メクレロ!

ふしかのとう

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第二章 魔法使い

第16話

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 「学長が魔法使い…でも、何で学校で魔法使いを?まぁ飲んで下さいよ。」

 「うむ…それは仲間を増やしたくってね。」

 「仲間ですか?」

 「ああ、まさに仲間だ。悔しくも魔法使いになってしまった仲間だ。」

 「それはどういう…。」

 「話せば長くなるが、私は魔族からの宣戦布告ということで結成された団体の一員になった。宣戦布告自体、ロクラーン政府の嘘なんだがね。それから私は魔族のところに…。」

 「ちょっと待って下さい。あの、宣戦布告が嘘って?」

 「博士は知らなかったかい?あれは国の財政が厳しくなってきたから税金を上げる為に国がでっち上げたんだ。魔族が攻めてくる、なら軍が必要、軍にはお金がかかる、仕方ないから税金を上げますと言えば国民も納得するだろう。」

 「そんな…でもそれだと魔族側が黙ってないんじゃ?」

 「そうだ。だから我々は派遣されたのだが、実際のところは謝りに行ったんだよ。それが上手くいったから英雄と呼ばれるようになったが、これも国の都合だな。」

 「そんな…。」

 「話を戻すと、私は団体に参加し、魔族のところに交渉に行った。まぁ長旅でね、男女混合の団体だったから恋愛関係になるものも居た。一緒に生活をしていれば実に自然なことだ。だが、私は相手が居なかった。私はね、神父だったんだ。神に仕える身として、女性なんか触れたことが無かった。30歳を手前にしてね。だが、本心では触れたかった。恋愛をしたかった。それなのに…。」

 酒をあおる学長。

 「…ふぅ。それなのに、私は何も出来なかった。そして魔族の偉いのに会い、交渉は上手くいき、国に帰って英雄と呼ばれて金もあるのに女性にモテることなく、私は魔法使いになった。魔法使いの話は魔族のところで交渉のあと、酒宴が開かれた際に魔族側の一人から聞いたんだがね…そして私はその悔しい気持ちを共有したいと思った。それで学校を開いたんだ。君はこの学校の授業が偏ってると思わなかったかい?」

 「社会的心理学ですか?」

 「そうだ。あれは社会的心理学という名が付いているが、中身はその魔族から教わったものを纏めた、女の子の攻略法そのものだ。そして交流会を始めとした様々な女の子と触れ合う機会を作った。これも金の力で近隣の女子校などに働きかけたものだがね。そうやって、生徒が恋愛経験を出来る環境を増やしていったんだ。」

 「え?魔法使いを増やすんだったら、女の子から隔離すれば良かったんじゃないですか?」

 「それでは意味が無いんだよ。周りが上手くいったりするのを見たり、自分がもっとちゃんと行動を起こせば良かったのにと後悔したり…そういう気持ちがあってこその魔法使いだ。だからグレン君みたいなケースは稀、というか私の望んだ形ではない。パトニー君の希望する形にはなったがね。」

 グレンさんは呆れた顔をしている。グレンさんだけじゃなくて学長以外全員だけど。

 「でも、そんな、真面目な生徒の気持ちを踏みにじるような…。」

 「だからこそ、この学校の生徒にも給付金があるんだ。良いかい?この学校の生徒になれば給付金が出る。卒業をすれば講師として給料が出る。それも他の職に比べたら破格だ。誰も損をしていない。むしろ、美味しい思いをしているんだ。この話を知らなかったら幸せに魔法使いになれるんだ。」

 「でも、途中で退学になった人達は…。」

 シンは…。

 「良い相手を見つけ、童貞を捨てた。充分良い思いをしてるじゃないか。魔法使いなんかになるよりもずっと良い。私は魔法使いになんてなりたくなかった。周りの女に見る目が無かったんだと思ったこともあるが、結局は自分のせいだ。己の力不足で魔法使いになってしまった。これが悔しさと呼ばずに何と呼ぼうか。」

