【完結】BLゲーにモブ転生した俺が最上級モブ民の開発中止ルートに入っちゃった件

漠田ロー

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秋の章 感謝祭編

75 執着の在処

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 怖いのだと、そう言ったレグルスの腕を取る。両方の手首をベッドに押さえつけて、その顔を暴く。

 掴んだ手首に力を込めると、レグルスはたじろいだ。ゆっくり顔を近づけて、瞳を覗き込む。
 怒りが1周回って、笑みになっているのが分かった。

「お前、やっぱり俺のこと舐めてるだろ」

 レグルスが目を見開いて息を飲んだ。

「何のために穴開けさせてやったんだと思ってんだよ。お前を縛るためだよ。お前をずっと俺に縛る気で、穴開けてんの。お前にも俺にも」

 一言一句分かるように噛んで含める。本当に今更何を言うのかと。
 何を誓って、ここまで来たのかと。

「何が悪い影響だよ。もう俺はお前に変えられてんだよ。お前が俺をこうしたんだよ、レグルス。俺をお前無しじゃいられないようにした癖に、お前だけ澄ました顔して、拒んでんじゃねぇよ」

 誰にも必要とされず必要ともせず、信じることも愛することも出来ない無価値な自分に、その命を賭すに値するくらいの価値を与えたのはレグルスだ。

「お前本当、俺の執着、舐めんなよ。……お前を逃さないためなら何だってするんだよ、俺は。お前を誑し込んで、俺無しじゃ生きれないようにしてやる。そのためなら、何でもする」

「ア……ル、カ……」

 レグルスのエメラルドの瞳が揺れている。未だ、信じられないと瞬いている。

「ここまで言わせてまだ出来ねぇって言うなら、確かにお前は腰抜けだよ、レグルス。いつも物乞いみたいな目で見てる癖によ……!お前知らないだろ。いつも自分がどんな物欲しそうな顔で、俺に触ってるか」

 鼻先を触れ合わせて挑発すると、レグルスはぐっと唇を噛んだ。力を込めて握っていた手首から手の平へ、指を滑らし縫い止める。

「そんな勇気も無いのに、喰いたいって面でさ。浅ましく俺のこと見てるの、知ってるんだぜ?俺を襲おうとしてきたやつらのが、まだ意気地があるわ」
 
 ぴくりとレグルスの指先が動いた。瞳に熱が揺らめく。

「お前だけ、俺の具合知らなくていいのかよ?俺の男の癖にさぁ。お前だけは全部知らないなんて、可哀想だな、レグルス?」

「それは、……そう言うなら、アルカだってそうだろ……!アルカだって俺のこと知らないし、物欲しそうな顔してるじゃないか……!」

 握り返された指先の力が、そのまま嫉妬の激情を伝えてくる。どう捉えたかは知らないが、レグルスの瞳に熱が灯っている。

「そうだよ、だから抱けつってんの!俺はお前に抱かれて、訳わかんなくなるまで、ぐちゃぐちゃにされたい。お前のことも、めちゃくちゃにしてやりたい」

「……どうかしてるよ、アルカ」
「はっ……、でも体は正直だな?」

 レグルスは目元を染めて、ふいと視線を外した。尻の下に確かな膨らみを感じる。

「抱けよ、レグルス」
「……っ!」

 途端に体が反転して体勢が入れ替わる。ベッドが軋んで音を立てた。
 両手首を押さえられて、レグルスが体重を掛けて覆い被さる。

 いっそ口の端を上げて笑った。言われた通り、自分は浅ましい顔をしているだろう。
 だが、腕の檻で閉じ込める男の顔も同じか、それ以上に浅ましい。

 狂おしい感情に耐えて睨みながら見据える瞳は、物欲しそうにギラギラしている。
 自由になる足を曲げて、膝をレグルスの股間に押し当てる。

「好きにしろよ。お前のしたい通りに」
「後悔する、きっと」

「お前が後悔させるなよ、俺に」
「……逃げたら許さない。俺だってもう、アルカを逃がすことなんか出来ないんだ」

 初めてはっきりと示された独占欲は、まるで殺意みたいでゾクゾクする。

「じゃあ、ちゃんと縛っとけよ。俺がどこにも行けないように」

 股を開いて、足でレグルスの腰を引き寄せる。
 しっかりとした硬さと熱さを感じて、アルカの体温も上がってくる。

「お前になら、何されてもいいよ、レグルス」
「―――っ」


 ぶつんと、切れた理性の糸が見えた気がした。そんな錯覚もすぐに、激しい口付けで乱される。

「ん、っ、はぁ、レグ」
「アルカ……、っ……アルカ……!」

 口が離れる度に何度も名前を呼ばれ、慣れた名前もまるで特別な響きに聞こえる。

「レグルス、触ってよ。早く中に欲しいから」

 歯を食い縛り、猫の威嚇に似た荒い呼吸をしながら、レグルスはアルカのピアスが着いている耳朶を噛んだ。

「あっ、……ん」

 極度の興奮のせいか、レグルスは支離滅裂にあちこちくまなく、甘く噛んで強く吸い上げては跡を付けていく。

 あっという間に、アルカの肌の至る所に印が散らばっていく。
 普段物分かりの良い振りをして、隠されていた所有欲の強さの表れだ。

「ひぁ、っ!」

 強めに乳輪ごと噛まれて吸い上げられる。余りの刺激に腰が浮いた。
 片方は音を立てて強く吸われ、反対側は指で優しく捏ねられて、アルカは跳ねながらレグルスの頭を抱える。

