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レグルスの章
95 誕生
「やあ、マリア。気分はどうだい?」
ダニエルが機嫌良さそうに、マリアへ声を掛ける。
ぼんやりと聞こえてくる声に、マリアは微かに目蓋を上げた。
初めて地下室を訪れた日に無理やり培養装置に繋がれ、早9ヶ月。
手足を拘束され多数の管に繋がれて、魔力を限界まで吸われ続ける毎日に、マリアは常に意識朦朧としていた。
死なぬように生命維持に必要な栄養と魔力回復薬を、点滴から多量に投与されているが、気力はどんどん失われていく。
「はあ……、本当に君は優秀な母胎だった。見ろよ、この赤子。未だ胎児なのに、並の魔術師を遥かに凌駕した魔力量だ。素晴らしいなあ」
赤子という言葉に反応して、虚ろなマリアの瞳が横の培養器に向けられる。
「わ、……たし、……の、赤、ちゃん……」
「そうだな。私たちの赤子だな。どんな属性を持って生まれてくるかな。ちゃんと光属性が引き継がれれば良いが。そうでなければ、意味が無い」
ダニエルはぶつぶつと魔術書を開いた。属性は培養器から赤子を出さないと判定が出来ない。
だが溢れるような魔力は感じるため、この培養器の胎児はかなりの成功と判断出来そうだ。
人の持つ属性を決めるのは、1番はその魂の色だ。
次に土地の魔素、両親の魔術的遺伝要素とされ、稀に神や精霊の加護で追加付与の事例がある。
また、持てる魔力の総量、つまり器のサイズは本人の資質に依る。
足が速い、力が強い、病気をしにくいなどと同じようなものだ。
これらの要因は複雑に絡み合っているため、一朝一夕に狙い通りの人を作製出来る訳では無い。
例えば、魔力の器が大きい者同士、魔術回路が強い者同士を掛け合わせたとて、必ずしも魔術的に優秀な個体が産まれるとは限らない。
また、同じ属性を掛け合わせたとて、子がその属性を引き継ぐとも限らず、違う属性を混ぜても必ず複数属性持ちになる訳では無い。
この采配だけは、正に女神の御業であり贈り物とされて、人には不可侵の領域とされている。
増して固有スキルなどは正真正銘、運否天賦になる。
そのために、貴族だから魔術的に優秀と言う訳では無く、何の素養も無い市井の平民から、大魔術師が産まれるなんてこともままある。
それでも遺伝的に優勢にすることは可能で、王家がその代表例だ。
光属性同士の交配を永く続けて来た成果と、王家に与えられた旧い加護で、王族のほとんどが光属性持ちで産まれる。
そのため光属性に生まれれば、王配になる可能性もある。
そうでなくても王族との婚姻や手厚い庇護がされるため、人々から羨まれる属性だ。
属性のみならず、器も回路も強くなる確率を上げるという点でも、遺伝的要素しか人に努力出来る部分は無い。
そのため、貴族や有力者は魔術的に強い力を持つ者を血筋に求めるのが普通だ。
旧い歴史がある家では高名な魔術師を輩出する率が、比較すれば平民よりは高いだろう。
ダニエルが作りたかったのは、強い器の光属性持ちの赤子だ。
自分の光属性を継承させたいが、今の子を生せる成熟した光属性持ちに強い魔術師が居ない。
「さて、この器なら耐えられるだろう」
ダニエルは懐から、手の平サイズの封印球を取り出す。
ダニエルが封印を解くと、中から表面が七色に輝く黒い珠が出てきた。
目が潰れるような怖気に、マリアの瞳に力が戻る。
「な、なに、するの……!」
「ははあ、マリア、久し振りだね」
掠れた声だが、いつか踊っていた頃のような力強い瞳に、久し振りに興味が唆られる。
「すごいだろう、これ」