 「でも、この国の魔法を無くす必要があったとは思えませんが?」

 「ミコたん…博士。博士は魔法の研究をしている。素晴らしいことだ。だから研究室を用意し、研究をして貰っている。」

 ミコたんってなんだ?
 そう呼ばれると博士は余程気持ち悪いのか、ぶるっと震える。

 「…それは初めてお会いした時にも言って頂きましたし、研究させて頂いてるのもありがたく思ってます。ですが…。」

 「博士はこの国の人達が魔法を使えるように研究をしている。だがね、魔法は本当に必要かね?」

 「えっ?」

 「私はね、魔法なんか必要無いと思ってる。現にこの国は魔法なんか無くったって普通に機能してるじゃないか。教会が無くなった当初こそ、国民は皆戸惑ったが、普通に生活出来てるじゃないか。」

 「でも魔法紙は…。」

 「あれは逃げ道だよ。最低限の魔法を使えるように魔法紙を作りましたよ、という風にしておけば国の宗教弾圧に対する批判も多少は和らげられる。値段をちょっと高く設定しておけば誰も買わない。必要無いんだから。必要な人間は高くても買うがね。だからほとんど治癒しか売れてないんだよ。」

 「でも売れないと商売としては駄目なんじゃないですか?」

 「商売?商売なんかしてないよ。聖水は作れるし、紙もタダみたいなもんだ。そもそも金ならいくらでもある。英雄の資金は全て出資や投資に回したのだが、この国の腐敗具合のお陰で増える一方だ。私は今、呼吸をしてるだけでお金が入る状況だ。魔法紙が売れようが売れまいが、別に構わないんだよ。」

 なんか、単純に学長が悪い話という訳でもないんだけど、なんだろう?聞いてるとなんとなく納得はするんだけど、もやもやするというか…学長は腐ってるっていう訳でもなくて、なんだろう?発酵?違うな。カビてる。そうだ、ふわふわと白いカビが生えてる。脳にカビが生えてるんだ。

 「学長。ほら、もっと飲んで下さい…個人的な話なんですけど、俺はタキ・トルトと言います。今年の入学試験のクラス分けのテストで0点だったんですけど…学長の判断でミック博士の研究室に入ったとのことですがそれはやはり…。」

 「ああ、君があのタキ君だったのか…お察しの通り、ゼロという有り得ない数値だったから、ミック博士と一緒に居たら数値が上がるんじゃないかと思ってね。博士は結婚をしているが、年齢の割にエルフだから若いし、何よりその…まぁ…その、とても可愛いだろう?」

 「はい、世界一可愛いです。」

 「ちょっとタキ君?」

 「博士、邪魔しないで下さい。今真面目な話をしてるんです。」

 「……。」

 「恋愛経験ゼロの人間が、こんなに、その、素敵な博士の近くにいたら、その、好きになるに決まってるだろう、そうすれば少なくともゼロじゃなくなるだろう、そう思っての判断だったが、どうだね?」

 「予想通りでしたね。大好きになりました。」

 学長は悪い人じゃない。きっと学長も博士のことを好きなんだ。博士を好きな人が悪い人な訳が無い。学長に対して親近感を覚える。


 …だが、俺の言葉を聞いて学長が顔を歪ませた。


 「…君はよくもまぁ本人を前にす、好きだ、などと言えるな?」

 
 「…え?」

 「私にはそんなこと、恐れ多くて言えない。恥ずかしいのも勿論ある。だが、気持ち悪いと思われたらどうしよう?もう話し掛けないでと言われたらどうしよう?嫌われたらどうしよう?そんな気持ちは君には無いのか?」

