水晶盤を持ち、長い青灰色の髪をずって寝台へ向かうと、オトゥタールはオグリオンの手を掴んだ。
「どうして人間の五年について聞いたの?」
「何故…」
オグリオンは水晶盤をちらりと見た。
「夜更かしに関係ある?」
オトゥタールはオグリオンの手から水晶盤を取った。その水晶盤には、帝国でよく使われる掲示板が写っていた。
「魔人の魔物化…それにこの亀裂。これについて調べてたのね?」
画面を下へと移動させると、魔物化した魔人を狩る組織の情報も出て来た。
「魔人なのに、魔人を狩るなんて…」
オトゥタールはお人好しだ。目の前に立つ背の高い魔人も、いつ魔物化するか分からない。それなのに、この場で殺してしまおうとせずに共存を試みる。
「…どうやらこの村の近くにも居るらしい。明日、自首してきます」
言わなくても良い事を言ってしまった。それに気付いたのは、オトゥタールが大きな水色の瞳をこちらに向けてきてからだった。
「自首?」
オグリオンは溜息を吐いた。オトゥタールは若干、過干渉なところがある。だからこの五年で、煙草一本の為だけでも出掛ける時は必ず報告する癖が付いていたのだ。
「しまったな…」
オトゥタールはオグリオンの寝間着を掴んだ。
「自首なんてさせないからね!私が絶対に助けるんだから!」
オトゥタールはそう言うと、ずかずか寝台に上がった。
「…何してるんですか」
「見張るのよ。どーせ夜が明ける前に出てくつもりなんでしょ。あ、今出たら叫ぶからね」
オトゥタールに図星を突かれたオグリオンは溜息を吐いた。しかし、タダで引いてやるつもりは無い。この村には世話になったから、迷惑を掛けたくないのだ。
「オトゥタールさん」
オグリオンは片手でオトゥタールの細い両手首を掴むと、寝台に押し倒した。
「…二倍も年の差があるとは言え、俺は男ですよ。男の部屋に年若い女が入り込んで、無事で済むと思いますか?」
「あなたはそういう事しないじゃない」
「根拠は?」
オトゥタールはオグリオンの目を見て言った。
「私が野蛮な男で目の前に可愛い女の子が居たら、こうやって押さえ込む前に前戯も無しに犯してる。あなたは今まで見てきたどの男より強そうだし背も高いけど、そういう事をするには理性的過ぎる。だからあなたは私を襲わない」
証明は完了したと言わんばかりの彼女にオグリオンは溜息を吐いた。医者だからこそ、本能のままに女を襲ったらどうなるかは熟知している。雄は出すだけ出して終わりだが、雌は孕んだら出すまでに時間が掛かるし、それには苦痛を伴う。
オグリオンは元々、恋愛には無関心な方だった。その無関心は、この村で出産の手伝いを何度かやる内に限りなく無へと近づいて行ったのだ。
「…面倒臭」
オグリオンは部屋の外へ向かった。
「あ、叫ぶよ!」
「ヤニ入れるだけです」
そう言った彼の手には、いつの間にか煙草の箱が握られていた。
「あ、ちょっと!」
オトゥタールは慌てて寝台から飛び降りると、オグリオンの手から煙草を奪い取った。
「煙草は百害あって一利無しだよ。寝る前なら尚の事でしょ!」
オトゥタールは煙草の箱と水晶盤を机の上に放り投げて、オグリオンを寝台に押し倒す。
「ほら、寝るよ」
「…何があっても、知りませんからね」
そう言ってオグリオンは堪忍したように布団の中へ入る。しかしオトゥタールとは一切顔を合わせないように。
「よしよし、お休み」
オトゥタールはオグリオンの長い髪を踏まないように慎重に布団の中へ入った。
しかし、何時間経ってもオトゥタールは中々眠れなかった。
赤い月が照らすだけの、冷たく静かな砂漠の夜。男女二人きりだが、特別な事は何も無い時間。しかしその虚無のような時間が退屈過ぎて、何か面白い事が起きないかと神経を研ぎ澄ませてしまう。
(本当に何も無いのね…)
こうも何も無いと拍子抜けする。そう思って過ぎた退屈から欠伸をした瞬間だった。
「ゔう…」
背中に寒気が走る。唸り声にも近いような呻きは、間違い無くオグリオンのものだ。
「オグリオン?体調悪い?」
