117 / 118
メクレロ!サイドストーリー
テンセイちゃん 第2話
しおりを挟む滝川珠希17歳、転生しました多分。
多分っていうのは、夢を見てるだけっていう可能性は捨て切れないってこと。夢であって欲しいという希望も、若干。
…さて。
金髪ツインテのエルフの子は私の両隣に座る2人にお説教をしているみたい。みたい、っていうのは、相変わらずこの世界の言葉はさっぱり解らないから、雰囲気で察するしかない。2人はお説教されるような自覚があるのか、大人しく聞いている。
これは2人が問題なのか、私が問題なのか…はっ!?まさか、イケメンエルフの本当の恋人はこの子で、私を浮気相手と間違えて、みたいな?
でもそうなると鬼の女の人が怒られてるのも変だし…実はこのツインテの子はイケメンの子供とか?それならまぁ、辻褄合わせは出来ないことも無さそう。イケメンはツインテの子の父親で、鬼はイケメンの愛人とか?
何やってるのよお父さん!もう、お母さんに言うからね!
そう思って見てみると、なんとなくそんな感じがしてくる不思議。でも、ツインテの子が怒り始めたのは、この子が私を見てからなのよね…。
お父さん誰この子?ふぅん知り合いの子供?よろしくね握手しましょ…ん?もしかしてこの子、お父さんの隠し子でしょ?危うく騙されそうになったけど、良く見たら…何やってるのよお父さん!そっちのあなたも!もう、お母さんに言うからね!
これならまぁ、私に罪は無いわね。いや、元々そんなの無いんだけど。てか、隠し子じゃないし。
…などと妄想するしか無い私と修羅場ってるような3人の元へ、奥で誰かに電話を掛けていた、ツインテの双子っぽいショートのエルフの子が戻ってきた。
その子が3人に向かって話し始めたんだけどそれはもう、修羅場の続きにしか思えない。
今、お母さんと話してきました。離婚だそうです。慰謝料等は弁護士を通じて話し合うそうです。場合によっては裁判も辞さない構えだそうです。隠し子を転生者だとか誤魔化そうとしても無駄です。
…やっぱりまたテンセイって言ったわね。私の転生のことだと思うんだけど…。
な、なにぃ!?母さんは許してくれなさそうなのか?無理です、お母さんも私達ももう我慢の限界なの。あの、奥様は私には?あなたにもその内こちらの用意する弁護士が行くと思いますので、その人から話を聞いて下さい。これからは堂々とお付き合い出来て良かったですね。え?うふふ良かった、これからは堂々とお付き合い出来るわ。うふふ、ね?
これはちょっとおかしい…。
待ってくれ。この子は本当に転生してきた子だ。お父さん?誤魔化そうったって無駄。お母さんはちょっと前からお父さんを疑ってて探偵を雇って調べてたの。ホテルから2人で出てきたっていう証拠もある。そ、そんな…。諦めて慰謝料払って。それで、この人と隠し子と3人で仲良く暮らせば良いわ。はは、はははそうだな、うんそうするよ。何がおかしいの?うぐっ…。
…なんとなく波長が合ってきた気がする。
お父さん、今まで育ててくれてありがとう。こんなことになるなんて思ってなかったけどね。でも、もうおしまい。もう顔も見たくない。だから、2人ともさっさと出てって?お代は私が払っておくから。お、なんか悪いね。ごちそうさま。それじゃ私達はもう行くわね、さようなら。
…あれ?なんで私が置いてかれちゃうの?お父さん?お母さん?いや、違うんだけど。
イケメンエルフと鬼の女の人が立ち上がって帰ろうとするから私も慌てて立って一緒に行こうとすると、軽く肩を叩かれた。振り向くとツインテの子が優しい笑顔で首を振った。
あなたは捨てられちゃったの。でも大丈夫。
…いやいや、大丈夫な訳ないでしょ。
良く分からないけど、助けてって思ってお店を出ようとする2人を見ると、笑顔で手を振られた。違う、そうじゃないと手を伸ばすと、ツインテの子が私の前に立って両手で止める仕草をした。そして、笑顔で頷いた。
私を見る綺麗な青い目はなんだか、私を信じてって言ってる気がした。
…これは大人しく従っておこうかな?
