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冬の章 セドルア掃討編
幕間 ウルクとジョエル
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「い゛~~~っ、あ゛~~~っ」
「……親父くさ」
高温の蒸気に包まれて唸ると、隣に座ったジョエルから呆れた視線が送られた。
息を吸うだけで気道に染みる熱さ、熱せられた木の独特な匂い、ウルクとジョエルは2人で公衆サウナに居た。
ヤズマイシュではサウナ文化が盛んで、街の至る所にサウナ付きの温泉がある。
北部山系一帯は王国で有名な温泉地の1つだ。
セドルア大山の大掃除で冷え切った体を、先ずはサウナで整える。それからウォッカ祭りをする算段だ。
「あ~、先輩寂しそうだったなあ。誘えば良かったかなあ……」
ロウリュをしながら、ジョエルが何度目かの呟きを漏らした。
確かにウルクが敢えて、飲みに誘わなかった時のアルカはちょっとショックを受けていた。その姿に罪悪感が湧いたのは確かだ。
「まだ言ってる。ウォッカなんて飲ませたら、アルカさんヤバいことになって、俺ら殺されるじゃないすか!大体この間、局長に釘刺されたでしょうが」
ぼたぼたと汗を流しながら、ウルクは髪をかき上げた。
「あの人も大概だからなあ。局長、アルカさんにベタ惚れだもんな」
ふう、と息を吐いたジョエルの頬も首元も、真っ赤に染まって汗が流れている。
普段は白い肌が色づいて、ウルクは煩悶しながらも、あまり見ないように目を逸らす。
サウナでどうのという疾しい気は無いが、たまたま空いていて2人切りだ。
「いや、俺はそれより、今日1日、ジークさんがヤバかったっす。アルカさんを絶対見ない感じ!」
「んああ~、アレな、いや、うん。俺もヤバいと思ったわ。見ない癖に、局長と居る時は神経尖ってる感じな」
「アレって、感謝祭後からずっとすよね!?」
同意を得て思わず横を向くと、ばっちりジョエルの全身が目に入り、ちゃっかり目に焼き付けてから逸らす。
不可抗力はしょうがない。
「なー。あれは……、とうとうジークさんも動いたのかな。あの2人って学生時代から、付き合ってるって噂だったし。ぶっちゃけ、前まではそうでもおかしくない空気感だったしなあ」
「まあ、あの2人は距離近かったすからね。でもなあ、いくら職場恋愛オッケーでも、上司の三角関係は……」
魔力相性や魔力調整の絡みで、人々の倫理観は割と緩い。
好きじゃなくても魔力調整後に盛り上がることはあるし、魔力相性が合うと、あっという間に乗り換えたりくっついたりする。
旧人類が絶滅して、約1000年。
さらなる交配により、ホムンクルス由来の血と本能が強く出ている現在の新人類が、旧人類の倫理観や文明を見直し出したのは約300年前からだ。
だが、両者を比べると、新人類は性的に開放的な性質が目立つ。
人前でのスキンシップも割と多く見られるし、パートナー同士でのマーキングだって普通のことだ。
それでも尊敬する上司3人の、恋愛模様は生々しく。
「生々しいけど、見てる分にはおもしれーっすぅ」
「お前ほんと、いい趣味してんな」
外付けの水風呂に浸かり、雪の中で外気浴をする。
うっかり寒暖差に反応したジョエルの胸元を見てしまい、ウルクは心頭滅却のため、意味無く水風呂に逆戻りした。
「うま!やっぱヤズマイシュのラーメン、美味いっすね」
サウナで整ったら腹が減ったため、ウォッカの前にラーメンの屋台へと寄った。
トタンと布で囲われた狭い屋台で並び、大盛り味噌バターコーンを啜る。
ジョエルは鬼辛味噌スペシャルなる、真っ赤な麺を頼んでいた。
「一口味見させて」
「いっすよ、俺もいいすか?」
「ほい」
