転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百六十一話 第一試合開始!

 開会式に向けた準備も進んでいき、訓練場の舞台準備も整いました。
 いよいよ、剣技大会が始まります。
 出場選手が舞台上に並びました。

「それでは、これより剣技大会を開催いたします」

 今日の放送担当のサンディが、開会式のアナウンスを行います。
 リズもアナウンス担当だけど、今日は試合解説をメインに行います。

「生徒会長、ルーシー殿下からの挨拶です」
「皆さん、おはようございます……」

 ルーシーお姉様が出場選手を前にして挨拶をするけど、前年優勝者が並んでいる人に優勝目指して頑張って下さいはちょっと皮肉になっちゃうかも。
 それだけ、ルーシーお姉様という壁は大きいです。
 来賓挨拶では、王家のちびっこ三人が元気よく挨拶をしていました。
 こうして開会式も無事に終わり、これからウォーミングアップをして大会開始です。

「では、これより第一回戦を開始します。一回戦は、一年生代表イヨと二年生代表レシステンシア・サザビーズです」
「昨年はルーシーお姉ちゃん相手に大健闘したレシステンシアちゃんに、日頃からリズたちと手合わせをしているイヨちゃんの対戦です。いきなり、一回戦屈指の好カードですね」

 サンディとイヨのアナウンスも始まり、会場内はかなり盛り上がっています。
 因みに、今年も万が一に備えてスラちゃんが魔法障壁を展開しています。
 そんな中、舞台中央ではレシステンシアさんとイヨが本番前最後のウォーミングアップを行っています。

「「「がんばれー」」」

 王家のちびっこ三人は、両者に声援を送っていました。
 イヨの方が付き合いが長いけど、それでも両方とも知り合いだもんね。
 ティナおばあさま、軍務卿も、この対戦をとても楽しみにしています。
 それでは、いよいよ試合開始です。
 審判役の先生が、舞台中央に来ました。

「では、これから試合を開始する。両者は、ルールを守りフェアプレーを心がけること」
「「はい」」

 先生は二人に注意し、改めて距離を取りました。
 その瞬間、会場内は水を打ったように静まり返りました。

「両者、構えて」

 先生の合図に、二人とも木剣を構えました。
 レシステンシアさんは真剣な眼差しで木剣を構えており、イヨはステップを踏んでから少し脱力した感じで剣を構えていました。

「始め!」

 シュッ。

「えっ!?」

 何と、開始の合図と共に動いたイヨが、レシステンシアさんの眼前に木剣を突きつけていたのです。
 レシステンシアさんは完全に虚を突かれ、驚愕の表情のまま固まってしまいました。
 一瞬の決着に、会場内もシーンと静まり返っていました。

「勝者、イヨ」
「「「うぉー!」」」

 先生が勝利宣言をすると、今度は一転して大きな歓声が会場内を包みこみました。
 王家のちびっこ三人も、両者に一生懸命に拍手を送っています。

「これは凄い試合ですね。一瞬で決まったかのように思われているけど、短い間に激しい攻防があったのです。実は、イヨちゃんは視線も使って三つのフェイントをしていました。レシステンシアちゃんは二つまで反応していたけど、視線のフェイントに引っかかっちゃったんだよね」
「リズ様、物すごい試合を平然と解説していますね。私も、視線のフェイントに引っかかりました」

 リズは、盛り上がりながらどんなことがあったかを解説しています。
 二つ目のフェイントまで分かるサンディも、中々の腕前だと思いますよ。
 そんな中、戦い終えた二人はお互いに握手をして健闘を称えていました。

「視線のフェイントに引っかかって、重心を移した瞬間にやられました。スピードでも敵わないです」
「そんなことない。結構強かった」

 会場内も、二人に大きな拍手を送っています。
 武芸に優れている人が見れば、とんでもなく高度な試合だったもんね。
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