「ひっ、やめて、……それを、近づけないで!」
「大丈夫さ。君には、近づけない」
落ち窪んだマリアの目が、ハッと見開かれる。
「や、やめて、やめて!何するの、私の赤ちゃん返して!」
管に繋がれているだけのマリアだったが、拘束を振り切るように激しく暴れ出した。
魔力回復薬を投与する針が抜け、途端にマリアはぐったりとした。当然だ。マリアの魔力は生成される傍から吸われている。
「ふふふ、母は強しってね」
「ああ……、やめて……、私の子に……触らないで……」
息も絶え絶えにマリアが涙を流す。拘束されて初めてのことだ。
腹で育てなくとも愛情が湧くらしい。ダニエルの本妻はこんな風にはならなかったのに。
「酷いな。私の子でもあるんだよ?大事な器だ」
手の平の珠を慈しむそぶりで撫でながら、ダニエルはうっとりと微笑んだ。
「さあ、見ものだ」
「いや、やめて……!」
培養器の上部の蓋を開ける。培養液に胎児が丸くなって浮かんでいる。
「私の期待に応えるんだ」
胎児の胸に宝珠を押し当てる。珠は溶けるように、胎児の中へと吸い込まれて消えた。
「ふふ、ふ、……ははは!」
胎児の魔力が爆発的に暴れ出す。凄まじい奔流に培養器が振動する程だ。
「やめて、死んじゃう……!ああ!」
管を通して、マリアが必死で魔力調整を試みる。
「やはり古今東西、母親は子を守るものなんだな。しかしあと1ヶ月は、死なれては困る」
外れた魔力回復薬の針をマリアにゆっくりと刺し直して、ダニエルは満足そうに地下室を出た。
部屋に封印を施してから足音は遠ざかっていく。
「ああ、死なないで、死なないで。今、お母さんが助けるからね……」
マリアは回復を上回る強さで魔力を送り、暴れ続ける赤子の魔力を調和し続ける。
先ほどまで管を通して繋がりを感じていた我が子の魔力は、すっかり変質して別物になってしまった。
酷く凶悪で禍々しい膨大な魔力を、マリアはそれでも必死に包む。
「大丈夫、大丈夫よ。きっと、お母さんが助けるから、大丈夫だからね」
弱々しく明滅する命が見える。無理やりに細胞を採られ、強制的に魔力を奪われた果てに生した子だ。
腹の中で感じたこともない。それでも管を通して感じる日々成長していく気配を、いつしか途方も無く愛していた。
「ごめんね、お母さんが馬鹿で、貴方にこんなに苦しい思いをさせてる。だけど、絶対に、貴方だけは助けるからね」
深く繋がった先で、混ざってしまった禍々しい気配すらも抱き締める。身の竦むような魔力だ。
だが、きっとこの先、この子には必要なものだと本能的に理解る。
「必ず、この世に貴方を出すわ。いい、貴方はそこで幸せになるのよ。必ず幸せになるの。いつか必ず、貴方を助けて、幸せをくれる人が現れるわ。絶対に諦めちゃだめよ。絶対にその人と幸せになって」
後1ヶ月保てばいい。この為に自分は産まれてきたのだ。
この子が幸せになるために、自分はこの苦しみばかりの生を生き抜いて来たのだ。
それなら、何の後悔も無い。
搾取され続けたばかりの人生だったが、最期に大きな歓びを得た。
血反吐を吐いた人生にも意味はあって、こうして報われたのだ。
「ごめんね、駄目なお母さんでごめんね。育ててあげられなくてごめんね。心から愛してるわ、私の坊や。生きることを諦めないで。大好きよ、愛してるわ……」
十月十日ぴったりの、満月の夜。ダニエルは培養器の前に姿を現した。
「は、虫の息だな」
管に繋がれたマリアはもう意識は無く、ピクリとも動かない。
もしこの子供が失敗すれば、再び母胎として使うつもりだったが、もう使用は出来そうに無い。
「まあいい。さて、どうなったかな」