 べったりと厚い舌が押し潰す動きも、硬い舌先で先端を嬲られるのも、どうしようもなく気持ちが良い。

 知らずに膝を擦り合わせていると、ひっくり返されて下着を性急に取り払われる。
 四つん這いになったところを項を噛まれ、そこから背骨を辿って順番に唇が下りてくる。

 腰の窪みを強く吸われ、体がびくびくと勝手に跳ねて、先走りがだらしなく零れた。

「んあっ、レグ、そこ……!」

 尻の割れ目が始まる繊細な部分に、温かな湿り気を感じる。

「あっ、ん、やぁ、そこ、駄目だって」

 あまりの羞恥に、手で口を抑える。見えなくても感触が伝えてくる。
 レグルスは言葉も失くしたように夢中で舌を這わせ、とうとう穴の縁に辿り着く。

「やぁ、ん……!レグ、やだぁ……!」
「好きにしていいって、言ったのはアルカだろ」

「あ、あ、だって、そこ、恥ずかしいってば、ぁっ……!」
「このやだは、もっとだって知ってるよ。ほら、興奮してる癖に、嘘つき」

 咎めるように1度だけ、強めに前を握られる。衝撃に仰け反る前に、ぬるりと体内に舌が入り込んだ。
 入り口の浅いところを吸われて、だらしなく涎が零れる。

「あーーーっ、まって、ぇ、イッちゃう……!」
「うん、ぐちゃぐちゃになるまで、いこうね」

 じゅるじゅると吸う、卑猥な音が鼓膜を犯す。
 尻だけ高く上げさせられて、レグルスの眼前に尻穴が晒されて、執拗に嬲られ続ける。

 力の入らない投げ出された上半身は、シーツの刺激さえもどかしい。
 じゅぽじゅぽと泡立つ音とともに舌を出し入れされ、入り口の敏感な襞を舐め回される。

 羞恥と快感に狂おしく悶えるばかりになって漸く、舌が引き抜かれ指が充てがわれる。

「レグ、そこ……」

 息も絶え絶えに辛うじて示した場所には、ローションを置いている。レグルスはすぐに察して瓶を取った。

「ねぇ、減ってるよ?なんで?俺のために、用意してくれたんだよね?」

 きゅぽと音を立てて、蓋が引き抜かれた。
 ひんやりしたローションが、どぼどぼ尻の割れ目に垂らされる。

「もしかして、他の誰かと使ったんじゃないよね?何で減ってるの?」

 ぬちぬち音を立てながら、割れ目から穴の上を、何度もレグルスの指が往復して擦る。

「は、ちが……、誰とも、してな……ぃ、あぁ……」

「ほんと?ね、アルカもさ知らないでしょ。アルカのことやらしー目で見てんの、俺だけじゃないって。すぐ他のやつに、触られちゃうんだからさ。俺、毎回おかしくなりそうなの、知ってた?」

 これまで聞いたことの無い低い雄の声に背中がゾクゾクして、また先走りがシーツに染みを作る。

「ほんと、レグルスだけ……、誰にも、触られてない……っあぁ!」

 ずぶりと2本、太く節くれ立った指が中へ埋められた。

「じゃあ何でこんなに柔らかいの?分かる?いきなり2本も入ったよ?……ホラ、美味そうに吸い付いてくる」

 足されたローションがぐちぐちと粘ついた音を出し、狭い肉壁はすんなり開いてレグルスを誘う。

「じ、自分でやった、……っひ、あ、れ、レグルスの、大っきいから……!」

「……もしかして、お風呂でも準備してきた?」
「うん……したぁ……、んっ、んぁ!」

 指が膨らんだしこりを撫でて、目の前に火花が散る。
 自分で触るより100倍は気持ち良い。中に在るのがレグルスの指、というのが拍車をかける。

「……そんなに、俺に抱かれたかった?」
「うん、……うん、抱いて、っ……、早く……挿れて……」

「……っ、はー……、駄目だ、俺。もう余裕無い」

 言葉通り余裕の無い強さでひっくり返され、蕩けた体にくまなく視線が注がれて熱が上がる。
 レグルスの怒張は腹に付くまで反り返り、溢れた先走りに濡れていた。きゅんと肚の奥が疼く。

「めちゃくちゃにしていい?」

 酷く興奮して縦に開いた瞳孔が、獲物を見つけた獣のように爛々としている。
 捕食される恐怖に似た快感が腰に溜まる。

 見せ付けるように深く脚を開いて、入り口を指で広げる。

「……いいよ。レグルスのことしか、考えられないようにして」

 レグルスが獰猛に笑んで、アルカの腰を抱えた。
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