8 / 18
1章
7話 屋上での逢瀬
しおりを挟む
「こ、これが俺の英呪。。。」
自分の英呪を認識した俺は、なくしそうになった意識を無理やりたたき起こした。
「火?だとしても何だこの燃え方は?荒々しすぎだろ。」
自分の目の前にある火を見て、そう思った俺は、いいことを思いついた。
「あ!焔ってどうだろ。こっちの方がかっこいいし、燃え方からしても、火っていうには凶暴過ぎるほど燃え盛ってるしな。」
どこが熱源なのか分からないが、風にゆらゆら揺られているような、そんな可愛いものじゃなく、常に火が供給され続けているような、そんな燃え方をしている。
「明日、学校に行ったら美心に報告するか。」
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
次の日、学校に着いた俺は、いつもより自分に向けられる視線の数の多さに困惑していた。
(何だこの視線の数は。俺の第六感が危険と判断している!!)
席に着いた俺は、その視線から逃れるように机に突っ伏して、ブラックアウトした。
数分後、突然肩を叩かれた俺は、びっくりしながら叩いた主の方に首を回した。
「なんだよ悠。瞑想の邪魔をしないでくれ。」
目の前にいたのは、今日も髪の毛をサラサラさせている幼馴染の悠だった。
「お前、昨日教室から鈴木さんと一緒に出てったんだってな。どういうことだよ。」
ニヤニヤしながら俺に問いつめてきた悠を見て、この周りから向けられる殺気混じりの視線の意味を理解した。
「まぁ2人のこれからについて少しね...//」
「ふっ。どうせ雑用かなんか頼まれたんだろ。」
俺が少し照れながら言った発言を全否定してくるこの男は、本当に俺の幼なじみなんだろうか。
「お前嫌な事だったら嫌ってちゃんと言えよな。それが無理なら俺に言え。」
そう言いながら自分の席に戻っていく悠を見て、自分が女だったら惚れてるなと思う柊だった。
昼休みになったので、俺は学校の屋上へ向かった。どうして屋上に向かったかと言うと、昨日のことについて美心に話すためだ。
昨日のうちに連絡をとっていて、屋上で会うことになっていた。普段は空いていない屋上だが、超絶美人の美心のおかげで、先生から鍵は借りてある。美人万歳。
既に鍵は空いていたので、彼女はもう屋上にいるのだろう。どこにいるのか探していると、上の方から声が聞こえた。
「こっちだよー。」
上の方を見ると、ハシゴを少し登って、塔屋の上に座る美心の姿が見えた。
俺もそっちの方に向かうために、ハシゴを登って彼女の隣に座った。
「それでどうだったの?なんか進展あった?」
「うん。僕も自分の英呪が分かったよ。」
お弁当を食べながら聞いてくる美心に対して、そう答えた。
「やったじゃん!それで?どんな能力なの!?」
「落ち着けって。百聞は一見にしかず、なんだろ?今から見せるよ。」
俺は昨日の感覚を思い出しながら、目の前に焔を発現させた。
「炎だ!!かっこいいじゃん!!」
「そっちの炎じゃない!!焔だ!!!そこは絶対に間違えないでくれ」
目の前にある焔に負けないくらい輝いた目で見てくる美心に対して、俺は自分の中で絶対に曲げられないこだわりを口にした。
「そ、そうね。それは悪かったわ。確かにそっちの方がかっこいいし、この火の荒ぶり方的にも炎って言うには恐ろしいものね。」
「だろ?やっぱり美心なら分かってくれると思ってたぜ」
「ふふっ。当たり前じゃない。」
傍から見たら、なにか悪巧みをしているんじゃないかと思うような笑みを浮かべながら、2人は会話を続けた。
「あれ?そういえばこの焔熱くない気がするんだけど。。。」
「いいところに気づいた!昨日色々試してたら、自分で温度調整も出来るようになったんだよ。」
そう、これが昨日の試行錯誤の中で発見した能力の1つだった。まだ自由自在に動かすことは出来ないが、温度調節ならできるのだ。まだそこまで範囲は広くないが、このまま使い続けたら、その範囲も広がるだろう。
「はぁ!?何それ!ずるくない??」
「ふっ。驚くのはまだ早い!実はもう1つ発見したことがあるんだ。」
そう言って俺は、目の前にある焔に水をかけるよう美心に指示した。
「・・・ちょっと待って。まさか水をかけられても消えないなんて事言うんじゃないでしょうね。」
俺は無言でにこにこしているだけだ。
「さ、流石にそんなわけないわよね。じゃあ行くわよ。」
美心は決心をした顔で、焔に水をかけた。
すると、なーーんてことでしょう!水球に覆われているのに、未だに燃え続けているじゃありませんか!