蓮華を交換して、それぞれのスープを飲む。
ウルクも砂漠の民らしく激辛は好きなので注文を悩んだが、結局名物の王道味噌を頼んだ。
「味噌、パンチあって美味いなあ」
「こっちの辛味も良い感じっすね、うめ~」
1日働いた空腹の身には、ラーメンの油や旨味、塩分が染み渡る。
北部の味噌は甘めで、がつんとしたニンニクや野菜の甘みと動物系出汁が合わさって、ずっしり食べ応えがある。
きりっとした淡麗味噌も捨て難いが、やはり疲れた体にはずっしりこってりが良い。
分厚く切られた蕩ける豚バラチャーシューと、極太メンマも食べ応えがある。
「は~、幸せ~。ヤズマイシュ支部に異動……したくねえな、やっぱ。親父さん、王都に出店しなよ」
鍋をかき混ぜていた店主が、ニヤッと笑う。
「たまに祭りで出店してるぜ。特に王都の感謝祭には、ここ数年出てんだ。先月のにも居たぞ」
「えっ、そうなんですか?見つけられなかったな」
ジョエルも驚いてウルクと顔を見合わせた。ヤズマイシュのラーメン屋台があれば、絶対に寄っていた。
「王城前の広場でやってるからよ、来年も出店予定だから来てくれや。午前で売り切れちまうから、早めにな」
「あ、あ~、王城前広場か」
「……行けなかったもんな、俺たち」
2人とも同じことを思い出して、黙ってラーメンを啜る。
感謝祭の初日。昼までぐっすり寝たウルクたちは、昼飯がてら街へ繰り出した。
ぶらぶらと川を歩き、大橋に差し掛かったところで、前方に見覚えのある背の高い紅髪を見つけた。
「あれ、局長とアルカさ……」
その隣には当然のように寄り添ったアルカが、指を絡めて手を繋いで歩いている。
時折肩を寄せて顔を近づけながら何事か話す2人の姿に、ウルクもジョエルも絶句した。
もうそれはそれは、幸せそうなのである。完全に2人の世界で、誰のことも気にしていない。
そもそもアルカは、常に気怠げ気に薄く笑んだような表情をしていて、読みにくい顔をしている。
だが懐に入れてもらえると、案外分かりやすい表情をしてくれる。
その分ウルクとジョエルは、かなり気に入られていると自負していた。
しかし前方を歩くアルカは、そんな自負など木っ端微塵になる程の、部下が見てはいけない類の横顔をしていた。
それからレグルスだ。レグルスもいつも笑顔だが、それだけ。レグルスは人と対峙する時は、常に何の考えも読み取れない穏やかな笑みを浮かべている。
さすがに戦闘中や書類仕事中は笑顔ではないが、代わりにその顔から何の表情も無くなる。
喜怒哀楽がすっぽ抜けた顔で、淡々と物事を片付けていく。
普段穏やかで物腰柔らかで冷静、仕事も出来るし判断も速くて間違わない。それに圧倒的な強さがある。
だからこそ人らしさが無くて、畏怖の対象になっているのだ。
それなのに、アルカと手を繋いだレグルスといったら。
こちらも見てはいけない類の横顔だったが、人らしさに溢れた表情をしていて、これまた仰け反った。
この長い大橋を、ずっと隠れるように後ろからあの2人を見ながら歩くのか?
ウルクとジョエルが顔を見合わせると、レグルスが急にアルカの顔を、鼻先が触れ合わんばかりの距離で覗き込んだ。
思わず2人で手を取り合って、跳ね上がる。
いかん、まずい、その距離は止めてくれ。
ウルクとジョエルが天に祈る気持ちになる前に、アルカの方からレグルスに、ちゅっと一瞬だけ口付けした。
「んぎぎぎ……!」
2人で口を押さえて悶絶する。
キスもそうだが、レグルスの男の顔もアルカの恋しい顔も、全部見てしまった。
見ている方が赤面するくらい、幸せダダ漏れの空気に耐えられず、2人で回れ右をした。
何というか、当てられたのだ。
こちらの方がドキドキして心臓が煩いし、何なら言わなくていいことを、ジョエルに告げてしまいそうになった。
くそ、恋人っていいな!
