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冬の章 セドルア掃討編
82 旧交
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雪山任務をこなして4日目、明日は漸くの中休みの日だ。
アルカはヤズマイシュ支部の転移陣エリアでレグルスと合流してから、混雑を避けて一旦支部から出た。
「レグ、今日ジョエルたちに誘われてるんだけど」
「あ、ああ、そうなんだ」
ふと見上げた先の瞳が1度泳いだように揺れて、アルカは首を傾げた。口を開きかけたところで、呼び止められる。
「アルカ!」
マイスとロジェが、手を振りながら走って来た。
「ね、呑みに行こうよ!」
「明日休みだしさ、いいだろ、って……、レグルス局長!」
後に立っていたレグルスを認めた2人は、俄に慌てて背筋を伸ばした。
「もう勤務外なので、気にしないで下さい」
「レグルス、この2人は学園時代の同級生」
2人とレグルスが挨拶を交わすのを、どこかむずむずしながら見守る。
「久しぶりに会ったから食事でもって話になってるんだけど、レグルスもどう?」
アルカの提案にレグルスは眉を下げて、言いにくそうに口を開いた。
「ごめん、言うのが遅くなってたんだけど、今日は、……オルデン辺境伯に仕事の件で呼び出されてて。せっかくだけど、アルカは楽しんでおいで」
「……おお、うん、……分かった」
やや衝撃を受けて頷くと、レグルスはマイスたちに向かって微笑んだ。
「アルカのことよろしく。あまり飲み過ぎないように、見ててあげて下さいね」
「は、はい!」
完全に外用の笑顔と声音に、ぽーっとした2人が頭を下げると、レグルスはアルカの頭を撫でて耳打ちしてから去った。
「きゃーっ、かっこいい!」
「ロジェ!もう浮気かよ!」
街角に消えて行く背中を見送ってから、アルカは強引に気持ちを切り替えた。
2人と待ち合わせを決めてから、ジョエルたちを探す。
「アルカさん!探しましたよ。あれ、局長は?」
ちょうど支部から出てきた、ジョエルたちが寄って来た。
「局長はオルデン辺境伯から呼び出しだって。それより悪い、お前たちには後で合流していいか?同級生と会っちゃって」
「全然問題ないすよ!俺ら朝まで飲んでますから。何ならその方たちも一緒に、2次会しましょ!」
都合の良い話だが、ウルクもジョエルも快く頷いてくれてホッとする。
この2人は根明の人好きで、関係が後腐れ無くさっぱりしているため、拗れた性格のアルカでも安心して付き合える。
「ああ、ありがとう。じゃあ後でな」
バーの場所を聞き、ジョエルたちとも別れると、アルカも待ち合わせ場所まで足早に歩いた。
何故レグルスは直前まで予定を教えてくれなかったのかと、もやもやしながら雪を踏み締めて歩く。
寝ないで待ってて、と密やかに告げられた言葉の熱と、どこかざわついた胸の内を持て余しながら、アルカはマイスたちと合流した。
「じゃあ、再会を祝して!」
「ロジェとマイスの婚約を祝して!」
「乾杯!」
3人で豪快に木のジョッキをぶつける。なみなみに注がれたエールが溢れそうに揺れて、慌てて口をつけた。
「しかし今回の大掃除はきついね」
マイスがく~っと唸りながら、ジョッキを半分ほど飲み干した。
「お前らの担当って、何合目だっけ?」
「4合目付近やってる。もうへとへとよ~」
ロジェが頬杖を付いて溜息を吐いた。続々と頼んだ料理が運ばれてくる。
「何か変わったことは無かったか?」
「変わったこと?いつものクソ雪だけど。まあ、魔素は多いな」
「そっか、もし何か変わったことがあれば連絡くれ。今年は竜種の目撃情報もあるし。気を付けてな」
「そうね、お互い気をつけようね」
3人で頷いてエールを飲み干す。アルカたちが入ったのはヤズマイシュの大通り沿いの高級パブで、ヴェニソンパイが名物だ。
早速給仕された大きく切り分けられたパイと、たっぷりのマッシュポテトに全員が目を輝かせる。
セドルア山麓で獲れた鹿の美しい赤身肉に、たっぷりの赤ワインソース、胡椒を利かせた濃厚なデュクセルとさっぱりした鹿肉が味わい深い。
これは赤ワインだと、満場一致で注文をする。
「2人とも結婚式はするのか?」
話題は婚約した2人に移り、幸せな惚気を聞く。
流れで問うと、ロジェは赤ワインを揺らしながら首を傾げてマイスを見た。
