33 / 118
第三章 血
第2話
しおりを挟む振り返るとマキちゃんが立っていた。
「とても美味しいです…部屋のこと、マキちゃんだろ?」
「部屋のこと?ああミコちゃんの予約だからてっきり旦那さんかと思ってダブルにしちゃったてへ。」
取って付けたような、てへ。
「白々しいわね。全く、何考えてるのよ…。」
「ごめんなさいミコちゃんも流石にタッ君と一緒はイヤでしょでも残念ね今日はもう他の部屋が埋まっちゃっててだから仕方ないミコちゃんはそのままでタッ君は私の部屋にってもどうせタッ君嫌がるだろうからそうだ私の隣に使ってない部屋があるから今晩はそこ使って?」
一切淀みなく、予想通りかそれ以上の事を言ってくるマキちゃんは、ある意味凄い。でも…。
「あら、私なら別にこのままタキ君と一緒で大丈夫よ?」
「そうでしょ、やっぱり一緒よね…はぁっ!?何言ってるのよミコちゃん!?」
「さっきタキ君と話し合って、このまま泊まらせて貰いましょうってなったの…残念ね、わざわざ準備して貰ったみたいだけど?」
「くっ…でもそんなことは想定済み。ミコちゃん結婚してるんでしょ?それなのに旦那さん以外の男の子とお泊まりだなんて、ねぇ?私が許してもウチのおかみさんがなんて言うか…。」
「あぁ、言うのが遅くなってごめんなさい。私結婚してるって言ってたけど、あれ嘘なの。嘘吐いててごめんなさい。私、独身なの。だから問題無いわね。」
「はぁっ!?嘘って、いやいや、ちょっとタッ君!?話が違うわよ!?」
「いやいや、話って言っても…。」
ーーマキ!あっちで注文呼んでるよ!どうもすみませんねぇ騒がしくて、おや?タキ君じゃないかい?久しぶりだねぇ、っとこちらは、ん?あなたこの店に来たこと…あーっ、あの、ほら、あの、ほれ、えっと、ほらほら、そうそう!ミコちゃんか、ごめんねぇ名前が出なくて、ほんと久しぶりじゃない!変わらないねぇ!相変わらず細くて可愛くて!羨ましいわぁ、私なんか横に広がるばっかりで、そういえば宿帳にミコーディアってあったから見覚えあるような無いような気がしてたのよ!それにしてもタキ君とミコちゃん、恋人だったんだね!あはは隠さなくて良いよ!2人の顔見ればあたしにはわかるんだから!この店に来てたお客さんが恋人になってまた来てくれるなんてあたしゃホンット嬉しいよ!ま、ゆっくりしてってね、それじゃ、ミコちゃん?頑張るんだよ…。
「頑張るのは博士の方でしたか。」
「ち、違います!…もう!おかみさんったら、もう!」
応援された博士は赤い顔してジト目になってる。
「でも覚えてらっしゃいましたね、博士のことも、俺のことも…。」
「うん…私は嬉しいけど…。」
「まぁ良いじゃないですか。喜んで貰えたんだし…それにしても恋人ですって。お似合いに見えるんでしょうかね?」
「…黙秘します。」
「もう諦めて俺と付き合ってみませんか?」
「…お断りします。大体あなた、マキちゃんはともかくブルゼットちゃんはどうしたのよ?あの子、振られたけど諦めないって言ってたけど…ちゃんとこっちに来る話してきたんでしょうね?」
「あー…あの子と話す事はもう無いですかね。」
「え?それってどういう…。」
「おーい、おふたりさんいらっしゃい!久しぶり、でもないか。やっと今日の地獄のロースト係が終わったわ。オーブンの前で俺までローストになるかと思ったわ。」
「お疲れさん、もう仕事は良いの?」
「うん。ばあちゃんが今日はもう良いって。タキ泊まるんだろ?部屋どこ?着替えたら行くから飲もうぜ。」
「あ、いや、博士と一緒なもんで。」
「え?なんで?博士ついに…。」
「ち、違います!シン君ちょっと…。」
「はい?」
博士がシンに内緒話をしてる。
約束の話かな?先を越された。まぁ良いけど。
「…ふぅん。やったなタキ!」
「やったな、じゃないでしょ!?」
「やったぜ!」
「何なのよ!?もう!」
「まぁまぁ。博士は何飲みます?今日はここで飲みましょ。今日は俺の奢りです。」
「酔わないやつで。なんなら水でも。」
「酔ったら自分が何するか自信が無いと?」
「…オススメで。」
「了解!タキも適当で良いだろ?取ってくるわ。」
「すまんね。」
…さて。
「博士?そろそろシンとの約束の話なんぞ教えてくだ…。」
「無理。それにその前に、ブルゼットちゃんの話よ。なんかあったの?」
