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第26話
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「アメリカ!?どういうことだよ、それ」
いつもの居酒屋で、海斗が俺の話を聞くなり顔をしかめた。
「いや・・・・彼女の話じゃ、瑞希は半年くらい前からアメリカのエージェンシーにコンタクト取ってて、何度も直接アメリカまで行ってたらしいんだ。で、ようやく向こうの連続ドラマのオーディションを受けられるって話になったんだって」
「なんかすげえな・・・・。アメリカの芸能事務所は日本とはかなり形態違うっていうし大体が門前払いって聞いてるけど」
「うん。瑞希も何度も断られたけどしつこく同じところに押しかけてったらしい。けど親に知られたら絶対に反対されるだろうから秘密にしてたんだって」
「あそこの社長ってやっぱり・・・・」
「そう、瑞希の母親。母親は瑞希をAYUHARAからデビューさせたがってるんだけど、瑞希はそれを嫌がってて・・・。で、今回のオーディションも母親に知られたら妨害されるかもしれないからって家を出たらしい」
「なるほどな。それで家に帰れないって言ってたのか・・・・。けど、あの時の傷は?」
「それは、彼女も知らないって。で、あいつはオーディションに備えてレッスンを受けるために母親にばれないようにこっそり事務所のレッスン場に行ってるらしい」
「ああ、だから時々帰りが遅いのか。で、あのサングラスのおっさんのことは聞いた?ほんとに瑞希の友達?」
「いや、それは瑞希のマネージャーだって。もともと社長付きの運転手だったんだけど、まじめで忠実なところを買われて社長が瑞希のマネージャーにしたらしい」
俺は瞳子から聞いた話を海斗に伝えるために、家に帰る前に居酒屋で待ち合わせたのだ。
瞳子の話でなぜ瑞希が家を出たのか、なぜ素性を隠していたのかという謎が大体解けたような気がしていた。
オーディションを受けるためにアメリカへ行く。
そのために、社長である母親の目をごまかしていたということなのだろう。
「で、AYUHARAの社長は瑞希が家にいること全く知らないわけ?」
「マネージャーに、友達の家に泊まってるってことにしてもらってるらしい。ただ、母親は瑞希の友達のことほぼ全員把握してるから本当に友達の家に行っちゃうとすぐに居場所がばれると思ったみたいだな。三島瞳子も瑞希に何度も居場所を聞いたけど教えてもらえなかったって」
「そこまでするなら、さっさとアメリカに行っちゃえばよかったんじゃないの?いけない理由でもあんの?」
「さあな。それは聞いても教えてくれないって言ってたよ。そもそも、彼女も瑞希本人の口から聞いたわけじゃなくてマネージャーに無理やり聞き出したみたいだから」
あの強面のマネージャーは実は意外と気が小さいらしく、気の強い瞳子にかかればいとも簡単に落とせるということだった。
確かにあの瞳子の迫力を考えればわからないこともなかった・・・・・
いつもの居酒屋で、海斗が俺の話を聞くなり顔をしかめた。
「いや・・・・彼女の話じゃ、瑞希は半年くらい前からアメリカのエージェンシーにコンタクト取ってて、何度も直接アメリカまで行ってたらしいんだ。で、ようやく向こうの連続ドラマのオーディションを受けられるって話になったんだって」
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「うん。瑞希も何度も断られたけどしつこく同じところに押しかけてったらしい。けど親に知られたら絶対に反対されるだろうから秘密にしてたんだって」
「あそこの社長ってやっぱり・・・・」
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「なるほどな。それで家に帰れないって言ってたのか・・・・。けど、あの時の傷は?」
「それは、彼女も知らないって。で、あいつはオーディションに備えてレッスンを受けるために母親にばれないようにこっそり事務所のレッスン場に行ってるらしい」
「ああ、だから時々帰りが遅いのか。で、あのサングラスのおっさんのことは聞いた?ほんとに瑞希の友達?」
「いや、それは瑞希のマネージャーだって。もともと社長付きの運転手だったんだけど、まじめで忠実なところを買われて社長が瑞希のマネージャーにしたらしい」
俺は瞳子から聞いた話を海斗に伝えるために、家に帰る前に居酒屋で待ち合わせたのだ。
瞳子の話でなぜ瑞希が家を出たのか、なぜ素性を隠していたのかという謎が大体解けたような気がしていた。
オーディションを受けるためにアメリカへ行く。
そのために、社長である母親の目をごまかしていたということなのだろう。
「で、AYUHARAの社長は瑞希が家にいること全く知らないわけ?」
「マネージャーに、友達の家に泊まってるってことにしてもらってるらしい。ただ、母親は瑞希の友達のことほぼ全員把握してるから本当に友達の家に行っちゃうとすぐに居場所がばれると思ったみたいだな。三島瞳子も瑞希に何度も居場所を聞いたけど教えてもらえなかったって」
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