3 / 4
屋上
しおりを挟む
「悠ちゃんー!昼ごはん食べよー!」
次の日の昼の休憩時間、いつも綾人と昼ご飯を食べている。
「そうだな、でもなんか今日教室人居すぎじゃね?」
教室を見回すと、人がたくさんいて混雑している。きっと、別のクラスの人もいるのだろう。
「うわ、本当だ!じゃあ…今日は食べる場所変えてみる?」
「え?食べる場所なんて教室ぐらいしかないだろ。」
「どうだろうね?じゃあ、ちょっとついてきて!」
そう言うと、綾人は教室を出る。
「悠ちゃん、早くー!」
「わ、分かったよ。」
俺も綾人に続き教室を出る。
「おい、まだかよ。」
今階段を上っているが、全然着かない。
「もう少しだから~!」
「そんなこと言ったって、一階から四階まで上ってきてるぞ?本当にどこに行くんだよ。」
「屋上だよ。」
少し前にいた綾人が振り返る。
「お、屋上⁉」
「うん!悠ちゃん、屋上があるって知らなかったの?」
「知らなかった…」
「まあ、行ってみたら分かるよ!今ここが四階だからもう一個上だね!よし、上ろう!」
この学校に来て一週間経つが、入学説明でも屋上なんて言われなかったから、ないものだと思っていた。
(ちょっと楽しみだな。)
そうして、わくわくした気持ちで、屋上に向かった。
「悠ちゃん、着いたよー!」
目の前にはドアがあるが、ドア越しからでも薄っすら屋上が見える。
「結構広そうだな。」
「じゃあ悠ちゃん、ドア開けるよ。」
綾人がドアを開ける。結構広くてベンチなんかもある。誰もいなく、俺達だけだった。
「おい、人いないぞ?本当に来て大丈夫なのか?」
「大丈夫だって!ほら、ベンチもあるし、あそこに座って食べよ!」
綾人はベンチに向かって走る。
(まあ、あの人がいっぱい居る教室よりかはましか。)
そうして俺も歩いてベンチに向かった。
「そういや、俺が塾に行った後、八重木さんと仲良くやれた?」
ベンチに座ると、綾人が言い出す。すっかり忘れていた。綾人に文句を言おうとしていたんだった。
「そうだ、昨日、お前があんな時間に帰ったから、すげー大変だったんだぞ?」
俺はあえて少し嫌味っぽく言う。
「ごめんって!でも、本当に心配したんだよ?悠ちゃん、二人きりでも女の子と喋れるのかなって。」
「まあ、それなりには喋れてたとは思うけど。」
そんな心配などいらないお世話だ。と言いたいくらいだが、実際、本当の事ではあるので、言い返すことなどはできない。
「ふーん、ご飯食べた後はどうしたの?」
「もう20時だったし、食べてから八重木さんはすぐ帰ったよ。」
「あ!それで、八重木さんの家まで悠ちゃんが、送り届けたってことね!」
「い、いや、お前何言ってんの⁉」
「まさか!適当に言ってみただけだよ!」
適当その言葉を聞いて安心した。まさか、ピンポイントで当ててくるとは。
(イケメンの勘って本当凄いな。)
「あー!ご馳走様!じゃあ、教室戻ろっか!」
昼ご飯を食べ終わり、俺達は教室に戻ろうとした。
「あ、そうだ!今からここから、教室まで、どっちが早く着けるか勝負ね?」
「は?お前何言って…」
「よーい、スタート!」
綾人は猛スピードで、屋上を出ていく。
「あいつは小学3年生かよ!……まあ俺はゆっくり行くか。
そうして、俺はゆっくり歩いて屋上から出ようと、ドアを開けた。
「痛って!」
「痛った!」
ドアを開けた瞬間に、ゴツンとおでこに何か当たる。俺以外にも「痛った」という声が聞こえる。きっと、誰かとぶつかったのだろう。
