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5 ばあちゃんちの夜の怖さは異常
フリーランスの記者、巽は友人からの電話でとある場所に向かった。
指定されたその場所に着いたのは深夜零時、車から降り立った巽の前にそびえ立つのは、朽ちた大きな屋敷だった―。
「これ引き返してい?」
「はよ行けぇ!」
画面の中、車から降り立ったところで、何とかもう一度車に乗るか、道を引き返せないか試していると、慧やリスナーから急かされる。
だってこれ、FPS視点のホラゲーで臨場感ありすぎて怖いんだもん。
しかも家とか、めっちゃ嫌いな題材なんだもん。
「ああぁ、ほんとやだ。なんなん深夜に呼び出すとか、友達のやることかよぉ」
「いや、自分それやるじゃん。俺を呼びつけてホラゲー参加させるじゃん」
「相方はいいんだよ、許されんだよォ゙!?」
しょうがなく玄関を開けると、上がり框にぽつんと和風の人形がいて、語尾が悲鳴になる。そう、あれ、着物着たおかっぱのやつ。
「あっ、あっ、絶対動くじゃん、絶対追いかけて来るじゃん、ねぇ、慧!?」
「……」
「その顔なに!? 肯定なの!?」
「ネタバレはしませ~ん。ほらさくさく進んで。朝までクリア出来ないよ」
スンとした慧に歯噛みしつつ、ゲームを進めていく。心臓はばくばくだし、手汗がヤバい。何で和風の家ってこんな不気味なんだろう。
もちろん、ばあちゃんちみたいな昔ながらの畳の家はほっこりするんだけど、夏休みに泊まりに行った時には、夜トイレに起きて、暗くて古い廊下を歩くのが死ぬほど怖かったっけ。ばあちゃんちの夜の怖さは異常。いや、あれがトラウマなのか。
「なー、ゴキブリ走りになってるけど」
「こうすれば壁しか見えないじゃん」
「きりっ、じゃなくて、ちゃんとプレイして」
「やらぁ~、怖いって言ってるでしょ!? 怖いんだよこっちわ!!」
慧は呆れたような顔をして肩を竦めた。少し触れた肘の感触に安堵する。めちゃくちゃ怖いけど、隣から慧の高い体温が伝わってきて、いつもより断然心強い。一人なら動悸手汗の他に震え、冷や汗、毛根へのダメージがある。
「ん゛!?」
慧が呻いてコメント欄がざわつく。開き直ってぴたっと体の側面をくっつけたら、慧がびっくりしたらしい。
ホラー得意とか言ってるけど、本当は怖いのかもと、ニヤニヤと隣を見上げる。
「慧くん本当は怖いんじゃない~?」
「ばっ、はっ、くっつ……、はー……、怖いのはお前だろうが」
慧は溜息を吐いて、反対側の手で自分の頭をぐしゃぐしゃと掻いた。体の左半分から慧の体温が伝わってきて、怖さが半減した気がする。
「ふっ、こっから華麗なプレイを見せてやるぜ!」
気合を入れて俺はマウスを掴み直した。
「いやぁあああ、来ないでぇ! ぎいいっ!」
「即堕ち二コマやめえ」
攻略が中盤に差し掛かると、めちゃくちゃ怖い幽霊とのチェイスが始まって、さっきから何回も捕まってはゲームオーバー、しかも捕まる時の画面に出て来る幽霊がめちゃくちゃ怖くて、叫びすぎてヘロヘロになって来た。
「カズイ、飲みな」
「んー、ありがとぉ……、もう無理ぃ」
「じゃあしょうがない、一分だけお助けシステム解放します。皆、ごめんね、一瞬だけ俺のさくさくプレイになりまーす」
「えっ、そんな神システム搭載されてたの? あと何回使える?」
「一配信一回きりでーす」
手渡されたドリンクを飲みながら問い詰めても、慧はしれっとゲームを進めだした。慧は左利きだから、そのまま右肩にくたっと寄りかかってぼーっと画面を眺める。
「ひっ、こわ! なんでそんな上手く避けれる?」
「まあ、一回クリアしてるんで」
さっきから何度も躓いていた部分を、慧はするするクリアしていく。あっと言う間に追跡パートを終わらせると、マウスを戻された。
「え、こっからエグいの?」
視聴者コメントではここから本番やでと、色んな情報が入って来て、思わず慧を見上げる。
「そろそろクライマックスに入ってくるから。はい、ここからは自力で頑張って」
「いいい~、もう帰りたい……ひぐ」
半泣きでまたプレイを開始し、ゲームを進めていく。
屋敷の地下は異空間と成り果てて、主人公は迷宮となったおどろおどろしい座敷や廊下を辿り、化け物に追いかけられながら、友人を探して屋敷の最奥を目指す。