「無理って…まぁ良いけど。なんかあったのって、手紙貰って、俺を諦めたって書いてありましたよ。」
「そうなの?私聞いてないけど?」
「まぁ博士に言う程の事でも無いかなって。」
「それはそうだけど…手紙貰ったの、いつ?」
「交流会の日の夜ですけど…。」
「え?あの日?そんな筈は無いと思うけど…。」
「おまっとさん。どうしたの?深刻な話?」
「ううん、ちょっとね…シン君はブルゼットちゃんがタキ君を諦めたって話、知ってるの?」
「ええ、タキと一緒にカンジから聞いたんで。まぁとりあえず乾杯しましょうや。かんぱーい。」
「かんぱーい。」
「かんぱーい…ふぅん。でも私と話してた時にはそんなこと言ってなかったけどなぁ。手紙に理由とか書いてあった?まぁでもやっぱり私…よね?」
「うん、まぁそうですけど…。」
「博士!その話はあとでゆっくりふたりきりでして下さいな。多分俺が聞いちゃダメなやつだよ。そんで、博士は聞いといた方が良いかもね。」
「…そうね。それじゃあとで。」
「えー、この話はもう良いでしょ。そういう時に他の女の子の話するのは駄目って聞いたことがある。」
「おお、ついにタキもベッドのマナーが解ってきたようだな。」
「そ、そういう時なんかありません!もう、2人してなんなの!」
「はいはーい、私も混ぜて混ぜて!…よいしょっと、かんぱーい!くぁー仕事の後は最高ね!」
「ほいかんぱい。マキちゃんももう仕事は良いの?リズィちゃんだけ?」
「リズももう来るわ。おばあちゃんが偶には良いよって。まぁもう常連さんの時間だし。」
「こんばんは。ミック博士初めまして、リズィです。」
「リズちゃん初めまして。シン君の彼女さんでしょ?ミコで良いわよ、もう学校辞めたから博士じゃないし。」
「えっ!?博士学校辞めたんですか!?」
「実は俺も辞めてきた。」
「はぁ!?何言ってるのかさっぱりなんですけど!?」
俺達が学校辞めた話を聞いてシンが驚いてる。内緒にしてた訳じゃないけど、ちょっと面白い。
「俺と博士は手を取り合って学校を辞めてきたんだ。」
「手は取り合ってないけど、まぁそうね。」
「なんで?いやちょっと頭が混乱して良くわからないんだけど…君達結婚するの?」
「違います!なんでそうなるのよ!?」
「いや、とりあえず博士の家族に挨拶に行こうって話になってさ。」
「行くけど、そうじゃないでしょ!」
「ふぅん、俺の場合は元々リズの親達に可愛がって貰ってるから楽だけど、お前の場合大変だな。初対面だし、記憶無いし。」
「その、タキ君の記憶が消えちゃう魔法について、私のおばあちゃんに聞きに行くの。」
「やっぱり第一印象って大事だよな。何かお土産持ってこうと思ってるんだけど何が良いかな?」
「タキさんタキさん。それなら私、美味しいケーキ屋さん知ってます。色んな小さいケーキ入った箱なら人数解らなくても大丈夫かと。ミコさんのお母様も喜びますよ。」
「そっちは何話してるの!?そういうんじゃないってば!」
「でも博士?俺は教えて貰う側ですからやっぱり何か必要ですよ。ご家族はケーキ嫌いですか?」
「いや、まぁ大好きだけど、良いから!絶対変な風になるから!」
「まぁまぁ博士、落ち着いて。タキは博士の実家に挨拶する為に辞めた訳じゃないよな?前に休みに行くって言ってたし。なんで辞めたの?」
「話せば長くなるんだが、博士に聞いた方が良い。」
「なんで私が…。」
「博士はいちばん、大人、ですからね。いちばん若いのは、リズィちゃん、ですよ。さ、どうぞ。」
「おとな…リズちゃん…いやいやいや無理無理私無理!無理だから!」
「…と、まぁこんな感じです。」
「おいタキ、ちゃんと説明しろよ。」
「シン、ちょっと来い。」
「何だよ、ここで良いじゃんか…で?」
少し離れた場所で、小さい声で話す。
「驚くなよ?あの学校は30歳まで童貞の人間しか居ない。学長がそういう学校を作ったんだ。」
「なんだそれ?魔法使いじゃないの?」
「その、30歳まで童貞だと魔法使いって呼ばれるそうだ。学長が魔法使いを増やしたいっていう話でな。」
「なんだそりゃ?気持ち悪い…じゃあ俺がクビなのは俺がリズと、ってことか。」
「そうだ。それで色々あったんだけど、なんせ学長が気持ち悪いから辞めた。」
「お前、その話を博士にさせようとしたんか…。」
