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1章 出会い
兵士の目的
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先ほどの発言から兵士は何も言わなくなっていた。
しばらく兵士との睨み合いの状態が続いている。
「……何か入らせてくれない理由でも?」
先に口を開いた兵士がそう聞いてきた。
「突然来て人様の家に入り込むことは失礼だと思うが。」
質問に対し、反抗した態度で答える。
随分と立場の高い兵士なのだろう。
だがここはエデュス国ではない。
こいつの位など関係ないのだ。
兵士は舌打ちをしながら一歩引いた。
「本題を話した方が早そうだ。」
本題……?
兵士はうっすらと笑みを浮かばせた。
「ここに白髪の若い女が来なかったか?」
その言葉に思わず目を見開く。
「……俺と勘違いしたんじゃないか?ここには俺しか住んでいない。」
すぐに平静さを保ち、兵士に対してそう答えた。
「確かにお前も白髪だが、念のため確認させろ。」
兵士が再び、強引に家に入ろうとしてきたがそれを止める。
「おい。とっとと通せ。」
「断る。」
……どうしてサヘラを探しているんだ?
こいつの言動からサヘラを狙っていることは分かった。
だが、同時にサヘラが何者なのかという疑問も生まれた。
エデュス国に狙われているなんて……あいつは何かしたのか?
とにかく今はこいつをどうにかしないと。
「大人しくしときゃ何もしない。ただ茶くらいは出してもらおうか。」
「お前に飲ませる茶なんて無い。帰ってくれ。」
「いいんだな?そんな態度を取ってよ。」
すると兵士はエデュス国の紋章を指でなぞり、自慢するかのように見せつけた。
「金を払いさえすれば今までの無礼に対し、目を瞑ってやろう。どうだ?生きていたいだろう?」
相当下に見られているな。
地位の確立に慢心か。
「お前に金を渡すなんてドブに捨ててるようなものだ。」
俺はさらに反抗的な態度を取った。
「おい!この紋章を見ただろ!たかが平民の分際で歯向かうな!」
すると奴は怒りを隠すことなく、俺の胸ぐらを掴む。
「何度も言っているが、家に入れさせる気は全く無い。」
「てめぇ……!」
兵士は右手で拳を作り、俺の頬を殴った。
「調子に乗るな!殺されたくなければ通せ!」
激昂する兵士。
……もう十分だろう。
「暴力、暴言、不法侵入──」
「あ?」
俺は殴られたときに切れた唇の端を舐め、
「正当防衛ってことでいいな?」
「な……!?」
兵士と同じように右頬を殴った。
「き、貴様……!」
「話してる暇あんの?」
続けて兵士の顔面を殴る。
上体が崩れたところで足を蹴り払い、地面へ転ばせた。
「案外手応えがないな。」
鎧を踏みつけ立てないようにした。
「─────。」
ベルが家から出てきて、やりすぎと伝えてきた。
……こうまでしないと帰ってくれそうになかったし。
「こ、こんなことをしてただで済むと思うなよ……!」
「動けないやつに何ができるんだよ。」
兵士が腰に携えていた剣を取り、鞘から抜いた。
「よ、よせ……!」
兵士の顔に狙いを定める。
「5秒以内に話せ。なんでその女を狙っている?」
「は、話す訳──」
「5───4───」
カウントダウンと共に殺意を露にしていく。
「3───2───」
「ま、待ってくれ!俺は何も知らないんだ!信じてくれ!!」
知らない……?
「上の命令だったから動いただけなんだ!本当だ!」
……兵士の焦った表情を見た感じ、嘘ではなさそうだ。
役に立たねぇ。
「ひいっ!」
俺は兵士の顔ギリギリの地面に剣を突き刺した。
「ならその上のやつっていうのはどこにいる?」
そいつから聞き出した方が早そうだ。
「う、上は……」
兵士が震える手で森の方を指差した。
その方向は街がある。
「ま、街だ……直に街へ攻め込む……」
「……それは本当なんだな?」
そう聞くと兵士は不気味な笑みを浮かべ、
「くくく……街は破壊されるだろうな……そして貴様のことも──」
言い終わる前に兵士の顔面を殴り、気絶させた。
「─────?」
ベルがどうするの?と聞いてきた。
どうする……って……
俺はベルに近づいた。
「……サヘラを街に連れていったからこうなったんだ。俺にも一定責任がある。」
ベルは悲しそうな表情を浮かべた。
そんなベルの頭を撫で、
「ちゃんと帰る。いつも通りの旨いご飯でも作って待っててくれ。」
そう言うとベルは頷き、いってらっしゃいと手振りで伝えてくれた。
俺は地面に刺さった剣と気絶させた兵士を抱え、街へと向かった。
──────────
……!
俺は木の後ろへ隠れた。
もうここまで来ているのか。
森を少し進んだだけで、数人の兵隊たちがいた。
まずいな……このままだとまた家に侵入される。
そう思っていたが、
「おい!目標が見つかったらしいぞ!街へ戻れ!」
そう言って兵士たちは一斉に山を下っていった。
これなら家に来る心配は無さそうだが、目標というのは恐らくサヘラのことだろう。
急いだ方がよさそうだ。
俺は背中の兵士を降ろし、山道の看板に縄で手首を縛って拘束しておいた。
ここなら誰かしら見つけてくれるだろう。
兵士が持っていた剣を腰に携え、身軽になった俺は全力で街へ走っていった。
森は毎日のように登っているため、素早く下るなんて朝飯前だ。
森を抜け、街が見えてきた。
目の前の光景に驚愕し、思わず立ち止まってしまった。
建物は壊され、所々で火があがっている。
これがさっきまで訪れていた街とは考えられない。
街の人々が街から離れようと、こちらに逃げてきている。
「おい!あんたも逃げた方がいい!」
すれ違いざまにそう言われた。
……見捨てるのはあの時だけで十分だ。
俺は逃げる人たちを掻き分け、燃え盛る街へと向かった。
しばらく兵士との睨み合いの状態が続いている。
「……何か入らせてくれない理由でも?」
先に口を開いた兵士がそう聞いてきた。
「突然来て人様の家に入り込むことは失礼だと思うが。」
質問に対し、反抗した態度で答える。
随分と立場の高い兵士なのだろう。
だがここはエデュス国ではない。
こいつの位など関係ないのだ。
兵士は舌打ちをしながら一歩引いた。
「本題を話した方が早そうだ。」
本題……?
兵士はうっすらと笑みを浮かばせた。
「ここに白髪の若い女が来なかったか?」
その言葉に思わず目を見開く。
「……俺と勘違いしたんじゃないか?ここには俺しか住んでいない。」
すぐに平静さを保ち、兵士に対してそう答えた。
「確かにお前も白髪だが、念のため確認させろ。」
兵士が再び、強引に家に入ろうとしてきたがそれを止める。
「おい。とっとと通せ。」
「断る。」
……どうしてサヘラを探しているんだ?
こいつの言動からサヘラを狙っていることは分かった。
だが、同時にサヘラが何者なのかという疑問も生まれた。
エデュス国に狙われているなんて……あいつは何かしたのか?
とにかく今はこいつをどうにかしないと。
「大人しくしときゃ何もしない。ただ茶くらいは出してもらおうか。」
「お前に飲ませる茶なんて無い。帰ってくれ。」
「いいんだな?そんな態度を取ってよ。」
すると兵士はエデュス国の紋章を指でなぞり、自慢するかのように見せつけた。
「金を払いさえすれば今までの無礼に対し、目を瞑ってやろう。どうだ?生きていたいだろう?」
相当下に見られているな。
地位の確立に慢心か。
「お前に金を渡すなんてドブに捨ててるようなものだ。」
俺はさらに反抗的な態度を取った。
「おい!この紋章を見ただろ!たかが平民の分際で歯向かうな!」
すると奴は怒りを隠すことなく、俺の胸ぐらを掴む。
「何度も言っているが、家に入れさせる気は全く無い。」
「てめぇ……!」
兵士は右手で拳を作り、俺の頬を殴った。
「調子に乗るな!殺されたくなければ通せ!」
激昂する兵士。
……もう十分だろう。
「暴力、暴言、不法侵入──」
「あ?」
俺は殴られたときに切れた唇の端を舐め、
「正当防衛ってことでいいな?」
「な……!?」
兵士と同じように右頬を殴った。
「き、貴様……!」
「話してる暇あんの?」
続けて兵士の顔面を殴る。
上体が崩れたところで足を蹴り払い、地面へ転ばせた。
「案外手応えがないな。」
鎧を踏みつけ立てないようにした。
「─────。」
ベルが家から出てきて、やりすぎと伝えてきた。
……こうまでしないと帰ってくれそうになかったし。
「こ、こんなことをしてただで済むと思うなよ……!」
「動けないやつに何ができるんだよ。」
兵士が腰に携えていた剣を取り、鞘から抜いた。
「よ、よせ……!」
兵士の顔に狙いを定める。
「5秒以内に話せ。なんでその女を狙っている?」
「は、話す訳──」
「5───4───」
カウントダウンと共に殺意を露にしていく。
「3───2───」
「ま、待ってくれ!俺は何も知らないんだ!信じてくれ!!」
知らない……?
「上の命令だったから動いただけなんだ!本当だ!」
……兵士の焦った表情を見た感じ、嘘ではなさそうだ。
役に立たねぇ。
「ひいっ!」
俺は兵士の顔ギリギリの地面に剣を突き刺した。
「ならその上のやつっていうのはどこにいる?」
そいつから聞き出した方が早そうだ。
「う、上は……」
兵士が震える手で森の方を指差した。
その方向は街がある。
「ま、街だ……直に街へ攻め込む……」
「……それは本当なんだな?」
そう聞くと兵士は不気味な笑みを浮かべ、
「くくく……街は破壊されるだろうな……そして貴様のことも──」
言い終わる前に兵士の顔面を殴り、気絶させた。
「─────?」
ベルがどうするの?と聞いてきた。
どうする……って……
俺はベルに近づいた。
「……サヘラを街に連れていったからこうなったんだ。俺にも一定責任がある。」
ベルは悲しそうな表情を浮かべた。
そんなベルの頭を撫で、
「ちゃんと帰る。いつも通りの旨いご飯でも作って待っててくれ。」
そう言うとベルは頷き、いってらっしゃいと手振りで伝えてくれた。
俺は地面に刺さった剣と気絶させた兵士を抱え、街へと向かった。
──────────
……!
俺は木の後ろへ隠れた。
もうここまで来ているのか。
森を少し進んだだけで、数人の兵隊たちがいた。
まずいな……このままだとまた家に侵入される。
そう思っていたが、
「おい!目標が見つかったらしいぞ!街へ戻れ!」
そう言って兵士たちは一斉に山を下っていった。
これなら家に来る心配は無さそうだが、目標というのは恐らくサヘラのことだろう。
急いだ方がよさそうだ。
俺は背中の兵士を降ろし、山道の看板に縄で手首を縛って拘束しておいた。
ここなら誰かしら見つけてくれるだろう。
兵士が持っていた剣を腰に携え、身軽になった俺は全力で街へ走っていった。
森は毎日のように登っているため、素早く下るなんて朝飯前だ。
森を抜け、街が見えてきた。
目の前の光景に驚愕し、思わず立ち止まってしまった。
建物は壊され、所々で火があがっている。
これがさっきまで訪れていた街とは考えられない。
街の人々が街から離れようと、こちらに逃げてきている。
「おい!あんたも逃げた方がいい!」
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