培養器の蓋を開けて、培養液から赤子を取り出す。空気に上げても、赤子は産声を上げなかった。
「チッ、仮死か?」
ダニエルは忌々しそうに、赤子を逆さまにして背を叩く。
赤子が世に出て意識を持って初めて、属性や才能、魔術回路が顕現するのだ。
失敗にしろ、成果は知りたいところだ。駄目なら埋めた宝珠を抜けば良いが、貴重な研究サンプルだ。
「泣け!」
もう一度背中を叩くと、赤子はふわ、と微かに泣いた。
蘇生を見届けてヒールを施すと、徐々に赤子の泣く声が大きくなる。
身体的には母親の特徴を大きく継承しているが、魔術的にはどうだろうか。
赤子が見えぬ目を開いた。その瞬間、その体から爆発的な5色の光が放たれる。
遥かに自分を凌ぐ魔力量、魔術回路、そして宝珠から5属性を継承した大魔術師が産まれた。
しかし、求めていた光属性は発現しなかった。
「失敗だ!!クソ!!」
ダニエルは乱暴に赤子の胸に手を当てた。この赤子は廃棄して、別のを作り直しだ。
「……は?珠が融けてる……?」
中から取り出そうとした珠が無い。というより、珠の魔力は感じる。しかし取り出せない。
「何故……。こんなに早く融合するなんて……」
赤子が耳障りに大きく泣いた。それに反応したのか、マリアが薄っすらと目を開いた。
ふらついた瞳はそれでも赤子をしっかりと見つめて、ふわりと満足そうに微笑んだ。
「お、女ァ!!貴様だな!?貴様の仕業だな!!」
マリアから、ふ、と息が抜けていく。
あまりに満ち足りて幸せそうな笑顔を残して、肉体が抜け殻になっていく。
「クソ!余計なことをしやがって!」
手元に遺された赤子は、徐々に弱りながらも乳を求めて泣いている。
「こいつから、魔力抽出する方法を考えないと……」
忌々しげに呟いて、マリアの亡骸を一瞥することもなく、ダニエルは足早に部屋を出た。
ダニエルが機嫌良さそうに、マリアへ声を掛ける。
ぼんやりと聞こえてくる声に、マリアは微かに目蓋を上げた。
初めて地下室を訪れた日に無理やり培養装置に繋がれ、早9ヶ月。
手足を拘束され多数の管に繋がれて、魔力を限界まで吸われ続ける毎日に、マリアは常に意識朦朧としていた。
死なぬように生命維持に必要な栄養と魔力回復薬を、点滴から多量に投与されているが、気力はどんどん失われていく。
「はあ……、本当に君は優秀な母胎だった。見ろよ、この赤子。未だ胎児なのに、並の魔術師を遥かに凌駕した魔力量だ。素晴らしいなあ」
赤子という言葉に反応して、虚ろなマリアの瞳が横の培養器に向けられる。
「わ、……たし、……の、赤、ちゃん……」
「そうだな。私たちの赤子だな。どんな属性を持って生まれてくるかな。ちゃんと光属性が引き継がれれば良いが。そうでなければ、意味が無い」
ダニエルはぶつぶつと魔術書を開いた。属性は培養器から赤子を出さないと判定が出来ない。
だが溢れるような魔力は感じるため、この培養器の胎児はかなりの成功と判断出来そうだ。
人の持つ属性を決めるのは、1番はその魂の色だ。
次に土地の魔素、両親の魔術的遺伝要素とされ、稀に神や精霊の加護で追加付与の事例がある。
また、持てる魔力の総量、つまり器のサイズは本人の資質に依る。
足が速い、力が強い、病気をしにくいなどと同じようなものだ。
これらの要因は複雑に絡み合っているため、一朝一夕に狙い通りの人を作製出来る訳では無い。
例えば、魔力の器が大きい者同士、魔術回路が強い者同士を掛け合わせたとて、必ずしも魔術的に優秀な個体が産まれるとは限らない。
また、同じ属性を掛け合わせたとて、子がその属性を引き継ぐとも限らず、違う属性を混ぜても必ず複数属性持ちになる訳では無い。
