転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十章 入園前準備

千三十六話 色々な処分とプリン作り

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 ということで、ガッシュ男爵家には色々な通告がされた。
 先ずは、当主が逮捕されて当主強制交代が言い渡された。
 それとともに、視察団襲撃への屋敷への強制捜査も行われた。
 不審物や外部の犯罪者とのやり取りを示すものは、予想通り屋敷からは全く見つからなかった。
 それでも、私物などは押収されたけど。
 更に、追加で問題を起こせば取り潰しになると通告した。
 もちろん、学園入園の取り消しも意味することになる。
 入園料を払わない、またはなにも手続きをしない場合は同様に学園入園の取り消しもあり得ると通告した。
 そして、夫人の実家からの諫言もあり、しぶしぶと期限当日に支払いをしたという。
 夫人の実家がガッシュ男爵家の監督に当たることになり、ある意味一件落着となった。

「夫人の実家からすれば、自分のところまで悪評の対象にされてしまう。そのことを避けたかった思惑はあるだろう。肝心のガッシュ男爵家が、どこまで言うことを聞くかは全く不透明だがな」

 宰相執務室でお菓子をもしゃもしゃと食べながら陛下が教えてくれたけど、新しい当主になった長男がどうするかがポイントですね。
 残念ながら、その長男は仕事が全くできなくて非常に評判が悪いのだけど。
 長男まで当主強制交代になったら、その時はガッシュ男爵家が潰れる時ですね。
 裁判が終わらないと賠償金が確定しないので、そこは当分待つことになります。
 さてさて、僕はナッシュさんたちと一緒に王都の五歳のイベントの話をしているのですが、ここで陛下が辺境伯領での五歳の祝いについて話をしてきた。

「やはり、ルカとエドが辺境伯領の五歳の祝いに参加したいと言ってきた。まあ予想できた話だし、このくらいなら問題ないだろう。既に辺境伯には連絡してある」
「今年は、辺境伯領でも五歳になる子がたくさんいますからね。きっと、ルカちゃんとエドちゃんも楽しめるはずです」
「将来、国の中枢を担うものたちなのは間違いない。仲良くすることは、とても良いことだ」

 ルカちゃんとエドちゃんは楽しいことが大好きだから、きっと色々な人とお友達になりそうだね。
 辺境伯家の双子ちゃんやレイカちゃんとかは王都での五歳の祝いでも一緒になるし、そちらでもきっと友達ができそうです。
 ちなみに、たくさん五歳になる子がいるので、王都の五歳の祝いは少し簡略化する予定です。
 主に挨拶関連だけどね。
 挨拶が長いと子どもは飽きちゃうから、その辺は短くするようにします。
 その分、ふれあいタイムは長めに取ることにしました。
 料理も美味しいものを用意していて、後日五歳になる面々が試食する予定です。
 そんな中、宰相執務室に五歳になる面々が勉強を終えて入ってきました。

「「「勉強終わったー!」」」
「たー!」

 絵本を読んでいたエリちゃんも一緒に入ってきたけど、リズたちもレイナさんたちが出した宿題を終わらせてやってきたみたいです。
 辺境伯家の双子ちゃんたちも、レイカちゃんたちも、一緒にやりきった表情ですね。
 そんなレイカちゃんが、僕にあることをお願いしてきました。

「あのねー、おうちのお祝いでも王都のお祝いでも、アレクおにーちゃんのプリンが食べたいなあ」
「「「食べたいなー!」」」

 みんな可愛らしくお願いしてきたけど、それって僕が三百以上のプリンを作ることになるんじゃないのかな……
 流石にちょっと無理があるんですけど。
 すると、レイカちゃんのおじいちゃんでもある宰相が余計なことを言ってきました。

「ふむ、副宰相手作りのプリンは美味だと評判だし、そのくらいなら追加予算をつけよう」
「おじーちゃん、ありがとー!」
「ははは、このくらいならなんともないぞ」

 こんな時に限って、宰相は手早く仕事を進めます。
 あっという間に予算処理をして目の前にいる陛下に書類を手渡し、陛下もささっとサインをしました。
 うん、予算としては微々たるものだけど、こうもあっさりとまさか決まっちゃうと。
 仕方ない、ある提案をしてみよう。

「じゃあ、みんなも一緒にお手伝いしようね」
「「「上手に作れないの! アレクおにーちゃんが作って!」」」

 五歳児は、一致団結して反論してきた。
 まさか、こういう芸当を身につけるとは……
 リズたちに顔を向けると、仕方ないなあって表情をしていた。
 うん、ついでだから予算もついたし特待生の面々に付き合ってもらおうを
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