オトゥタールの本能が警鐘を鳴らす。背後の男は間違い無くオグリオンだが、様子がおかしい。危険だ。
オトゥタールは慎重に身体を起こしてオグリオンのほうを向いた。
頭を押さえて身体を折るように丸めている。呻き声は獣のような気配を帯びているが、お人好しのオトゥタールは警戒より心配が勝った。
「ねぇ、ちょっと!」
オトゥタールはオグリオンの手を無理矢理握った。
「しっかりして、何処が苦しいの?」
しかしオグリオンは首を振る。
「慣れ、てる…」
「嘘を言わないで。慣れてるなら何でそんな苦しそうなのよ」
魔物になる兆しだろうか。青灰色の瞳からは理性が風前の灯のように消えそうに揺らめいている。
敬語を使う余裕も無いのか、オグリオンは乱暴に言った。
「…っ、危ない、だろうが…!」
その言葉に震える声でオトゥタールは怒鳴った。
「危なくない!」
そう言ったオトゥタールの顔を見てオグリオンは嗤う。
「捕食者を、前にした兎、みたいに…震えてる、のにか…?笑わ、せるなよ…」
オグリオンの手はオトゥタールに危害を加えない為に、寝台を包むシーツを握っている。
オトゥタールはオグリオンの寝間着のボタンを外した。寝間着の下はよく鍛えられた身体があるが、紫の亀裂に覆われている。
「その手を退けて…外に出ろ。俺が獣に堕ちる前に…」
オトゥタールは首を振った。
「自首するつもりなんでしょ。そうはさせないから。獣になんてさせないよ」
そう言って自分の寝間着のボタンを外すと、オグリオンの上に跨がって耳元に囁く。
「獣を制御するには、私の獣の方が上だって分からせないと」
そう言って魔人特有の鋭い犬歯を首に突き立てる。
真っ赤な血が流れて来ると、オトゥタールはそれを舐め取った。
「…っ、くすぐったい、から、止めろ…」
しかしオトゥタールはそれでも止めない。オグリオンが手を出してくる事は万が一にも無いから、彼を苛む獣にどちらが上かを解らせられる。
「獣に堕ちたくなかったら、私に全部委ねて」
こんな事をしても、時間稼ぎにしかならないかも知れない。だが時間があれば、魔人が魔人を狩るなんて悍ましい行為を止められるかも知れない。
「大丈夫よ、大人しくすれば痛くしないから」
そう言ってボタンを開けた寝間着から発育の良い白い胸が溢れるように現れる。
「え…」
柔らかいその感触に思わず呆けた声を出すと、オトゥタールはいつの間にか勃ってしまった男性器を上下に擦りながら言った。
「大丈夫。気持ち良くしてあげる。痛いのは皆嫌だけど、気持良いのは好きよね」
「知らな⸺」
続きは言えなかった。四百年生きていて、今まで誰にも自分の物を触らせた事もない。自己処理以外で触れる事の無いそれに触られ、オグリオンは漏れそうになった声を押し殺した。
「大丈夫よ。全部獣のせいだから」
そう信じたい。触られるのは嫌いだが、彼女に触られる事に嫌悪感を抱いていないのも、きっとそう。
抵抗を諦めたオグリオンを見たオトゥタールは、先程噛み付いた首筋に唇を落とした。これは決してやましい行為じゃない。
「私があなたを助ける」
「おーい、もう夜だよ。いつまでも何してるの?」
年若い娘⸺といっても二百歳を超えている⸺が屋敷の隅っこにある暗い部屋に蝋燭を持って入る。
「…」
部屋の主は娘の声を無視して水晶盤を眺めている。その水晶盤で何を見ているのかは、高く積まれた医療書に阻まれて見えない。
娘は腕を組んだ。
「オグリオン、あなたの本に書いてあったよ。夜更かしは良くないって」
オグリオンは寝間着に着替えたは良いが、無言で水晶盤の画面を見ている。その整った顔は無表情だが、紫の亀裂が走っている。
(まったくもう、その亀裂の治療法も分かってないのにさ)
床に付く程長い髪は邪魔そうだ。せめて髪を束ねてやろうと娘が近付いたその時。
「…オトゥタールさん、俺が拾われてから何年になりますか?」
彼は礼儀正しい。砂漠で倒れていた彼を拾って懸命に治療したら、村で医者として活動してくれるようにもなった。しかし、その礼儀正しさは壁を作っているようにも見える。
「えーと、確か五年だよ」
オグリオンは水晶盤を置いた。
「…五年、五年か」
魔人の生は長い。人間の十倍以上も長い時を生きる彼らは、時間に対して考え方が緩い。
オグリオンは霞む思考の中で、青い髪の少年⸺否、青年を思い浮かべた。
「オトゥタールさんは、人間にとって…五年は長いと思います?」
「人間?」
オトゥタールはその言葉の意図が読めずに困惑した。
「人間って…大和人の平均寿命が漸く百歳を超えたところだよね。短い…いや、長いのかな…」
オグリオンは薄く笑った。四百年生きて近代医学を極めた自分ですら、人の時など分からない。二百年しか生きていない小娘が分かるはずもないだろう。
「…変な事を聞きましたね。貴女も早く寝たらどうです?」
水晶盤を持ち、長い青灰色の髪をずって寝台へ向かうと、オトゥタールはオグリオンの手を掴んだ。
「どうして人間の五年について聞いたの?」
「何故…」
オグリオンは水晶盤をちらりと見た。
「夜更かしに関係ある?」
オトゥタールはオグリオンの手から水晶盤を取った。その水晶盤には、帝国でよく使われる掲示板が写っていた。
「魔人の魔物化…それにこの亀裂。これについて調べてたのね?」
画面を下へと移動させると、魔物化した魔人を狩る組織の情報も出て来た。
「魔人なのに、魔人を狩るなんて…」
オトゥタールはお人好しだ。目の前に立つ背の高い魔人も、いつ魔物化するか分からない。それなのに、この場で殺してしまおうとせずに共存を試みる。
「…どうやらこの村の近くにも居るらしい。明日、自首してきます」
言わなくても良い事を言ってしまった。それに気付いたのは、オトゥタールが大きな水色の瞳をこちらに向けてきてからだった。
「自首?」
オグリオンは溜息を吐いた。オトゥタールは若干、過干渉なところがある。だからこの五年で、煙草一本の為だけでも出掛ける時は必ず報告する癖が付いていたのだ。
「しまったな…」
オトゥタールはオグリオンの寝間着を掴んだ。
「自首なんてさせないからね!私が絶対に助けるんだから!」
オトゥタールはそう言うと、ずかずか寝台に上がった。
「…何してるんですか」
「見張るのよ。どーせ夜が明ける前に出てくつもりなんでしょ。あ、今出たら叫ぶからね」
オトゥタールに図星を突かれたオグリオンは溜息を吐いた。しかし、タダで引いてやるつもりは無い。この村には世話になったから、迷惑を掛けたくないのだ。
「オトゥタールさん」
オグリオンは片手でオトゥタールの細い両手首を掴むと、寝台に押し倒した。
「…二倍も年の差があるとは言え、俺は男ですよ。男の部屋に年若い女が入り込んで、無事で済むと思いますか?」
「あなたはそういう事しないじゃない」
「根拠は?」
オトゥタールはオグリオンの目を見て言った。
「私が野蛮な男で目の前に可愛い女の子が居たら、こうやって押さえ込む前に前戯も無しに犯してる。あなたは今まで見てきたどの男より強そうだし背も高いけど、そういう事をするには理性的過ぎる。だからあなたは私を襲わない」
証明は完了したと言わんばかりの彼女にオグリオンは溜息を吐いた。医者だからこそ、本能のままに女を襲ったらどうなるかは熟知している。雄は出すだけ出して終わりだが、雌は孕んだら出すまでに時間が掛かるし、それには苦痛を伴う。
オグリオンは元々、恋愛には無関心な方だった。その無関心は、この村で出産の手伝いを何度かやる内に限りなく無へと近づいて行ったのだ。
「…面倒臭」
オグリオンは部屋の外へ向かった。
「あ、叫ぶよ!」
「ヤニ入れるだけです」
そう言った彼の手には、いつの間にか煙草の箱が握られていた。
「あ、ちょっと!」
オトゥタールは慌てて寝台から飛び降りると、オグリオンの手から煙草を奪い取った。
「煙草は百害あって一利無しだよ。寝る前なら尚の事でしょ!」
オトゥタールは煙草の箱と水晶盤を机の上に放り投げて、オグリオンを寝台に押し倒す。
「ほら、寝るよ」
「…何があっても、知りませんからね」
そう言ってオグリオンは堪忍したように布団の中へ入る。しかしオトゥタールとは一切顔を合わせないように。
「よしよし、お休み」
オトゥタールはオグリオンの長い髪を踏まないように慎重に布団の中へ入った。
しかし、何時間経ってもオトゥタールは中々眠れなかった。
赤い月が照らすだけの、冷たく静かな砂漠の夜。男女二人きりだが、特別な事は何も無い時間。しかしその虚無のような時間が退屈過ぎて、何か面白い事が起きないかと神経を研ぎ澄ませてしまう。
(本当に何も無いのね…)
こうも何も無いと拍子抜けする。そう思って過ぎた退屈から欠伸をした瞬間だった。
「ゔう…」
背中に寒気が走る。唸り声にも近いような呻きは、間違い無くオグリオンのものだ。
「オグリオン?体調悪い?」
オトゥタールの本能が警鐘を鳴らす。背後の男は間違い無くオグリオンだが、様子がおかしい。危険だ。
オトゥタールは慎重に身体を起こしてオグリオンのほうを向いた。
頭を押さえて身体を折るように丸めている。呻き声は獣のような気配を帯びているが、お人好しのオトゥタールは警戒より心配が勝った。
「ねぇ、ちょっと!」
オトゥタールはオグリオンの手を無理矢理握った。
「しっかりして、何処が苦しいの?」
しかしオグリオンは首を振る。
「慣れ、てる…」
「嘘を言わないで。慣れてるなら何でそんな苦しそうなのよ」
魔物になる兆しだろうか。青灰色の瞳からは理性が風前の灯のように消えそうに揺らめいている。
敬語を使う余裕も無いのか、オグリオンは乱暴に言った。
「…っ、危ない、だろうが…!」
その言葉に震える声でオトゥタールは怒鳴った。
「危なくない!」
そう言ったオトゥタールの顔を見てオグリオンは嗤う。
「捕食者を、前にした兎、みたいに…震えてる、のにか…?笑わ、せるなよ…」
オグリオンの手はオトゥタールに危害を加えない為に、寝台を包むシーツを握っている。
オトゥタールはオグリオンの寝間着のボタンを外した。寝間着の下はよく鍛えられた身体があるが、紫の亀裂に覆われている。
「その手を退けて…外に出ろ。俺が獣に堕ちる前に…」
オトゥタールは首を振った。
「自首するつもりなんでしょ。そうはさせないから。獣になんてさせないよ」
そう言って自分の寝間着のボタンを外すと、オグリオンの上に跨がって耳元に囁く。
「獣を制御するには、私の獣の方が上だって分からせないと」
そう言って魔人特有の鋭い犬歯を首に突き立てる。
真っ赤な血が流れて来ると、オトゥタールはそれを舐め取った。
「…っ、くすぐったい、から、止めろ…」
しかしオトゥタールはそれでも止めない。オグリオンが手を出してくる事は万が一にも無いから、彼を苛む獣にどちらが上かを解らせられる。
「獣に堕ちたくなかったら、私に全部委ねて」
こんな事をしても、時間稼ぎにしかならないかも知れない。だが時間があれば、魔人が魔人を狩るなんて悍ましい行為を止められるかも知れない。
「大丈夫よ、大人しくすれば痛くしないから」
そう言ってボタンを開けた寝間着から発育の良い白い胸が溢れるように現れる。
「え…」
柔らかいその感触に思わず呆けた声を出すと、オトゥタールはいつの間にか勃ってしまった男性器を上下に擦りながら言った。
「大丈夫。気持ち良くしてあげる。痛いのは皆嫌だけど、気持良いのは好きよね」
「知らな⸺」
続きは言えなかった。四百年生きていて、今まで誰にも自分の物を触らせた事もない。自己処理以外で触れる事の無いそれに触られ、オグリオンは漏れそうになった声を押し殺した。
「大丈夫よ。全部獣のせいだから」
そう信じたい。触られるのは嫌いだが、彼女に触られる事に嫌悪感を抱いていないのも、きっとそう。
抵抗を諦めたオグリオンを見たオトゥタールは、先程噛み付いた首筋に唇を落とした。これは決してやましい行為じゃない。
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