俺だって、俺だって、チューしてぇ~と隣を見ると、ジョエルは頬を染めながらも複雑な顔をした。
「あれは多分、……見せつけられた気がするな……。昨日も話してて思ったけど、局長、先輩のことだけは見境なくなるからな……」
「え、こわぁ……。……こうなりゃ、屋台村の方で呑みましょうか」
「そうだな。……別に、今日も泊まってもいいからな」
「えっ、マジすか!?」
「花火見るんだろ。あと、別に俺1人だし」
「やった!じゃあ3日間、呑んで呑んで呑みまくりましょ!呑まなきゃもう、やってらんねーから」
「……だな!」
なんて会話をして、3日間をずっと一緒に酒を浴びるほど呑んで過ごした感謝祭を思い出す。
ジョエルの顔が赤いのは決して、激辛ラーメンのせいではないだろう。
「やっぱ今日は呑みましょう」
「明日も地獄の大掃除だぞ」
何だか急に腹が一杯になった気がしたが、やっぱりどんな時でもラーメンは美味かった。
「……親父くさ」
高温の蒸気に包まれて唸ると、隣に座ったジョエルから呆れた視線が送られた。
息を吸うだけで気道に染みる熱さ、熱せられた木の独特な匂い、ウルクとジョエルは2人で公衆サウナに居た。
ヤズマイシュではサウナ文化が盛んで、街の至る所にサウナ付きの温泉がある。
北部山系一帯は王国で有名な温泉地の1つだ。
セドルア大山の大掃除で冷え切った体を、先ずはサウナで整える。それからウォッカ祭りをする算段だ。
「あ~、先輩寂しそうだったなあ。誘えば良かったかなあ……」
ロウリュをしながら、ジョエルが何度目かの呟きを漏らした。
確かにウルクが敢えて、飲みに誘わなかった時のアルカはちょっとショックを受けていた。その姿に罪悪感が湧いたのは確かだ。
「まだ言ってる。ウォッカなんて飲ませたら、アルカさんヤバいことになって、俺ら殺されるじゃないすか!大体この間、局長に釘刺されたでしょうが」
ぼたぼたと汗を流しながら、ウルクは髪をかき上げた。
「あの人も大概だからなあ。局長、アルカさんにベタ惚れだもんな」
ふう、と息を吐いたジョエルの頬も首元も、真っ赤に染まって汗が流れている。
普段は白い肌が色づいて、ウルクは煩悶しながらも、あまり見ないように目を逸らす。
サウナでどうのという疾しい気は無いが、たまたま空いていて2人切りだ。
「いや、俺はそれより、今日1日、ジークさんがヤバかったっす。アルカさんを絶対見ない感じ!」
「んああ~、アレな、いや、うん。俺もヤバいと思ったわ。見ない癖に、局長と居る時は神経尖ってる感じな」
「アレって、感謝祭後からずっとすよね!?」
同意を得て思わず横を向くと、ばっちりジョエルの全身が目に入り、ちゃっかり目に焼き付けてから逸らす。
不可抗力はしょうがない。
「なー。あれは……、とうとうジークさんも動いたのかな。あの2人って学生時代から、付き合ってるって噂だったし。ぶっちゃけ、前まではそうでもおかしくない空気感だったしなあ」
「まあ、あの2人は距離近かったすからね。でもなあ、いくら職場恋愛オッケーでも、上司の三角関係は……」
魔力相性や魔力調整の絡みで、人々の倫理観は割と緩い。
好きじゃなくても魔力調整後に盛り上がることはあるし、魔力相性が合うと、あっという間に乗り換えたりくっついたりする。
旧人類が絶滅して、約1000年。
さらなる交配により、ホムンクルス由来の血と本能が強く出ている現在の新人類が、旧人類の倫理観や文明を見直し出したのは約300年前からだ。
だが、両者を比べると、新人類は性的に開放的な性質が目立つ。
人前でのスキンシップも割と多く見られるし、パートナー同士でのマーキングだって普通のことだ。
それでも尊敬する上司3人の、恋愛模様は生々しく。
「生々しいけど、見てる分にはおもしれーっすぅ」
「お前ほんと、いい趣味してんな」
外付けの水風呂に浸かり、雪の中で外気浴をする。
うっかり寒暖差に反応したジョエルの胸元を見てしまい、ウルクは心頭滅却のため、意味無く水風呂に逆戻りした。
「うま!やっぱヤズマイシュのラーメン、美味いっすね」
サウナで整ったら腹が減ったため、ウォッカの前にラーメンの屋台へと寄った。
トタンと布で囲われた狭い屋台で並び、大盛り味噌バターコーンを啜る。
ジョエルは鬼辛味噌スペシャルなる、真っ赤な麺を頼んでいた。
「一口味見させて」
「いっすよ、俺もいいすか?」
「ほい」
蓮華を交換して、それぞれのスープを飲む。
ウルクも砂漠の民らしく激辛は好きなので注文を悩んだが、結局名物の王道味噌を頼んだ。
「味噌、パンチあって美味いなあ」
「こっちの辛味も良い感じっすね、うめ~」
