転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十四章 三年生

千四百二十八話 ルーカスお兄様と閣僚が視察に来ました

 翌日も、早朝から僕たちはジャミング子爵領で忙しく動いていた。
 僕は引き続き屋敷の玄関前で被害の集計作業をしており、もちろんジャミング子爵も一緒だ。
 リズたちも治療を行っている中、今日はこの人が姿を現した。

「これは酷い。報告を聞くだけと、実際に被害を目にするのとは全然違う。物資だけでなく、予算的な支援もしないとならない」

 朝イチだけなんだけど、ルーカスお兄様が視察に来ていました。
 先輩であるジャミング子爵を見舞った後、実際に町に出て被害状況を確認するそうです。
 閣僚も来ると告げると、ジャミング子爵はとても助かったという表情をしていました。

「しかし、アレクは相変わらず仕事が早いな。これだけ被害状況がまとまっていれば、臨時予算の概算要求ができるぞ」
「私も、流石アレク様だと思いました。【双翼の天使様】は、事務作業にも優れているのですね」

 ルーカスお兄様とジャミング子爵は、僕が纏めた第一弾の資料を見るなり思わず苦笑していた。
 通信用魔導具経由で王城にも伝わっており、この後開かれる会議の参考資料として使われるそうです。
 ということで、僕、ルーカスお兄様、ジャミング子爵は僕のゲートで王城に向かいます。

「リズ、王城に行って会議をしてくるからね」
「分かったよ!」

 屋敷前で治療をしているリズに声をかけ、僕たちはゲートで王城に向かいました。
 王城に着くと、僕たちは会議室に案内されました。

「これはかなりの被害だ。農地なども大きな被害を受けているだろう。緊急的な財政措置を取ることにする」
「陛下、ありがとうございます」

 ジャミング子爵は、席から立ち上がって陛下に頭を下げた。
 これだけ迅速な措置をとるのも、国としては異例だそうです。

「アレクたちが、治療した人数と片付けた家を正確に報告している。魔法で直ぐに出来ることはあっても、住宅や農地の再建には時間がかかる。長期的な視点で支援をしなければならない」

 陛下の方針に、会議室にいる全員がコクリと頷きました。
 この後も幾つか話をして会議は終了となり、引き続き担当者による打ち合わせが行われる事になりました。
 ちょうどいい機会だということで、何と閣僚全員がジャミング子爵領の被害状況を確認することになりました。

「「「「「こ、これは……」」」」」

 ルーカスお兄様やジャミング子爵と共に、閣僚もゲートで連れてきました。
 最初に屋敷二階から周囲の被害状況を見てもらったけど、閣僚は地震による被害の大きさに言葉を失っていました。
 やっぱり、報告書よりも実際にこの目で被害を見てもらった方が分かりやすいよね。

「昨日は瓦礫が散乱して酷い状況でした。なので、これでもかなり町は綺麗になりました」
「そうか、そうなのか、これでもか。アレク君たちの事だから、僅か半日でもかなり動いたのだろう。こうしてはおれぬ、手分けして被害を更に確認しないとならない」

 宰相の言葉に、一気に閣僚が動き始めました。
 時間が無いので馬に乗って移動するそうだけど、それでもここで見ているよりもだいぶ違うはずです。
 ルーカスお兄様も、閣僚と共に被害の視察をするそうです。
 ではでは、僕はジャミング子爵と共に情報整理の続きをしないと。
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