これがFPSなら、バチクソに撃ちまくって倒せるんだけど、ホラゲーの嫌なところは攻撃出来ないところなんだよな。
「はぁ、はぁ、け、慧、もう……俺」
「……、だめ、もう少しだから頑張って」
「は、あぁ、あっ、待ってぇ、やーっ、もうやめぇ……」
「……だからセンシティブやめ」
さっきから怒涛のホラー演出が入って、指先がびっくりするくらい冷えてるし、震えが止まらない。
「ぴ!!」
「やば、顔面真っ青じゃん」
「う、うん……」
とうとう口数まで減って来て、リスナーにも心配されるけれど、怖すぎてもう放心状態になってる。ふっとこちらを覗き込んだ慧が、小さく溜息を吐いた。
「ひゃ……!?」
腰をがしっと掴まれて、ぐいっと引き寄せられた。一瞬何が起きてるか分からず、混乱して慧を見上げても、ふいっと顔を外される。
慧に腰を抱かれて、しっかり密着してる。まるでカップルみたいな座り方だ。動いた拍子にふわっと香った慧の匂いに、心臓が大きく跳ねた。
「あ、わ、わ?」
別の意味で操作が覚束なくなって、視聴者からは失笑が起きていた。
慧のがっしりした腕が支えている安定感と、しっかりした胸板、体温や呼吸、腰を掴む手の平の感触がいやに生々しい。
ダイレクトに伝わる慧の存在に、かーっと頬が熱くなってくる。
画面は怖い、けど正直それどころじゃない。ヤバい。口から心臓が飛び出そう。画面の中で追いかけて来る人形の化け物と、慧に抱かれてるっていう二重のショックで心臓が止まりそう。マジで。
「あ、そうそう、上手いじゃん。俺のおかげだね」
常に無い近さから響いた声に、ますます混乱して慧を見ることも出来ない。それなのに当の本人は飄々と、なんならからかうような声で笑った。
「だっ、な、なに、はぁああ!?」
「ほら、集中しなよ」
「いひっ」
パーカーの上から腰を掴む手が、悪戯に動いて変な声が出る。さすがに顔を上げると、慧はしれっとした顔で口パクをしてきた。
し・か・え・し。
仕返し? 何の。訳分からんがオモテナシみたいに言うんじゃねえ、とツッコミたくても、ゲーム操作が忙しくなってきて、一旦そっちへ集中することにした。
気づけばもう震えは止まり、指先は温かさを取り戻していた。
指定されたその場所に着いたのは深夜零時、車から降り立った巽の前にそびえ立つのは、朽ちた大きな屋敷だった―。
「これ引き返してい?」
「はよ行けぇ!」
画面の中、車から降り立ったところで、何とかもう一度車に乗るか、道を引き返せないか試していると、慧やリスナーから急かされる。
だってこれ、FPS視点のホラゲーで臨場感ありすぎて怖いんだもん。
しかも家とか、めっちゃ嫌いな題材なんだもん。
「ああぁ、ほんとやだ。なんなん深夜に呼び出すとか、友達のやることかよぉ」
「いや、自分それやるじゃん。俺を呼びつけてホラゲー参加させるじゃん」
「相方はいいんだよ、許されんだよォ゙!?」
しょうがなく玄関を開けると、上がり框にぽつんと和風の人形がいて、語尾が悲鳴になる。そう、あれ、着物着たおかっぱのやつ。
「あっ、あっ、絶対動くじゃん、絶対追いかけて来るじゃん、ねぇ、慧!?」
「……」
「その顔なに!? 肯定なの!?」
「ネタバレはしませ~ん。ほらさくさく進んで。朝までクリア出来ないよ」
スンとした慧に歯噛みしつつ、ゲームを進めていく。心臓はばくばくだし、手汗がヤバい。何で和風の家ってこんな不気味なんだろう。
もちろん、ばあちゃんちみたいな昔ながらの畳の家はほっこりするんだけど、夏休みに泊まりに行った時には、夜トイレに起きて、暗くて古い廊下を歩くのが死ぬほど怖かったっけ。ばあちゃんちの夜の怖さは異常。いや、あれがトラウマなのか。
「なー、ゴキブリ走りになってるけど」
「こうすれば壁しか見えないじゃん」
「きりっ、じゃなくて、ちゃんとプレイして」
「やらぁ~、怖いって言ってるでしょ!? 怖いんだよこっちわ!!」
慧は呆れたような顔をして肩を竦めた。少し触れた肘の感触に安堵する。めちゃくちゃ怖いけど、隣から慧の高い体温が伝わってきて、いつもより断然心強い。一人なら動悸手汗の他に震え、冷や汗、毛根へのダメージがある。
「ん゛!?」
慧が呻いてコメント欄がざわつく。開き直ってぴたっと体の側面をくっつけたら、慧がびっくりしたらしい。