「俺はやりたいんだけど、ロジェが要らないって」
少し意外に思ってロジェを見つめると、肩を竦めて笑った。
「うん。何ていうか、あんまり大々的なのって好きじゃないの」
ロジェは肩に下ろした強めの巻き毛の先をくるくると弄りながら、少し考え込むように続けた。
「自分たちの幸せは、自分たちだけのものっていうか。まあ挨拶の場は、必要かなとは思うんだけど。誰かに否定されるのも、祝福されるのも、どっちも要らないっていうか。2人がそうしたいって、一緒に生きてくだけのことだなって思うんだよね、結婚って」
「ロジェは毎回そう言うけどさ、家の繋がりは出来るんだし、ケジメは必要だと思うんだよな。皆にさ、俺たちは伴侶として生きてきます!って宣言した方が、身が引き締まるじゃん」
恐らく何度も話し合ってるのだろう、マイスとロジェが白熱し出したのを慌てて宥める。
「まあ、そういう価値観の擦り合わせも大事だからな。どっちも一理あるとは思うから、2人とも納得出来る落とし所、見つかるように俺も祈っとくよ」
「なんだ、1人だけ達観しちゃって。お前の話も聞かせろよ、アルカ」
さっきまでやや剣呑な雰囲気だった癖に、マイスとロジェは急に目を輝かせて身を乗り出してきた。
「そうそう、ていうかジークはどうしてんの?同じ班でしょ?」
うっと、摘んでいたチップスを喉に詰まらせた。
北部はジャガイモの産地のため、フィッシュアンドチップスも有名だ。
海が無いヤズマイシュでは、フライの魚はマスやサーモンを使うのが一般的だが、王都民からすると贅沢で特別な気がする。
そんな美味いフライも急に味がしなくなって、アルカは白ワインを呷った。
「どうもこうも一切話してない。実家に泊まってるから、本当に顔合わせない」
他のヤズマイシュ出身者同様に、ジークが実家に泊まる旨は正式に許諾されているので問題は無いが、イドまで一緒に泊まっているのには驚いているところだ。
「いつから、そんなんなの?」
「……感謝祭の後から」
「まあ、だろうなあ。……長かったからな、ジークの片思い……」
ロジェとマイスがしみじみと頷いた。
「……2人だから言うんだけど、……俺、全然気づいてなくてさ」
「うん、知ってる」
「有名な話だよな。お前らが付き合ってんのか、違うのかみたいな話もよく出たしな」
ぐさぐさと心が刺され、項垂れる。
「あんなに露骨に態度に出してたのに、アルカはぜんっぜん、気づいてなかったよね。ジーク、卒業になっても告らなかったのに、……やっぱ、レグルス局長の件?」
ロジェの鋭い指摘に、更に項垂れる。
「……うん。最初は隠してたんだけど、隠さなくなってからどんどん険悪になってさ。……とうとう感謝祭の時に」
「そりゃあ、……時間かかるだろうなあ。未だ整理がつかねーだろうよ」
マイスが腕組みしながら頷いている。ロジェは白ワインで口を湿らせてから、遠慮がちに問うた。
「アルカ、ジークに何て返事したの?」
「兄弟だと思ってるって伝えたよ。実際そう思って付き合ってきたから」
アルカの即答に、目の前の2人は顔を見合わせた。
「あ~、きちぃ~……」
「なら、友達に戻れるよ、きっと」
同じタイミングで言葉を発した癖に、またも意見がぱっくり割れ、マイスとロジェが俄に議論し出す。
もしかしたら、この言いたいことを言い合うのが、2人流のコミュニケーションなのかも知れない。
「結論から言うと、どっちにしろジークは時間がかかるだろうから、そっとした方がいいと思う」
方向は違ったが同じ結論に至った2人は、そっくりの仕草で頷いた。
「ちなみに、レグルス局長は知ってんの?」
「まさか!言うわけ無いだろ?同じ職場なんだし」
「まあ、それもそうかあ。でもあの雰囲気じゃ、バレてそうだけど。俺だったら、絶対気にしちゃうけどなあ」
マイスが首を傾げたのに、ロジェは首を振った。
「2人は信頼関係がすごいんだよ。さっきだって、アルカも普通だったじゃない」
「さっき?」
「レグルス局長、オルデン辺境伯に呼び出されてたでしょ?」
「ああ、うん。仕事だって」
何だか話の流れが怪しくなってきて、背中が冷やりとした気がした。
「私は仕事でも無理!元カノと2人っきりで、夕食なんてさ!マイスがそんなことしたら怒っちゃう!」
「え……?ま、待って、元カノ?」
情報室員として情けないが、完全に口元が引き攣って声が震えてしまった。
「……、聞いてないの?」
「北部じゃ有名な話だぜ。一時だけど、あの2人が付き合ってたって」
