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夏の章 バカンス編
51 魔力の味
「俺、駄目になりそー……」
「えっ、どうしたの?どこか悪い?」
手を止めたレグルスは、慌ててアルカの顔を覗き込んだ。バスタブの縁に頭を乗せたまま、アルカは唸る。
「違うくて、駄目な人になりそー、ってこと」
「それがどうしたの?」
具合が悪いのでは無いと知ると、レグルスは安堵してアルカの頭を洗うのを再開した。
レグルス邸に保護されて3日。
アルカはこれまで生きてきた中で1番、至れり尽くせりの生活を満喫していた。
レグルスは本当に尽くすタイプのようで、食事も風呂も生活の全てで、甲斐甲斐しく世話をしてくる。
毎日傍にいる時は、体の一部が必ず何処か触れ合っているし、夜も必ず魔力調整をしてから腕に抱かれて寝る。
何とも気恥ずかしいのだが、経験したことの無い甘やかしに身も心も陥落、いや堕落するのは早かった。
「アルカはいつも、1人で頑張り過ぎるからね。もっと駄目になった方が丁度良い」
「やだよ、このままじゃ俺、レグルスが居ないと何も出来なくなりそー」
体を全て丁寧に洗われ、浴槽で漂っていると、自分の始末を終えたレグルスがアルカを抱え上げた。
「それいいね、そうしよう」
「は?」
バスタオルで包まれて丁寧に拭かれて、部屋に運ばれる。
「俺がいないと駄目なアルカなんて、考えるだけで最高」
「え~、やだよ、そんなの。俺はちゃんとしてなきゃ駄目なの」
「ふふ、その内そうなるように、頑張る」
ベッドの上で股の間に座らされ、レグルスはドライヤーを手にした。
口ではちゃんとなんて言いながら、弛緩しきった体をレグルスが世話するのを享受している。
「あ、それさ、俺にも魔法掛けた方が、早いんじゃないの?」
「だめだめ!アルカの頭が爆散したらどうするの!?」
ドライヤー片手に、レグルスは慌てて首を振った。
「は?なに、そんな危ういのだったの、アレ。いや、自分の頭は爆散していいのかよ……」
「え、だって自分にはそんなに効かないし……。それに何かあっても、アルカが治してくれるしね~」
「いや、普通に考えて、これからしようって時に、そんなんなったら引くわ、流石に」
今みたいな甘い雰囲気で、これから事に及ぼうとする相手が目の前で爆散するとか、どんなトラウマなんだと呆れる。
「と、とにかく、俺はアルカの髪、触るの好きなの!もーこの話はおしまい!」
ばつが悪いのか少し頬を膨らませて、レグルスはドライヤーを起動した。
前世と同じく風音がするので、アルカも後は口を噤んだ。
レグルスはアルカの髪を触るのが本当に好きなようで、丁寧に優しく慈しむ手付きで梳いていく。
長くて硬い指先が繊細に頭皮を解す気持ち良さに、自然と目蓋が落ちる。
暫くなすがままに感触を楽しんでいると、ちゅ、と軽く音を立てて口付けられる。終わりの合図だ。
「待った」
いつもならここでレグルスが、魔法で自分の髪を乾かすが。
「俺もやる」
背の高いレグルスに合わせて、太腿に乗り上げる。
いつもと違って見下ろす角度が新鮮で、口の端でにやと笑うと、レグルスは顔を赤くして睫毛を伏せた。
「どうしてやろうかな」
「ひぇ……、ど、どうとでもして……」
耳を真っ赤にさせたレグルスが顔を伏せたため、無防備に晒された旋毛に口付けてドライヤーを起動させた。
借りてきた猫の如く、すっかり大人しくなったレグルスの髪を丁寧に梳いていく。豊かで張りがあって、手触りも良い。
さらさらとした手触りなのに、少し癖があってところどころ跳ねる。
耳周りを乾かす時に態と耳を擽ると、レグルスはびくりと体を跳ねさせた。
「ここ、気持ち良い?」
耳元に唇を寄せて囁くと、レグルスはまた過剰に跳ねた。
「っ……、アルカ、……意地悪やめて……」
耳の軟骨の薄い皮膚に、軽く歯を立てて食む。レグルスの息が上擦るのが愉しくて、そのままやわやわと甘噛みする。
