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1章
6話 俺の英呪は〈 〉
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(・・・ん?なんかいい匂いがする。お花畑の中にいるみたい。この大きい木はなんだろう。。。でっかいメロンが2つ実っている。なぜか、めちゃくちゃ惹き寄せられる。これ夢の中だよな?じゃあ貰っちゃおうかな)
俺はフラフラとしながら、メロンをもぎ取ろうとした。その瞬間、鈍器で頭を殴られたような感覚が俺を襲った。
「いったぁぁぁぁああああいいい!!!!」
目が覚めたら、俺は鈴木の部屋にあるベッドの上にいた。
そうだ、鈴木の魔法を見た後、気絶しちゃったんだ。
「あんた今どこ触ろうとしたか分かってるの?」
横に視線を向けると、ベッドに腰を掛けながら、こっちを向いて笑っている鈴木がいた。いや、これは笑っていない。目が、確実に目だけが死んでいる。俺は反射的に彼女から顔を背けてしまった。
(は!!もしやあの夢の中で見たメロンって...)
恐る恐る彼女の方にもう一度顔を向けると、
「随分といい夢を見ていたのね...?気絶したあんたをわざわざベッドに運んであげた私の労力も知らずに。」
この瞬間、俺の天才的な頭脳が火を吹いた。今までの人生経験の記憶の全てを海馬から取り出し、必要な情報だけを選び、残りは道端にでも捨てておいた。
そして出た最適解が、
「ふっ、僕に触れられたことを光栄に思うがいい。」
「・・・」
「・・・」
(みすっt...)
「ぶへぇぇえええええ!!」
炸裂した。鈴木の右ストレートがクリーンヒットした。
そのまま壁に激突した俺に対して、
「ご、ごめん!余りにも気持ち悪すぎてつい殴っちゃった。流石にやりすぎたわ」
鈴木は本当に心配している様子で、そう言った。
「い、いや。全然平気だから気にしてないよ。」
涼しい顔をしながら返事をしたつもりだが、内心はもう限界だった。今すぐママに泣きつきたい。
「そう?まぁ、あなたも能力者ならこれくらい平気か。」
そうだ。俺はその話をしている最中に気絶したんだった。危うく記憶が飛ぶところだった。
「ま、まぁね。でも僕はまだ君みたいに、自分の異能が何なのか分からないんだ。」
「異能?さっきから言ってるけどこの力は「英呪」っていう名前らしいわよ。あなたの頭の中にも流れてこなかったの?」
鈴木は心底不思議そうに聞いてきた。
「あ、そういえば聞こえてきたかも。「英呪」と「英精」だっけ?」
俺はあの日のことを何とか思い出して、そう答えた。
「そうそう、英呪が魔法で、英精が魔力みたいなもんね。これがどんな物かもっていうのもその時に何となく分かったし。ていうか、瞳の色が変わった日に試さなかったの?もしかしたら、魔法みたいなの使えるようになったとか思わなかったの!?」
ぐいぐい来る鈴木に俺は少し動揺してしまった。
「た、試したよ!けど何も起きなかったんだ。確かに身体能力が上がったってのは、何となくわかるけど。ていうか意外だね。鈴木ってそういうの興味ないかと思ってた。」
「え?は!?別にそんなんじゃないから。何となくそういうのが使えるようになるのかな?って思っただけだから...」
最後の方は、ボソボソ言ってて聞き取れなかったけど、顔を赤くしながら言ってる時点で確定だ。こいつは同志だ!!!そう思い始めた柊は、何だか彼女に対して親近感が湧いてきた。
「そっか!ちなみにだけど美心の英呪は水に関する能力ってことでいいんだよな。」
「な、なんか急に距離詰めてきたわね。しかも下の名前で読んでいい許可なんて出してないんですけど。」
頬をひくつかせながら美心はそう言った。
「細かいことは気にすんな!僕のことも柊って呼んでいいから!」
同士と、幼なじみの悠にだけは心を開く柊であった。
「そう...じゃあ、あなたがいいって言うならそう呼ばせてもらうわ。それとさっきの問についてだけど、答えはYesよ。今のところは、この水球を出して、それを目に見えている範囲内で自由に動かせるって感じ。」
水球を器用に操りながら美心はそう言った。
「ほんとにすげーな。。。コツってなんかあるの?」
「丹田って分かる?おへその下辺りなんだけど。そこに意識を集中させていたら、恐らく英精みたいなものが感じられたのよ。それをどうにかして体外に放出しようと色々やってたらこんな風にできたわけ。」
俺はその尤もらしい、方法を聞いて素直に感心した。
「なる、ほどな。教えてくれてありがと!時間ももう遅いし、今日は帰ってから、家で練習してみる!」
「そうね。なにか進捗があったらまた教えてね。」
「分かった!」
「そうだ。後この事は他の人には話さない方がいいかもね。何が起こるか分からないし」
「りょーかい。でも家族にはもう言っちゃってるんだよね。」
俺は目が変化したその日のうちに、興奮しながら家族に報告したことを言った。
「そうなのね。私も瞳の色が変わったことだけは、家族に相談したし。だから、これ以上は秘密ってことで。」
「りょーかい!」
俺は美心の家を後にして、自分の身体能力の確認も含め、全速力で家まで帰った。
(はっやぁ。今までの俺だったら、あそこから走っても30分はかかったぞ。それにあんまり疲れなかったし。まじで俺の体凄いことになってるな。ふっふっふ。これで授業中にテロが起こっても俺が対処できる...!)
美心の家から10分ほどで自分の家まで着いた俺は、部屋に籠って早速自分の英呪を確かめるべく、彼女に教わった方法を試すことにした。
(んぅぅぅ。あ、これか?なんか変な感じがする。おっ、体の中を巡ってるのが分かるぞ。)
まずは見た目からと思い、半裸になった俺は座禅を組んで、自分の体の中にある異物を確認し、それを体中に巡らせてみたが何故か全く違和感や、嫌悪感などがない。
(これが英精か?なんか体に馴染んでる気がする。で、これを体外に放出か。こんな感じか?ていうかこれ気持ちいな。このまま寝ちゃいそう)
俺は感じ取った英精を体外に出そうとしていたが、あまりの気持ちよさに意識が途絶えそうになっていた。
(あ、もう無理。ねr...)
「うわぁぁあ!!」
眠気に負けた俺は、ほとんど目を閉じていて、目の前は暗闇だったが、あの日が再現されたかのように目の前が明るい光で包まれた。
俺の目の前には、爛々と光り輝く、黄金色の焔があった。
____________________
ちなみに最後の焔っていうのは、炎よりも激しく燃え盛っている、っていう風に捉えてください!
俺はフラフラとしながら、メロンをもぎ取ろうとした。その瞬間、鈍器で頭を殴られたような感覚が俺を襲った。
「いったぁぁぁぁああああいいい!!!!」
目が覚めたら、俺は鈴木の部屋にあるベッドの上にいた。
そうだ、鈴木の魔法を見た後、気絶しちゃったんだ。
「あんた今どこ触ろうとしたか分かってるの?」
横に視線を向けると、ベッドに腰を掛けながら、こっちを向いて笑っている鈴木がいた。いや、これは笑っていない。目が、確実に目だけが死んでいる。俺は反射的に彼女から顔を背けてしまった。
(は!!もしやあの夢の中で見たメロンって...)
恐る恐る彼女の方にもう一度顔を向けると、
「随分といい夢を見ていたのね...?気絶したあんたをわざわざベッドに運んであげた私の労力も知らずに。」
この瞬間、俺の天才的な頭脳が火を吹いた。今までの人生経験の記憶の全てを海馬から取り出し、必要な情報だけを選び、残りは道端にでも捨てておいた。
そして出た最適解が、
「ふっ、僕に触れられたことを光栄に思うがいい。」
「・・・」
「・・・」
(みすっt...)
「ぶへぇぇえええええ!!」
炸裂した。鈴木の右ストレートがクリーンヒットした。
そのまま壁に激突した俺に対して、
「ご、ごめん!余りにも気持ち悪すぎてつい殴っちゃった。流石にやりすぎたわ」
鈴木は本当に心配している様子で、そう言った。
「い、いや。全然平気だから気にしてないよ。」
涼しい顔をしながら返事をしたつもりだが、内心はもう限界だった。今すぐママに泣きつきたい。
「そう?まぁ、あなたも能力者ならこれくらい平気か。」
そうだ。俺はその話をしている最中に気絶したんだった。危うく記憶が飛ぶところだった。
「ま、まぁね。でも僕はまだ君みたいに、自分の異能が何なのか分からないんだ。」
「異能?さっきから言ってるけどこの力は「英呪」っていう名前らしいわよ。あなたの頭の中にも流れてこなかったの?」
鈴木は心底不思議そうに聞いてきた。
「あ、そういえば聞こえてきたかも。「英呪」と「英精」だっけ?」
俺はあの日のことを何とか思い出して、そう答えた。
「そうそう、英呪が魔法で、英精が魔力みたいなもんね。これがどんな物かもっていうのもその時に何となく分かったし。ていうか、瞳の色が変わった日に試さなかったの?もしかしたら、魔法みたいなの使えるようになったとか思わなかったの!?」
ぐいぐい来る鈴木に俺は少し動揺してしまった。
「た、試したよ!けど何も起きなかったんだ。確かに身体能力が上がったってのは、何となくわかるけど。ていうか意外だね。鈴木ってそういうの興味ないかと思ってた。」
「え?は!?別にそんなんじゃないから。何となくそういうのが使えるようになるのかな?って思っただけだから...」
最後の方は、ボソボソ言ってて聞き取れなかったけど、顔を赤くしながら言ってる時点で確定だ。こいつは同志だ!!!そう思い始めた柊は、何だか彼女に対して親近感が湧いてきた。
「そっか!ちなみにだけど美心の英呪は水に関する能力ってことでいいんだよな。」
「な、なんか急に距離詰めてきたわね。しかも下の名前で読んでいい許可なんて出してないんですけど。」
頬をひくつかせながら美心はそう言った。
「細かいことは気にすんな!僕のことも柊って呼んでいいから!」
同士と、幼なじみの悠にだけは心を開く柊であった。
「そう...じゃあ、あなたがいいって言うならそう呼ばせてもらうわ。それとさっきの問についてだけど、答えはYesよ。今のところは、この水球を出して、それを目に見えている範囲内で自由に動かせるって感じ。」
水球を器用に操りながら美心はそう言った。
「ほんとにすげーな。。。コツってなんかあるの?」
「丹田って分かる?おへその下辺りなんだけど。そこに意識を集中させていたら、恐らく英精みたいなものが感じられたのよ。それをどうにかして体外に放出しようと色々やってたらこんな風にできたわけ。」
俺はその尤もらしい、方法を聞いて素直に感心した。
「なる、ほどな。教えてくれてありがと!時間ももう遅いし、今日は帰ってから、家で練習してみる!」
「そうね。なにか進捗があったらまた教えてね。」
「分かった!」
「そうだ。後この事は他の人には話さない方がいいかもね。何が起こるか分からないし」
「りょーかい。でも家族にはもう言っちゃってるんだよね。」
俺は目が変化したその日のうちに、興奮しながら家族に報告したことを言った。
「そうなのね。私も瞳の色が変わったことだけは、家族に相談したし。だから、これ以上は秘密ってことで。」
「りょーかい!」
俺は美心の家を後にして、自分の身体能力の確認も含め、全速力で家まで帰った。
(はっやぁ。今までの俺だったら、あそこから走っても30分はかかったぞ。それにあんまり疲れなかったし。まじで俺の体凄いことになってるな。ふっふっふ。これで授業中にテロが起こっても俺が対処できる...!)
美心の家から10分ほどで自分の家まで着いた俺は、部屋に籠って早速自分の英呪を確かめるべく、彼女に教わった方法を試すことにした。
(んぅぅぅ。あ、これか?なんか変な感じがする。おっ、体の中を巡ってるのが分かるぞ。)
まずは見た目からと思い、半裸になった俺は座禅を組んで、自分の体の中にある異物を確認し、それを体中に巡らせてみたが何故か全く違和感や、嫌悪感などがない。
(これが英精か?なんか体に馴染んでる気がする。で、これを体外に放出か。こんな感じか?ていうかこれ気持ちいな。このまま寝ちゃいそう)
俺は感じ取った英精を体外に出そうとしていたが、あまりの気持ちよさに意識が途絶えそうになっていた。
(あ、もう無理。ねr...)
「うわぁぁあ!!」
眠気に負けた俺は、ほとんど目を閉じていて、目の前は暗闇だったが、あの日が再現されたかのように目の前が明るい光で包まれた。
俺の目の前には、爛々と光り輝く、黄金色の焔があった。
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ちなみに最後の焔っていうのは、炎よりも激しく燃え盛っている、っていう風に捉えてください!
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