 「いやまぁ、無かったと言えば嘘になりますが…。」

 「私にはとてもそうは思えないけど?」

 「何を言ってるんですか、博士?俺は毎回いつも、怖いですよ?でも…。」

 でも。それでも。

 「俺は博士が好きですから。」

 「う…。」

 「それに、前にも言ったことがあると思うんですが、好きって言うと、なんか幸せな気持ちになるんです。それに、俺がそう言うと照れる博士も滅茶苦茶可愛いし。」

 「タキ君、あなたね…。」

 これだ。赤い顔で睨んでも可愛いだけですよ。



 「素晴らしい!私は君の事をとても素晴らしい、勇気ある男だと思うよ。そして…。」

 学長は更に顔を歪めて。



 「とても憎たらしい。」



 心の底から出るような声だった。



 「私にはその行動力が無かった。だからモテることなく、女性に触れることなく、情けない魔法使いになってしまったんだ。」

 「学長も言えば良いじゃないですか。ほら、博士はこんなに可愛いんですよ?学長も遠慮せず、可愛いって言ってあげましょうよ!」

 「ちょっ、ちょっと!やめなさいよ!」


 「私の前でいちゃいちゃするな!」


 学長がキレた。

 「私はね、英雄の一員になって魔族のところに行くまでの間、今の君達みたいな光景を指くわえて見てたんだ。地獄…そうだ、それはまさに地獄。私には出来ないことを易々とやってのける連中が心底羨ましかった。同性同士で使っていたテントが、気付けばカップルで使って、私は独り…夜は耳を塞いでさっさと寝る以外に無い。想像出来るかね?そんな生活を数ヶ月だ。」

 地獄、そうだそれはまさに地獄かも。

 「そして30歳になって魔法使いになった私は、同じように悔しい思いをした仲間を増やそう。そう思ったんだ。そして今のところ何の問題も無く、仲間は増えていっている。」

 「でも、講師の方々から不満とか出ないんですか?」

 「グレン君みたいに相手が決まっている人には関係の無い話だがね。ある意味で純粋な魔法使いと言える講師にはこの説明をしたら大抵賛同して貰える。例え賛同して貰えずとも…。」

 賛同して貰えなかったら?

 「娼館、それも超一流のところに連れて行くのさ。何度もね。そうすれば彼等は間違いなく従順な魔法使いとして頑張ってくれるのさ。」

 学長の計画には隙が無い。魔法使いになった悔しさからここまでの事が出来るというのは純粋に凄いことだ。

 …超一流の娼館ってどんなのかしら?

 「タキ君だったか?君は先のテストで1点に増えた。これはミック博士の影響があったものだろう。だが所詮は1点。しかも相手は結婚してるときてる。これらが示す事はただひとつ。君は間違いなく、魔法使いになる。どうだね?このまま学校に居れば人生は安泰だ。魔法使いになれた暁には娼館にも連れて行こうじゃないか。あそこは良いぞ?歳取ってようが禿げてようが太ってようが醜かろうが、金さえあればモテるんだぞ?」

 「学長!それは流石に…。」

 「ミコた…博士?君は彼が魔法使いになることを止めることが出来るのかね?出来ないだろう、結婚しているのだから。まさか不倫を?それこそ出来ないだろう。これは彼にとって決して損な話ではない。だから彼の為にも、余計な口出しはしないで貰いたい。」

 「くっ…。」

 博士は悔しそうに俯いてしまった。

 …博士にこんな顔させやがって、このクソジジイ。

 「なんだか魔法使いも悪くない気がしてきたなぁ。」

 「え?タキ君…。」

 「ふはは、そうだろう?わかってくれたか。」

 「あはは、わかってないのは学長ですよ。」

 「…なに?」

 「だって俺にとっては損も損、大損ですよ。」

 「ど、どういうことだ?金も女も…。」

 「いりませんよ、そんなの。俺は博士に会った時から決めてるんです。毎日のように好きって言おうって。そして旦那さんよりも、誰よりも多く、博士に好きって言ってやるって。でも、学長の言う通りにこのまま魔法使いになって娼館に連れてって貰ったら、博士に好きなんて言えなくなる。好きな人に好きって言えないのは、人生の損です。」