「……っ!」
お返しとばかりに喉元に歯を立てられ、強く吸われる。
「こら、待て、レグルス。ステイ」
「っ、……ぅ~」
無理に欲求を抑えて命令に従う犬のように、レグルスはじたじたしてから、アルカの腰にぎゅっと手を回す。
「まだ終わってないからな」
くっついて来たことをいいことに、背中側の髪を乾かしていく。
ついでにがっしりした肩甲骨や、美しい筋肉と背骨の流れを堪能する。シミのない滑らかな肌が、指に心地良い。
「……っあ、レグ!」
かぷと鎖骨を甘く食まれる。人より少し尖ったレグルスの犬歯が、ゆっくりと鎖骨をなぞる。
腰回りがぞくぞくする感覚に、背を反らした。
「待てって、言ってるだろ」
負けじとドライヤーを続行する。レグルスは浅い息遣いで、めちゃくちゃに首筋や鎖骨に唇を落として来た。
柔らかい唇が薄い皮膚をなぞる感触に、肌がどんどん過敏になっていく。
胸の中心、心臓の上に強く吸い付かれて、ドライヤーを落としかけた。ちょうど精霊刻印の辺りだ。
吸い上げる音が生々しく、鼓膜から響いて腰に溜まる。
「だめだって、まだ終わって……ンあ!?」
胸の突起の周りの、薄い皮膚を柔く食まれた。余りにも直接的な快感に、とうとうドライヤーを取り落とす。
シーツの上で、送風口から大きな音が鳴る。レグルスの手が伸びて、乱暴に停止させた。
「ちょ、待て、……そこ、あぁ、ン」
息の抜けるような甘ったるい喘ぎ声が出て、思わず口を押さえる。
太腿の間にあるレグルスの昂りが急に硬くなり、下から見上げてくる瞳が獣みたいにギラついていた。
べ、と見せつけながら出された赤い舌が、つぷりと乳輪を押し、淡く慎ましい先端を舐め上げる。
「ひぅ、ん……っ」
視覚的な厭らしさと快感に、がくがくと腰が震えた。口を抑える手を外される。
「声、聞かせて」
「や、だぁ……あぁ、っあ、んっ」
じゅう、と音を立てて吸われ、口の中で嬲られる。
自分でも聞いたことの無いような、甘ったるい声が止まらない。
ぬるぬるとした刺激に時折混ざる、甘噛みの強い刺激に痙攣しながら跳ね続ける。
「れ、ぐ……ぅ」
頭をかき抱いて、紅い髪を撫でる。応えるようにレグルスが強く吸い上げた。
互いにバスタオル1枚だっため、簡単に解け落ちて中心が触れ合う。
「いっ、ああ!」
もう片方の乳首も乾いた硬い指先で捏ねられ、目の前にチカチカと星が飛ぶ。
両側がぷっくりと赤く立ち上がる程、丹念に指と口で可愛がられ、上擦った呼吸と喘ぎを漏らすことしか出来ない。
「―――っ!!」
知らずにレグルスの硬い腹筋に腰を擦り付けて、アルカは声も無く果てた。
びくびくと太腿を揺らしながら、痙攣が止まらない。こめかみから汗が落ちて、レグルスの肩を濡らした。
「……魔力調整無しでイけたね。……いい子」
宥めるように軽くキスをされるが、それすら過ぎた刺激になる。
滲んだ瞳でレグルスを見つめると、切羽詰まった雄の顔をしていた。
欲情に塗れた瞳を、アルカから無理に離す。
「……いいよ」
「だめ。まだ。もっと俺に慣れて」
レグルスは頑なに首を振った。
腹の間にあるレグルスの張り詰め方なら、痛い筈だろう。胸の奥が切なくなる。
「……俺も触っていい?」
「……っ、それは……」
軽く指先で先端に触れながら尋ねると、レグルスは喉仏を大きく上下させ固まった。中々に葛藤している。
「こんなに溢れさせてるのに」
返事を待たずに、鈴口を人差し指で抑えて離すと、つうと透明な糸が引いた。
まだ咥える勇気は無いが、可哀想に先走りを零しながら震えるレグルスを、慰めたい気持ちが強い。
膝の上に乗って瞳を覗き込んだまま、雫を塗り広げるように、血管が浮くくらいに反り返った屹立を撫でる。
アルカの焦らす指の動きが往復する度に、レグルスの瞳が期待と焦れったさと欲情でぐらぐらと揺れる。
一挙手一投足に、顔を赤くして翻弄される姿が可愛い。
これまでは仕事の澄ました顔しか知らなかったが、今では誰よりも自分が、この男の取り繕えない余裕の無い顔を知っている。