もう取り繕えなくなって、アルカはぽかんと口を開けたまま長いことフリーズした。
初日に見た、1枚の絵画のように完成された美男美女の姿が、脳裏に焼き付いて離れなかった。
アルカはヤズマイシュ支部の転移陣エリアでレグルスと合流してから、混雑を避けて一旦支部から出た。
「レグ、今日ジョエルたちに誘われてるんだけど」
「あ、ああ、そうなんだ」
ふと見上げた先の瞳が1度泳いだように揺れて、アルカは首を傾げた。口を開きかけたところで、呼び止められる。
「アルカ!」
マイスとロジェが、手を振りながら走って来た。
「ね、呑みに行こうよ!」
「明日休みだしさ、いいだろ、って……、レグルス局長!」
後に立っていたレグルスを認めた2人は、俄に慌てて背筋を伸ばした。
「もう勤務外なので、気にしないで下さい」
「レグルス、この2人は学園時代の同級生」
2人とレグルスが挨拶を交わすのを、どこかむずむずしながら見守る。
「久しぶりに会ったから食事でもって話になってるんだけど、レグルスもどう?」
アルカの提案にレグルスは眉を下げて、言いにくそうに口を開いた。
「ごめん、言うのが遅くなってたんだけど、今日は、……オルデン辺境伯に仕事の件で呼び出されてて。せっかくだけど、アルカは楽しんでおいで」
「……おお、うん、……分かった」
やや衝撃を受けて頷くと、レグルスはマイスたちに向かって微笑んだ。
「アルカのことよろしく。あまり飲み過ぎないように、見ててあげて下さいね」
「は、はい!」
完全に外用の笑顔と声音に、ぽーっとした2人が頭を下げると、レグルスはアルカの頭を撫でて耳打ちしてから去った。
「きゃーっ、かっこいい!」
「ロジェ!もう浮気かよ!」
街角に消えて行く背中を見送ってから、アルカは強引に気持ちを切り替えた。
2人と待ち合わせを決めてから、ジョエルたちを探す。
「アルカさん!探しましたよ。あれ、局長は?」
ちょうど支部から出てきた、ジョエルたちが寄って来た。
「局長はオルデン辺境伯から呼び出しだって。それより悪い、お前たちには後で合流していいか?同級生と会っちゃって」
「全然問題ないすよ!俺ら朝まで飲んでますから。何ならその方たちも一緒に、2次会しましょ!」
都合の良い話だが、ウルクもジョエルも快く頷いてくれてホッとする。
この2人は根明の人好きで、関係が後腐れ無くさっぱりしているため、拗れた性格のアルカでも安心して付き合える。
「ああ、ありがとう。じゃあ後でな」
バーの場所を聞き、ジョエルたちとも別れると、アルカも待ち合わせ場所まで足早に歩いた。
何故レグルスは直前まで予定を教えてくれなかったのかと、もやもやしながら雪を踏み締めて歩く。
寝ないで待ってて、と密やかに告げられた言葉の熱と、どこかざわついた胸の内を持て余しながら、アルカはマイスたちと合流した。
「じゃあ、再会を祝して!」
「ロジェとマイスの婚約を祝して!」
「乾杯!」
3人で豪快に木のジョッキをぶつける。なみなみに注がれたエールが溢れそうに揺れて、慌てて口をつけた。
「しかし今回の大掃除はきついね」
マイスがく~っと唸りながら、ジョッキを半分ほど飲み干した。
「お前らの担当って、何合目だっけ?」
「4合目付近やってる。もうへとへとよ~」
ロジェが頬杖を付いて溜息を吐いた。続々と頼んだ料理が運ばれてくる。
「何か変わったことは無かったか?」
「変わったこと?いつものクソ雪だけど。まあ、魔素は多いな」
「そっか、もし何か変わったことがあれば連絡くれ。今年は竜種の目撃情報もあるし。気を付けてな」
「そうね、お互い気をつけようね」
3人で頷いてエールを飲み干す。アルカたちが入ったのはヤズマイシュの大通り沿いの高級パブで、ヴェニソンパイが名物だ。
早速給仕された大きく切り分けられたパイと、たっぷりのマッシュポテトに全員が目を輝かせる。
セドルア山麓で獲れた鹿の美しい赤身肉に、たっぷりの赤ワインソース、胡椒を利かせた濃厚なデュクセルとさっぱりした鹿肉が味わい深い。
これは赤ワインだと、満場一致で注文をする。
「2人とも結婚式はするのか?」
話題は婚約した2人に移り、幸せな惚気を聞く。
流れで問うと、ロジェは赤ワインを揺らしながら首を傾げてマイスを見た。
「俺はやりたいんだけど、ロジェが要らないって」
少し意外に思ってロジェを見つめると、肩を竦めて笑った。
「うん。何ていうか、あんまり大々的なのって好きじゃないの」
ロジェは肩に下ろした強めの巻き毛の先をくるくると弄りながら、少し考え込むように続けた。
「自分たちの幸せは、自分たちだけのものっていうか。まあ挨拶の場は、必要かなとは思うんだけど。誰かに否定されるのも、祝福されるのも、どっちも要らないっていうか。2人がそうしたいって、一緒に生きてくだけのことだなって思うんだよね、結婚って」
「ロジェは毎回そう言うけどさ、家の繋がりは出来るんだし、ケジメは必要だと思うんだよな。皆にさ、俺たちは伴侶として生きてきます!って宣言した方が、身が引き締まるじゃん」
恐らく何度も話し合ってるのだろう、マイスとロジェが白熱し出したのを慌てて宥める。
「まあ、そういう価値観の擦り合わせも大事だからな。どっちも一理あるとは思うから、2人とも納得出来る落とし所、見つかるように俺も祈っとくよ」
「なんだ、1人だけ達観しちゃって。お前の話も聞かせろよ、アルカ」
さっきまでやや剣呑な雰囲気だった癖に、マイスとロジェは急に目を輝かせて身を乗り出してきた。
「そうそう、ていうかジークはどうしてんの?同じ班でしょ?」
うっと、摘んでいたチップスを喉に詰まらせた。
北部はジャガイモの産地のため、フィッシュアンドチップスも有名だ。
海が無いヤズマイシュでは、フライの魚はマスやサーモンを使うのが一般的だが、王都民からすると贅沢で特別な気がする。
そんな美味いフライも急に味がしなくなって、アルカは白ワインを呷った。
「どうもこうも一切話してない。実家に泊まってるから、本当に顔合わせない」
他のヤズマイシュ出身者同様に、ジークが実家に泊まる旨は正式に許諾されているので問題は無いが、イドまで一緒に泊まっているのには驚いているところだ。
「いつから、そんなんなの?」
「……感謝祭の後から」
「まあ、だろうなあ。……長かったからな、ジークの片思い……」
ロジェとマイスがしみじみと頷いた。
「……2人だから言うんだけど、……俺、全然気づいてなくてさ」
「うん、知ってる」
「有名な話だよな。お前らが付き合ってんのか、違うのかみたいな話もよく出たしな」
ぐさぐさと心が刺され、項垂れる。
「あんなに露骨に態度に出してたのに、アルカはぜんっぜん、気づいてなかったよね。ジーク、卒業になっても告らなかったのに、……やっぱ、レグルス局長の件?」
ロジェの鋭い指摘に、更に項垂れる。
「……うん。最初は隠してたんだけど、隠さなくなってからどんどん険悪になってさ。……とうとう感謝祭の時に」
「そりゃあ、……時間かかるだろうなあ。未だ整理がつかねーだろうよ」
マイスが腕組みしながら頷いている。ロジェは白ワインで口を湿らせてから、遠慮がちに問うた。
「アルカ、ジークに何て返事したの?」
「兄弟だと思ってるって伝えたよ。実際そう思って付き合ってきたから」
アルカの即答に、目の前の2人は顔を見合わせた。
「あ~、きちぃ~……」
「なら、友達に戻れるよ、きっと」
同じタイミングで言葉を発した癖に、またも意見がぱっくり割れ、マイスとロジェが俄に議論し出す。
もしかしたら、この言いたいことを言い合うのが、2人流のコミュニケーションなのかも知れない。
「結論から言うと、どっちにしろジークは時間がかかるだろうから、そっとした方がいいと思う」
方向は違ったが同じ結論に至った2人は、そっくりの仕草で頷いた。
「ちなみに、レグルス局長は知ってんの?」
「まさか!言うわけ無いだろ?同じ職場なんだし」
「まあ、それもそうかあ。でもあの雰囲気じゃ、バレてそうだけど。俺だったら、絶対気にしちゃうけどなあ」
マイスが首を傾げたのに、ロジェは首を振った。
「2人は信頼関係がすごいんだよ。さっきだって、アルカも普通だったじゃない」
「さっき?」
「レグルス局長、オルデン辺境伯に呼び出されてたでしょ?」
「ああ、うん。仕事だって」
何だか話の流れが怪しくなってきて、背中が冷やりとした気がした。
「私は仕事でも無理!元カノと2人っきりで、夕食なんてさ!マイスがそんなことしたら怒っちゃう!」
「え……?ま、待って、元カノ?」
情報室員として情けないが、完全に口元が引き攣って声が震えてしまった。
「……、聞いてないの?」
「北部じゃ有名な話だぜ。一時だけど、あの2人が付き合ってたって」
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