 「好きと言うくらい、魔法使いでも出来るじゃないか。」

 「出来ないから魔法使いになったんじゃないですか?」

 「…なんだと?」

 「いや、さっき学長が自分で言ってたじゃないですか。その行動力が無かったから魔法使いになったって。だから思うんですよ。もしかして本当は、本当に損をしてるのは…。」

 「……やめろ。」

 「好きな人に好きって言えない…。」

 「やめろ!」

 「損をしているのは…。」

 「やめろ!やめろ!」

 「……さっ、博士、帰りましょう。」

 「え?でも…。」

 「あら?あらあらあら?わたしわかっちゃった!博士?タキ君は大損ぶっこいてるのは学長だけじゃないって言いたいんじゃないかしら?」

 「え?」

 聞いてたのか。学長が来てからアリスさんとグレンさんはこっそり離れて飲んでたから、静かで良いと思ってたのに…。

 しかもバラそうとしてるし。

 「いやーんもう!博士よ博士!これはね、博士は結婚をしているから俺に好きと言う訳にはいかない、だけど本当は好きって言って欲しい、でもそんなこと言えないってことなのよ…嗚呼、恋に悩む青年は時に勇敢であり又時に臆病な生き物だわ!」

 大体合ってるけど惜しい!

 「さぁ博士!貴女の離婚問題はパトニー家で引き受けるから、思う存分にタキ君に好きと言って良いわ!恋の伝道師アリス・パトニーが許します!どうぞ!」

 恋の伝道師、早速出番。

 「許すも何も、す、好きなんて言わないわよ!」

 「あら?なんで?」

 「エ、エルフの女の子は自分から好きなんて言わないものなのよ。」

 「なるほど!タキ君が言ってたのは、それで博士は…いえ、恋する全てのエルフの女の子は損をしてるって事なのね!?」

 違います。

 「さて、タキ君。君はどうする?」

 唐突過ぎ。そして冷静過ぎ。

 「辞めますよ。学長は気持ち悪いし、博士の研究室作らなきゃいけないし、学長は気持ち悪いし。」

 「そうか、では博士はどうする?」

 「辞めるわ。学長は気持ち悪いし、学長は気持ち悪いし、学長は気持ち悪いし。」

 「なに?ミコたんが辞めるだと!?駄目だ!」

 学長復活!

 「学長?さっきからミコたんミコたんって、なんですそれ?」

 「ミコたんは、我々純粋な魔法使いの…アイドルだ。」

 「アイドル?」

 「私が初めて博士に会ったのは、英雄として魔法を守る会の特別ゲストで呼ばれた時だった。博士は私に魔法研究の夢を語り、私も手助けが出来ればと研究室と資金を提供することにした。」

 ここだけ聞くとただの良い人なんだが。

 「博士は我々のような純粋な魔法使いに対しても普通に笑顔で挨拶をしてくれたし、話し掛ければ気さくに応じてくれた。想像出来るかね?女性とまともな恋愛をする事が出来なかった我々に笑顔でなんて!」

 解らないでもない不思議。

 「だが博士は結婚している。実はこれが我々にとって非常に都合が良かった。手を伸ばす勇気の出ない我々にとって、どうせ手が届かないんだという言い訳が出来るんだ。そうだろう?」

 そうだろう?と言われましても。

 「だから我々は崇拝するような気持ちで彼女をミコたんと呼ぶことにしたのだ。実際、ミコたんは崇拝されるだけの容姿も備えていて、それもエルフだから我々が死ぬまで、いや死んだ後もその姿を保つことが出来るというのも素晴らしい。金髪で、青目で、可愛くて、ちっぱい、それが永遠にぐぼはぁっ!」

 「さっ、タキ君。帰りましょ?ごめんねグレン君、後片付けよろしくね。」

 ぐーで殴ったぞ?やっぱ胸のこと気にしてるんだ…。

 「ああ。パトニー家は片付けが得意なんだ。」

 言い方が怖いよグレンさん。

 「博士の離婚問題も片付けとくわね!」

 「良いから!大丈夫だから!違うから!」

 「え?でも、力を合わせて悪を倒した後、愛し合う2人はキスをするのよ?万が一そのキスで赤ちゃんが出来ちゃったら困るでしょ?離婚はお早目に!」

 「……。」

 流石に博士が絶句してる。

 アリスさんの世界だとキスしたら赤ちゃん出来るんか…。





 とにかくもう学校には帰りたくないが、さっさと家に帰りたい。




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