眉を下げ上気した頬を晒して、さも困った風に懇願する癖に、いつもは澄んだ瞳にギラついた激情と熱を灯している。
まるで喰い殺そうとでもするかの如く、アルカだけを一心に欲している。
唐突にレグルスの熱を握り込んで、上下させた。レグルスがびくびくと震えた。
「……っ、は、アルカ……、ちょっとヤバイかも……っ!」
「……気持ちい?」
「……っ、うん、……すぐ出そ……っん」
掠れた声と、上擦った吐息が色っぽい。ぎゅっと閉じられた目蓋を、咎めるように舌を這わす。
「っ!」
「ちゃんと眼開けて、俺を見て……レグルス」
荒い呼吸で歯を食いしばりながら、目を合わせてくるレグルスに身体の底からぞくぞくする。
「そう、ずっと俺だけ見て、そのままイく顔見せて」
「う、ぁっ……!」
ぐちゃぐちゃと水音を激しくすると、レグルスがびくりと震えて、勢い良くアルカの手や腹に吐精した。
手の平に吐き出された、熱い精を確かめる。先程までレグルスの一部だったもの。
1番濃い魔力の塊だ。ぺろ、と舌を伸ばして舐めてみる。
「うわー!アルカ!?」
目を見開いたレグルスが、慌てて手を掴んで来た。
「ななな何して……!」
「魔力の相性が良いと、体液が特別美味く感じるって言うだろ」
「だからって……!」
「何だよ、緊急時の魔力譲渡には、体液も使うだろ」
「今は緊急時じゃないです……!」
顔を真っ赤にして、落ち着き無く縮こまったレグルスを横目に、もう1度手の平を舐めると、直ぐにタオルでごしごし拭かれた。
「今さら、これくらいで照れるなよ」
両腕を首に回すと、逃げられずに観念したレグルスが、躊躇いがちに口を開いた。
「……どう、だった……?」
結局自分だって興味あるじゃんか。アルカは蠱惑的な笑みを浮かべた。
「内緒。……試してみる?……俺の味」
ばっと両手首を掴まれ、シーツに押し倒された。余裕無く息を吐いているレグルスの顔を見上げる。
抑え込まれた嫌悪感は見当たらず、寧ろ背中を駆け上がるような興奮が強い。
「優しくしてよ、レグルス」
言葉と裏腹に爪先を上げて、レグルスの腿の裏をなぞって引き寄せる。
「~~~っ、アルカ、だから煽るの止めてって!……俺、切れちゃっても知らないからな!」
ジトッと据わった眼でレグルスが睨んできたが、顔が真っ赤なせいでちっとも怖くない。
どんなに煽っても、レグルスは絶対に、アルカの嫌なことはしない。今はそれを、心から信じられる。
「試しちゃうからね……!」
ちゅ、ちゅと胸や臍を唇が辿って、下腹に触れる。緩く立ち上がっていた昂りを、躊躇無く口に含まれた。
「あっ!れ、レグ……!」
熱く濡れた口内と蠢く舌に迎えられ、あっという間に育った中心が強く吸い上げられる。
「あ、はぁ、気持ちい……、レグルス」
早く寄越せとばかりに、熱い舌先が鈴口を突いて何度も舐めた。
腰が蕩けそうに気持ちが良い。レグルスの頭が上下する度に、長い髪が太腿の付け根を擽り、快感が積もっていく。
「ね、出ちゃいそう、……味する?」
「らひて、ろむ」
「あ、馬鹿ぁ、そこで喋んなぁ……んぁ!」
軽くイキかけたが耐えると、レグルスがちゅぽんと口からアルカの昂りを引き抜いた。
「え、すご、なんかすごく甘いし美味い……!」
先走りを嬉しそうに味わうレグルスに、今度はアルカが頬を赤らめた。
「レグ……、助けてよ、痛い」
「……っ、すぐ楽にしてあげるね」
「一緒がいい。……2人で気持ち良くなろ?」
「うん……、アルカ」
今度は意地悪せずに笑うと、レグルスに抱き込まれた。肌を合わせて深く魔力を交わす。
あっという間に馴染んだそれは、もう既にどちらがどちらなのか分からない程に、深く交ざって溶け合っていた。
「えっ、どうしたの?どこか悪い?」
手を止めたレグルスは、慌ててアルカの顔を覗き込んだ。バスタブの縁に頭を乗せたまま、アルカは唸る。
「違うくて、駄目な人になりそー、ってこと」
「それがどうしたの?」
