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第十章 火山噴火

第二百十一話 責任のとり方

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 流石に夜になると、龍であっても空は飛べないという。
 しかし、瓦礫を排除して人命救助をすることはできるらしい。
 なんでも、大人の龍になると二、三日は寝なくても大丈夫だという。
 龍ってすげー。
 でも、ドラコは直ぐに寝るよな。
 まだ子どもだからだと思いたい。

 ということで、夜間帯は軍と赤龍に任せて俺達はニール子爵領に戻る。
 子ども達は救助作業で疲れたのか、直ぐに眠ってしまった。
 俺も魔法を連発して眠いのだが、カロリーナさんが目を覚ましたと言うのでお屋敷に駆けつける事に。
 対策本部に入ると、嗚咽しているメイドさんがいた。
 あれがカロリーナさんか。

「サトーです。遅くなりました」
「あっ、体調は大丈夫ですか?」
「流石に眠いですけど、カロリーナさんが起きたというので駆けつけました」

 エスメが気がついて、俺の元に駆けつけてくれた。
 そしてカロリーナさんも、こちらに気がついたみたいだ。

「カロリーナ、この人が私達の実習の受入先のライズ伯爵様。皆サトー様やサトーさんって言っているよ」
「カロリーナです。私と弟を救って頂き、本当に有難うございます」

 カロリーナさんは、俺に向かって深々とお辞儀をしてきた。
 日中の両親や嫡男の反応とは、エラく違うぞ。
 緑色のボブヘアでちょっとキツ目な目つきだけど、あの両親とは全く違う印象だ。

「カロリーナは、生まれの事で随分と悩んでいたんです。特に両親に虐げられてきたので」
「でも、結果的には両親や兄の暴走を止められなかった。弟が生まれた時も、何もすることができなかったんです」

 成程、両親の事で自身の責任を感じているんだろうな。
 挙げ句の果てに、領地を放棄して逃げたのだから。
 あと弟を生んだメイドは、産後直ぐに亡くなってしまったという。そういうのも、負い目として感じているのだろう。
 
「責任を感じるなと言うのは無責任ですが、カロリーナさんが責任を負うことはありません。全ては騒動を発生させた者が負うべきです」
「しかし、それでは」
「後は騒動を収められる者に任して下さい。カロリーナさんは、カロリーナさんができることを精一杯やればいいのです」
「そうだよ! 私達もいるし、カロリーナが全て背負う必要はないよ」
「サトー様、エスメ。本当に有難うございます」

 これで少しはカロリーナさんの気が晴れたかな。
 カロリーナさんはエスメと一緒に寝るという。
 カロリーナの弟は、マリリさんが面倒を見ているから大丈夫。
 俺も、もう寝よう。
 流石に限界だ。
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