メクレロ!

ふしかのとう

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第六章 ルタド

第7話

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 王様の前に居る。俺が魔族であることは、なんとかしてくれるという。その代わり…。

 「魔族との友好を結びたい。その橋渡しになって欲しいんじゃが?」

 「えっと、すみません。ちょっとよく解らなくて…。」

 「そのままじゃよ。フリジールは魔族と仲良くしたいと、魔族側に伝えて欲しいんじゃ。」

 「仲良くしたい…ですか?」

 「ああ。わしは魔族について知ってる事は、恐ろしい存在だという、伝え聞いたものしか無い。じゃが、トルト君を見ると、どうやらそれは違うらしい。君の管理人の人のことも、悪い人とは思わなかった。確かに、わしは生まれてから1度も魔族が悪さをしたという事を聞いたことが無い。それなら、同じひとつの島に住む種族として、仲良くしたいと思うのは当然のことじゃ。」

 確かにこの国はロクラーンと違って様々な人種が普通に居る。フリジールは保守的という印象があるがそれは守るべきは守るというだけで、良いものは積極的に迎え入れていこうという風潮もちゃんとあるのだ。これは、目の前の王様のお陰なのかも知れないけど…。


 ーー失礼致します。お茶を持って参りました……。


 「ああ…うん?ああ、ありがとう…。」

 王様がお茶を持って来た人を見て妙な顔をした。

 …メイド長さんだ。

 メイド長さんは、王の間の壁際のテーブルの上にお茶を乗せたトレイを置いてそそくさと出て行った。


 「…それで?なんじゃったかな?」

 「魔族との友好の話です。」

 「ああ、そうじゃ。魔族と友好を結びたい、というのは勿論別の意味も含んでおる。我が国が魔族と友好を結べば、隣国ロクラーンも攻めてくることはあるまい。」

 「ロクラーンが戦争を?」

 「今すぐどうこうという話では無い。じゃが、今のロクラーンは腐敗が酷く、いずれ崩壊するかもしれん。その時に妙な争いに巻き込まれたくないんじゃ。」

 「ロクラーンが崩壊…。」

 「ブル?大丈夫よ?今すぐって話じゃないし、崩壊するって決まった訳じゃないわ?」

 「ブルゼット君…じゃったか?君はロクラーンの人間かね?」

 「は、はい。」

 「そうか。それは不安にさせてしまったな。まぁ、わしの言う事は気にするな。万が一そういうことになったら、そういうこともあるかも知れんというだけで、1人の心配性のじじいの戯れ言じゃ。大丈夫じゃよ。」

 王様はブルゼットに優しく言い聞かせる。

 国の将来の為には厳しい判断をする王様にも、こんな一面もあるんだな。この国の人達が…。


 ーー失礼致します、お菓子を持って参りました……。


 メイド長さんだ。


 「あ、うん。ありがとう…。」

 メイド長さんはお茶のトレイの横にお菓子を乗せたトレイを置いてそそくさと出て行った。

 …これ、王様に対する催促じゃね?


 「それじゃ、まだ大丈夫なんですね?」

 ブルゼットが安心したように聞く。

 「ん?えっと?」

 「王様。ロクラーン情勢の話ですよ?」

 「ああ、うん。そうじゃな。安心しなさい。えっと、それで?どこまで話したかな?」

 …。

 ミコを見てみると、俺から言う様に目配せをしてきた。

 俺かよ…。

 「あの、王様?話は変わりますが、少々聞きたいことがあるんですけど…。」

 「なんじゃ?」

 「お昼の薬は如何でしたか?」

 「うむ。アレも、偶にはこういう趣向も良いですねと、とっても満足してくれた。そうそう、ミコーディア君と話せるのが楽しみだと言っておったから、近々遊びに行ってやってくれい。ブルゼット君も良かったら是非、王妃の暇潰しに付き合ってやってくれい。」

 「は、はい。あの、喜んでお伺いさせて頂きます。」

 「ほ、本当に王妃様…わ、私で宜しければ喜んで…。」

 「それで、あの…今晩メイド長さんが伺うと言っていたのは?」

 「実は、通報があった夕方のちょっと前に、メイド長が待ち切れずに来たんじゃ。ただ、薬の効果が切れかけてたから、また飲ませたんじゃ。」

 おうふ。

 「それでわしも、王妃との一戦の後じゃったが、相手が変わるとまたちょっと面白くての。つんつんして遊んでたんじゃが…。」

 通報が入ったから止めたのか…。

 そりゃメイド長さんも催促に来るわな。

 「わしも昂ってきての。そこで、再びトルト君の薬を飲んで、すわ!というところで通報が入っての。大臣達と緊急会議じゃ。そして、君を呼び、今に至る。」

 すわ。

 つまり?