具合が悪いのでは無いと知ると、レグルスは安堵してアルカの頭を洗うのを再開した。
レグルス邸に保護されて3日。
アルカはこれまで生きてきた中で1番、至れり尽くせりの生活を満喫していた。
レグルスは本当に尽くすタイプのようで、食事も風呂も生活の全てで、甲斐甲斐しく世話をしてくる。
毎日傍にいる時は、体の一部が必ず何処か触れ合っているし、夜も必ず魔力調整をしてから腕に抱かれて寝る。
何とも気恥ずかしいのだが、経験したことの無い甘やかしに身も心も陥落、いや堕落するのは早かった。
「アルカはいつも、1人で頑張り過ぎるからね。もっと駄目になった方が丁度良い」
「やだよ、このままじゃ俺、レグルスが居ないと何も出来なくなりそー」
体を全て丁寧に洗われ、浴槽で漂っていると、自分の始末を終えたレグルスがアルカを抱え上げた。
「それいいね、そうしよう」
「は?」
バスタオルで包まれて丁寧に拭かれて、部屋に運ばれる。
「俺がいないと駄目なアルカなんて、考えるだけで最高」
「え~、やだよ、そんなの。俺はちゃんとしてなきゃ駄目なの」
「ふふ、その内そうなるように、頑張る」
ベッドの上で股の間に座らされ、レグルスはドライヤーを手にした。
口ではちゃんとなんて言いながら、弛緩しきった体をレグルスが世話するのを享受している。
「あ、それさ、俺にも魔法掛けた方が、早いんじゃないの?」
「だめだめ!アルカの頭が爆散したらどうするの!?」
ドライヤー片手に、レグルスは慌てて首を振った。
「は?なに、そんな危ういのだったの、アレ。いや、自分の頭は爆散していいのかよ……」
「え、だって自分にはそんなに効かないし……。それに何かあっても、アルカが治してくれるしね~」
「いや、普通に考えて、これからしようって時に、そんなんなったら引くわ、流石に」
今みたいな甘い雰囲気で、これから事に及ぼうとする相手が目の前で爆散するとか、どんなトラウマなんだと呆れる。
「と、とにかく、俺はアルカの髪、触るの好きなの!もーこの話はおしまい!」
ばつが悪いのか少し頬を膨らませて、レグルスはドライヤーを起動した。
前世と同じく風音がするので、アルカも後は口を噤んだ。
レグルスはアルカの髪を触るのが本当に好きなようで、丁寧に優しく慈しむ手付きで梳いていく。
長くて硬い指先が繊細に頭皮を解す気持ち良さに、自然と目蓋が落ちる。
暫くなすがままに感触を楽しんでいると、ちゅ、と軽く音を立てて口付けられる。終わりの合図だ。
「待った」
いつもならここでレグルスが、魔法で自分の髪を乾かすが。
「俺もやる」
背の高いレグルスに合わせて、太腿に乗り上げる。
いつもと違って見下ろす角度が新鮮で、口の端でにやと笑うと、レグルスは顔を赤くして睫毛を伏せた。
「どうしてやろうかな」
「ひぇ……、ど、どうとでもして……」
耳を真っ赤にさせたレグルスが顔を伏せたため、無防備に晒された旋毛に口付けてドライヤーを起動させた。
借りてきた猫の如く、すっかり大人しくなったレグルスの髪を丁寧に梳いていく。豊かで張りがあって、手触りも良い。
さらさらとした手触りなのに、少し癖があってところどころ跳ねる。
耳周りを乾かす時に態と耳を擽ると、レグルスはびくりと体を跳ねさせた。
「ここ、気持ち良い?」
耳元に唇を寄せて囁くと、レグルスはまた過剰に跳ねた。
「っ……、アルカ、……意地悪やめて……」
耳の軟骨の薄い皮膚に、軽く歯を立てて食む。レグルスの息が上擦るのが愉しくて、そのままやわやわと甘噛みする。
「……っ!」
お返しとばかりに喉元に歯を立てられ、強く吸われる。
「こら、待て、レグルス。ステイ」
「っ、……ぅ~」
無理に欲求を抑えて命令に従う犬のように、レグルスはじたじたしてから、アルカの腰にぎゅっと手を回す。
「まだ終わってないからな」
くっついて来たことをいいことに、背中側の髪を乾かしていく。
ついでにがっしりした肩甲骨や、美しい筋肉と背骨の流れを堪能する。シミのない滑らかな肌が、指に心地良い。
「……っあ、レグ!」
かぷと鎖骨を甘く食まれる。人より少し尖ったレグルスの犬歯が、ゆっくりと鎖骨をなぞる。
腰回りがぞくぞくする感覚に、背を反らした。
「待てって、言ってるだろ」
負けじとドライヤーを続行する。レグルスは浅い息遣いで、めちゃくちゃに首筋や鎖骨に唇を落として来た。
柔らかい唇が薄い皮膚をなぞる感触に、肌がどんどん過敏になっていく。
胸の中心、心臓の上に強く吸い付かれて、ドライヤーを落としかけた。ちょうど精霊刻印の辺りだ。
吸い上げる音が生々しく、鼓膜から響いて腰に溜まる。
「だめだって、まだ終わって……ンあ!?」
胸の突起の周りの、薄い皮膚を柔く食まれた。余りにも直接的な快感に、とうとうドライヤーを取り落とす。
シーツの上で、送風口から大きな音が鳴る。レグルスの手が伸びて、乱暴に停止させた。
「ちょ、待て、……そこ、あぁ、ン」
息の抜けるような甘ったるい喘ぎ声が出て、思わず口を押さえる。
太腿の間にあるレグルスの昂りが急に硬くなり、下から見上げてくる瞳が獣みたいにギラついていた。
べ、と見せつけながら出された赤い舌が、つぷりと乳輪を押し、淡く慎ましい先端を舐め上げる。
「ひぅ、ん……っ」
視覚的な厭らしさと快感に、がくがくと腰が震えた。口を抑える手を外される。
「声、聞かせて」
「や、だぁ……あぁ、っあ、んっ」
じゅう、と音を立てて吸われ、口の中で嬲られる。
自分でも聞いたことの無いような、甘ったるい声が止まらない。
ぬるぬるとした刺激に時折混ざる、甘噛みの強い刺激に痙攣しながら跳ね続ける。
「れ、ぐ……ぅ」
頭をかき抱いて、紅い髪を撫でる。応えるようにレグルスが強く吸い上げた。
互いにバスタオル1枚だっため、簡単に解け落ちて中心が触れ合う。
「いっ、ああ!」
もう片方の乳首も乾いた硬い指先で捏ねられ、目の前にチカチカと星が飛ぶ。
両側がぷっくりと赤く立ち上がる程、丹念に指と口で可愛がられ、上擦った呼吸と喘ぎを漏らすことしか出来ない。
「―――っ!!」
知らずにレグルスの硬い腹筋に腰を擦り付けて、アルカは声も無く果てた。
びくびくと太腿を揺らしながら、痙攣が止まらない。こめかみから汗が落ちて、レグルスの肩を濡らした。
「……魔力調整無しでイけたね。……いい子」
宥めるように軽くキスをされるが、それすら過ぎた刺激になる。
滲んだ瞳でレグルスを見つめると、切羽詰まった雄の顔をしていた。
欲情に塗れた瞳を、アルカから無理に離す。
「……いいよ」
「だめ。まだ。もっと俺に慣れて」
レグルスは頑なに首を振った。
腹の間にあるレグルスの張り詰め方なら、痛い筈だろう。胸の奥が切なくなる。
「……俺も触っていい?」
「……っ、それは……」
軽く指先で先端に触れながら尋ねると、レグルスは喉仏を大きく上下させ固まった。中々に葛藤している。
「こんなに溢れさせてるのに」
返事を待たずに、鈴口を人差し指で抑えて離すと、つうと透明な糸が引いた。
まだ咥える勇気は無いが、可哀想に先走りを零しながら震えるレグルスを、慰めたい気持ちが強い。
膝の上に乗って瞳を覗き込んだまま、雫を塗り広げるように、血管が浮くくらいに反り返った屹立を撫でる。
アルカの焦らす指の動きが往復する度に、レグルスの瞳が期待と焦れったさと欲情でぐらぐらと揺れる。
一挙手一投足に、顔を赤くして翻弄される姿が可愛い。
これまでは仕事の澄ました顔しか知らなかったが、今では誰よりも自分が、この男の取り繕えない余裕の無い顔を知っている。
眉を下げ上気した頬を晒して、さも困った風に懇願する癖に、いつもは澄んだ瞳にギラついた激情と熱を灯している。
まるで喰い殺そうとでもするかの如く、アルカだけを一心に欲している。
唐突にレグルスの熱を握り込んで、上下させた。レグルスがびくびくと震えた。
「……っ、は、アルカ……、ちょっとヤバイかも……っ!」
「……気持ちい?」
「……っ、うん、……すぐ出そ……っん」
