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第23話
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夏美と、花火大会までは言わないと約束したのに、俺の心はすでにぐらぐらだった。
だって、咲也が可愛すぎる。
突然きれいな涙を流したり、上目遣いで見つめてきたり、無邪気な笑顔を見せたり―――
まだ出会ったばかり。
1週間会わなかっただけなのに、俺はこんなに咲也に会いたかったんだと、再認識させられる。
咲也が好きだと、言ってしまいそうになるのをぐっと堪えて―――
「気持ち悪いとかじゃなくて―――ああいうふうに言うってことは、その―――咲也は、男と付き合ったことが、あるのかと思って・・・・・」
「俺が?男と?」
咲也が、目を瞬かせる。
「そういう、言い方に聞こえたから。言われてみれば、咲也って男にも女にももてそうだしさ」
俺の言葉に、咲也は首を傾げた。
「俺、もてないよ」
「・・・・・へ?」
もてない?このビジュアルで?
「うん。だって、もてたことないし。男とも女とも、付き合ったことないよ」
「え・・・・付き合ったこと、ないの?マジで?だって、告白とかされたことあるだろ?」
「あ~、高校生の時、男子校だったけど何度かね。でも男同士、ふざけてただけで本気のやつじゃなかったと思うし」
真面目な顔でそう言う潤。
―――いやいや・・・・
あのカフェにだって咲也目当ての客がどれだけいるか。
・・・・もてないわけないじゃん。
確かに、気軽に話しかけられないというか、告白とかしづらいオーラを持ったやつだとは思うけど・・・・・。
「でも、それでカフェに来なくなったって、なんで?やっぱり俺のことが嫌だったんじゃないの?」
眉間にしわを寄せる咲也に・・・・・
俺は、頭をかいた。
咲也が他の男に抱かれたことがあるかもしれないと思って、それがショックだったなんて言ったら俺の気持ちがバレる。
なんて言ったら・・・
ーーーあ、そうだ
俺はあることを思いつき、口を開いた。
「違うよ。その・・・・急に帰ったのは、もしかして咲也は、タクと付き合ってるのかもしれないと思って、タクに悪いことしちゃったかもしれないと、ちょっと思って・・・・・」
「タクと?」
「うん・・・・。でも、カフェに行かなかったのは、ちょっと個展に向けて準備をしなくちゃいけなかったっていうのもあったからで・・・・・」
「え!個展!?開くの?」
「うん、3ヶ月後だけど・・・・」
「ほんと!?すごいじゃん!」
咲也が、まるで自分のことのように嬉しそうに笑う。
「なんで言ってくんなかったの?」
「ごめん、なんか恥ずかしくて・・・・・ちゃんと、あとで言うつもりだったんだけど」
「ほんと?すげえ嬉しい。俺、絶対行くから」
ニコニコと笑う咲也はすげえ可愛くて。
ちょっと、嘘をついてしまったことに胸が痛くなる。
「あれ?でも、さっき拗ねてたって言ったよね?」
「あー・・・・・」
やべ、変なこと言っちゃったな、俺。
「その・・・・だから・・・・・タクと付き合ってたこと、隠されてるのかと思って・・・・俺には、言えないのかなって・・・・・」
「ふーん・・・・・?」
タクは、不思議そうな顔で、俺の顔をじっと見つめた。
そして、ふいにいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「・・・・ヤキモチ、妬いてくれたのかと思った」
「へ?」
「俺とタクがつきあってると思ったからって・・・・気持ち悪いと思ったんじゃないなら、ヤキモチ妬いてくれたのかと思ったのに、違うんだ?」
「え、いや、あの・・・・・・」
「ざ~んねん。んふふ・・・・・」
残念て・・・・・?え・・・・・?それって・・・・・・
俺が固まっていると、咲也はベッドから降り、ドアの方へ歩き出した。
「今日は、朝飯食べて行くでしょ?」
「え・・・・うん」
「じゃ、作るね。柊真も顔洗いなよ」
「うん」
咲也が部屋を出て行き―――
俺は、そっと溜息をついた。
―――なんか、一気に疲れた・・・・・。
『・・・・ヤキモチ、妬いてくれたのかと思った』
咲也のいたずらっぽい笑みに、どきりとした。
本当にそう思ったのか、俺をからかっただけなのか・・・・・。
俺が、本当に嫉妬したと知ったら・・・・咲也は、どう思うんだろう・・・・。
俺の気持ちを知ったら・・・・・・。
「え・・・・・柊真が、ここに泊るの?」
咲也が朝食を用意してくれ、俺はテーブルについて夏美に言われたことを咲也に話していた。
ここに、俺がいてもいいと言っていたこと―――
「いや、咲也が良ければ、だよ?夏美がすごく心配してて・・・・・最近、ちゃんと寝てないし、ちゃんと食べてないって。それに、またあの中崎が何かしてくるかもしれないし」
「なっちゃんが・・・・・そっか・・・・・。別に、俺はいいけど」
「え・・・・いいの?」
「うん。柊真がいいならね。でも、個展の準備で忙しいんでしょ?ここに泊ってたらできないんじゃない?」
「あ・・・・忘れてた」
「忘れてたって―――」
咲也がぷっと吹き出した。
「―――心配してくれて、ありがと。もう、大丈夫だよ。ちゃんと寝るようにするし、ちゃんと食べるよ」
そう言って咲也は笑った。
「でも、中崎のこともあるし―――」
「それは・・・・あ、じゃあ、タクの家に行こうか」
「え・・・・・?」
「中崎は、タクの家は知らないし、つけられたとしてもタクが一緒にいれば襲ってきたりしないでしょ?」
「タクの家に・・・・泊るの?」
「うん。その方がなっちゃんも安心しない?」
無邪気に笑う咲也に。
俺の胸がもやもやとする。
「それは―――だめ」
気がつけば、そう言っていた。
咲也とタクは幼馴染で親友同士。
咲也がタクにそういう感情を持っていないことはわかったけど・・・・
でも、俺の知ってる限り、タクは咲也のことが好きだ。
そのタクのところへ咲也が泊るなんて―――
そんなの、黙って見過ごせるはず、ない。
「え・・・・何で?」
咲也がきょとんと首を傾げる。
「なんでも。ダメなものは、ダメ。俺が今日からここに泊るから―――わかった?」
「・・・・・はい」
俺の迫力に押された咲也が頷き―――
俺はひとまず、安心したのだった・・・・・。
だって、咲也が可愛すぎる。
突然きれいな涙を流したり、上目遣いで見つめてきたり、無邪気な笑顔を見せたり―――
まだ出会ったばかり。
1週間会わなかっただけなのに、俺はこんなに咲也に会いたかったんだと、再認識させられる。
咲也が好きだと、言ってしまいそうになるのをぐっと堪えて―――
「気持ち悪いとかじゃなくて―――ああいうふうに言うってことは、その―――咲也は、男と付き合ったことが、あるのかと思って・・・・・」
「俺が?男と?」
咲也が、目を瞬かせる。
「そういう、言い方に聞こえたから。言われてみれば、咲也って男にも女にももてそうだしさ」
俺の言葉に、咲也は首を傾げた。
「俺、もてないよ」
「・・・・・へ?」
もてない?このビジュアルで?
「うん。だって、もてたことないし。男とも女とも、付き合ったことないよ」
「え・・・・付き合ったこと、ないの?マジで?だって、告白とかされたことあるだろ?」
「あ~、高校生の時、男子校だったけど何度かね。でも男同士、ふざけてただけで本気のやつじゃなかったと思うし」
真面目な顔でそう言う潤。
―――いやいや・・・・
あのカフェにだって咲也目当ての客がどれだけいるか。
・・・・もてないわけないじゃん。
確かに、気軽に話しかけられないというか、告白とかしづらいオーラを持ったやつだとは思うけど・・・・・。
「でも、それでカフェに来なくなったって、なんで?やっぱり俺のことが嫌だったんじゃないの?」
眉間にしわを寄せる咲也に・・・・・
俺は、頭をかいた。
咲也が他の男に抱かれたことがあるかもしれないと思って、それがショックだったなんて言ったら俺の気持ちがバレる。
なんて言ったら・・・
ーーーあ、そうだ
俺はあることを思いつき、口を開いた。
「違うよ。その・・・・急に帰ったのは、もしかして咲也は、タクと付き合ってるのかもしれないと思って、タクに悪いことしちゃったかもしれないと、ちょっと思って・・・・・」
「タクと?」
「うん・・・・。でも、カフェに行かなかったのは、ちょっと個展に向けて準備をしなくちゃいけなかったっていうのもあったからで・・・・・」
「え!個展!?開くの?」
「うん、3ヶ月後だけど・・・・」
「ほんと!?すごいじゃん!」
咲也が、まるで自分のことのように嬉しそうに笑う。
「なんで言ってくんなかったの?」
「ごめん、なんか恥ずかしくて・・・・・ちゃんと、あとで言うつもりだったんだけど」
「ほんと?すげえ嬉しい。俺、絶対行くから」
ニコニコと笑う咲也はすげえ可愛くて。
ちょっと、嘘をついてしまったことに胸が痛くなる。
「あれ?でも、さっき拗ねてたって言ったよね?」
「あー・・・・・」
やべ、変なこと言っちゃったな、俺。
「その・・・・だから・・・・・タクと付き合ってたこと、隠されてるのかと思って・・・・俺には、言えないのかなって・・・・・」
「ふーん・・・・・?」
タクは、不思議そうな顔で、俺の顔をじっと見つめた。
そして、ふいにいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「・・・・ヤキモチ、妬いてくれたのかと思った」
「へ?」
「俺とタクがつきあってると思ったからって・・・・気持ち悪いと思ったんじゃないなら、ヤキモチ妬いてくれたのかと思ったのに、違うんだ?」
「え、いや、あの・・・・・・」
「ざ~んねん。んふふ・・・・・」
残念て・・・・・?え・・・・・?それって・・・・・・
俺が固まっていると、咲也はベッドから降り、ドアの方へ歩き出した。
「今日は、朝飯食べて行くでしょ?」
「え・・・・うん」
「じゃ、作るね。柊真も顔洗いなよ」
「うん」
咲也が部屋を出て行き―――
俺は、そっと溜息をついた。
―――なんか、一気に疲れた・・・・・。
『・・・・ヤキモチ、妬いてくれたのかと思った』
咲也のいたずらっぽい笑みに、どきりとした。
本当にそう思ったのか、俺をからかっただけなのか・・・・・。
俺が、本当に嫉妬したと知ったら・・・・咲也は、どう思うんだろう・・・・。
俺の気持ちを知ったら・・・・・・。
「え・・・・・柊真が、ここに泊るの?」
咲也が朝食を用意してくれ、俺はテーブルについて夏美に言われたことを咲也に話していた。
ここに、俺がいてもいいと言っていたこと―――
「いや、咲也が良ければ、だよ?夏美がすごく心配してて・・・・・最近、ちゃんと寝てないし、ちゃんと食べてないって。それに、またあの中崎が何かしてくるかもしれないし」
「なっちゃんが・・・・・そっか・・・・・。別に、俺はいいけど」
「え・・・・いいの?」
「うん。柊真がいいならね。でも、個展の準備で忙しいんでしょ?ここに泊ってたらできないんじゃない?」
「あ・・・・忘れてた」
「忘れてたって―――」
咲也がぷっと吹き出した。
「―――心配してくれて、ありがと。もう、大丈夫だよ。ちゃんと寝るようにするし、ちゃんと食べるよ」
そう言って咲也は笑った。
「でも、中崎のこともあるし―――」
「それは・・・・あ、じゃあ、タクの家に行こうか」
「え・・・・・?」
「中崎は、タクの家は知らないし、つけられたとしてもタクが一緒にいれば襲ってきたりしないでしょ?」
「タクの家に・・・・泊るの?」
「うん。その方がなっちゃんも安心しない?」
無邪気に笑う咲也に。
俺の胸がもやもやとする。
「それは―――だめ」
気がつけば、そう言っていた。
咲也とタクは幼馴染で親友同士。
咲也がタクにそういう感情を持っていないことはわかったけど・・・・
でも、俺の知ってる限り、タクは咲也のことが好きだ。
そのタクのところへ咲也が泊るなんて―――
そんなの、黙って見過ごせるはず、ない。
「え・・・・何で?」
咲也がきょとんと首を傾げる。
「なんでも。ダメなものは、ダメ。俺が今日からここに泊るから―――わかった?」
「・・・・・はい」
俺の迫力に押された咲也が頷き―――
俺はひとまず、安心したのだった・・・・・。
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