小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十二章 再びの帝国との紛争

第八百七十五話 シークレア子爵領に到着しました

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 翌朝、ディフェンダーズ伯爵家の屋敷を出発すると、僕たちを乗せた馬車は領都郊外で軍と合流します。
 ジェリーさんたちと話をするけど、ディフェンダーズ伯爵領の国境もとても平和だったそうです。
 本当はジェリーさんたちの乗る馬車がいいなと思ったけど、僕はチャーリーさんたちの乗る馬車にいないといけないそうです。
 ムギちゃんとソラちゃんは、ちゃっかりとジェリーさんたちのいる馬車に乗っていました。

「流石に、レオ君は貴族なのだからそれなりの対応はしないといけないよ。軍事行動だったら宮廷魔導師としてうごくけどね」

 チャーリーさんが、思わず苦笑しながら説明してくれました。
 しかも、僕は停戦交渉担当でもあるので余計に堂々としないといけないみたいです。
 うう、そこまでしなくてもいいのではと、一瞬思っちゃいました。
 そして、夕方前には無事にシークレア子爵領に到着しました。
 流石にムギちゃんとソラちゃんは僕のところに戻ってきたけど、ジェリーさんやアイリーンさんは海軍の基地に向かっちゃいました。
 僕たちは、シークレア子爵家の屋敷の応接室に案内されました。

「レオ君は『黒髪の天使様』ですし、国を救った英雄でもありますわ。だから、一番格のある馬車に乗るのは当たり前ですわ」
「あー」

 ちょっと大きくなったミーナちゃんを抱きながら、ライサさんは力強く熱弁していました。
 流石に国を救った英雄ってのは言い過ぎな気がします。
 と思ったら、チャーリーさんとブランドルさんがいいことを思いついたと、通信用魔導具を取り出して操作し始めたのです。

「『救国の天使様』という、新しい二つ名を提案しても良いだろう。実際に、流行していた病気の対策で王国のみならず帝国も救ったのだからな」
「陛下や他の官僚もかなり乗り気だ。今までの功績を考えると、レオ君が『救国の天使様』と言われても何も問題はない」

 ああああ……
 いきなり、僕の手が届かないレベルの話になっちゃいました。
 でも、ライサさんはそのくらい当たり前だと言っています。

「敵味方関係なく施しをする姿は、まさに『救国の天使様』そのものです。明日、教会に行って話をしてきます!」
「うにゅ?」

 ミーナちゃんは、拳をキュッと握りしめるライサさんのことを不思議そうに見上げていました。
 そして、この人も全く問題ないと言っています。

「きっと、レオ君のことをよく知っている冒険者も、新しい二つ名を聞いても問題ないというだろう。ついでだから、ザンギエフたちを呼んでみよう」

 セルゲイさんは、直ぐに執事に指示をだしました。
 そして、僕も一緒に屋敷の門のところで待つことにしました。

「あー、レオの活躍を考えると全く問題ない二つ名だな。というか、お館様の奥様が考えなくても、どこかの誰かが考えそうだぞ」
「それに、私たちならレオ君ならそのくらいはするって分かりますけど、他の人たちからするとにわかには信じられないことですよ。実際に、色々な意味で国を救っているのは間違いないですし」

 ザンギエフさんとダリアさんも、新しい二つ名のことを全く否定しませんでした。
 集まってきた他の人たちも、うんうんと頷いていました。

「そういえば、レオは自分が建造に携わった母艦で反逆者を捕らえたんだよな。そう考えると、俺たちも『救国の天使様』の手助けをしたって訳だ」
「初めてレオ君に会った頃の話ですね。そう考えると、私たちもレオ君の伝説の一部に携われてとても嬉しいわ」

 ザンギエフさんとダリアさん曰く、僕とシロちゃんが一生懸命材料を作った軍の母艦でベーベル子爵を捕まえたのがとてつもなく有名な話になっているそうです。
 港町の誇りだと、みんなが喜んでくれているそうです。

「それもあるから、シークレア子爵領の連中は新しい二つ名を聞いても直ぐに納得するぞ」
「是非、町の人にレオ君の新しい二つ名を聞かせてあげたいですわ」

 そして、ザンギエフさんとダリアさんは嬉々として町に戻って行きました。
 もう、あの二人を止めることはできないですね。

「ふふ、シークレア子爵領の町の人はみんなレオ君のことが好きなのですよ。さあ、夕食ができたので屋敷に戻りましょう」
「あー!」

 とても良い笑顔のライサさんの後をついていきます。
 なんというか、かなり大層な二つ名ができちゃいました。
 シロちゃんたちも、特に問題ないって言っていました。
 そして、この日の夜の酒場などで、シークレア子爵領の町の人に一気に新しい二つ名が広まっちゃいました。
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