掠れた声と、上擦った吐息が色っぽい。ぎゅっと閉じられた目蓋を、咎めるように舌を這わす。
「っ!」
「ちゃんと眼開けて、俺を見て……レグルス」
荒い呼吸で歯を食いしばりながら、目を合わせてくるレグルスに身体の底からぞくぞくする。
「そう、ずっと俺だけ見て、そのままイく顔見せて」
「う、ぁっ……!」
ぐちゃぐちゃと水音を激しくすると、レグルスがびくりと震えて、勢い良くアルカの手や腹に吐精した。
手の平に吐き出された、熱い精を確かめる。先程までレグルスの一部だったもの。
1番濃い魔力の塊だ。ぺろ、と舌を伸ばして舐めてみる。
「うわー!アルカ!?」
目を見開いたレグルスが、慌てて手を掴んで来た。
「ななな何して……!」
「魔力の相性が良いと、体液が特別美味く感じるって言うだろ」
「だからって……!」
「何だよ、緊急時の魔力譲渡には、体液も使うだろ」
「今は緊急時じゃないです……!」
顔を真っ赤にして、落ち着き無く縮こまったレグルスを横目に、もう1度手の平を舐めると、直ぐにタオルでごしごし拭かれた。
「今さら、これくらいで照れるなよ」
両腕を首に回すと、逃げられずに観念したレグルスが、躊躇いがちに口を開いた。
「……どう、だった……?」
結局自分だって興味あるじゃんか。アルカは蠱惑的な笑みを浮かべた。
「内緒。……試してみる?……俺の味」
ばっと両手首を掴まれ、シーツに押し倒された。余裕無く息を吐いているレグルスの顔を見上げる。
抑え込まれた嫌悪感は見当たらず、寧ろ背中を駆け上がるような興奮が強い。
「優しくしてよ、レグルス」
言葉と裏腹に爪先を上げて、レグルスの腿の裏をなぞって引き寄せる。
「~~~っ、アルカ、だから煽るの止めてって!……俺、切れちゃっても知らないからな!」
ジトッと据わった眼でレグルスが睨んできたが、顔が真っ赤なせいでちっとも怖くない。
どんなに煽っても、レグルスは絶対に、アルカの嫌なことはしない。今はそれを、心から信じられる。
「試しちゃうからね……!」
ちゅ、ちゅと胸や臍を唇が辿って、下腹に触れる。緩く立ち上がっていた昂りを、躊躇無く口に含まれた。
「あっ!れ、レグ……!」
熱く濡れた口内と蠢く舌に迎えられ、あっという間に育った中心が強く吸い上げられる。
「あ、はぁ、気持ちい……、レグルス」
早く寄越せとばかりに、熱い舌先が鈴口を突いて何度も舐めた。
腰が蕩けそうに気持ちが良い。レグルスの頭が上下する度に、長い髪が太腿の付け根を擽り、快感が積もっていく。
「ね、出ちゃいそう、……味する?」
「らひて、ろむ」
「あ、馬鹿ぁ、そこで喋んなぁ……んぁ!」
軽くイキかけたが耐えると、レグルスがちゅぽんと口からアルカの昂りを引き抜いた。
「え、すご、なんかすごく甘いし美味い……!」
先走りを嬉しそうに味わうレグルスに、今度はアルカが頬を赤らめた。
「レグ……、助けてよ、痛い」
「……っ、すぐ楽にしてあげるね」
「一緒がいい。……2人で気持ち良くなろ?」
「うん……、アルカ」
今度は意地悪せずに笑うと、レグルスに抱き込まれた。肌を合わせて深く魔力を交わす。
あっという間に馴染んだそれは、もう既にどちらがどちらなのか分からない程に、深く交ざって溶け合っていた。
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死を覚悟して彷徨い込んだ魔の森で、彼は呪いに蝕まれ孤独に生きる魔王レイルと出会う。
カイルの持つ『呪物鑑定』スキル――それは、魔王を救う唯一の鍵だった。
「カイル、お前は我の光だ。もう二度と離さない」
献身的に尽くすカイルに、冷徹だった魔王の心は溶かされ、やがて執着にも似た溺愛へと変わっていく。
これは、全てを奪われた青年が魔王を救い、世界一幸せになる逆転と愛の物語。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。