それからショートの子がカウンターの向こうの一つ目のおじさんに何か言うと、私の顔を見て笑顔を浮かべ、奥の席へと手で促した。個室に移動とかかな?
…おお…。
畳だ…。
促されるままに進んでいくと案の定個室で、畳の部屋だった。座卓、座布団、床の間、活け花…現実の私の家よりも和風だ。言ったら悪いけど、エルフの子達の違和感の方が凄い。
とりあえず4つある席の、部屋の入り口に一番近いところに座ると、向かいにショートの子、斜め向かいにツインテの子が座った。
…それにしても。
改めて並んでるのを見ると本当にそっくり。髪型と耳の長さが違うだけで、目の色とか顔の造りは殆ど一緒。そして、2人とも可愛い。何か2人で話してて、相変わらず何言ってるかわからないけど。
…そういえば。
エルフって長生きなのよね、確か。この子達は私より小さいから若く見えるけど、実は200歳ですとかあり得るのか。そうなると年上も良いとこ。先輩も先輩、超先輩だ。
そんな下らない事を考えていると、一つ目のおじさんがお茶を持ってきてくれた。それぞれ3人の前にお茶碗が置かれると、ショートの子が飲むように勧めてくれた。
…うん、普通のお茶だ。
私がお茶碗を置くと、ショートの子が軽く頷いて笑顔で自分の口を指差して、次に私の口を指差してから口を開いた。
「タキタニ…タキガタタスキ。」
え?いや、違います。
「タキガワ、タマキ。」
私が私の顔を指差してちゃんとした名前を名乗ると、ショートの子が首を振って、もう一度自分の顔を指差し、私を指差してから口をぱくぱくしてから声を出す。
「タキガタタスキ。」
「タキガワタマキ。」
ショートの子が困ったように笑った。
もう、なんなの?
「キガワ、マキ?」
タ、はどこ行っちゃったのよ?
「タキガワ、タマキ。タマキデス。」
頷きながら悩むショートエルフ。私も困ってる。
ツインテの子がショートの子に何か言った。するとショートの子は頷いて私の顔を見た。
「タマキ?」
私は頷いた。
ショートの子が自分の口と私の口を指差した。
「タキガタタスキ。」
なんでやねん。
「タ!キ!ガ!ワ!タ!マ!キ!」
…ああ、違うの。そんな顔しないで。
あまりの伝わらなさにイライラしちゃって、大きな声出しちゃったけど、違うの。
でも、良い加減にして欲しくて。あと、なんか馬鹿にされてるような気がしてきて…勿論違うんだろうけど。
でも何回も言ってるんだから、ちょっとは解って欲しい。欲しいんだけど、全然伝わらない。だから、違うの。2人にイライラしてるんじゃなくて、私の伝わらない言葉というか…。
でも、そんなに伝わらないかなって思う。でも、当たり前だ。だって2人も、私の言葉が解らないんだから。
そんな2人は困ったような笑顔で、その顔がホントに優しくて、一層自分が惨めな気分になる。
ああもう。ちょっと目が熱くなってきた。もう最悪。もうやだこんなところ。夢なら覚めて欲しいけど、覚める気配も無い。
大体私が何したって言うのよ?こんな、いきなりこんな、言葉の通じない知らないところに放り込まれて、どうすれば良いのか全然わからない。
迷子。
そう、迷子だ。
無力な迷子。言葉も通じないなら、泣くしか出来ないんだ。だからちっちゃい子供は泣くんだ。
ちっちゃい子供じゃなくっても泣くしか出来ないなんて、悔しい。でも、私だってもう、どうしたら良いのかわからないんだ。
だからせめて、そんな泣き顔を見られたくないから下を向いてジャージの袖口で目元を拭っていると、とんとんと座卓を叩く音が聞こえた。
「タマキ?」
そう、私はタマキ。
私がショートの子の顔を見ると、ショートの子が笑顔になって、私に手を向けて言った。
