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第6章 番外編
第259話 お土産をみんなで食す
まあ、急な同居人も増えてしまったが、まあ俺もランとはあまり関わる気は無いし、いないと思って住めばよろし。
今はそんな事より、地球から持ち帰ったいろんなものを整理しなければならん。
「シオリー、あ、もう色々整理してくれてたんすね」
「あ、チー先輩、はい。荷物多いですからなるべく早く片付けないとです」
ユイも隣にいてまじまじとシオリーの整理を見つめていた。ユイにとっては知らない謎のものばかりだろうしな。
「あ、ユイ、シオリー、一応言っときますが、もし俺が死んだら、これらはすべてぶっ壊してください」
「え?ちょ、ちょっとチー君?なんか、近いうちに死ぬみたいな、そう言うこと言わないでよ、チー君がいなくなるなんて嫌だよ」
「いや、そう言うことじゃなくて、いつ死ぬのかは俺も知りませんけど。ただ、これらは本来この世界にあってはならないものです。この世界で何に使われてしまうか分からないためです。あくまでこれは俺がいる間だけのものです。もちろん、これらの存在は他言無用で」
「う、うん、よくわからないけど、分かった」
俺がこれらを持ってきたことでこの異世界の歴史に影響及ぼすなんてことめんどくさいからな。死んでも気にしちまう。
さて、俺も片付けていきますか。
switch、インスタントラーメン、発電機、充電器、ゲームソフト、小麦、肥料、しょうゆや味噌など、いろんなものをとりあえず出していき、分けていく。
「これ、全部チー君の世界のもの?全部見たことない、この箱とか何に使うの?」
ユイはゲームソフトを珍しそうに見ている。
「ああ、ゲームソフトっすね。娯楽っすよ。ユイはハマるか分からないっすけど」
「へえ。この箱が娯楽、どうやって遊ぶんだろう」
「まあそれはお楽しみということで」
異世界人が現代の科学の結晶を見て、不思議がっているのは謎に気分が良い。ていうかユイ可愛い。
---
とりあえず、すべての整理は終えた。すでにアダルト系は俺の部屋の錬成で作った隠し棚にしまってある。強度はかなり高いし、視認性も壁と同化させているから見つかることもない。俺、天才。
さて、少し小腹が減った。
「さて、カップラーメンでも食べますか。シオリーは?」
「あ、食べます」
ユイも興味津々でカップラーメンの箱を凝視している。どうやって食べるんだろうという顔だ。
「わ、私も食べて見ていい?」
「もちろん」
俺はカップ麺を蓋を開き、かやくを入れ、魔法で熱湯を注ぐ。便利やなあ、わざわざお湯を沸かす必要が無くて。ちなみに熱湯は水魔法と火魔法を複合した地味に難しい魔法である。
この異世界でも一般人は、ポットのような専用の魔道具の容器に水を入れて湯を沸かす。俺は素手で出せるから楽なもんよ。
俺は味噌、シオリーは醤油だ。ユイは味見ということで。
「ねえこれ、お湯を入れたら、どうなるの?」
「ああ、柔らかくなって食べられるようになるんすよ」
「そ、そうなの?なんで?」
「え、ああ、科学の力です」
「科学って?」
「科学の力です」
「あ、そうなんだね、あはは」
説明がめんどくさい、というか知らないので科学の力を連呼した。そう言うのは知らなくていいんや。皆も知らないで使ってるだろ?
……にしても、さっきから少し視線を感じる。ランは部屋からじっとその光景を覗いている。絶対気になってる。俺をずっとガン見している。う~ん、やっぱ怖いなああの人。
「え、えと、なんすか?」
「え?な、なんでもないわよ。どうぞ仲良くご勝手に」
「そうします」
「む、知らないわよ!」
そういってランが部屋に再び閉じこもる。ユイが少し可哀そうだなあとランを見ていた。
「えっと、チー君、ランちゃんのことあんまりよく思ってない?」
「そ、そりゃ、ずっとキレてて怖いんすもん」
「えっと、素直になれてないだけだからね?」
「んなもん分かってる。俺は言葉にしない察してちゃんみたいなの好きじゃないんで」
よくいるよな、現代でも。まるでテストされてるかのように。まあ、ランは故意的というか、ガチのツンデレだからまだ可愛いほうなのだが。
「う~ん、もうちょっと優しくしてあげて?一緒に住んでるんだから、ね?食べたいんだと思うよ?ランちゃん、チー君帰ってきてからかなり気を使ってるみたい」
「う、でも、あの人どう接すれればいいか分かんないんだけど。なんかあったらセクハラとか訴えられそうで」
「それは無いよ」
「なんで?」
「ランちゃんチー君の事好きだもん」
「……前も言ってたけど信じられないんすけど」
「嫌いな男の子なんかにキスなんかしないよ」
あ、ああ、そういえば、チハル討伐後にキスしてきたっけ。なんでそんなことを。
「今回は私が呼びに行ってあげますから。みんなで食べよ?」
「あ、はい」
ユイはランを呼びに行った。結局ランは俺を邪魔してないか?まあイチャラブを邪魔さえしなければいいが。
---
3分経ったのでカップ麺の蓋を開ける。
ああ、久しぶりのこの身体に悪そうな匂い。ああ、マジで美味そう。この世界の料理とかに慣れていたから、地球に行った時の賄を貰った時は味が濃くて正直びっくりしたものだ。
こちらの世界の食べ物は基本的に味が薄い。まあ科学などそういう分野が発展していないから、料理のクオリティも地球に比べれば落ちるのも仕方ない。
そのおかげなのか、この世界では病死というものがそんなに多くないような気がする。健康でいいね。カップ麺は健康を考えて10個くらいだけ持ち帰った。徐々に味覚もこちらの世界の味に戻っていくだろうし多分問題ない。
俺は箸をもってお椀にユイとランの分を移す。シオリーもユイとランの分を移した。
「これ、チー君とシオリーちゃんので汁の色が違うけど、味も違うのかな?」
「そっすね。こっちがしょうゆ、こっちが味噌。言っても分からないと思いますけど、まあとりあえずどうぞ」
「えっと、フォークでいいんだよね?シオリーちゃんも普通にその木のぼっこ二つ器用に使ってるけど、2人はそれが普通だったの?」
「まあ、そっすね。義務教育みたいなもんっす」
「へえ、すごいなあ。それじゃあ頂くね。ほら、ランちゃんも」
俺はとりあえず一口すする。む、これは、美味い。うん。美味い。久しぶり。うん。グルメレポ?知らんそんなもん。黙って食わせろ。
「な、なにこれ、おいしい……チー君とシオリーちゃんっていつもこんなおいしいもの食べてたの?」
「いつもじゃないっすけどね」
ユイが驚きながら食べていく。地球の食べ物はやはり異世界人への受けはいい。ちょっとだけ誇らしい。俺が作ったわけじゃないけど。シオリーも黙って食っている。ランは恐る恐るフォークですする。
「お、美味しい、わね。変わった味。少し味が濃い気もするけど」
まあ、そうよね、異世界人にとっちゃ濃いか。まあ何度も食うもんじゃないし健康は大丈夫だろう。とりあえず、カップ麺はみんなに好評だった。
なんだか、良いもんだな。皆で食事ってのも。本当に幸せだ。
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