 「まさか、御子息は?」

 「ずっと臨戦態勢じゃ。」

 会議中も、俺達が来てからも、ブルゼットに優しく言い聞かせてた間も、そして今も分厚いローブの下ではずっと…。

 「あの、僕がこんなことを言うのもどうかと思うんですけど、早く行った方が良いんじゃないですか?」

 「…そうかの?」

 「いや、そうでしょう。メイド長さんもきっと待ってますよ?」

 「しかし、まだ話が…。」

 「大丈夫です、俺は魔族で、悪い事しなくて、魔族とフリジールの友好関係の橋渡しをすれば良いんですよね?」

 「それとミ…。」

 「ミコはブルゼット連れて王妃様のところに遊びに行きます。他に何かあります?」

 「…あいつはメイドの頃から、焦らすと可愛くてのぅ。」

 知るか。

 「それは部屋でメイド長さんと話し合って下さい。それじゃ僕達はこれで…。」

 「まぁ待て。折角あいつがお茶とお菓子を持ってきてくれたんだから、それを食べてからでも遅くは無い。じゃろ?」

 じゃろ?じゃねぇ。

 なんなのこの人。怒られるの好きなの?

 「ほら、ミコーディア君もブルゼット君も遠慮無く食ってくれい。」

 「は、はあ…頂きますけど…。」


 ーー失礼致します。お水を持って参りました、あっ、手が!あらあら王様、これはこれは大変失礼致しました、風邪をひいては良くないので、は、や、く、お部屋でお着替えになった方が宜しいかと、では失礼します、あ、そうそう、もう少しお待ち下さればお客様には当城名物の揚げ物を目の前で料理したいと存じます、では……。


 「びしょ濡れじゃ。」

 「王様があんまり待たせるからですよ?」

 「しかし、次は城の名物だって…そんなもの聞いたこと無いが。」

 「王様の唐揚げですよ。次はぐらぐら煮立った油かけられちゃいますよ?」

 「…仕方ない。行くか…しかし、そういえばまだ言って無いことが…。」

 「何です?急いだ方が良いですよ?」

 「まだ大丈夫じゃ。」

 なんなのその自信。

 「トルト君。君が魔族であるという件についてはわしがなんとかする。だが、国民はまだ魔族について怯えている筈じゃ。」

 「…はい。」

 「よって、しばらくはなるべく出歩かないで貰いたい。こちらもなるべく早くなんとかするから。」

 「わかりました。あ、ついでと言ってはなんですが…。」

 「なんじゃ?」

 「今、迎えに来てくれた衛兵さんを1人、自宅前で警護して貰ってます。その方を朝までお借り出来ないでしょうか?」

 「良かろう。指示書を書くので、それを門兵に渡すが良い。何名か、夜番のものをちゃんと配備する。朝までで良いのか?」

 「はい、とりあえずは朝までで。ありがとうございます。また何かあったらご相談させて下さい。」

 「すぐに言うが良い。こちらとしては、トルト君を丁重に扱うつもりであるからな…。」



 ・・・。



 あれから、王様にささっと指示書を書いて貰い、ささっとお礼を言って、ささっと出てきた。唐揚げになったかどうかは知らない。俺達は門兵さんに指示書を渡すと、準備するから交代まで待つように衛兵さんに伝えて欲しいと言われた。

 家の前で衛兵さんにそう伝え、家に入ってからお茶を水筒に入れて渡すと、偶にはこういう仕事も悪くないですねと言っていた。平和だから普段暇なのかも知れない。


 …で、やっと落ち着いてソファに座れた。

 ブルゼットはお風呂に入ってる。何かあると危ないから一緒に入ってあげようとしたら、ぴしゃりと断られた。

 「とりあえずは何とかなったね。」

 「そうね。本当、とりあえずだけど。」

 「とりあえず…明日から俺は自宅待機だけど、ミコ達はどうする?」

 「え?ブルもお休みだし、私も休んで3人で居ようかと思ってたけど?」

 「でも、城に居た方が安全じゃない?もしくはオズの家か。」

 「駄目よ。タキ君1人になっちゃうじゃない。もしルタが長耳会の人達に依頼して襲ってくるなんてことがあったら…。」

 「でも、俺魔族だよ?そう簡単に殺されるとは思えないし、昼間堂々と来るとは思えないじゃない?とりあえず明日の夜まで我慢して、おかみさんとシンが無事なら、また考えれば良いかなって。」

 「でも…。」

 「オズの家に居れば、おかみさん達に何かあってもすぐ対応出来るでしょ?城に居れば絶対安全だし、メラマさんも居るから相談も出来る。何も無いのが一番だけど、何か有った時に何も出来ないのは困るでしょ?」