「タマキ?」
……。
名前だってわかってくれたのかな?それからショートの子はまた私に手を向けて言った。
「タマキ。」
私は頷いた。
伝わってる。
多分、伝わってる。
…けど、駄目だ涙が止まらない。
これはきっと、ちゃんと名前と認識してくれたらしいのが有り難くて。私は泣き笑いみたいな情けない顔をしながら、うんうんと頷いた。それを見て2人も笑いながらうんうん頷いた。
それからまた、ショートの子が座卓をとんとんと叩いてから自分の口に指差して、今度はツインテの子の口を指差した。そして…。
「ア。」
ショートの子が自分の口を指差しながら言ってから、ツインテの子の口を指差すと…。
「ア。」
ツインテの子が言った。
……。
そしてまた同じようにショートの子が自分の口を指差しながら。
「アー。」
こう言ってからツインテの子の口を指差すと…。
「アー。」
ツインテの子が言う。
まさか…。
「タキ。」
ショートの子。
「タキ。」
ツインテの子。
…こ、これは!これは、真似だ!さっきも、私の言葉を真似してねってことだったんだ!ショートの子は私の名前じゃない、別の言葉を言わせたかったんだ!
そしてショートの子は私の顔を見て笑いながら目で、わかった?って聞いてきたように思う。
私がジャージの袖でもう一度目を拭ってから笑顔で頷くと、ショートの子が座卓をとんとんと叩いた。
「タマキ?」
私が頷くと、ショートの子は自分の口を指差しながら言った。
「タキガタタスキ。」
そして、ショートの子の指が私の口を指差そうと動いた時に、私は待ち切れずに、叫ぶように言った。
「タキガタタスキ!」
その瞬間。
目の前が真っ暗?真っ白?どっちかわからないけど、目の前に居た2人や座卓や壁が見えなくなった。何これ怖い。
そして下から大きな、物凄く大きな本棚がいくつも浮かび上がってきた。本棚にはびっしりと本が詰まっていて、まるで図書館。
しばらくすると、ぴかぴかと点灯する本が、開いた姿で鳥みたいにばさばさと飛んできた。本なのに点灯?飛んでる?
それから本棚から1冊の本が飛び出して点灯する本の側に寄ると、点灯する本がその本に覆い被さった。
重なってどうなるのかな?と思っていると、2冊の本はもぞもぞ動いて、しばらくすると卵が出てきた。
…本の卵?
…てことは、あれはもしや本の交尾?
その卵はすぐに割れて、中から小さな本が出てきた。本のひよこだ。でも、ひよこの癖にすぐに元気に飛び、卵を産んだ本の入っていた本棚に収まった。
卵を産んだ親本はそれを見届けるとばさばさと羽ばたいて飛び立ち、くるくる回っている。そしてまた本棚から1冊の本が飛び出して、点灯する本のところへ行き、交尾?して卵を産み、孵り、飛び…。
本棚はすっかり新しい本に入れ替わり、親本達はそれを喜ぶようにくるくると飛び回っている。そして、最後の本が終わったのか、点灯する本がくるくる回る本達の中心を突き抜けるように飛び立ち去って行った。
そしてくるくる回っていた親本達は一斉に方向転換して、私の背中を優しくさすって…。
「大丈夫?」
目を開けると、右側からショートの子が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。座卓に伏せていたらしい私の背中をさすってくれている。
「はい、これ。とりあえずお茶飲んで?」
「あ、うん。ありがと。」
左側に居たツインテの子がお茶を渡してくれたのでお礼を言って受け取って飲む。うん、普通のお茶だ。
……。
うん普通のお茶だじゃない!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる