転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百七十二話 新年最初の冒険者活動です

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 今日はまだ冬休みというのもあり、久々に冒険者活動をすることになりました。
 仕事も昨日のうちにある程度終わらせて、今朝も通信用魔導具を使って簡単に仕事を終わらせた。
 うん、これで大丈夫。
 僕は、身支度を整えて部屋を出ました。

「お兄ちゃん、遅いよ!」
「遅いの!」

 すると、準備万端のリズとエレノアがぷりぷりしながら僕のことを待っていたのです。
 いやいや、流石にやる気あり過ぎですよ。
 エレノアたちも、やる気満々の二人を見て思わず苦笑していたのでした。

「今日は、王都での活動予定だよね?」
「そーだよ。この前、ちょうど良い依頼を見つけたんだ!」

 朝食を食べながらリズと話をしたが、この前リズが見つけた依頼で大事件が発覚した。
 なので、今回リズが見つけたという依頼もよく確認しないといけない。
 因みにエレノアも僕の屋敷で朝食を食べていて、いつの間にかルカちゃんエドちゃんにエリちゃんまでいた。
 しかも、レイカちゃんや辺境伯家の双子ちゃんまでいたのだ。
 みんな、仲良く朝食を食べながら今日は何をするのかなと話し合っていた。
 ちびっ子たちもいるのだから、安心安全な依頼を受けないと駄目だよね。
 ということで、朝食を食べ終えたらさっそく王都の冒険者ギルドに向かいます。

「大教会の孤児院のお片付け、ですか?」
「ええ、そうなんです。孤児院の一部改修が決まり、それで荷運びの人手と片付けをする人が必要だそうです」

 受付のお姉さんに話を聞くと、ある意味至極まともな依頼だった。
 指名依頼に近く、依頼主も司教様だった。
 これならみんなも安全なんだけど、一つ懸念があった。

「みんな、キチンとお片付けできるかな?」
「「「「「できるよー!」」」」」

 僕の質問にちびっ子たちは心外だと反論したが、年末の大掃除の際に勉強部屋の片付けで四苦八苦していた記憶があった。
 学園生組は何とかなっていると思うけど、ここはしっかりしているサンディに色々と頑張ってもらわないといけないかも。
 ということで、さっそくゲートで大教会に移動します。

「「「「「おはよーございます!」」」」」
「うむ、おはよう。今日は宜しく頼むぞ」

 ちびっ子たちの元気の良い挨拶に、司教様も思わずニンマリしていますね。
 シスターさんが僕たちを案内してくれるそうなので、さっそく孤児院に向かいます。

「サキちゃん、おはよー!」
「リズ様、おはようございます」

 孤児院に行くと、クラスメイトでもあるサキさんが僕たちを出迎えてくれました。
 でも、孤児院を良く見ると足場がたくさん組まれていますね。

「実は、元々部屋の増設は決まっていたのですが、その際の調査で屋根が傷んでいるところがありました。なので、一部の部屋の荷物を全て片付けて内装も直すことになったのです」

 孤児院はレンガ造りのしっかりとした建物だけど、経年劣化はどうしようもないね。
 でも、被害が大きくなる前に分かって本当に良かった。
 僕の屋敷でも、定期的に業者に頼んで外壁などを確認してもらっています。

「改装する部屋に住んでいる人たちは、工事の間はどうするのですか?」
「幸いなことに、他の部屋に少し余裕があるので問題ありません。お気遣い頂きありがとうございます」

 シスターさんの話に、僕たちは思わずホッとしました。
 流石に屋根の工事は業者にお任せだし、増設工事も同じです。
 僕たちは、僕たちの仕事を頑張らないといけないね。
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