「ちょっと!どこ見てんの!痛いんだけど!!」
「ごめんなさい!すみま……ってあれ?」
よく見てみると、あの6組のツンデレ女、合崎だった。
「あれ?あなたって、あのプリントの男ね!痛かったんだけど!」
合崎は顔を顰め、俺に怒鳴ってくる。
「わ、悪かったよ、合崎。」
「え、なんで私の名前知ってるの?」
(あ、そうか、こいつは俺が先生に聞いて名前分かってるって事を知らないのか。)
「いや、先生から…」
「無理、やばい、引く、キモイ。」
合崎はツンとして、俺と目を合わせようとしない。
(本当、めんどくさい女だな。)
「はいはい、分かりましたよ。じゃあ、やばくて。キモイ奴って覚えといてください。それじゃ。」
俺は合崎の横を通り過ぎようとする。
「ま、まあ、名前くらい知ってて当然よね。許してあげる。」
「あー、それはどうも……ていうか、なんで合崎はなんで屋上に来たの?」
「あなたは何でよ。」
「俺は友達とご飯食べてたんだよ、さっき多分すれ違ったと思うぞ。」
「分かったわ。あのチャラそうで馬鹿そうな人でしょ?ああ言う人、私大っ嫌いなの。」
(綾人がこの場に居なくて本当に良かった。)
「で、話し戻すけど、合崎はなんで屋上に?」
「わ、私もあなたと同じ感じよ。」
そう言ってるが、合崎の手には、弁当らしきものは持っていない。と言うか、まず何にも手に持っていない。昼休憩もあとちょっとなのに、今食べに屋上に来るなんておかしいに決まってる。
(まず、何も手に持ってない時点で、ご飯食べに来たなんて嘘、バレバレだろ。)
「まさか、本当は誰も話せる人がいなくて、屋上に逃げてきたとか!」
少し、冗談を言っていじってみた。
「………」
合崎は下を向き、頬を赤くして、何も喋らない。
「あ、あれ?ま、まじだった奴?」
「そ、そうだけだど…私だって…」
合崎が涙目になりながら言う。
(や、やばいな、まさか本当だったとは…)
「い、いや、ただの冗談だから!本当はそんなこと思ってないから!!」
そう言うが、合崎はまだ下を向いている。
「あー!分かった!じゃあ、これから俺がいっぱい喋ってやるから!これでいいだろ?」
「……」
(やっぱこんなんじゃダメか?)
「……し、仕方ないわ、じゃあ、それで許してあげる。」
合崎がようやく、顔を上げる。
(え?あ、良かったの?)
「じゃ、じゃあ、まず名前教えてよね!」
合崎は目を合わせず恥ずかしそうに聞いてくる。
「坂見悠太。」
「ふーん、なんか普通の名前ね。」
「逆に何を求めてたんだよ!」
「こんな最低でキモイ人なんだから、もっと変な名前だと思ってたわ。」
(こ、こいつ…本当に生意気な奴だな。)
「まあ、いいや、で?連絡先は?」
「は、はあ⁉な、なに言ってるの?」
合崎が驚く。
「え?連絡先、交換しないの?」
「ば、ばっかじゃないの⁉あんたと連絡先交換なんて死んでも嫌よ!」
(なんか、すげー傷つくな…)
「分かった、じゃあ、連絡先は交換しな…」
「まあ、あんたがそんなに私と連絡先を交換したいなら、してあげても良いけど?」
「い、いや別に…」
「はい、私の電話番号、早く追加してくれる?」
合崎は自分のポケットからスマホを取り出し、自分の電話番号を見せる。
「は、はい、分かりました…」
あんだけ傷つく事を言われたが、ここで交換を拒否したら、次は泣くだけじゃ収まらないと思った俺は、合崎の言うことを聞くことにした。
「はい、電話番号入れ終わったぞ。」
(あ、そういや、合崎の名前って何なんだろ?)
俺は自分のスマホで登録した合崎の連絡先を見る。
「えーと、あ、あった。美月?へえー、お前、美月って言うんだ。」
「そうよ、なんか文句でもあるの?」
「いや、いい名前だなって思ってさ。」
「は、は⁉別にそんなお世辞いらないんだけど!」
「あ、はい。」
(本当は嬉しくて、照れてるくせに。)
「と、とりあえず!今日の夜、私にメールを送ってきて。それじゃあ、私は教室に戻るから。」
そう言うと、合崎は階段を下りて行ってしまった。
「なんでメールなんか…まあ、いいか、俺も教室に戻ろう。」
そうして、俺も階段を下り、教室に向かった。
「悠ちゃん!遅くない?俺10分前には着いてたんだけど? 」
教室に戻ると綾人が一目散に俺の方へ来てそう言ってきた。
「わ、悪い、道に迷ってさ~」
まあ、隠さなくてもいいのは分かってるが、何となくだ。
「そっか!これからも屋上でご飯食べる?」
「そうだな、人もいないし、そうするか。」
「よし!決まり!じゃあ、そろそろ昼休憩も終わるし、席つくね~!」
こうして、俺達は自分の席に着いた。
◇◆◇◆◇◆
その日の晩、俺は合崎に言われた通り、メールを送ることにした。
「なんて打ちゃいいんだよ…よろしくとか?」
少し考えたが、何も思い浮かばなかったので、よろしくと打ち、メールを送信した。
(夜にメールを送ってこいとか言ってたけど、何か理由でもあるのか?)
そう考えてると、スマホから通知音が鳴る。
「あ、もう来た。どれどれ…」
スマホを開き、合崎の返信を見ると、〈よろしく〉と返されただけだった。少し待ってみるが、追加でメッセージが来る気配はない。
「は?どういうこと?」
俺は素早くもいを打ち、また合崎にメールを送る。
〈おい、夜にメールしてこいって言っただろ?なんか用事でもあるのか?〉
そう送るとすぐに返信が来る。
〈いや、ない。〉
合崎のメールは短文で、〈!〉などもつけないから、現実よりももっと無愛想に感じる。
「ないのかよ!じゃあ、なんで…」
そう愚痴を言っていると、通知音が鳴る。
「合崎か?」
通知を確認すると、思った通り、合崎からのメールだった。俺は合崎のメールを読む。
〈でも友達なんでしょ?だから、これから仲よくしよ。よろしく、悠太。〉
「な、なんだよ!この文章!しかも悠太って!」
少し長めな文で、やっぱり無愛想だが、なんとなく、この言葉を言って、顔が赤くなっている合崎が、頭に浮かんだ。
「やっぱ、いい奴だな。」
そう感じた、今日の夜だった。
次の日の昼の休憩時間、いつも綾人と昼ご飯を食べている。
「そうだな、でもなんか今日教室人居すぎじゃね?」
教室を見回すと、人がたくさんいて混雑している。きっと、別のクラスの人もいるのだろう。
「うわ、本当だ!じゃあ…今日は食べる場所変えてみる?」
「え?食べる場所なんて教室ぐらいしかないだろ。」
「どうだろうね?じゃあ、ちょっとついてきて!」
そう言うと、綾人は教室を出る。
「悠ちゃん、早くー!」
「わ、分かったよ。」
俺も綾人に続き教室を出る。
「おい、まだかよ。」
今階段を上っているが、全然着かない。
「もう少しだから~!」
「そんなこと言ったって、一階から四階まで上ってきてるぞ?本当にどこに行くんだよ。」
「屋上だよ。」
少し前にいた綾人が振り返る。
「お、屋上⁉」
「うん!悠ちゃん、屋上があるって知らなかったの?」
「知らなかった…」
「まあ、行ってみたら分かるよ!今ここが四階だからもう一個上だね!よし、上ろう!」
この学校に来て一週間経つが、入学説明でも屋上なんて言われなかったから、ないものだと思っていた。
(ちょっと楽しみだな。)
そうして、わくわくした気持ちで、屋上に向かった。
「悠ちゃん、着いたよー!」
目の前にはドアがあるが、ドア越しからでも薄っすら屋上が見える。
「結構広そうだな。」
「じゃあ悠ちゃん、ドア開けるよ。」
綾人がドアを開ける。結構広くてベンチなんかもある。誰もいなく、俺達だけだった。
「おい、人いないぞ?本当に来て大丈夫なのか?」