この采配だけは、正に女神の御業であり贈り物とされて、人には不可侵の領域とされている。
増して固有スキルなどは正真正銘、運否天賦になる。
そのために、貴族だから魔術的に優秀と言う訳では無く、何の素養も無い市井の平民から、大魔術師が産まれるなんてこともままある。
それでも遺伝的に優勢にすることは可能で、王家がその代表例だ。
光属性同士の交配を永く続けて来た成果と、王家に与えられた旧い加護で、王族のほとんどが光属性持ちで産まれる。
そのため光属性に生まれれば、王配になる可能性もある。
そうでなくても王族との婚姻や手厚い庇護がされるため、人々から羨まれる属性だ。
属性のみならず、器も回路も強くなる確率を上げるという点でも、遺伝的要素しか人に努力出来る部分は無い。
そのため、貴族や有力者は魔術的に強い力を持つ者を血筋に求めるのが普通だ。
旧い歴史がある家では高名な魔術師を輩出する率が、比較すれば平民よりは高いだろう。
ダニエルが作りたかったのは、強い器の光属性持ちの赤子だ。
自分の光属性を継承させたいが、今の子を生せる成熟した光属性持ちに強い魔術師が居ない。
「さて、この器なら耐えられるだろう」
ダニエルは懐から、手の平サイズの封印球を取り出す。
ダニエルが封印を解くと、中から表面が七色に輝く黒い珠が出てきた。
目が潰れるような怖気に、マリアの瞳に力が戻る。
「な、なに、するの……!」
「ははあ、マリア、久し振りだね」
掠れた声だが、いつか踊っていた頃のような力強い瞳に、久し振りに興味が唆られる。
「すごいだろう、これ」
「ひっ、やめて、……それを、近づけないで!」
「大丈夫さ。君には、近づけない」
落ち窪んだマリアの目が、ハッと見開かれる。
「や、やめて、やめて!何するの、私の赤ちゃん返して!」
管に繋がれているだけのマリアだったが、拘束を振り切るように激しく暴れ出した。
魔力回復薬を投与する針が抜け、途端にマリアはぐったりとした。当然だ。マリアの魔力は生成される傍から吸われている。
「ふふふ、母は強しってね」
「ああ……、やめて……、私の子に……触らないで……」
息も絶え絶えにマリアが涙を流す。拘束されて初めてのことだ。
腹で育てなくとも愛情が湧くらしい。ダニエルの本妻はこんな風にはならなかったのに。
「酷いな。私の子でもあるんだよ?大事な器だ」
手の平の珠を慈しむそぶりで撫でながら、ダニエルはうっとりと微笑んだ。
「さあ、見ものだ」
「いや、やめて……!」
培養器の上部の蓋を開ける。培養液に胎児が丸くなって浮かんでいる。
「私の期待に応えるんだ」
胎児の胸に宝珠を押し当てる。珠は溶けるように、胎児の中へと吸い込まれて消えた。
「ふふ、ふ、……ははは!」
胎児の魔力が爆発的に暴れ出す。凄まじい奔流に培養器が振動する程だ。
「やめて、死んじゃう……!ああ!」
管を通して、マリアが必死で魔力調整を試みる。
「やはり古今東西、母親は子を守るものなんだな。しかしあと1ヶ月は、死なれては困る」
外れた魔力回復薬の針をマリアにゆっくりと刺し直して、ダニエルは満足そうに地下室を出た。
部屋に封印を施してから足音は遠ざかっていく。
「ああ、死なないで、死なないで。今、お母さんが助けるからね……」
マリアは回復を上回る強さで魔力を送り、暴れ続ける赤子の魔力を調和し続ける。
先ほどまで管を通して繋がりを感じていた我が子の魔力は、すっかり変質して別物になってしまった。
酷く凶悪で禍々しい膨大な魔力を、マリアはそれでも必死に包む。
