【完結】BLゲーにモブ転生した俺が最上級モブ民の開発中止ルートに入っちゃった件

漠田ロー

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夏の章 バカンス編

49 魔力調整

「……アルカ、魔力調整してみない?」

 体勢を変えて、レグルスが正面から見つめた。

「アルカが嫌じゃないなら、あの時と同じくらい深く繋がりたい。アルカが嫌なことは、絶対しない。無理に抱いたりしない。約束する」

 じっと瞳を覗き込んだが、レグルスは真摯な瞳をしていた。

「行為じゃなくても、深く繋がれるんだよ。俺、アルカにもちゃんと知ってもらいたい。俺はあの時、君と1つになれてすごく幸せだった」

「……うん、俺もしたい」

 素直に頷くと、レグルスはまたアルカを抱き上げた。今日はずっとこの移動方法だ。

 月の薄明りの中、ベッドの上で向かい合って見つめ合う。

「1つずつ確認していくから、嫌なことは全部ちゃんと言って」

 そう言ったレグルスは、アルカの両手を取って握った。

「これは?」
「いつもしてるだろ」

 思わず苦笑すると、レグルスは首を振った。

「だめ、ちゃんと言葉にして」
「……嫌じゃない」

 ほっとしたように、レグルスはアルカの指を絡めた。微かに指の股を擦り合わされ、擽ったい。

 指の感覚に気を取られていると、不意にレグルスの顔が、鼻先が触れ合う程近付いた。

「……キスしていい?」
「……いいよ」

 ちゅ、と柔らかく唇が触れて、直ぐに離れた。

「嫌じゃない?」
「……嫌じゃないから、もう1回して」

 また軽く触れて、直ぐ離れた唇を追いかける。
 何故か逃げを打つレグルスの顔を両手で捉えて、深く口付ける。

「話、聴いてた?……俺だって本当はもっと触れ合いたいの。……レグルスとは」
「あ、こら、ん、アルカ、まっ、……んむ、大事にしたいって、……っ、も~~!」

 漸くその気になったのか、深い口付けに応えるレグルスのバスローブの前を開き、肩から落とす。

 何度見ても見惚れる程、美しい男性美そのものの裸体を、目を逸らすことなく見つめる。

「あ、アルカ……!」
「……脱がせてよ、レグルスが」

 レグルスの目元が赤く染まり、堪えるように喉仏が上下した。
 軽く両手を差し出すと、微かに汗ばんだ指が、微かに震えながら前合わせに掛かる。

 紐が解かれ、肌からゆっくりとバスローブが静かに滑り落ちていく。時折掠める指に、体が跳ねて息が漏れた。

 バスローブがシーツに完全に落ちて、浅ましい体が全て月の光に晒された。
 性行為の痛みや汚さも、快楽も知ってしまっている身体だ。

 今、この身が恐怖と共に、何を抱えて震えているのか、はっきり分かる印が出てしまっている。

 アルカの真っ白で透き通るような肌は、淡い薄桃色に染まっていて、体全体に広がる欲情を隠し切れていない。
 
「……すごく、綺麗だ」

 上擦っているのに、惚けたように喉を鳴らしたレグルスも、同じ欲に焦がれた瞳をして、同じ兆しを示している。

「レグルス、入って来て」

 もう一度手を広げると、壊れ物を扱う慎重な手付きで抱き締められる。
 そのままベッドに2人で横になり、ぴたりと肌を合わせる。

 途端に全身の合わさっている部分から、ゆっくりとレグルスの魔力が浸透して来る。
 逆らわず受け入れ、引き込んで1つにして返す。

 暫くそうしている内に魔力は混ざり合い、やがて1つになって2人の間に飽和していく。

「あっ……、は……!」

 酷く鋭敏になった体に、背中を滑るレグルスの手が、容赦無い快感を引き出す。

 跳ねた瞬間に胸の突起がレグルスの胸と擦れ、さらなる快感が生まれる。

「っ、……アルカ」

 擦れて滑る肌が、互いに強い快感をもたらす。
 当然2人の中心部は完全に勃ち上がり、挟み合った腹の間で熱を主張している。

 魔力が広がり、2人の境界を曖昧にしていく。
 何処にいるかも判らなくなりそうな奔流に、レグルスをきつく抱き締めながら唇を合わせた。

「っ、あっ、あぁ、レグ、レグルス……!」

 いつの間にかレグルスが、2人の昂りをまとめて握り込んでいる。

「あっ、ん、あぁ……っ、だめ、それ、だめ……!」
「っ、怖い?やだ?」

「ちが、ちがぅ……、気持ち良い、すぐイッちゃう……!」
「いいよ、何度でもイッて……っは、俺も気持ちいい」

「あ、やだぁ……、もっと、もっとして……!」

 あまりの快感に、涙が勝手に零れた。
 訳が分からなくなるくらいの快楽に、子供みたいに欲しがって駄々をこねる。

