格闘系治癒師の異世界冒険者録

藤なごみ

文字の大きさ
20 / 21
第一章 新人冒険者

第二十話 市場の屋台での朝食

しおりを挟む
 翌朝、私は昨日と同じ時間に起きて魔法の訓練と冒険者ギルドに向かいます。
 午後は新人冒険者向けの講習の補助をしないといけないので、午前中を使って薬草採取をする予定です。
 因みに、朝食は昨日ブライアンさんに教えて貰った市場の屋台で食べます。

「あれ? 薬草採取の依頼書がないよ」

 冒険者ギルドに着いて依頼掲示板に向かったが、何故か薬草採取の依頼書がなかった。
 うーんどこにあるのだろうかとグミちゃんと一緒に探したら、依頼掲示板の隣りにある常設掲示板ってところに紙が張り出してあった。

「なになに? 『この掲示板の依頼を受けたい場合は、受付で申し出て下さい』って書いてある。と言うことは、受付に申し出れば良いんだ」

 他にも、幾つかの依頼が常設依頼として掲示してあった。
 どれも初心者が行うような依頼で、街の清掃や特定の魔物の討伐も張り出されていた。
 なにはともあれ、まずは受付で色々と聞いてみよう。
 私は沢山の人が並んでいる列の後ろについて、周りを見回しました。

「やっぱり、朝だから沢山の人が依頼書を持って並んでいるね」

 列に並んでいる冒険者が自分にあった依頼書を持っているけど、こういうのは早い者順なんだ。
 どんな依頼が多いのか、今度時間があった時に見てみよう。
 そうこうしている内に、私の順番になりました。

「おはようございます、薬草採取の依頼を受けたいのですが」
「畏まりました。では、冒険者カードの提出をお願いします」

 私は、受付のお姉さんに冒険者カードを手渡します。
 受付のお姉さんは、私から受け取った冒険者カードを魔導具に通してカタカタと処理を行います。

「受付が完了しました。マイさんは午後に指名依頼がありますので、早めに冒険者ギルドに戻ってきて下さい」
「分かりました」
「薬草採取の際に倒した動物や魔物は、薬草と共に提出して下さい」

 そっか、薬草を採るために森に入るから、何かしらの動物や魔物が出てくるかもしれない。
 私は受付のお姉さんの注意を肝に銘じて、冒険者ギルドを後にしました。

「探索魔法とか出来たら、直ぐに周囲の状況が分かるよね」

 私は、街を歩きながらグミちゃんと周囲の確認方法について話しました。
 探索魔法ってものがあるのは朝の訓練の時にグミちゃんに教えて貰ったけど、私の魔法の技量じゃまだ探索魔法は使えません。
 その代わりに、直感というか武道をしていたからなのか人よりも勘が鋭いらしいです。
 グミちゃんも周囲の状況が分かるそうなので、私の勘と共に二段階で対応します。
 でも腹が減っては戦はできないので、ここは美味しい朝食を食べましょう。
 ということで、良い匂いのする市場に無事に到着しました。
 どの屋台もとても美味しそうな予感がするけど、ちょっとボリュームがある。
 まあ、残しても魔法袋に入れておいて後で食べればいいやと考える事にした。
 私は、お肉を野菜とパンではさんだ惣菜パンを売っているお店に並んだ。

「いらっしゃい、一つでいいかい?」
「えっと、二つ下さい」
「あいよ、ちょっとまちな」

 愛想の良いおっちゃんにお金を渡して、私とグミちゃんの分の惣菜パンを買います。
 さてさて、味はどうかな?
 私は、歩きながら味を楽しみます。

「うん、ちょっと濃いめの味付けのお肉に、野菜とパンがよく合う。ジュースも良い感じだね」

 別の屋台でフルーツジュースを頼んで、グミちゃんと共に惣菜パンを食べます。
 私的には当たりの味付けで、グミちゃんも満足そうに惣菜パンを食べています。
 量が多いかなと思ったけど、あっという間に完食しちゃいました。

「思ったよりも、ずっと美味しかったね。明日は、別の屋台で売っている朝食を食べてみようか」

 防壁の門で外に出る手続きをして近くの森に向かう途中、私はグミちゃんと明日の朝食について話していました。
 グミちゃんは、もう少しボリュームがあっても大丈夫みたいです。
 美味しい朝食を食べる為に、頑張ってお金を稼がないと。
 そのためには、沢山の薬草を採らないといけないね。
 街から街道沿いに歩く事五分、私とグミちゃんは目的の森に到着しました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

転生幼女アイリスと虹の女神

紺野たくみ
ファンタジー
地球末期。パーソナルデータとなって仮想空間で暮らす人類を管理するAI、システム・イリスは、21世紀の女子高生アイドル『月宮アリス』及びニューヨークの営業ウーマン『イリス・マクギリス』としての前世の記憶を持っていた。地球が滅びた後、彼女は『虹の女神』に異世界転生へと誘われる。 エルレーン公国首都シ・イル・リリヤに豪商ラゼル家の一人娘として生まれたアイリスは虹の女神『スゥエ』のお気に入りで『先祖還り』と呼ばれる前世の記憶持ち。優しい父母、叔父エステリオ・アウル、妖精たちに守られている。 三歳の『魔力診』で保有魔力が規格外に大きいと判明。魔導師協会の長『漆黒の魔法使いカルナック』や『深緑のコマラパ』老師に見込まれる。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...