小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

文字の大きさ
109 / 678
第六章 バーボルド伯爵領

第四百十二話 王都に向けて出発

しおりを挟む
 昼食後は、準備をして玄関に並びます。
 今度は、僕がフランソワーズ公爵家のところに並びました。
 そして、バーボルド伯爵家の人々に挨拶をします。

「一ヶ月間、お世話になりました」
「こちらこそ、色々と世話になった」
「直ぐに依頼で来るだろうが、元気で過ごすんだよ」

 僕はペコリと頭を下げてから、ネストさんとダンビルさんと握手をしました。
 更に、イストワールさんとシャンティさんとハグをしました。
 そして、フランソワーズ公爵家の馬車に乗り込みました。

「ありがとうございました!」
「「「「元気で」」」」

 僕は、馬車の窓からバーボルド伯爵家の人々に手を振りました。
 また直ぐ来る予定なので、バイバイは言いませんでした。
 そして馬車は順調に進み、バーボルド伯爵領の街から街道に進みました。

「すー、すー」
「ふしゅー、ふしゅー」

 すると、街道に出て直ぐにクリスちゃんとクリスちゃんが抱っこしているユキちゃんがお昼寝を始めちゃいました。
 一人と一頭が抱き合って寝ていて、とっても可愛いですね。

「ふふ、クリスはレオ君に会うのが楽しみで、朝早く起きていたのよ」
「そうなんですね。僕はクリスちゃんとは王都で会うと思っていたので、いつも通りに起きました」
「レオ君は、本当にしっかりしているわね。旅では、前日にしっかりと寝るのが基本ね」

 ターニャさんがクリスちゃんとユキちゃんを膝枕して頭を優しく撫でていたけど、僕も旅をする時はいつも早く起きていたもんね。
 あっ、あの事をギルバートさんに確認しないと。

「ギルバートさん、一週間前に街道でオオカミ型の魔物が出たみたいですけど、行きは大丈夫でした?」
「問題なかったよ。バーボルド伯爵からも報告を受けていたから、念の為に護衛は増やしているがね」

 良かった。
 対策をしているみたいだし、何かあっても僕とシロちゃんがいるもんね。
 でも、別のトラブルが発生しました。

「お館様、貴族の馬車を盗賊が襲っております」
「確認した。行けるものは行ってくれ」
「「「はっ!」」」

 ちょうど王都まであと一時間というところで、貴族の馬車が襲撃されているところに遭遇しました。
 すると、シロちゃんがぴょーんと騎馬隊の馬に飛び乗りました。
 シロちゃんも、護衛の騎馬隊と一緒に現場に行くみたいですね。

「念の為に、馬車に魔法障壁を展開します」
「おお、頼む。レオ君の魔法障壁を打ち破る者は、横黒には殆どいないだろう」

 ギルバートさんの許可も貰ったので、僕は馬車を取り囲むように魔法障壁を展開します。
 その間に、騎馬隊が盗賊に襲われている馬車に追いつきました。

 ズドーン、ズドーン、ズドーン。

「ほほう、これは凄いのう」

 魔法障壁を展開しているので馬車の窓を開けても大丈夫なんだけど、シロちゃんの聖魔法が派手に炸裂していますね。
 もしかしたら、敢えて派手に魔法を撃っているのかもしれません。
 僕達の馬車が到着する頃には、盗賊は全員捕まっていました。

「念の為に探索魔法をかけます。あっ、街道の茂みに誰かいます」
「よし、数人で確認する様に」
「「「はっ」」」

 茂みにも誰か隠れていたけど、あっという間に捕まりました。
 フランソワーズ公爵家の護衛って、とっても強いんですね。
 その時、僕はとある事に気が付きました。
 急いで馬車から駆け下ります。

「シロちゃん、合体魔法を使おう!」

 馬車を引く馬と馬車の護衛が切られていて、かなりの重傷を負っていました。
 放置すれば、間違いなく死んじゃいます。

 シュイン、シュイン、シュイン、ぴかー!

 僕とシロちゃんは、順番に怪我人と馬を治療していきました。
 こうして、周囲の確認が終わった頃には怪我人の治療も済ませました。
 周囲の安全も確認できたところで、ギルバートさんも馬車から降りてきました。
 ターニャさんは、未だにクリスちゃんとユキちゃんがお昼寝中なので馬車の中に乗っています。

「報告いたします。盗賊は十名で、全て捕らえました。その、レオ様のスライムがあっという間に盗賊の懐に潜り込み、一気に昏倒させました」
「そうか、ご苦労。怪我人も治療できたみたいだな」

 ギルバートさんも、上手く盗賊を制圧できて満足そうに深く頷いていた。
 そして、馬車の中から中年の夫婦が降りてきた。
 この馬車に乗っていた貴族夫婦ですね。
 ギルバートさんも、直ぐにどの貴族か気がついたみたいです。

「これはこれは、ブランフォード卿ではないか。ご無事で何よりだ」
「フランソワーズ卿、助けて頂き感謝する。この人数が一気に奇襲し、かなり不利だった」

 男性は少し白髪の混じった赤髪で、女性は薄いグリーンの髪でした。
 あれ?
 ギルバードさんが、男性をブランフォード卿って言ったけど、もしかして……

「あの、横から失礼します。もしかしてライサさんのお父様ですか?」
「おお、ライサは私の末の娘だ。うん? 君はもしかして……」

 どうやら、男性は僕の存在に気がついたみたいです。
 でも、ギルバートさんが僕の事を紹介してくれました。

「この子は、レオ君だ。『黒髪の魔術師』もしくは『黒髪の天使様』と言った方が、分かりやすいかな?」
「その、シークレア子爵領でライサさんにお世話になりました」
「「黒髪の天使様! あの奇跡を起こされるという!」」

 あ、あれ?
 僕としてはライサさんのご両親だからもっと気楽に接することができるかなと思ったら、何故かブランフォード子爵夫妻は膝を着いて手を組んで祈り始めちゃった。
 突然の事で、僕もシロちゃんも思わずぽかーんとしちゃいました。
しおりを挟む
感想 197

あなたにおすすめの小説

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。