「ずる!チート!裏切り者!」
美心は涙目になりながら、この現象を引き起こした俺を罵倒してきた。
「お、落ち着いて!ほら見て!消えたでしょ!」
俺がそう言った途端、さっきまでの光景が嘘だったかのように焔が目の前から消えてしまった。
「あれ、、、ほんとだ。どういうこと?」
本気で困惑している彼女に対して、俺はこの現象について明らかにした。
「美心ってその水球を維持する時は常にそれに意識を集中させてるだろ?僕も同じで、維持するために意識をその対象の焔に向け続けてるんだ。そして、その間は水の中でも消えないってわけ。」
「なるほど。じゃあ普通の火みたいに一瞬で消えたのは、向けている意識を手放したからってわけね。。。どっちにしろおかしいでしょ!水の中で消えない火なんて!」
これでも納得できなかった美心は尚、俺に食い下がってきた。
「こんな魔法みたいなのが使える時点で既におかしいだろ!これに比べたら水の中でも燃え続ける火なんて、犬のフンに群がるハエみたいなもんだろ!」
「その例えは意味わかんないけど、それもそうね。一々気にしてたらキリがないわ。」
一悶着あって昼休みの終わりを告げるチャイムがあったので、教室に戻ることにした。
「2人で戻ると色々面倒臭そうだから、あなた先に戻っていいわよ。」
「ん?僕は別に気になんないけど?」
美心のことを既に同士として認識している柊は、そういう事が一切気にならない。なんて単純な男なんだう。
「あなたが気にしなくても私が気にするの。」
「まぁ、そういうことなら。じゃあ教室で。」
そうして俺は先に教室に戻った。
自分の英呪を認識した俺は、なくしそうになった意識を無理やりたたき起こした。
「火?だとしても何だこの燃え方は?荒々しすぎだろ。」
自分の目の前にある火を見て、そう思った俺は、いいことを思いついた。
「あ!焔ってどうだろ。こっちの方がかっこいいし、燃え方からしても、火っていうには凶暴過ぎるほど燃え盛ってるしな。」
どこが熱源なのか分からないが、風にゆらゆら揺られているような、そんな可愛いものじゃなく、常に火が供給され続けているような、そんな燃え方をしている。
「明日、学校に行ったら美心に報告するか。」
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
次の日、学校に着いた俺は、いつもより自分に向けられる視線の数の多さに困惑していた。
(何だこの視線の数は。俺の第六感が危険と判断している!!)
席に着いた俺は、その視線から逃れるように机に突っ伏して、ブラックアウトした。
数分後、突然肩を叩かれた俺は、びっくりしながら叩いた主の方に首を回した。
「なんだよ悠。瞑想の邪魔をしないでくれ。」
目の前にいたのは、今日も髪の毛をサラサラさせている幼馴染の悠だった。
「お前、昨日教室から鈴木さんと一緒に出てったんだってな。どういうことだよ。」
ニヤニヤしながら俺に問いつめてきた悠を見て、この周りから向けられる殺気混じりの視線の意味を理解した。
「まぁ2人のこれからについて少しね...//」
「ふっ。どうせ雑用かなんか頼まれたんだろ。」
俺が少し照れながら言った発言を全否定してくるこの男は、本当に俺の幼なじみなんだろうか。
「お前嫌な事だったら嫌ってちゃんと言えよな。それが無理なら俺に言え。」
そう言いながら自分の席に戻っていく悠を見て、自分が女だったら惚れてるなと思う柊だった。
昼休みになったので、俺は学校の屋上へ向かった。どうして屋上に向かったかと言うと、昨日のことについて美心に話すためだ。
昨日のうちに連絡をとっていて、屋上で会うことになっていた。普段は空いていない屋上だが、超絶美人の美心のおかげで、先生から鍵は借りてある。美人万歳。
既に鍵は空いていたので、彼女はもう屋上にいるのだろう。どこにいるのか探していると、上の方から声が聞こえた。
「こっちだよー。」
上の方を見ると、ハシゴを少し登って、塔屋の上に座る美心の姿が見えた。
俺もそっちの方に向かうために、ハシゴを登って彼女の隣に座った。
