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第45話 ローレンと執事
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闘神の加護をいただいたことでリアムはどうしてもタイガにこのスキルを取得させたいがために学院に交渉していた。
もともと執事やメイド達を連れてのダンジョン攻略は禁止されていたが、学院生の執事やメイドだけでの攻略やダンジョンに入ることの記載がないことをいいことに担任に掛け合い何とか許可をいただいた。
もちろん今後のために貴族の執事やメイドに戦闘経験やすこしでもレベルを上げて貰いたいためとあらゆる方便を使ったのである。
タイガとユミルは今までリアムの命により神のダンジョンでの調査およびレベル上げ、そして王都の情報収集をしていた。
神のダンジョンでは下層~中層を無理なく調べられる範囲で行っていたのだが、今では氷のユミルと執事服の鬼神として有名なのである。
何故ならば下層で情報収集の間に幾度となく冒険者達を救い、その様子が神のビジョンに映し出されるのである。
各言う希望の星学院のローレンもその内の一人である。
炎技のスキルを持ち、自在に炎を纏わせて戦うローレンなのだが神のダンジョンに入ってからは相性の悪い魔物やトラップに翻弄されていた。
湖のステージにてマーメイドと戦闘した時のことである。
回復魔法持ちの仲間がマーメイドに魅了され、前衛は水のゴーレムや魔物の水魔法を防ぐので精一杯。
そんな中リザードンが左右から押し寄せてくる絶体絶命の場面となっていた。
魅了された仲間を気絶させ撤退させたいローレンであったが、思うように後退できずにいた。
そんな時タイガとユミルが話しかける。
「お困りですかな?手助けはいりますか?」
ローレンは声の方を確認してすぐに返事をする。
「頼む、お礼はなんでもする」
その言葉を聞いた瞬間タイガは水ゴーレムとローレンの間に割って入り、水ゴーレムを内部破壊により瞬殺させていく。
ユミルは詠唱と共に左右のリザードンを凍らせていく。それが終ると後衛にいる魔物に氷の槍を放っていく。
それを見たタイガが左右の凍っているリザードンに内部破裂で倒していく。
またたく間に二人だけで魔物を殲滅し、再びローレンに話しかける。
「もう大丈夫でしょう。今日は帰ってもう休まれた方がいいですな」
そう言うとタイガとユミルは立ち去ろうとした。
「ま、まってくれ。お礼がしたい!それと出来れば話がしたい」
「貴方の仲間も今はお辛いでしょうから、お話しは夜ギルドの酒場でするとしましょう」
ローレンはそう言い立ち去るタイガをずっと見つめていた。
その夜。
ローレンは一人でギルドの酒場に来たのだが、すでにタイガとユミルは酒場で食事をしていた。
タイガ達の席に座り簡単な挨拶を交わし終えるとローレンはここ最近悩んでいたことを素直にぶちまけていた。
学院のダンジョンをクリアした順番が2位で焦っていたこと。思うように仲間が俺の基準についてこないことなど、本来なら今日初めて会う者に話す内容ではないことと知っていながらも話しをしていた。
タイガは親身に聞き話だした。
「ローレン殿は何故、最速にこだわるのですかな?」
「気付いているとは思うので話すが、貴族としての重圧やプライドがそうさせている」
「そうですか。ちなみにダンジョン攻略が遅れ学院の順位が悪くなると家柄的にはどうなりますかな?」
「お叱りを受けるが、それ以外には何もないと思う」
「そうですか。ではローレン殿のプライドの問題ではないのでしょうか?」
「そう…なのか?」
「では一つ聞きますが、お叱りを受けるのとパーティメンバーが一人死ぬことではどちらが嫌ですか?」
「そんなの仲間が死ぬことに決まっている。あっ…、、。」
「気付いたようですな。叱られるのは誰だって嫌なものです。しかし、仲間の命には到底及びません。さらに焦ることで本来見えていることすら見えなくなります」
「そう…だな」
そう言うとローレンは何か深く考えこんでいるのでタイガはそっと見守っている。
もともと執事やメイド達を連れてのダンジョン攻略は禁止されていたが、学院生の執事やメイドだけでの攻略やダンジョンに入ることの記載がないことをいいことに担任に掛け合い何とか許可をいただいた。
もちろん今後のために貴族の執事やメイドに戦闘経験やすこしでもレベルを上げて貰いたいためとあらゆる方便を使ったのである。
タイガとユミルは今までリアムの命により神のダンジョンでの調査およびレベル上げ、そして王都の情報収集をしていた。
神のダンジョンでは下層~中層を無理なく調べられる範囲で行っていたのだが、今では氷のユミルと執事服の鬼神として有名なのである。
何故ならば下層で情報収集の間に幾度となく冒険者達を救い、その様子が神のビジョンに映し出されるのである。
各言う希望の星学院のローレンもその内の一人である。
炎技のスキルを持ち、自在に炎を纏わせて戦うローレンなのだが神のダンジョンに入ってからは相性の悪い魔物やトラップに翻弄されていた。
湖のステージにてマーメイドと戦闘した時のことである。
回復魔法持ちの仲間がマーメイドに魅了され、前衛は水のゴーレムや魔物の水魔法を防ぐので精一杯。
そんな中リザードンが左右から押し寄せてくる絶体絶命の場面となっていた。
魅了された仲間を気絶させ撤退させたいローレンであったが、思うように後退できずにいた。
そんな時タイガとユミルが話しかける。
「お困りですかな?手助けはいりますか?」
ローレンは声の方を確認してすぐに返事をする。
「頼む、お礼はなんでもする」
その言葉を聞いた瞬間タイガは水ゴーレムとローレンの間に割って入り、水ゴーレムを内部破壊により瞬殺させていく。
ユミルは詠唱と共に左右のリザードンを凍らせていく。それが終ると後衛にいる魔物に氷の槍を放っていく。
それを見たタイガが左右の凍っているリザードンに内部破裂で倒していく。
またたく間に二人だけで魔物を殲滅し、再びローレンに話しかける。
「もう大丈夫でしょう。今日は帰ってもう休まれた方がいいですな」
そう言うとタイガとユミルは立ち去ろうとした。
「ま、まってくれ。お礼がしたい!それと出来れば話がしたい」
「貴方の仲間も今はお辛いでしょうから、お話しは夜ギルドの酒場でするとしましょう」
ローレンはそう言い立ち去るタイガをずっと見つめていた。
その夜。
ローレンは一人でギルドの酒場に来たのだが、すでにタイガとユミルは酒場で食事をしていた。
タイガ達の席に座り簡単な挨拶を交わし終えるとローレンはここ最近悩んでいたことを素直にぶちまけていた。
学院のダンジョンをクリアした順番が2位で焦っていたこと。思うように仲間が俺の基準についてこないことなど、本来なら今日初めて会う者に話す内容ではないことと知っていながらも話しをしていた。
タイガは親身に聞き話だした。
「ローレン殿は何故、最速にこだわるのですかな?」
「気付いているとは思うので話すが、貴族としての重圧やプライドがそうさせている」
「そうですか。ちなみにダンジョン攻略が遅れ学院の順位が悪くなると家柄的にはどうなりますかな?」
「お叱りを受けるが、それ以外には何もないと思う」
「そうですか。ではローレン殿のプライドの問題ではないのでしょうか?」
「そう…なのか?」
「では一つ聞きますが、お叱りを受けるのとパーティメンバーが一人死ぬことではどちらが嫌ですか?」
「そんなの仲間が死ぬことに決まっている。あっ…、、。」
「気付いたようですな。叱られるのは誰だって嫌なものです。しかし、仲間の命には到底及びません。さらに焦ることで本来見えていることすら見えなくなります」
「そう…だな」
そう言うとローレンは何か深く考えこんでいるのでタイガはそっと見守っている。
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