1日働いた空腹の身には、ラーメンの油や旨味、塩分が染み渡る。
北部の味噌は甘めで、がつんとしたニンニクや野菜の甘みと動物系出汁が合わさって、ずっしり食べ応えがある。
きりっとした淡麗味噌も捨て難いが、やはり疲れた体にはずっしりこってりが良い。
分厚く切られた蕩ける豚バラチャーシューと、極太メンマも食べ応えがある。
「は~、幸せ~。ヤズマイシュ支部に異動……したくねえな、やっぱ。親父さん、王都に出店しなよ」
鍋をかき混ぜていた店主が、ニヤッと笑う。
「たまに祭りで出店してるぜ。特に王都の感謝祭には、ここ数年出てんだ。先月のにも居たぞ」
「えっ、そうなんですか?見つけられなかったな」
ジョエルも驚いてウルクと顔を見合わせた。ヤズマイシュのラーメン屋台があれば、絶対に寄っていた。
「王城前の広場でやってるからよ、来年も出店予定だから来てくれや。午前で売り切れちまうから、早めにな」
「あ、あ~、王城前広場か」
「……行けなかったもんな、俺たち」
2人とも同じことを思い出して、黙ってラーメンを啜る。
感謝祭の初日。昼までぐっすり寝たウルクたちは、昼飯がてら街へ繰り出した。
ぶらぶらと川を歩き、大橋に差し掛かったところで、前方に見覚えのある背の高い紅髪を見つけた。
「あれ、局長とアルカさ……」
その隣には当然のように寄り添ったアルカが、指を絡めて手を繋いで歩いている。
時折肩を寄せて顔を近づけながら何事か話す2人の姿に、ウルクもジョエルも絶句した。
もうそれはそれは、幸せそうなのである。完全に2人の世界で、誰のことも気にしていない。
そもそもアルカは、常に気怠げ気に薄く笑んだような表情をしていて、読みにくい顔をしている。
だが懐に入れてもらえると、案外分かりやすい表情をしてくれる。
その分ウルクとジョエルは、かなり気に入られていると自負していた。
しかし前方を歩くアルカは、そんな自負など木っ端微塵になる程の、部下が見てはいけない類の横顔をしていた。
それからレグルスだ。レグルスもいつも笑顔だが、それだけ。レグルスは人と対峙する時は、常に何の考えも読み取れない穏やかな笑みを浮かべている。
さすがに戦闘中や書類仕事中は笑顔ではないが、代わりにその顔から何の表情も無くなる。
喜怒哀楽がすっぽ抜けた顔で、淡々と物事を片付けていく。
普段穏やかで物腰柔らかで冷静、仕事も出来るし判断も速くて間違わない。それに圧倒的な強さがある。
だからこそ人らしさが無くて、畏怖の対象になっているのだ。
それなのに、アルカと手を繋いだレグルスといったら。
こちらも見てはいけない類の横顔だったが、人らしさに溢れた表情をしていて、これまた仰け反った。
この長い大橋を、ずっと隠れるように後ろからあの2人を見ながら歩くのか?
ウルクとジョエルが顔を見合わせると、レグルスが急にアルカの顔を、鼻先が触れ合わんばかりの距離で覗き込んだ。
思わず2人で手を取り合って、跳ね上がる。
いかん、まずい、その距離は止めてくれ。
ウルクとジョエルが天に祈る気持ちになる前に、アルカの方からレグルスに、ちゅっと一瞬だけ口付けした。
「んぎぎぎ……!」
2人で口を押さえて悶絶する。
キスもそうだが、レグルスの男の顔もアルカの恋しい顔も、全部見てしまった。
見ている方が赤面するくらい、幸せダダ漏れの空気に耐えられず、2人で回れ右をした。
何というか、当てられたのだ。
こちらの方がドキドキして心臓が煩いし、何なら言わなくていいことを、ジョエルに告げてしまいそうになった。
くそ、恋人っていいな!
俺だって、俺だって、チューしてぇ~と隣を見ると、ジョエルは頬を染めながらも複雑な顔をした。
「あれは多分、……見せつけられた気がするな……。昨日も話してて思ったけど、局長、先輩のことだけは見境なくなるからな……」
「え、こわぁ……。……こうなりゃ、屋台村の方で呑みましょうか」
「そうだな。……別に、今日も泊まってもいいからな」
「えっ、マジすか!?」
「花火見るんだろ。あと、別に俺1人だし」
「やった!じゃあ3日間、呑んで呑んで呑みまくりましょ!呑まなきゃもう、やってらんねーから」
「……だな!」
なんて会話をして、3日間をずっと一緒に酒を浴びるほど呑んで過ごした感謝祭を思い出す。
ジョエルの顔が赤いのは決して、激辛ラーメンのせいではないだろう。
「やっぱ今日は呑みましょう」
「明日も地獄の大掃除だぞ」
何だか急に腹が一杯になった気がしたが、やっぱりどんな時でもラーメンは美味かった。
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