ホラー得意とか言ってるけど、本当は怖いのかもと、ニヤニヤと隣を見上げる。
「慧くん本当は怖いんじゃない~?」
「ばっ、はっ、くっつ……、はー……、怖いのはお前だろうが」
慧は溜息を吐いて、反対側の手で自分の頭をぐしゃぐしゃと掻いた。体の左半分から慧の体温が伝わってきて、怖さが半減した気がする。
「ふっ、こっから華麗なプレイを見せてやるぜ!」
気合を入れて俺はマウスを掴み直した。
「いやぁあああ、来ないでぇ! ぎいいっ!」
「即堕ち二コマやめえ」
攻略が中盤に差し掛かると、めちゃくちゃ怖い幽霊とのチェイスが始まって、さっきから何回も捕まってはゲームオーバー、しかも捕まる時の画面に出て来る幽霊がめちゃくちゃ怖くて、叫びすぎてヘロヘロになって来た。
「カズイ、飲みな」
「んー、ありがとぉ……、もう無理ぃ」
「じゃあしょうがない、一分だけお助けシステム解放します。皆、ごめんね、一瞬だけ俺のさくさくプレイになりまーす」
「えっ、そんな神システム搭載されてたの? あと何回使える?」
「一配信一回きりでーす」
手渡されたドリンクを飲みながら問い詰めても、慧はしれっとゲームを進めだした。慧は左利きだから、そのまま右肩にくたっと寄りかかってぼーっと画面を眺める。
「ひっ、こわ! なんでそんな上手く避けれる?」
「まあ、一回クリアしてるんで」
さっきから何度も躓いていた部分を、慧はするするクリアしていく。あっと言う間に追跡パートを終わらせると、マウスを戻された。
「え、こっからエグいの?」
視聴者コメントではここから本番やでと、色んな情報が入って来て、思わず慧を見上げる。
「そろそろクライマックスに入ってくるから。はい、ここからは自力で頑張って」
「いいい~、もう帰りたい……ひぐ」
半泣きでまたプレイを開始し、ゲームを進めていく。
屋敷の地下は異空間と成り果てて、主人公は迷宮となったおどろおどろしい座敷や廊下を辿り、化け物に追いかけられながら、友人を探して屋敷の最奥を目指す。
これがFPSなら、バチクソに撃ちまくって倒せるんだけど、ホラゲーの嫌なところは攻撃出来ないところなんだよな。
「はぁ、はぁ、け、慧、もう……俺」
「……、だめ、もう少しだから頑張って」
「は、あぁ、あっ、待ってぇ、やーっ、もうやめぇ……」
「……だからセンシティブやめ」
さっきから怒涛のホラー演出が入って、指先がびっくりするくらい冷えてるし、震えが止まらない。
「ぴ!!」
「やば、顔面真っ青じゃん」
「う、うん……」
とうとう口数まで減って来て、リスナーにも心配されるけれど、怖すぎてもう放心状態になってる。ふっとこちらを覗き込んだ慧が、小さく溜息を吐いた。
「ひゃ……!?」
腰をがしっと掴まれて、ぐいっと引き寄せられた。一瞬何が起きてるか分からず、混乱して慧を見上げても、ふいっと顔を外される。
慧に腰を抱かれて、しっかり密着してる。まるでカップルみたいな座り方だ。動いた拍子にふわっと香った慧の匂いに、心臓が大きく跳ねた。
「あ、わ、わ?」
別の意味で操作が覚束なくなって、視聴者からは失笑が起きていた。
慧のがっしりした腕が支えている安定感と、しっかりした胸板、体温や呼吸、腰を掴む手の平の感触がいやに生々しい。
ダイレクトに伝わる慧の存在に、かーっと頬が熱くなってくる。
画面は怖い、けど正直それどころじゃない。ヤバい。口から心臓が飛び出そう。画面の中で追いかけて来る人形の化け物と、慧に抱かれてるっていう二重のショックで心臓が止まりそう。マジで。
「あ、そうそう、上手いじゃん。俺のおかげだね」
常に無い近さから響いた声に、ますます混乱して慧を見ることも出来ない。それなのに当の本人は飄々と、なんならからかうような声で笑った。
「だっ、な、なに、はぁああ!?」
「ほら、集中しなよ」
「いひっ」
パーカーの上から腰を掴む手が、悪戯に動いて変な声が出る。さすがに顔を上げると、慧はしれっとした顔で口パクをしてきた。
し・か・え・し。
仕返し? 何の。訳分からんがオモテナシみたいに言うんじゃねえ、とツッコミたくても、ゲーム操作が忙しくなってきて、一旦そっちへ集中することにした。
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