僕の宝物はみんなの所有物

まつも☆きらら

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きみの笑顔

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いつものように貴良の教室へ行くと、貴良はいなかった。

朝はいつも通り登校して来てたはず。

それなら―――




屋上へ行くと、貴良が仰向けになって空を見ていた。

「貴良、今日はお弁当持ってきてないの?」

「・・・・あるよ。匠の分」

そう言って、貴良は自分の横に置いたバッグをポンと叩いた。

「ありがと。貴良も一緒に食べよ」

俺は貴良の横に座ってバッグを開けた。

「・・・・お弁当、一つしかないけど」

「ん。俺いらない」

貴良は上を向いたままそう言った。

俺は貴良の作ってくれたお弁当を横に置くと、寝転んでいた貴良の上に覆いかぶさるようにその体の横に手を着いた。

急に至近距離に俺の顔が近づいて、貴良がぎょっと目を見開いた。

「匠?何・・・・」

「貴良の顔、かわいくってすげえ好きだけど」

そう言って、俺は貴良の頬をそっと撫でた。

「今の貴良の顔は・・・・悲しそうで、見てるの辛い」

俺の言葉に、貴良の目が悲しそうに瞬いた。

「・・・俺、悲しそうな顔してる?」

「うん」

「・・・匠、辛い?」

「ちょっとだけな」

「・・・・ごめん」

貴良の目から、ポロリと涙が零れ落ちた。

綺麗な大きな目。

その目が、涙で潤んでいた。



わかってる。

みんなで貴良の転校前の学校へ行ってから、貴良はずっと元気がなかった。

生徒会室にいても口数が少なくて、いつもみたいな輝くような笑顔を見せなくなっていた。

みんな心配してるけど、そこに触れてはいけない気がしていて・・・・。



「謝ることない。大丈夫。俺もみんなも、貴良の傍にずっといる。だから、甘えて」

おでこにかかった柔らかそうな黒髪をそっと撫でる。

「貴良が甘えてくれるの、みんな待ってるよ」

「・・・・いいの?甘えて」

「当たり前じゃん。てか、甘えてほしい。少なくとも俺は、いつでも貴良に甘えてほしいと思ってるよ」

「・・・・ありがと、匠」

そう言いながら、また涙を流す貴良が愛しくて。

俺は我慢できずに、その唇にちゅっとキスをした。

「あーーーー!!ちょっと!たくちゃん!」

屋上の入口に、田部ちゃんの姿が見えた。

いや、来てたのはちゃんと気づいてたよ。

だから、声かけられる前にちゅーしたんだもん。

「匠くん!何してんの!」

「貴良くんから離れなさいよ!」

修ちゃんとナリも入り口から飛び出して駆け寄ってきた。

3人がかりで引きはがしにかかり。

それでも貴良から離れようとしない俺を見て、貴良はきょとんとしたけれど―――

「・・・・ぷっ、ふ、あははっ、匠、そのぶーたれた顔、おかしー」

貴良がはじかれたように笑った。

本当に楽しそうに。

ようやく戻った貴良の笑顔に、俺たちもほっとして笑った・・・・。
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