「大丈夫だって!ほら、ベンチもあるし、あそこに座って食べよ!」
綾人はベンチに向かって走る。
(まあ、あの人がいっぱい居る教室よりかはましか。)
そうして俺も歩いてベンチに向かった。
「そういや、俺が塾に行った後、八重木さんと仲良くやれた?」
ベンチに座ると、綾人が言い出す。すっかり忘れていた。綾人に文句を言おうとしていたんだった。
「そうだ、昨日、お前があんな時間に帰ったから、すげー大変だったんだぞ?」
俺はあえて少し嫌味っぽく言う。
「ごめんって!でも、本当に心配したんだよ?悠ちゃん、二人きりでも女の子と喋れるのかなって。」
「まあ、それなりには喋れてたとは思うけど。」
そんな心配などいらないお世話だ。と言いたいくらいだが、実際、本当の事ではあるので、言い返すことなどはできない。
「ふーん、ご飯食べた後はどうしたの?」
「もう20時だったし、食べてから八重木さんはすぐ帰ったよ。」
「あ!それで、八重木さんの家まで悠ちゃんが、送り届けたってことね!」
「い、いや、お前何言ってんの⁉」
「まさか!適当に言ってみただけだよ!」
適当その言葉を聞いて安心した。まさか、ピンポイントで当ててくるとは。
(イケメンの勘って本当凄いな。)
「あー!ご馳走様!じゃあ、教室戻ろっか!」
昼ご飯を食べ終わり、俺達は教室に戻ろうとした。
「あ、そうだ!今からここから、教室まで、どっちが早く着けるか勝負ね?」
「は?お前何言って…」
「よーい、スタート!」
綾人は猛スピードで、屋上を出ていく。
「あいつは小学3年生かよ!……まあ俺はゆっくり行くか。
そうして、俺はゆっくり歩いて屋上から出ようと、ドアを開けた。
「痛って!」
「痛った!」
ドアを開けた瞬間に、ゴツンとおでこに何か当たる。俺以外にも「痛った」という声が聞こえる。きっと、誰かとぶつかったのだろう。
「ちょっと!どこ見てんの!痛いんだけど!!」
「ごめんなさい!すみま……ってあれ?」
よく見てみると、あの6組のツンデレ女、合崎だった。
「あれ?あなたって、あのプリントの男ね!痛かったんだけど!」
合崎は顔を顰め、俺に怒鳴ってくる。
「わ、悪かったよ、合崎。」
「え、なんで私の名前知ってるの?」
(あ、そうか、こいつは俺が先生に聞いて名前分かってるって事を知らないのか。)
「いや、先生から…」
「無理、やばい、引く、キモイ。」
合崎はツンとして、俺と目を合わせようとしない。
(本当、めんどくさい女だな。)
「はいはい、分かりましたよ。じゃあ、やばくて。キモイ奴って覚えといてください。それじゃ。」
俺は合崎の横を通り過ぎようとする。
「ま、まあ、名前くらい知ってて当然よね。許してあげる。」
「あー、それはどうも……ていうか、なんで合崎はなんで屋上に来たの?」
「あなたは何でよ。」
「俺は友達とご飯食べてたんだよ、さっき多分すれ違ったと思うぞ。」
「分かったわ。あのチャラそうで馬鹿そうな人でしょ?ああ言う人、私大っ嫌いなの。」
(綾人がこの場に居なくて本当に良かった。)
「で、話し戻すけど、合崎はなんで屋上に?」
「わ、私もあなたと同じ感じよ。」
そう言ってるが、合崎の手には、弁当らしきものは持っていない。と言うか、まず何にも手に持っていない。昼休憩もあとちょっとなのに、今食べに屋上に来るなんておかしいに決まってる。
(まず、何も手に持ってない時点で、ご飯食べに来たなんて嘘、バレバレだろ。)
「まさか、本当は誰も話せる人がいなくて、屋上に逃げてきたとか!」
少し、冗談を言っていじってみた。
「………」
合崎は下を向き、頬を赤くして、何も喋らない。
「あ、あれ?ま、まじだった奴?」
「そ、そうだけだど…私だって…」
合崎が涙目になりながら言う。
(や、やばいな、まさか本当だったとは…)
「い、いや、ただの冗談だから!本当はそんなこと思ってないから!!」
そう言うが、合崎はまだ下を向いている。
「あー!分かった!じゃあ、これから俺がいっぱい喋ってやるから!これでいいだろ?」
「……」
(やっぱこんなんじゃダメか?)