「大丈夫、大丈夫よ。きっと、お母さんが助けるから、大丈夫だからね」
弱々しく明滅する命が見える。無理やりに細胞を採られ、強制的に魔力を奪われた果てに生した子だ。
腹の中で感じたこともない。それでも管を通して感じる日々成長していく気配を、いつしか途方も無く愛していた。
「ごめんね、お母さんが馬鹿で、貴方にこんなに苦しい思いをさせてる。だけど、絶対に、貴方だけは助けるからね」
深く繋がった先で、混ざってしまった禍々しい気配すらも抱き締める。身の竦むような魔力だ。
だが、きっとこの先、この子には必要なものだと本能的に理解る。
「必ず、この世に貴方を出すわ。いい、貴方はそこで幸せになるのよ。必ず幸せになるの。いつか必ず、貴方を助けて、幸せをくれる人が現れるわ。絶対に諦めちゃだめよ。絶対にその人と幸せになって」
後1ヶ月保てばいい。この為に自分は産まれてきたのだ。
この子が幸せになるために、自分はこの苦しみばかりの生を生き抜いて来たのだ。
それなら、何の後悔も無い。
搾取され続けたばかりの人生だったが、最期に大きな歓びを得た。
血反吐を吐いた人生にも意味はあって、こうして報われたのだ。
「ごめんね、駄目なお母さんでごめんね。育ててあげられなくてごめんね。心から愛してるわ、私の坊や。生きることを諦めないで。大好きよ、愛してるわ……」
十月十日ぴったりの、満月の夜。ダニエルは培養器の前に姿を現した。
「は、虫の息だな」
管に繋がれたマリアはもう意識は無く、ピクリとも動かない。
もしこの子供が失敗すれば、再び母胎として使うつもりだったが、もう使用は出来そうに無い。
「まあいい。さて、どうなったかな」
培養器の蓋を開けて、培養液から赤子を取り出す。空気に上げても、赤子は産声を上げなかった。
「チッ、仮死か?」
ダニエルは忌々しそうに、赤子を逆さまにして背を叩く。
赤子が世に出て意識を持って初めて、属性や才能、魔術回路が顕現するのだ。
失敗にしろ、成果は知りたいところだ。駄目なら埋めた宝珠を抜けば良いが、貴重な研究サンプルだ。
「泣け!」
もう一度背中を叩くと、赤子はふわ、と微かに泣いた。
蘇生を見届けてヒールを施すと、徐々に赤子の泣く声が大きくなる。
身体的には母親の特徴を大きく継承しているが、魔術的にはどうだろうか。
赤子が見えぬ目を開いた。その瞬間、その体から爆発的な5色の光が放たれる。
遥かに自分を凌ぐ魔力量、魔術回路、そして宝珠から5属性を継承した大魔術師が産まれた。
しかし、求めていた光属性は発現しなかった。
「失敗だ!!クソ!!」
ダニエルは乱暴に赤子の胸に手を当てた。この赤子は廃棄して、別のを作り直しだ。
「……は?珠が融けてる……?」
中から取り出そうとした珠が無い。というより、珠の魔力は感じる。しかし取り出せない。
「何故……。こんなに早く融合するなんて……」
赤子が耳障りに大きく泣いた。それに反応したのか、マリアが薄っすらと目を開いた。
ふらついた瞳はそれでも赤子をしっかりと見つめて、ふわりと満足そうに微笑んだ。
「お、女ァ!!貴様だな!?貴様の仕業だな!!」
マリアから、ふ、と息が抜けていく。
あまりに満ち足りて幸せそうな笑顔を残して、肉体が抜け殻になっていく。
「クソ!余計なことをしやがって!」
手元に遺された赤子は、徐々に弱りながらも乳を求めて泣いている。
「こいつから、魔力抽出する方法を考えないと……」
忌々しげに呟いて、マリアの亡骸を一瞥することもなく、ダニエルは足早に部屋を出た。
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