 「…わかった。お昼前は迷惑になるから、お昼過ぎにブルとオズの家に行くわ。何かあったらすぐ手紙飛ばすから、タキ君も絶対に手紙飛ばして。」

 「ああ、それで決まりだね。それじゃ、俺達も風呂に入って寝よう。」

 「ええ…えぇっ!?いやいや、何言ってるのよ!?別々!別々に入ります!」

 「でも…。」

 「でもじゃない!どさくさになんてことしようとしてるのよ!」

 「いや別にどさ…。」

 「言いくるめようったって今度ばかりは絶対引かないから!良い?恥ずかしいものは恥ずかしいの!ブルだって駄目だって言ってたでしょ?自分でスカートを捲って見せる、あのブルでさえ恥ずかしいと思うの!」

 「あの、ミコさん…。」

 「あんなえっちな…ブル!?」

 えっちなブルゼットがお風呂から出てきた。

 「もう!折角タキさんも忘れかけてたと思ってたのに!」

 忘れはしないけど。

 「ご、ごめんね?で、でもほら、下着の方は無事でしょ?」

 「……。」

 「……。」

 「……えぇっ!?見られちゃったの!?」

 「見たというか見せられたと言うか…。」

 「た、タキさん!?」

 「いいいいつの間に!?」

 「ほら、俺がマキちゃんに殴られて倒れちゃった時。」

 「ああ、あの時…いや、え?待って?あの時ブル、あれ履いてたの?」

 「え、あ、いや、その、まぁ…。」

 あの時とは、マキちゃんとオイちゃんが泊まりに来た時、そして皆で寝た振りをして俺のいたずらを待っていた時だ。

 「ブル?あなた、確かあの時、寝る前は普通の下着だったわ。そして、あなたこう言ったわよね?私は1度でもうお腹いっぱい。」

 ミコの低い声が響く。あの時自分に来なかったのがそんなに悔しかったのか。

 「それなのに結果、ブルは2回目も獲得。その時の下着は紐…まさかあなた、毛布を捲られた時にあの紐を見せるような不正を…。」

 「し、してません。不正なんか、誓って!その、下着は確かに履き替えましたけど、毛布を捲られた時はちゃんとショーパン履いてました!ね?タキさん?」

 「……。」

 「た、タキさん!?ちょっ、黙ってたら私がえっちになっちゃう!」

 私がえっちになっちゃう。

 その言い回しが既にえっちだ。

 「本当にえっちなのは誰なのかはっきりしたようね。良い?これはね?決して、2回もして貰って羨ましいとか、結局どんな感じなのか気になって夜も眠れないとか、そういう感情から言う訳じゃないの。私は、皆の将来を心配してるのよ?」

 素直なミコ。そして変な心配をするミコ。

 「しょ、将来?」

 「ええ、将来。このままでは将来あなたが大人になった時、今ですらそんなにえっちなのに、その時はきっと、想像を絶するえっちになってる。そして、そのあなたはきっと、タキ君と想像を絶するえっちなことをするの。」

 想像を絶するえっち。

 「そして、想像を絶するえっちを経験したタキ君は、私やマキやオリアとの普通のえっちに満足出来ずに、私達にまで想像を絶するえっちなことをしてくるの。そう、それはまるで…もうローストには例えられないわ。」

 ローストでも無理だったか。

 「とにかく、私が言いたいのは、ブルは気を付けてってこと。ただでさえこの家には危ない…。」

 「危ない?」

 「あ、危ないタキ君が居るんだから。ね?」

 薬のことをミコはぎりぎりで言わなかった。言えばブルゼットは間違い無く興味津々になって、飲みたい訳じゃないけど飲みますとかよく分からんこと言い出すに違いない。

 …。

 …それが何か問題でも?


 「あははミコったらなんだい、危ないタキ君て。危ないタキ君ですって?何が危ないんだか?」

 「……まずったわね…。」

 どうやらミコは俺がブルゼットに飲ませるつもりであることに気付いたらしい。状況が確実に俺の方に向いていることにも。

 ミコがえっちの話をして程々に温められている今のえっちなブルゼットの頭に、えっちな薬の話をすれば食い付きの良いのは明白。すると、えっちなブルゼットはおねだり上手な妹へと変身し、俺だけで無くミコをも簡単に口説き落とすに違いない。

 …そして、更には。

 ブルゼットはお風呂に入ったところだが、俺とミコはまだ入っていない。ミコは、俺とブルゼットが2人になった時を警戒して中々お風呂に入ろうとしないだろう。そこを一気に叩く。

 ミコの選択肢は2つ。俺とブルゼットを残して風呂に入るか、俺と一緒に風呂に入るか。どちらに転んでも、俺の夜のお供としてしばらく活躍してくれるに違いない。



 …。


 ……。


 ミコとえっちすりゃ良いじゃん。



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