「……し、仕方ないわ、じゃあ、それで許してあげる。」
合崎がようやく、顔を上げる。
(え?あ、良かったの?)
「じゃ、じゃあ、まず名前教えてよね!」
合崎は目を合わせず恥ずかしそうに聞いてくる。
「坂見悠太。」
「ふーん、なんか普通の名前ね。」
「逆に何を求めてたんだよ!」
「こんな最低でキモイ人なんだから、もっと変な名前だと思ってたわ。」
(こ、こいつ…本当に生意気な奴だな。)
「まあ、いいや、で?連絡先は?」
「は、はあ⁉な、なに言ってるの?」
合崎が驚く。
「え?連絡先、交換しないの?」
「ば、ばっかじゃないの⁉あんたと連絡先交換なんて死んでも嫌よ!」
(なんか、すげー傷つくな…)
「分かった、じゃあ、連絡先は交換しな…」
「まあ、あんたがそんなに私と連絡先を交換したいなら、してあげても良いけど?」
「い、いや別に…」
「はい、私の電話番号、早く追加してくれる?」
合崎は自分のポケットからスマホを取り出し、自分の電話番号を見せる。
「は、はい、分かりました…」
あんだけ傷つく事を言われたが、ここで交換を拒否したら、次は泣くだけじゃ収まらないと思った俺は、合崎の言うことを聞くことにした。
「はい、電話番号入れ終わったぞ。」
(あ、そういや、合崎の名前って何なんだろ?)
俺は自分のスマホで登録した合崎の連絡先を見る。
「えーと、あ、あった。美月?へえー、お前、美月って言うんだ。」
「そうよ、なんか文句でもあるの?」
「いや、いい名前だなって思ってさ。」
「は、は⁉別にそんなお世辞いらないんだけど!」
「あ、はい。」
(本当は嬉しくて、照れてるくせに。)
「と、とりあえず!今日の夜、私にメールを送ってきて。それじゃあ、私は教室に戻るから。」
そう言うと、合崎は階段を下りて行ってしまった。
「なんでメールなんか…まあ、いいか、俺も教室に戻ろう。」
そうして、俺も階段を下り、教室に向かった。
「悠ちゃん!遅くない?俺10分前には着いてたんだけど? 」
教室に戻ると綾人が一目散に俺の方へ来てそう言ってきた。
「わ、悪い、道に迷ってさ~」
まあ、隠さなくてもいいのは分かってるが、何となくだ。
「そっか!これからも屋上でご飯食べる?」
「そうだな、人もいないし、そうするか。」
「よし!決まり!じゃあ、そろそろ昼休憩も終わるし、席つくね~!」
こうして、俺達は自分の席に着いた。
◇◆◇◆◇◆
その日の晩、俺は合崎に言われた通り、メールを送ることにした。
「なんて打ちゃいいんだよ…よろしくとか?」
少し考えたが、何も思い浮かばなかったので、よろしくと打ち、メールを送信した。
(夜にメールを送ってこいとか言ってたけど、何か理由でもあるのか?)
そう考えてると、スマホから通知音が鳴る。
「あ、もう来た。どれどれ…」
スマホを開き、合崎の返信を見ると、〈よろしく〉と返されただけだった。少し待ってみるが、追加でメッセージが来る気配はない。
「は?どういうこと?」
俺は素早くもいを打ち、また合崎にメールを送る。
〈おい、夜にメールしてこいって言っただろ?なんか用事でもあるのか?〉
そう送るとすぐに返信が来る。
〈いや、ない。〉
合崎のメールは短文で、〈!〉などもつけないから、現実よりももっと無愛想に感じる。
「ないのかよ!じゃあ、なんで…」
そう愚痴を言っていると、通知音が鳴る。
「合崎か?」
通知を確認すると、思った通り、合崎からのメールだった。俺は合崎のメールを読む。
〈でも友達なんでしょ?だから、これから仲よくしよ。よろしく、悠太。〉
「な、なんだよ!この文章!しかも悠太って!」
少し長めな文で、やっぱり無愛想だが、なんとなく、この言葉を言って、顔が赤くなっている合崎が、頭に浮かんだ。
「やっぱ、いい奴だな。」
そう感じた、今日の夜だった。
0
あなたにおすすめの小説
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる