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エピローグ
ベガドリア男爵の
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「大隊長へ報告。
第1歩兵小隊、野盗殲滅任務より帰還しました。」
「了解。
小隊長は男爵閣下へ報告を。」
「はい!」
ヒューキャットの少年が一歩進み出る。
「北の村々から報告のありました野盗については、3日間の現地調査の後、夜間襲撃をかけました。
閣下に創造頂いたお面は凄いです。
深夜の山中なのに、まるで日中のように見えました。
亜人でも、あそこまで夜目のきく者はいません。」
(そりゃ対テロ特殊部隊で制式採用されている軍用の暗視ゴーグルだからな。)
アラスタは無言で頷く。
「当方の損害は軽傷2名、いずれも捻挫です。
野盗は、死亡10名に捕縛28名です。
第2から第4の歩兵小隊が馬車で連行中、到着予定は明日の夜です。
なお残党警戒のため、第5から第8の歩兵小隊が村々で一週間駐留します。」
「では現時刻をもって支援中隊の待機命令は破棄、通常体制へ移行。
野盗は作戦本部で尋問した後、犯罪奴隷としてアファーム商会へ売り渡す。
閣下、よろしいですね?」
大隊長の言葉にアラスタも頷く。
「事前の打ち合わせ通りだ。
フィーナ、商会との交渉は任せる。」
「分かりました。
それにしてもアラスタ様、アファームさんがぼやいていましたよ。
ここまで奴隷商をこき使う貴族は聞いたことが無い、と。」
「これまでのベガドリア男爵や代官が怠けていただけだ。
”奴隷のごとくこき使ってやるから、しっかり稼げ”と伝えてやれ。」
爆笑。
実際、アファーム商会は多忙を極めていた。
とにかくベガドリア男爵領は内需が弱すぎる。
なので帝国から巻き上げた金貨で、肥料や農機具、家畜を買い漁った。
『普通、貴族って自分で貯め込んだり賄賂に使ったりしませんか?』
『それで内需や公衆衛生が改善するなら、喜んでするさ。
物資は、ばれないように分散して買い漁れよ。
王都の物価が値上がりするのは知ったことではないが、調査されて買い占めがばれると面倒だ。』
『最近、奴隷よりも牛や馬ばかり買っている気がしますよ。』
『奴隷売買の専業なんか辞めて、総合仲介業に鞍替えすれば?
各所との折衝で負担過多なうちの家令が泣いて喜ぶぞ。』
アファームは笑っていたが、意外と真剣に考えているかもしれない。
その時はお抱え商人にしてやろう。
「では野盗どもが到着する明日まで第1歩兵小隊は休暇とする。
フィーナ、そろそろ物資搬入の時刻だろう。」
「そうですね、行ってまいります。」
「閣下、搬入を手伝うため私も失礼します。」
全員が執務室を退室し、後にはアラスタのみが残された。
”転生先の世界にケモミミがいるなら、思う存分モフりたい。
モフってモフってモフり倒したい、あわよくばエッチもしたい。”
あの時、確かにそう言ったはずだ。
女神が「そんなこと口にした魂は初めてだ!」と笑い転げていたから、印象に残っている。
なので、静かな環境で思う存分モフれる、自分だけの城が欲しかった。
ついでに誰からも邪魔されないだけの力も必要だった。
もちろんケモミミも、自分の身はきちんと守れるだけの力も必要だった。
(アメリカ海兵隊とか創造できないんじゃ、それに匹敵する戦力は必要じゃないか。
若干オーバーキルかもしれないけどさ。)
そう、全ては理想郷モフモフパラダイスのために。
そのはずだった。
しかし、何かが致命的に狂っている。
理想郷のために努力すればするほど、理想郷が遠ざかっている気がする。
第7支援小隊に、それは立派な耳と尻尾を持つヒューフォックスの姉妹がいる。
それはもう抱き枕にすれば安眠間違いなし、というほど立派なキツネッポなのだが。
もしこんなこと本人たちに言えば、返ってくるであろう反応は。
「光栄であります、閣下。
どうぞ思う存分モフりください。」
「経験がないので自信ありませんが…
夜伽をご所望とあらば、妹と共に全力を尽くします。
もしお時間を頂ければ小隊長に教練をお願いできるのですが。」
違う。
断じて違う。
何がって、もう何もかもが。