「うん、俺も、もっと欲しい。……アルカ」

 ぐちゅぐちゅと濡れた音が響いて、レグルスの逞しい屹立の熱がアルカを侵食していく。

 雁首同士が括れに沿って擦れ合い、互いの裏筋も直接触れ合う。
 どちらとも分からぬ先走りがぬるついて、卑猥な音を立てた。

「れ、レグ……、キス……もっと」

 息も切れ切れに、薄く口を開いて舌を差し出す。

「~~っ、頭、どうにかなりそうだ……!」

 レグルスの熱い口内に舌が引き込まれ、音を立てて吸われて、じっくり可愛がられる。

 肚の内がじくじくと痛むくらいに痺れ、無意識に体が逃げを打つ。
 しかし、逃がさぬとばかり顎を抑えられ、がっちり引き寄せられた腰を揺らして、昂り同士に刺激が与えられる。

「あっ、~~っん、レグルス……っんあ!」

 魔力が1つに合わさり、身体の境界が消える。
 暗い宇宙の中に、たった1つだけ光が見えた。青く静かな光と互いに吸い寄せられる。

 触れた光は欠けていた部分を埋めていき、酷く満たしていく。誰にも触れられない場所にまで広がり、柔らかく包んでいく。

 同時にまた自分も光の欠けた部分に広がって、受け入れられる。疑うことのない、圧倒的な信頼感。

 この身を全て渡しても、その身を全て渡されても、絶対的に受け入れられる。その感覚が五感を満たしていく。
 レグルスだけを感じて、呼吸も温度も鼓動さえ、2人で1つとなる。

「―――っ……!」
「……っぐ」

 荒く湿った呼吸だけが、2人の間に響く。覆い被さってぐったりしている、レグルスの重みが心地良い。
 余りに強烈な快楽に、2人とも暫く口を利けずに余韻に浸る。

「……アルカ」

 先に回復したレグルスが身動ぎすると、濡れた中心部や腹がぬるりと擦れて、敏感になっている体が反応した。
 レグルスの瞳に浮かぶ気遣いの中に、隠し切れない欲情を見つけ、アルカは微かに笑った。

「……もう1回しよ、レグ」

 ぬるついた腰を自分から押し当てる。少しでも離れれば、寂しくてしょうがない。

 もっと1つになっていたい。全部埋めて欲しいのだ。

「……っ、だからあんまり煽らないで……。アルカの意地悪」

 耳まで赤くしたレグルスに、今度ははっきり笑って、足を絡めて引き寄せた。


 朧に身を清められる感触と心地良い気怠さに、意識を遊ばせながら、薄く目蓋を開ける。

「寝てていいよ」

 柔らかなレグルスの声と、額に落とされた優しい唇の感触に幸福感に包まれる。

「……抱っこ」
「ふふ……、仰せのままに」

 ベッドが軋んで隣にレグルスが横たわり、アルカを腕の中に引き込んだ。

 うつ伏せに乗りかかって抱きついて、髪を柔らかく梳いていく手に身を委ねる。

「レグルス……」
「うん」
「ちゃんと出来るようになるから、嫌にならないで、俺のこと」

「……そんなことある訳ないでしょ。こうしてアルカと触れ合うだけで、俺はすごく幸せなんだ」
「うん、俺も。だけど」

「ゆっくりやろうよ。時間かけて俺に慣れて、一緒に居るのも触れ合うのも当たり前になって。アルカのペースでいいんだ。君を傷付けたり、怖がらせなくない。ていうか怖がられたら、俺が多分死んじゃう」

 吐息混じりにレグルスが笑い、回された腕に力が籠もった。

「大丈夫だよ。そのままのアルカが良いんだ。いつだって。俺はどんなアルカでも傍に居るから、大丈夫」

 もう眠いのかも知れない。少し幼くなったレグルスの声に頷く。胸に耳を当てて、レグルスの鼓動を聴く。

「……ありがとう、レグルス」

 重なった肌の燃え上がる熱は治まって、今はただ揺蕩うような温もりが2人を包んでいた。


 やがて朝の光が部屋に差し込み、アルカはぼんやりと目を開けた。

「ごめん、起こしたね」

 額に掛かっていた前髪を優しく払われる。視界に認めたレグルスは、見慣れた制服を着ていた。

「……どこ行くの?」
「ギルドで用事済ませてくるからね。昼までは戻るから、アルカはここで待っててくれる?」
「……うん」

 昨夜の余韻を引き摺ってぼんやりしたまま頷くと、レグルスは甘く目を細めた。

「なるべく早く帰って来るから、俺を待ってて。屋敷の中は好きにしていいから」

 頭を撫でて額にキスを落としてから、レグルスは部屋を後にした。

 まだ引き摺られる眠気に抗わず、肌掛けを鼻先まで引っ張り上げるとレグルスの香りに包まれた。
 自然と身体の力が抜けて、目蓋が落ちた。
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