転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
1,040 / 1,204
第三十三章 二年生

千二百三十六話 今年は早めの奉仕活動です

しおりを挟む
 各国の会議の翌日、僕たちは朝から大教会に来ていました。
 最近恒例になった、新規職員と共に行う奉仕活動をサポートするためです。
 僕たちも校外授業の一環で参加していて、ちびっこたちも張り切って来ていました。
 いつもならもう少し遅い時期に行うのだけど、今年はルーカスお兄様の結婚式があるので前倒しして行うことになりました。

「「じゃあ、今日は久々に料理……」」
「だあ、お前らは護衛か列の整理だろうが!」
「「「だめー!」」」

 恒例行事になってしまったカミラさんとレイナさんの料理を止めるジンさんに、遂にちびっこたちも加わってしまいました。
 僕たちの殆どが、破壊神のデス料理がとんでもないことになるって分かっています。
 二人は、スタンバイしているポニさんたちのところに行ってもらいました。

「では、今日の奉仕活動を始めます。先生や上司の言うことを聞き、私たちも住民も無事に終わるようにしましょう」
「「「はい」」」

 今日の実質的なトップのティナおばあ様が、参加する生徒や職員に訓示を行います。
 生徒は各学年のAクラスが対象になっており、Bクラス以降は別の機会に行うことになっています。
 職員の大半は学園時代に奉仕活動を経験しているけど、一部の職員は地方から来たりしているので改めて行います。

 ズルズルズル。

「ワーナーとカーラは、回復魔法使えない。私と一緒に警備をする」
「わ、分かったから引っ張らない!」
「そ、そうですわ。手を引っ張らないで下さいまし」

 あらら。
 イヨは、ワーナー君とカーラさんの手を引っ張りながらポニさんのところに向かっていますね。
 厳密に言うとイヨの従魔のミケが回復魔法を使えるけど、今日は二人の為に警備に回ったみたいだ。
 ちなみにミケはミリアが抱いていて、そのまま治療班に入るみたいです。
 治療班にはドラちゃんとリボンちゃんもスタンバイしていて、もはや誰も二匹の飛竜の存在を気にしていなかった。
 ではでは、僕はいつも通り炊き出しの準備を行います。
 炊き出しのスープの準備をしている場所に移動し、僕はアイテムボックスから包丁を取り出しました。

「えっ、アレク様が炊き出しの準備をするのですか? 双翼の天使様と称されるので、てっきり治療を行うのだと思っていたのですが……」
「あはは……初めて見れば、アレク君が料理をするなんて驚きだよね。でも、昔からアレク君は料理をしていたよ」

 僕が包丁を手に野菜を切っていると、地方から来た職員が学園を卒業して職員になった人から色々な話を聞かされていました。
 僕は普通に料理をするけど、人によっては珍しい行動なのかもしれませんね。

 シュイン、ぴかー!

「これで、背中の痛みは良くなったよ!」
「おお、体中の痛みが良くなった。流石は双翼の天使様だ」

 リズを始めとした治療班は、いち早く動き出して治療を始めていました。
 回復魔法が使えるけど自信がないって人向けにも色々と教えていて、キチンと勉強の場になっていますね。
 そんな中、予想外のことが起きていました。

「エリも悪者捕まえる!」
「グルル……」

 なんと、エリちゃんがネコちゃんに乗って勇ましく手を挙げていたのです。
 周りの人は元気のある王女様だと言っていたけど、流石に幼女のエリちゃんに無理はさせられません。
 エリちゃんが乗っているネコちゃんも、若干困ったようなリアクションをしていますね。

「ほらほら、ちびっこは教会の中に入った。お前にゃまだ早すぎるぞ」
「えー」

 すかさずジンさんがエリちゃんを止め、不満な表情を隠さないエリちゃんとホッとしているネコちゃんの対比が印象的でした。
 エリちゃんはしょぼーんとしたままネコちゃんに乗って治療班のところに向かい、お兄ちゃんのルカちゃんとエドちゃんに慰めてもらっていました。
 もしかして、王族の子どもの中でエリちゃんが一番陛下に性格が似ているのかもって思っちゃいました。
しおりを挟む
感想 288

あなたにおすすめの小説

恋人が聖女のものになりました

キムラましゅろう
恋愛
「どうして?あんなにお願いしたのに……」 聖騎士の叙任式で聖女の前に跪く恋人ライルの姿に愕然とする主人公ユラル。 それは彼が『聖女の騎士(もの)』になったという証でもあった。 聖女が持つその神聖力によって、徐々に聖女の虜となってゆくように定められた聖騎士たち。 多くの聖騎士達の妻が、恋人が、婚約者が自分を省みなくなった相手を想い、ハンカチを涙で濡らしてきたのだ。 ライルが聖女の騎士になってしまった以上、ユラルもその女性たちの仲間入りをする事となってしまうのか……? 慢性誤字脱字病患者が執筆するお話です。 従って誤字脱字が多く見られ、ご自身で脳内変換して頂く必要がございます。予めご了承下さいませ。 完全ご都合主義、ノーリアリティ、ノークオリティのお話となります。 菩薩の如き広いお心でお読みくださいませ。 小説家になろうさんでも投稿します。

元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜

☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。 しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。 「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。 書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。 だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。 高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。 本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。 その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。

とあるギルド員の事件簿Aランクパーティーを追放されたとやって来た赤魔道士の少年が実は凄腕だった件について~

東稔 雨紗霧
ファンタジー
 冒険者ギルドでカウンター業務をしていたトドロキの元へAランクパーティを追放されたと言う少年が「一人でも受けられるクエストはありますか?」とやって来た。  込み入った事情がありそうだと判断したトドロキは一先ず個室へと案内して詳しい話を聞いてみる事に。

診断書を提出してください。

ファンタジー
元々平民で人格者であった祖父が男爵位を賜ったことにより、「成金の偽善者」と陰口を叩かれるセドリック・トリエ。 それは婚約者である伯爵令嬢カテリーナ・ラドゥメグも例外ではなく、神経をすり減らす日々を送っていた。 そいてラドゥメグ伯爵家を訪れたセドリックと、父クレマンが切り出したことは……。 ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。

貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。 何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。 第一部(領地でスローライフ) 5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。 お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。 しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。 貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。 第二部(学園無双) 貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。 貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。 だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。 そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。 ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・ 学園無双の痛快コメディ カクヨムで240万PV頂いています。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。