「それでどうだったの?なんか進展あった?」
「うん。僕も自分の英呪が分かったよ。」
お弁当を食べながら聞いてくる美心に対して、そう答えた。
「やったじゃん!それで?どんな能力なの!?」
「落ち着けって。百聞は一見にしかず、なんだろ?今から見せるよ。」
俺は昨日の感覚を思い出しながら、目の前に焔を発現させた。
「炎だ!!かっこいいじゃん!!」
「そっちの炎じゃない!!焔だ!!!そこは絶対に間違えないでくれ」
目の前にある焔に負けないくらい輝いた目で見てくる美心に対して、俺は自分の中で絶対に曲げられないこだわりを口にした。
「そ、そうね。それは悪かったわ。確かにそっちの方がかっこいいし、この火の荒ぶり方的にも炎って言うには恐ろしいものね。」
「だろ?やっぱり美心なら分かってくれると思ってたぜ」
「ふふっ。当たり前じゃない。」
傍から見たら、なにか悪巧みをしているんじゃないかと思うような笑みを浮かべながら、2人は会話を続けた。
「あれ?そういえばこの焔熱くない気がするんだけど。。。」
「いいところに気づいた!昨日色々試してたら、自分で温度調整も出来るようになったんだよ。」
そう、これが昨日の試行錯誤の中で発見した能力の1つだった。まだ自由自在に動かすことは出来ないが、温度調節ならできるのだ。まだそこまで範囲は広くないが、このまま使い続けたら、その範囲も広がるだろう。
「はぁ!?何それ!ずるくない??」
「ふっ。驚くのはまだ早い!実はもう1つ発見したことがあるんだ。」
そう言って俺は、目の前にある焔に水をかけるよう美心に指示した。
「・・・ちょっと待って。まさか水をかけられても消えないなんて事言うんじゃないでしょうね。」
俺は無言でにこにこしているだけだ。
「さ、流石にそんなわけないわよね。じゃあ行くわよ。」
美心は決心をした顔で、焔に水をかけた。
すると、なーーんてことでしょう!水球に覆われているのに、未だに燃え続けているじゃありませんか!
「ずる!チート!裏切り者!」
美心は涙目になりながら、この現象を引き起こした俺を罵倒してきた。
「お、落ち着いて!ほら見て!消えたでしょ!」
俺がそう言った途端、さっきまでの光景が嘘だったかのように焔が目の前から消えてしまった。
「あれ、、、ほんとだ。どういうこと?」
本気で困惑している彼女に対して、俺はこの現象について明らかにした。
「美心ってその水球を維持する時は常にそれに意識を集中させてるだろ?僕も同じで、維持するために意識をその対象の焔に向け続けてるんだ。そして、その間は水の中でも消えないってわけ。」
「なるほど。じゃあ普通の火みたいに一瞬で消えたのは、向けている意識を手放したからってわけね。。。どっちにしろおかしいでしょ!水の中で消えない火なんて!」
これでも納得できなかった美心は尚、俺に食い下がってきた。
「こんな魔法みたいなのが使える時点で既におかしいだろ!これに比べたら水の中でも燃え続ける火なんて、犬のフンに群がるハエみたいなもんだろ!」
「その例えは意味わかんないけど、それもそうね。一々気にしてたらキリがないわ。」
一悶着あって昼休みの終わりを告げるチャイムがあったので、教室に戻ることにした。
「2人で戻ると色々面倒臭そうだから、あなた先に戻っていいわよ。」
「ん?僕は別に気になんないけど?」
美心のことを既に同士として認識している柊は、そういう事が一切気にならない。なんて単純な男なんだう。
「あなたが気にしなくても私が気にするの。」
「まぁ、そういうことなら。じゃあ教室で。」
そうして俺は先に教室に戻った。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
いつか優しく終わらせてあげるために。
イチイ アキラ
恋愛
初夜の最中。王子は死んだ。
犯人は誰なのか。
妃となった妹を虐げていた姉か。それとも……。
12話くらいからが本編です。そこに至るまでもじっくりお楽しみください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる