転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百四十二話 とっても平和な仕事風景です

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 今日は、僕は普通にお仕事です。
 夏休みも半分が過ぎ、来週みんなでケイマン男爵領に行くことになっています。
 公務がない日を予定したので、王家の面々も一緒に参加する予定です。
 そのためにも、仕事を頑張って終わらせて時間を作らないとね。

 カキカキ、ペラペラ。
 ドン!

「宰相、チェックが終わりました。確認をお願いします」
「アレク君は、とても張り切っておるのう」

 いつも通り宰相の机の上に書類を置くと、宰相は思わず苦笑していました。
 とはいえ、最近はそこまで忙しくないので、処理する書類の量も少なめです。
 他の部署も特に問題は起きておらず、国内も平和なので軍も街道の害獣駆除や訓練に精を出しています。
 冒険者も普通に活動しているし、経済も停滞することはありません。

 カキカキ、ペラペラ。

「えーっと、今度は経済対策を行う領地の補助金申請っと。あっ、マロード男爵領からのものもあります」
「マロード男爵領は、王国の中でも特に発展著しい領地だ。正直なところ、経済規模は子爵領レベルだ。跡取りも問題ないというのが、領民を安心させている証拠でもある」

 マロード男爵家は、婿入りしたマイク様と子どものライアンちゃんもいて、当分は何かあってもお家断絶にはなりません。
 温泉地なので観光客も多いし、治療研究所も設置されていた。
 高原野菜栽培にも力を入れているし、大消費地のホーエンハイム辺境伯領にも接しています。
 発展するだけの余地はまだまだあるし、補助金申請しても全く問題ありません。
 マイク様が申請しただけあって内容も完璧だし、普通に許可されました。

「他の領主も、こうして積極的に領地改革をしなければならない。経済は生き物だから、常にどのように対策を進めるかを考える必要がある」

 宰相は、マイク様の申請書にサインをしながら領地経営の難しさを話していた。
 辺境伯様、ジェイド様、マイク様のように全ての領主が優秀ではない。
 中には、常に領地経営に苦しんでいるところもあった。
 僕たちもある意味国というものを動かしているので、大変さは本当に良くわかります。

「国の税収が上向いているから、貧困対策や貧しい領地への対策にお金を回すことができる。少なくとも、今年に関しては政策を問題なく実行できるだろう」

 宰相のいう通り、国としても対応は順調に進んでいます。
 他の人たちも、宰相の言葉にうんうんと頷いていますね。
 こうして順調に仕事は進み、昼食の時間となります。
 僕は、いつも通り王家の食堂に移動しました。

「「「「「疲れたよ……」」」」」

 食堂に向かうと、いつも元気な王家の子どもたちがドヨーンとしているほど疲れていますね。
 そんなに午前中の勉強が大変だったのだろうか。

「みんなで海に行くのだから、その分礼儀作法の勉強をきっちりとやったのよ」

 ティナおばあさまがなんてことないと言ったが、きっとビシバシと礼儀作法の勉強をしたんだ。
 でも、そろそろルカちゃんとエドちゃんは大勢の前に立つ式典に参加するはずだし、エリちゃんもそこそこの規模の公務に参加します。
 まあ、エレノアやルーシーお姉様は頑張ってとしか言えませんね。

「因みに、午後からはミカエルたちも王城に来て礼儀作法の訓練を行うわ。もちろん、リズちゃんたちもね」

 そういえば、今朝リズは王城でどんな勉強をするのだろうと言っていたっけ。
 ティナおばあさまは、敢えてリズにどんな勉強をするのか教えなかったんだ。
 普通に仕事のある僕としては、みんな頑張ってとしか言えませんね。
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