アラスタは机に突っ伏したまま、うめくようにつぶやいた。
「どうしてこうなったぁ…」
第1歩兵小隊、野盗殲滅任務より帰還しました。」
「了解。
小隊長は男爵閣下へ報告を。」
「はい!」
ヒューキャットの少年が一歩進み出る。
「北の村々から報告のありました野盗については、3日間の現地調査の後、夜間襲撃をかけました。
閣下に創造頂いたお面は凄いです。
深夜の山中なのに、まるで日中のように見えました。
亜人でも、あそこまで夜目のきく者はいません。」
(そりゃ対テロ特殊部隊で制式採用されている軍用の暗視ゴーグルだからな。)
アラスタは無言で頷く。
「当方の損害は軽傷2名、いずれも捻挫です。
野盗は、死亡10名に捕縛28名です。
第2から第4の歩兵小隊が馬車で連行中、到着予定は明日の夜です。
なお残党警戒のため、第5から第8の歩兵小隊が村々で一週間駐留します。」
「では現時刻をもって支援中隊の待機命令は破棄、通常体制へ移行。
野盗は作戦本部で尋問した後、犯罪奴隷としてアファーム商会へ売り渡す。
閣下、よろしいですね?」
大隊長の言葉にアラスタも頷く。
「事前の打ち合わせ通りだ。
フィーナ、商会との交渉は任せる。」
「分かりました。
それにしてもアラスタ様、アファームさんがぼやいていましたよ。
ここまで奴隷商をこき使う貴族は聞いたことが無い、と。」
「これまでのベガドリア男爵や代官が怠けていただけだ。
”奴隷のごとくこき使ってやるから、しっかり稼げ”と伝えてやれ。」
爆笑。
実際、アファーム商会は多忙を極めていた。
とにかくベガドリア男爵領は内需が弱すぎる。
なので帝国から巻き上げた金貨で、肥料や農機具、家畜を買い漁った。
『普通、貴族って自分で貯め込んだり賄賂に使ったりしませんか?』
『それで内需や公衆衛生が改善するなら、喜んでするさ。
物資は、ばれないように分散して買い漁れよ。
王都の物価が値上がりするのは知ったことではないが、調査されて買い占めがばれると面倒だ。』
『最近、奴隷よりも牛や馬ばかり買っている気がしますよ。』
『奴隷売買の専業なんか辞めて、総合仲介業に鞍替えすれば?
各所との折衝で負担過多なうちの家令が泣いて喜ぶぞ。』
アファームは笑っていたが、意外と真剣に考えているかもしれない。
その時はお抱え商人にしてやろう。
「では野盗どもが到着する明日まで第1歩兵小隊は休暇とする。
フィーナ、そろそろ物資搬入の時刻だろう。」
「そうですね、行ってまいります。」
「閣下、搬入を手伝うため私も失礼します。」
全員が執務室を退室し、後にはアラスタのみが残された。
”転生先の世界にケモミミがいるなら、思う存分モフりたい。
モフってモフってモフり倒したい、あわよくばエッチもしたい。”
あの時、確かにそう言ったはずだ。
女神が「そんなこと口にした魂は初めてだ!」と笑い転げていたから、印象に残っている。
なので、静かな環境で思う存分モフれる、自分だけの城が欲しかった。
ついでに誰からも邪魔されないだけの力も必要だった。
もちろんケモミミも、自分の身はきちんと守れるだけの力も必要だった。
(アメリカ海兵隊とか創造できないんじゃ、それに匹敵する戦力は必要じゃないか。
若干オーバーキルかもしれないけどさ。)
そう、全ては理想郷モフモフパラダイスのために。
そのはずだった。
しかし、何かが致命的に狂っている。
理想郷のために努力すればするほど、理想郷が遠ざかっている気がする。
第7支援小隊に、それは立派な耳と尻尾を持つヒューフォックスの姉妹がいる。
それはもう抱き枕にすれば安眠間違いなし、というほど立派なキツネッポなのだが。
もしこんなこと本人たちに言えば、返ってくるであろう反応は。
「光栄であります、閣下。
どうぞ思う存分モフりください。」
「経験がないので自信ありませんが…
夜伽をご所望とあらば、妹と共に全力を尽くします。
もしお時間を頂ければ小隊長に教練をお願いできるのですが。」
違う。
断じて違う。
何がって、もう何もかもが。
アラスタは机に突っ伏したまま、うめくようにつぶやいた。
「どうしてこうなったぁ…」
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