窓際の不思議な彼

tatudoshinosasoriza

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窓際の不思議な彼-part45-常連さん

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「窓際にいる不思議な彼に」
「困っていることを話すと」
「解決するらしいよ」
「なんで窓際?」
「窓際社員的な?」
「ホントかよ?」
「窓際ってだけじゃ分かんねー」
「窓際にいるわけでもないらしい」
「なおさら分かんねー!」
「一目見れば分かるってさ!」
「イケメンらしい」
「可愛い女の子」
「女の子なら彼じゃないじゃん」
「やっぱり学校にいるらしいよ?」
「それは嘘情報だよ」
「学校じゃないところでも噂があるし」
「てか、あそこにいるんでしょ?」
「あの、隠れスポットみたいなとこ」
「すごい狭いとこ」
「どこ?」
「〇〇町の〇〇っていうビルの二階」
「怪しい看板が目印だって!」
街の様々な所でそんな噂の話がされている。

■常連さん
「おお!これはこれは!」
「安田さん!また、来てくれたんですね」
「もちろん。どうぞどうぞ」
「お茶よりコーヒーが良いですか?」
「え?いらない?そうですか?」
「お珍しい。いつも飲まれるのに・・・」
「また、お仕事を抜け出してきたんですか?」
「ああ、言い方が悪かったですね」
「はは。すいません」
「外回り、でしたね」
「むむー・・・」
「安田さん・・・なんだか・・・」
「嬉しそう?ですね」
「それに、いつもより・・・」
「なんだか、パリッとしてます」
「なんですか、その含み笑いは」
「ん?これを?僕に?」
「お土産?」
「これまた、お珍しい・・・」
「別に良いんですよ?お土産とか・・・」
「まあ、ありがたくいただきますが」
「安田さん、だいぶ長く来てくれてますよね」
「いやー、嬉しいものですよ」
「また話したいとか、また会っても良いってことでしょ?」
「嬉しいことですよ。僕にとっては」
「それで、今日はどんな話を?」
「え?お別れ?」
「・・・」
「ど、どうかしたんですか?」
「もしかして・・・ここでサボってるのがバレたとか?」
「ああ・・・どうしよう・・・」
「ここのせいで安田さんが・・・」
「え?変な勘違いするなって?」
「そもそも、サボって来てない?」
「うーん・・・ホントに?」
「じゃ、じゃあ、どうして?」
「栄転?転勤になる?」
「な・・・なんだー・・・」
「驚かせないで下さいよー・・・」
「今、僕の頭の中にはいろんな悪いことが浮かんでましたよ」
「良い事じゃないですか!おめでとうございます!」
「お祝いでもします?」
「僕が奢りますよ!」
「え?今から?」
「もう、行ってしまうのですか?」
「・・・」
「そう、ですか・・・」
「いやいや、こちらこそ・・・」
「お世話になりました・・・」
「いや、ホントに・・・」
「社会人として、人生の先輩として・・・」
「本当に・・・ありがとうございました」
「僕、安田さんの人となりが大好きでしたから・・・」
「いつも穏やかで、たくさん笑わせてくれて・・・」
「マイナスなことは一切言わなかった・・・」
「先に僕と話している人や」
「後から来た人がいたら」
「気を利かせて帰ってましたよね」
「いつも、自分の事より、他の人を優先してた」
「あっ、ほら!」
「それが当たり前のことだと言えるのがスゴイんですよ!」
「・・・」
「そっかー・・・寂しくなるなー・・・」
「ここの常連さんの旅立ちか・・・」
「・・・」
「良し!」
「暗くなるのヤメ!」
「改めて、おめでとうございます!」
「安田さんの更なる飛躍を祈ります!」


「え?安田さんの後釜?」
「後輩?」
「今度、来ると思う?」
「ええ・・・」
「変な伝統みたいになってるじゃないですか・・・」
「良いんですか?会社に怒られますよ?」
「ええ・・・」
「いやー・・・良いのかなー・・・」
「いくら優秀だからって・・・」
「え?成果の出ている人は自由?」
「うーん・・・それで良いのだろうか・・・」
「いや、まあ、僕が気にすることではないんですが・・・」
「ふふ。とんだ置き土産ですね」


「安田さん!」
「いつでも・・・」
「また、いつでも来てください!」
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