「こんな話リズィちゃんの前で出来るかよ。それに、マキちゃんもおかみさんも居るんだぞ。」
「タキさん、流石の配慮です。リズには俺から言っておく。」
「任せた……ほいただいまっと。」
「タッ君?何なの?全然解らないんだけど。」
「いや、俺は魔法使いになりたくないって話だよ。」
「ふぅん。良く解らないけど…ん?てことは今無職なの?」
「まぁ、そうなるね。」
「じゃあさ、私が飼ったげる!」
「姉ちゃん、何言ってんの?馬鹿なの?」
「えぇ~、お願い!良いでしょ?ちゃんとお世話するから!」
「駄目です。ちゃんと博士に返してきなさい。」
「なんで私なのよ!?」
「ほら!ミコちゃんはタッ君いらないって!」
「そんなこと言ってないでしょうが!」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
「あ、いや、今のは違くて、その…。」
「タキは明日からどうするの?」
「こっちに住むつもり。明日引越しの荷物が届く筈だからとりあえずどこか置ける場所を探して、それから家探そうかと。」
「違うの、聞いて?今のは違うのよ?」
「そしたらタッ君、うちの使ってない部屋に荷物入れとけば?あと、私の知ってる不動産屋さん教えたげるからそこ行けば?」
「マキちゃん…本当にありがとう。助かるよ。」
「あの、私は別に、タキ君のこと飼いたいなんて思ってないからね?」
「私もシン君のこと、ちょっぴり飼ってみたいなぁ…なんて。」
「おいリズ、なんてこと言うんだ…まぁリズになら…。」
「リズちゃん?私タキ君飼ってないからね?」
「あーあ、私も、私のこと好き好き言って懐いてくれる可愛い年下の男の子飼いたいなぁ。」
「そ、そんなんじゃないから!ね?マキちゃん、マキちゃんてば!」
「…ミコちゃん?」
「解ってくれた?」
「ミコちゃんのおばあちゃんにタッ君の魔法のこと聞きに行くのよね?解りそうなの?」
「私の弁解は聞いて貰えないのね…なんとなくこれかな?っていうのはあるみたいなんだけど確証は無いみたい。」
「これかな?心当たりはあるんだ!それじゃもしかして!」
「でも、なんかあんまり良くないことかもしれないって…。」
「良くないこと?」
「うん。だから私が勝手に調べたら駄目だから詳しくは言わないって。」
「…そっか。あのさ…。」
「うん?」
「もし、それでタッ君の魔法のことが解ってさ。」
「うん…。」
「タッ君の記憶が戻せるってなってさ。」
「…うん。」
「それで、魔法を使う前のタッ君に戻せるってなったらさ。」
「……。」
「マキちゃん…。」
マキちゃんの言いたいことはなんとなく解る。俺の記憶が戻せるなら、俺がマキちゃんと恋人になる直前まで戻すことが出来るなら、戻して欲しいってことだろう。でも…。
「俺は戻すつもりは無いよ?マキちゃんには悪いけど、こういうのははっきり言わないと…。」
「タッ君がそう言うのくらい解ってるわよ。でも…。」
マキちゃんはそう言いながら博士を見る。
「ミコちゃんはどうなのかな?って話よ。」
「え?博士?」
「そ。タッ君を戻せる魔法とか薬があるなら、ミコちゃんはタッ君の意思に関係無く、タッ君を戻してくれるのかな?って。」
「で、でもタキ君は戻さないって…。」
「ミコちゃん?タッ君は記憶が戻ったら、戻したくなかったのに!なんて言うかしら?」
「それは…。」
「記憶が消えちゃう前のタッ君は、記憶を消したかったのかしら?」
「そんなこと、無いと思う…けど…。」
「だから、もしタッ君の記憶が戻せるなら、タッ君がなんと言おうと、戻して欲しいっていう私からのお願い。自分勝手だけどね。」
自分勝手。マキちゃんはそう言うけど、俺はそうは思わない。マキちゃんだって、俺が魔法を使って記憶を無くしちゃったせいで、辛い思いをしたんだ。それを戻せって言うマキちゃんのことを自分勝手なんて、俺は言えない。マキちゃんは素直に、正直に、自分の気持ちを本気で言ってるだけだ。そう、これは本気だ…。
「ミコちゃん?どうかな?」
「…私は…。」
マキちゃんの気持ち。
それに対する博士の気持ち。
聞きたいような聞きたくないような。
「悪いけど断るわ。」
え?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる