転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百十話 翌日はいつも通り学園です

 翌朝、僕たちはいつも通りに学園に向かいます。
 昨日はとてもいい結婚式と披露宴だったのに、最後の最後で破壊王のデス料理の対応をしないといけませんでした。
 体力的にも精神的にもちょっと疲れているので、今日は省エネモードで頑張ります。

「アレク様、おはようございます。昨日のアレク様は凄かったですわ」
「昨日は、とても素晴らしい結婚式でしたね。アレク様も、神父役に披露宴の司会と大活躍でしたね」

 教室に着くと、昨日の結婚式に参加したクラスメイトが僕たちのところに集まってきました。
 僕はかなり目立つ役目をしていたので、凄いと言ってくる令嬢が多くいました。
 もちろん、リズやスラちゃんたちもとても頑張ったもんね。

「ずっと挨拶対応していたから、とっても疲れたの……」
「その、お疲れ様です……」

 エレノアは、机に突っ伏してグッタリとしています。
 ルーカスお兄様の妹としてある意味一番大変だったので、レシステンシアさんも苦笑しながら労っていました。
 メアリも新婦のアイビー様の妹だったので、挨拶対応が続いてかなり疲れているように見えます。
 なんにせよ、国家行事も無事に終わりました。

「でも、今日はお芋のお世話もあるんだよね。ちょっと楽しみ!」

 この中では元気いっぱいのリズが、今日の予定を楽しみにしていました。
 二年生から農業体験授業が始まり、僕たちは学園の畑でサツマイモに似た芋を育てています。
 今日は草取りをして水やりをします。
 僕の屋敷の庭の一角でも野菜を育てているので、僕、リズ、サンディにとっては慣れている作業です。
 エレノアも、僕の屋敷に遊びに来た時は畑作業を手伝っています。
 でも畑作業は午前中最後の授業だから、それまでは授業中寝ないで頑張って勉強をしましょうね。

「わあ、小さい雑草がたくさん生えているね。ふふふ、ここはリズにお任せだよ!」

 僕も何とか眠気を堪えながら授業を乗り切り、運動する時の服に着替えて畑に移動します。
 天気が良いのか、芋の葉もかなり大きくなってきました。
 みんなで雑草を抜いてから、たっぷりと水をあげます。
 因みに、じょうろに水魔法で作った水を入れてまいています。
 雨みたいに水魔法で水を降らせることも可能なんだけど、農作業を体験する授業なので使用しません。
 そして、リズたちが張り切って作業するのにはある理由がありました。

「お兄ちゃんが作るスイートポテトは、とっても美味しいんだよ! お芋パイも、ほっぺたが落ちそうなくらい美味しいんだよ!」
「甘々の焼き芋も、とっても美味しいの。焼き芋専用の道具もあるんだよ」

 リズとエレノアが、僕が作る芋料理がとても美味しいと絶賛していました。
 芋を薄切りにして揚げてもとても美味しいし、色々な料理に使えるんだよね。
 そして、育てた芋はみんなで料理して食べることになっています。
 秋に収穫予定なので、みんなもとても楽しみにしていました。
 夏休みも、王都にいる人で交代しながらお世話をします。
 育てる大変さも、収穫の喜びに変わるよね。
 大変な思いをして農家さんが食べ物を作っていると知るのは、貴族にとってもとても大切なことです。
 未だに、物凄く豪勢な食事をする貴族もいるもんなあ。
 こうして、無事に授業終了です。
 生活魔法で体を綺麗にして、食堂に向かいます。

「確かに、アレクの作る料理は絶品。オカマくらい上手」

 食堂でイヨたち一年生と一緒になり、みんなで定食を食べます。
 そして、イヨも僕の料理が美味しいと絶賛していました。

「確かに、弟くんの作る炊き出しはとても美味しいよね。しかも、五歳くらいから炊き出しの手伝いをしていたんだよ」
「「「五歳で料理を……」」」

 ルーシーお姉様も、トレーを手にしながら僕たちのところに合流しました。
 そういえば、初めて炊き出しの料理を手伝った時にレイナさんとカミラさんのとんでもない料理を見たんだよね。
 すると、僕の通信用魔導具に連絡が入りました。

「ルーシーお姉様、昨日の披露宴で騒ぎを起こした二人の件で話があるそうです」

 破壊王のデス料理尋問という凄いことをした後だから、正直なところ二人がどうなっているのかとても気になります。

「私の通信用魔導具にも来たわ。エレノアとリズちゃんも、会議に参加して欲しいそうよ」
「「えー!?」」

 ルーシーお姉様の話を聞いて、エレノアとリズは聞いていないよとブーイングをしていました。
 とはいえ、二人の立場を考えるとこればかりはしょうがないと思います。
 午後は授業がないし、生徒会活動もお休みです。
 なので、早く昼食を食べて移動しないといけませんね。
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